図南丸出航の日、造船所が見える青木の鼻から横山海岸には、市内の生徒五千人をはじめとして多くの市民が集まり、日の丸の小旗を振って図南丸を見送りました。 ドックを出た図南丸は、小旗を振る市民の前まで曳航されてから、相生湾を南下しました。生徒たちは、この日のために作曲された南氷洋捕鯨の歌を歌い、図南丸を見送りました。 南氷洋捕鯨の歌 作詞土岐善麿 作曲 堀内敬三 時は来たれり 菊日和 壮途輝く 黒潮や 赤道遠く希望を乗せて 船団浪を衝きゆくところ 祖国よ今ぞ栄えあれ 踊る巨体に 雲晴れて 意気も鋭く放つ銛 南氷洋のしぶきの中に 歌声高くロープを曳いて 感謝に仰ぐ十字星 運ぶ航路は 三千里 見ずや この肉この油 無限の宝庫開いてここに 日本水産使命は新た 世界の前に誇るべし 日本水産の船団が出港するとき、社歌とともにこの曲を流して士気高揚を計った。 図南丸竣工記念絵葉書 松田汽船提供 |