TBS・MBS系で29日深夜に生中継した、サッカーW杯決勝トーナメント1回戦、日本×パラグアイ戦の平均視聴率が57・3%(関東地区、延長前半13分まで)だったことが30日、ビデオリサーチの調べで分かった。TBSにとっては1951年の開局以来、過去の全放送番組で最高視聴率を記録する歴史的な放送となった。瞬間最高は64・9%で、前半ロスタイムのシーンだった。また、関西地区でも53・5%を記録し、放送したMBSにとっても同局歴代最高となった。
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岡田ジャパンにとって無念のラストマッチとなり、列島が悔し涙を流したパラグアイ戦が、深夜に驚異的な高視聴率をたたき出した。平均57・3%(午後10時40分〜午前1時09分)は、W杯南アフリカ大会中継で最高の数字。瞬間最高は午後11時46分の64・9%で、スコアレスのまま迎えた前半ロスタイムだった。
TBSが念願のW杯日本戦初中継で記録した「57・3%」は、同局史上過去最高の視聴率。これまでの最高だった72年12月21日の、水前寺清子らが出演したドラマ「ありがとう」の56・3%を抜いて、来年迎える開局60周年に花を添えた。
もともとTBSが日本戦を中継できたのは“棚ぼた”だった。昨年12月に行われた民放の放送試合を決める抽選会で、先に選択権があったフジテレビが日本の進出は難しいと判断した決勝トーナメントを回避。残り福が、TBSに社史に残る最高視聴率をもたらした。
パラグアイ戦を実況した同局の土井敏之アナウンサー(39)は、担当した13戦目の日本代表戦で初黒星を喫したが、「サッカーを愛してくれる方々、つまり結果だけではなく試合すべてをご覧になっていただいた方々が、いかに多かったことの証左だと思います」と感激していた。
なお、これまでのW杯中継での平均視聴率最高はフジテレビが放送した2002年日韓大会の日本対ロシア戦の66・1%(関東地区)となっている。