「プレジデント」7月19日号
http://www.president.co.jp/pre/
「天下の愚策!東京都の「マンガ狩り」を嗤う」
6月16日に最終日を迎えた東京都議会。
口汚く野次を飛ばす都議たちの姿は、
子どもには見せられないものだった――。
(「プレジデント」7月19日号177P、青木理氏の記事より)
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青少年の健全育成を目的としたこの条例は、
いかがわしい本の規制を考えるだけのものではなく、
「自分の気に入らない作品を自由に規制できる」ような危険性があった。
この条例が通ってしまうと、どんなマンガを描いていても、
見る人が「気に入らない」と思うだけで簡単に規制を受けてしまう。
そのため、大手出版社や有名漫画化だけでなく、
創作活動に携わる数多くの人々が反対運動を行っていた。
そんな「言論統制条例」と言っても差し支えないぐらい問題のある条例が、
つい数週間前、6月16日の都議会本会議に審議されたのだが、
どうもその時の与党議員の態度が酷かったらしい。
以下、「プレジデント」7月19日号(発売日は6月28日)青木理氏の記事から、
問題の議会の内容について書かれた部分を抜粋する。
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>注目を集めた条例改正案は結局、6月16日の都議会本会議で否決された。
>しかし、それは極めて僅差の採決だった。
>賛成は都議会の与党・自民党と公明党で、合計議席数は61。
>反対の野党・民主党と共産党の合計議席数も61であり、
>3議席を持つ「生活者ネットワーク」が反対に回ったことによる辛うじての否決だった。
>その議場では劣勢に立たされた与党席から酷い野次が飛び、
>改正案への反対討論を行う女性都議に愚劣な罵声が浴びせられる始末だった。
>「子どもの敵!」
>「お前、痴漢されて喜んでるんだろっ!」
>少なくとも私の目には、それが「表現の自由」を踏み越えてまで
>「青少年の健全育成」を目指すに値する姿には見えなかった。
>しかし、「表現者」でもあるはずの石原慎太郎知事は
>「目的は間違っていない。何度でもやる」と言い放ち、
>9月の都議会定例会に改正案を再上程する考えを示している。
>波紋はまだまだ収まりそうもない。
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記事を読んでいて思ったのだが、これほどひどい野次も珍しい。
子供の人権を叫びながら、目の前で話している人の人権を蔑ろにするその発言は、
「俺は人種差別と黒人が大嫌いだ」のようなブラックジョークにすら感じる。
この野次を誰が飛ばしたのかは分からないが、
そもそもこんな発言が飛び出す時点で、反対派の主張を全く聞いていないフシがあるし、
規制反対派の理由が「児童ポルノマンガを読めなくなるから」だけだと思っているフシもある。
そんな自分の無知を自覚もせずに、女性蔑視、セクハラもいい所のこの発言。
ああ、俺の大好きなマンガ文化の行く末は、こんな奴らに議論されているのか・・・