岩泉の氷渡洞が閉洞の方針 客足、収入減が響く


 岩泉町は9日、同町安家の氷渡(すがわたり)探検洞〔氷渡(しがわたり)洞、総延長約6千メートル〕を11月から閉洞する条例案を町議会6月定例会に提案した。入洞者が少なく、費用対効果が見込めないほか、町設定ルート以外の安全性が確保されないことを理由に挙げている。

 町は1993年度から氷渡洞探検洞として一般公開し、入り口から約500メートルまでを案内人付きで探検するツアーを実施していた。99年には周辺にバンガローや研修施設を整備した。

 2006年度からは、指定管理者の岩泉総合観光が探検洞やバンガロー、研修施設などを管理している。

 同社への指定管理料は約881万円だが、入洞料などの収入は約229万円と採算が合わず、ピークの07年度に約1600人だった入洞者は09年度に678人まで減少した。

 町が設定するルートとは別の坪沢穴からの入洞者に対して安全性の確保も不十分という。

 バンガローや研修施設などは、11月から来年3月末まで町が直営管理し、4月以降は新たな指定管理者が管理する。指定管理料は大幅に見直される見通し。

 伊達勝身町長は「町のルートに危険性はないが、別のルートから事故が起こることも考えられる。ほかの安家地域振興策を考えたい」と語る。

【写真=10月末で閉洞する条例案が提案された氷渡探検洞】

(2010/06/10)

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