1日午後0時40分ごろ、福岡市中央区笹丘1丁目のパチンコ店駐車場近くにいた人から「駐車場で男が女性を羽交い締めにしている」と110番通報があった。男はアイスピックのような物で女性の背中などを数回刺し、軽乗用車で逃走。福岡県警のパトカーが車を発見して追跡したが、男は途中、通行中の自転車をはねるなどして逃走を続け、事件現場から約7キロ離れた同市西区の団地から飛び降りて死亡した。県警によると、女性は2週間のけが。
中央署によると、刺されたのは県内在住でフィリピン国籍の無職女性(25)。死亡したのは福岡県糸島市志摩岐志、職業不詳広永久光容疑者(59)。同署は被疑者死亡のまま殺人未遂などの疑いで書類送検する方針。
女性のパスポートには広永容疑者の名前が配偶者名として記載してあった。女性は「夫から刺された」と話していることから、同署は2人が婚姻関係にあったとみている。
現場にいた男性によると、駐車場で男女がもめていて、男はポケットから取り出した物で女性を4回ほど刺したという。男は「夫婦げんかだ」と話し、女性の首にナイフを近づけたが、男性が引き離すと車で逃げたらしい。
西署のパトカーが同日午後1時10分ごろ、福岡市西区橋本2丁目で男の車を発見。車は同区戸切1丁目で自転車に衝突し、さらに同区壱岐団地で検問中の同署地域課員のバイクと接触後、近くに車を放置して男が逃げた。その後、団地の4階と5階の間の階段踊り場から男が飛び降りた。自転車の男性は肩などに軽傷を負った。
女性は「2カ月前から別居していた。事件当時は広永容疑者にたまたま見つかった」と話しているという。