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[19789] 半人三人(東方Project、半オリキャラあり)
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/06/30 23:31
注意書き

これは東方の二次創作です。

ある程度東方を知っていないと訳がわからないかもしれません

多分、百合はありません。

そして、話の展開ではどうなるか解りませんが、半人と言っても妖夢はでてきません。

半オリジナルキャラが出てきます。

キャラの口調や、性格が原作と違う場合がありますが、それは作者の力不足という使用です。

初めてなので至らないことも多々あると思います。




以上のことが許せる方は先にお進みください



[19789] 第一話 人と妖怪の境目
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/07/01 15:58
第一話 人と妖怪の境目

きっかけは、宝船の騒動が落ち着いて、一ヶ月ほどたったの日のこと、
僕こと森近霖之助が
魔理沙のツテで新しい常連となった、河城にとりとの会話をしていたときであった。


「にとり、二ヶ月前にもらった胡瓜の事なんだがなんだか色がおかしいんだ。
何というか、色が赤みがかかっているというか。」
たくさん作ったら河童との交渉用に確保しておこうと思ったのだが、
「ああ、店主には赤胡瓜の種をあげたからね」
赤胡瓜?
聞いたことのない名前だ、新しい胡瓜の品種だろうか。
「君は、胡瓜より赤胡瓜の方が好きなのかい」
「いやわたしは、青い胡瓜の方がいいね、赤いのも食べなくはないけど、偶にしか食べないね」
「どうしてそんなものを渡したんだい?」
「河童の中には、赤河童と言うのがいてね、そいつらの大好物なのさ。
赤胡瓜は育てているところが少ないから、赤河童と交渉するなら、これが一番だね。」

赤河童

遠野の赤河童か、

遠野物語の59話
他の土地の河童は青いと言うが、遠野の河童は顔が赤い

と言う感じだったはずだ

「それで、赤河童は何処にいるんだい。」
「それが、赤河童は数が少なくてね、住処も良く解っていないんだ。」
この流れは、そう言うことか、
「はぁ・・・、つまりその赤河童を連れてくるから、商品をくれと」
「話が早いね店主、連れてくるのは・・・まあ、何とかしよう。
じゃあ、ちょっと、待っててもう目星はつけてるからさ」

つまり、二ヶ月前からこのことを考えていたと言うことだろう、
なんと気の長いことだ、

いや、妖怪だから長いことはない、むしろ短いぐらいだ、

しばらくすると、にとりがぱたぱたと戻ってきた。

「埃が立つから、走るのはやめてくれないか。」
「掃除をしていない店主が悪いんじゃないか。」
「服屋には服屋の、道具屋には道具屋の雰囲気ってものがあるのさ、
道具屋には埃が少しぐらいある方が趣があるんだ。
それに、少しは掃除している。
そんなことより何を選んできたのかな。」
「そうだよ、店主これこれ!」
にとりの手にあったのは魔界ウォーズと言うタイトルに、二丁拳銃の女の子が描かれた箱だった。

「名前はゲームソフト、
用途は遊ぶために使う、だね。
それならたくさん流れ着いてきたから一つぐらい話いいよ。
でも、何に使うんだい。」

にとりは、目を爛々に輝かせて

「この前拾った、
でーぶいでーぷれいやーとやらを、分解してみるとちょうど丸い何かを入れる窪みがあってね、
これの中身と、ちょうど同じ大きさだからこれを入れると何かが起きると思うんだよ!
店主、どう思う?」

「僕は、これを術符だと思っている、この形のものはたくさんあったんだが、
セキュリティソフトというものに、コンピュータウィルスを退治する、と言うものがあってね。
コンピュータとは、電気とやらを使う外の世界の式神だ。
そして、コンピュータウィルスとは、何か解らないが、
コンピュータのウイルス、つまり、式神の病原菌、つまり、式神を倒すものだと解る。
つまり、セキュリティソフトとは、式符だと思うんだ、
これも、電気を使うと思うから動かせないんだが、
まあ、結論から言うと、現代式の術符じゃないかと思っている。」

にとりの方を見るとどうやら黙っている。
一気に話しすぎたか、

「それは、おもしろい説だね店主、
わたしも、わたしの説と、平行して調べてみるよ。」

どうやら、興味を持ってくれたらしい、霊夢や魔理沙も、これぐらいちゃんと聞いてくれればいいのだが。

「おっともうこんな時間だ、
もう帰らないと、」

窓を見るともう茜色の空になってきている。

「そうだね、それと、赤河童によろしく頼む。」
「あっと、忘れてたその赤河童の子、ちょっと変わってるから注意してね。」
「なれてるよ。」

だいたい、妖怪少女やメイドや魔女や巫女、常連になる人の方が変わっている。
これで慣れてない方が可笑しい、
・・・まあ考えても空しくなるだけだけど。
「(性格的なことではなく、身体的なことなんだけど)
・・・えっとその子、他の河童から避けられているから。」

ふむ、考えが異端なんだろうか、
まあ、その話題は避けることにしよう。

「じゃあ、一週間後に連れてくるからね。」





一週間後
「河城みとりです、にとりの姉です。」

赤い髪に赤い服、すべてを拒絶するような目をしている少女は、

赤河童の半人半妖だった。



[19789] 第二話 妖怪側の半人
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/07/01 16:00
第二話 妖怪側の半人


河城みとり

にとりの異母姉妹

地に潜む紅い怨念

あらゆるものを禁止する程度の能力


まだ僕は彼女に対する事をほとんど知らず、只の同じ生まれながらにしての半人半妖を見ていた。
ここが、歓迎することも、自分の店であることも、

忘れて、

「河城みとり、にとりの姉です。」

意識が戻される

「こんにちわ、僕はこの香霖堂の店主の森近霖之助だ。
よろしく、きみと「嘘をつくことを【禁止】する」

みとりは僕の言葉を遮り言った。

「なにを・・・」
「もう一度自己紹介して」

彼女に言われるままもう一度自己紹介する。

「僕はこの香霖堂の店主・・・・・・」

おかしいこの先が言えない

「何をした!」

「私の能力【あらゆるものを禁止する程度の能力】
動くことを【禁止】する、
拒むことを【禁止】する、さあ、自己紹介して」

「僕はこの香霖堂の・・・店主・・・」

口が勝手に動く

「今は、・・・森近霖之助だ」
「訳ありか、
嘘はついていないみたいね。」

やっと止まった。
禁止されていなければある程度変更はきくようだ

「もういいだろ、能力を解除してくれ。」
「まだよ、抵抗することを【禁止】する
さあ、私を呼び出した目的は何?」

「河童の技術や発明品と赤胡瓜を交換しようと思ったが、
いまは、同じ半人半妖である君に興味がある。」

「ふーん、もういいわ、」

と言うと同時に僕は倒れる。

「ずいぶん穏やかじゃない。、」
「私、地底から来たものですから。」
「おかしいな、地底の妖怪は異変が終わってからは友好的と聞いたんだが。」
「すいません、私地底の半人半妖ですから。」

「君は言葉遊びが好きだな!」
「あら店主さんほどではありませんよ、
なんなら、あなたの昔の名前大声で叫ばせてもいいんですよ。」

「・・・ないよ。」
「は?」
「だから、昔の名前さ。」

そのとき僕がどう思っていたかも知らないが、
僕は、彼女の心を傷つけようとしていたのだろう。

「僕の父親であろう屑から聞いたんだが、
僕の母親は、何処かから攫われた妖怪のおもちゃで人間だった、
母親は必死に隠していたのだが、父親に見つかって腹を割って、僕を出されて死んだ、
死んだのを見ると、父親は飽きたのか、僕を投げ捨てた!」

父親が時間稼ぎのためについた嘘かもしれないが、半人半妖の出生などそんなものだ、
愛情を持って育てられることなどないだろう、
明らかに人とは違うのだから、

「運がよかったのか悪かったのか、仮にも妖怪の血が混じっているからね、
未熟児のまま成長することができた、
能力が中途半端になっていたり、
空を飛ぶことができなかったり、
人よりは強いが妖怪にはほど遠く及ばない身体能力になってしまった」

僕は何を求めているのだろう
哀れみ、同情、心配

「それでも妖怪でないから、人を襲って退治されると言うこともなかった、
人でないから、妖怪に襲われることはなかった、
人でも妖怪でもないから、何も食べずに生きていけた。」

ぼくは、何も帰ってこないのを確認すると。

「ずいぶん、つまらない話をしてしまったようだね」

「いっいや!」

僕は、机の下から交渉用に持っていた赤胡瓜を全て取り出すと、

「これは、話を聞いてくれたお礼だ。」

いや、傷つけてしまったお詫びだろう。
みとりに渡す。

「それでは、さようなら。」

またあわないことを願う

「あの、また来ます。」



その日、僕は柄にもなく深酒をして寝た



--後書き--
一端、これでみとりは置いといて、
人間側の半人の話に移ります。
もちろん、オリキャラではなく、あの半人です。


霖之助の過去話が大変でした。
一応、設定を崩さないように書けたと思います。

後、誤字脱字などございましたら、感想板の方にお願いします



[19789] 第三話 人間側の半人
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/07/01 16:01
第三話 人間側の半人

みとりが来た日から三日後、
僕は人里に来ていた、
食料の買い出しと、霧雨道具店に顔を出しに行ったからだ、

霧雨道具店には三ヶ月に一度顔を出している、半妖の僕にしてみれば、
結構早い頻度なんだが、霧雨の親父さんにとっては遅すぎる様だ。
「三ヶ月あれば、一商売終えてその精算まで終わらせている所」らしい。

主に話すことと言えば、四季の挨拶と店の経営、兄弟弟子の話などだ、
ちょうど、兄弟弟子の話を終えた所で、ちょうど、霧雨の親父さんが、
さりげなく娘の話を聞いてくる、という感じで魔理沙の近況を話しているのだった。
奥さんに言わせれば、そこがかわいいところ、らしい、
頑固親父の家出娘に対する心境といった所か、
まったく、どっちも素直じゃない。
まあ、そんな所もあって、
前まで、半年に一回だった訪問が三ヶ月見一回になっている理由である。

その後、茶葉などのは買い出しを終え、帰路につこうとしている時、
彼女にで立ったのであった、

上白沢慧音

歴史の編纂家 寺子屋の教師

人里の守護者

半人半獣  ワーハクタク

知識と歴史の半獣  歴史喰い  堅苦しい歴史家  歴史喰いの半獣

歴史を食べる程度の能力 そして 歴史を作る程度の能力


僕の知っている情報は、これぐらいだ。
ハクタクと出会うことが出来た者は子孫まで繁栄することが出来ると聞く、
ワーハクタクでも同じ効果があるかは疑問だが。
知り合いになっていて損はないだろう、

「すいません、」

声をかけたのだが

「んっ、君は確か、」

僕のことを知っているか
まあ、求聞史記にも載っているし全くの無名じゃな・・・
「二十年前の霧雨店の名物店員、無愛想だが蘊蓄は長い半妖、
まさか今頃見られるとは!」
「なんだそれは!」

と言うか名物だったのか

「おお、挨拶がまだだったな。
私は上白沢慧音、人里の外れにある寺子屋の教師をしている。」
「今は、魔法の森の近くで香霖堂の、店主をやっている森近霖之助という。
よろしく。」
「ああ、聞いたことがある、
確か、今の実質的な霧雨魔理沙の保護者だとか。」
「人里での認識はそんな感じなのか、
まったく本物の保護者ならそこの店にいるよ。」

どうりで魔理沙の苦情が届くはずだ、
お客は増えないのに

「そういえば、どうして此処に?
確か、寺子屋は、真逆の方向のはずじゃ、」

慧音は少し悩んでいるようだった

「ああ、実は、チョークを探していてな、
外の世界の物で、なかなか手に入らないんだ。」

無理もないだろう、
チョークなんて寺子屋ぐらいしか必要としていない、
しかも、一箱買ったら当分はいらない、需要と供給が割に合わない無理もない事だろう。

「チョークかい、チョークだったら
たしか・・・三箱ほど、店にあったな。」

まあ、しかし、僕の所には妖精が良く買いに来るのであったりするが

「香霖堂、それは本当か!」
「ああ、開けてないのは二箱だがあるよ、案内する付いてきてくれ。」

二時間後

「遠いな、いや、飛んでいけば十分か。」
「どちらかというと寺子屋の方が近いからね、
次くる時にはちょうどいいんじゃないかい。」
「そうだな」

扉の掛札を開店中に直して中に入った

カランカラン

「慧音少し待っててくれ。」
「わかった。」
慧音を店で待たせると
僕は倉庫にチョークを探しに行った。


十分後
チョークを持って店に戻ってくると、

「これは外の世界の教科書、教材まである!」
慧音は驚きを隠せないようだ

「慧音、お探しの物はこれだよ」
「ああ、あと、これとこれとあそこのあれもくれ」
「それはいいけど、お金はあるのかい」

すると、慧音は財布を取り出してしばらく悩むと

「・・・やっぱりこれだけでいいです。」

チョークだけを買うことにした

「ありがとうございました。」

と僕は、チョークと本を渡した

「あの香霖堂これは、」
「おまけだよ、この『科学と学習』という本はなかなか、勉強になる本でね、
寺子屋の子供の年齢向けだしちょうどいいかなと思って。」
「ありがとう!」

商売の基本は新規顧客を引き入れるのも必要だからね。

「なあ、香霖堂なんでこんな所に商売をしているんだ、
何だったら人里に来たらどうだ、なんなら、お礼に私が口を効いてやっても。」
「僕は半人半妖だからね、人とも妖怪とも商売が出来る
此処は人里と妖怪の住む地の中間地点、人里からも妖怪の住む地からも近い、
つまり此処が一番いいのさ。」
「その考えは嘘だろう!」
「・・・クッ」

心が掴まれた気がした

「たしかに、此処は人里と妖怪の住む地の中間地点、
しかし、人里からも妖怪の住む地からも遠い、
本当に商売をする気なら、もっといい場所があったはず、
こんな、妖怪も人間も嫌う幻覚を引き起こすのキノコの胞子がまっている場所の近くじゃなくてもな。」

「半人半獣の君も知っているだろう、僕らの寿命の長さを、人には長く、妖怪には短い、
どちらにしても、同じ時を歩くことは出来ないんだと!」

「・・・昔、似たようなことで悩んでいた奴がいた、
人より長く、半人より長く、妖怪よりも長い、
どんな生き物でも見送る側になってしまう、
自分の永遠に一生ついて行ける人はいない、なんて考えていた女の子がいた。」

「へぇ、その女の子はどうしたんだ。」

「ある日、その噂を聞いた半獣ガ来てこう言った!」

襟元を掴まれて、顔が近づいて

ガンッ

「何が、同じ時が生きられないだ!
今、この話しているこの時が同じ時だ!
向こうが避けてくるならその倍近づけばいい、
失う悲しみより、出会う喜びを見ろ!
ってな」

頭の痛みより心に来た言葉の方が身に染みた

「・・・あいにく、僕はあきらめが悪いものでね。」
「なら、また説得に来るとしよう、
でも、さっきの顔より今の顔の方が似合っているぞ。」





--後書き--
けーねイケメン過ぎますね
最初、浮かんでいた話と全く変わっていますね、
ほんとは、霖之助が教師を手伝うと言う流れだったんですが

長文につき分がおかしくなっていると思います。
まさか、四ページいくとは



[19789] 第四話 新聞に赤河童が載った日
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/07/01 16:03
第四話 新聞に赤河童が載った日


火曜日は、文々。新聞が来る日だ、
だいたい月に四から五回そして、号外が月に1、2回異変時は5、6回来る。

と言ったわけで、つまりは火曜日で新聞が届く日だ、

「店主さん、新聞です!」
「わかった、ちょっと待ってくれ。」

読んでいた本を置いて扉を開ける

「珍しいな、いつもは、扉の前に置いてすぐに帰るのに、」
「ええ、取材をしたいので。」
「また意見かい、いいよ、昨日から気分がいいものでね、」
「いえ、今日は意見じゃありません。コレです!」

と見せてきた新聞の見出しには

香霖堂店主、河童と痴情のもつれか!

とデカデカと書いてあった

「なんだいこれは、」
「あっすいません、店主さん文字が読めなかったんですか。
えーとこれには香霖堂て「違う!この記事は何だと聞いているんだ!」
「ほら、この写真見えます、目の所、あーこれは、白黒では見えづらいですね。」

射命丸は胸ポケットから手帳を取り出すと。そこに挟んであった写真を見せてきた、
そこには、香霖堂と涙を浮かべたみとりが写っていた。

「はら、ここのところ、涙が浮かんできているじゃないですか、
この後、河童さんは森の中に走っていったので空から追いかけられませんでしたが、
この写真だけでも、決定的な証拠じゃないですか!」

まさか泣いているとは、

「・・・よく考えてくれ、此処は道具屋であっちは技術屋、
僕が彼女の作品をけなしてしまっただけさ、
彼女は少し自信家な所があって、プライドが少し傷つけられてしまっただけさ。」

射命丸は少し考えると

「そうかもしれませんね、
あーあ、せっかくスクープだとおもったのになー、
それでは店主さん、さようなら。」

あの射命丸があっさりと下がるとは・・・・・・怪しい

じゃなくてそんなことより、文々。新聞の購読者は、たしか、配達順に、身内の天狗、山の妖怪、紅魔館、人里のほんの一部、一握りの妖精、香霖堂、のはずだ。
たしか知り合いに広まるとしたら新聞を取っている紅魔館の主とメイド長、
情報網が広い霧雨の親父さんと八雲紫ぐらいか、

あれ、後一人忘れているような。

ああ、上白沢慧音、たしかに情報網は広そうだ、

「店主ー!おっ、おっ、お姉ちゃんに何をした!
返事次第ではこののびーるあーむが火を吹くぞぉー!」

しまった、忘れていたのはにとりだった。
とりあえず両手を挙げると

「そんなことは何もしていないよ、
さあ、それをおろして座って、話をしようじゃないか。」

とりあえず話の場を作ろうとしてみた、
そこでにとりの答えは、

「問答無用」

ガンッベシャッ

容赦ないパンチだった。

十分後
「はっ、大丈夫かい店主。」
「なんとかね、ニトリも正気に戻ったことだし話をしようか。」
「身内が傷つけられたと思ったら、攻撃するのが当然だろ、
そこら辺は理解している。」

・・・恩を売っておくのも手だが、原因が僕なのでどうしようもない。

「それで、どうして、お姉ちゃんはは泣いていたの、」
「店に来るなりいきなり能力を使って尋問するからつい怒ってしまってね。」

にとりはぺこりと頭を下げると

「お姉ちゃん、知り合い以外の人に会うのは久しぶりだったから、
地底に行っても、ほとんど人付き合いもなかったようだし。」

つまり照れ隠しか、それは悪いことをした

「多分、お姉ちゃんも凄く落ち込んでると思う、
いつもだったら、何があっても出てくれるはずの連絡も、
もう五日も出てくれないし。」

たしか、みとりと会ったのは五日前、
なんだかいやな予感がする

「その連絡は、絶対出てくれるのか?」
「うん!留守の時にも絶対折り返して連絡してくれるし。」

河童さんは森の中に走っていった

いやな予感がする

魔法の森には妖怪も人間も嫌う幻覚を引き起こすのキノコの胞子がまっている

もしかしたら、最悪の事も考えなければいけないほどに

「他の地底の妖怪に連絡できるか!」
「出来るけど。」
「みとりが家にいるか、確認してもらってくれ!」
「・・・わかった!」

にとりも事態がわかったようで飛んで家に戻っていった。

必要なものを探さないと、マスクに河童だから水後は・・・

二十分後
「お姉ちゃん家にいないって!」
涙目のにとりが店に飛び込んできた。



[19789] 第五話 だるまさんがころばない
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/06/27 00:04
第五話 だるまさんがころばない

みとりは幻覚を見る。

昔の人里、母親に連れられてきた。

父と別れ、母の故郷の人里へ。

「ごめんなさいね、
お父さんと離ればなれになってしまって、
でも、山の決定だから仕方ないのよ。」

悲しそうな母

「今はもうあえないかもしれないが、
お前は、俺とあいつの娘だ、
お前が人間と妖怪の架け橋になってくれれば、
きっとまたあえる、それまでの辛抱だ。」

もう会えない父

みとりは、父の言葉を信じて人里と仲良くなろうとする。

いつだって、みんなと遊ぼうとした、仲間に入ろうとした、

その全てが叩き返されたとしても、

何時からかみとりは、ひとりで遊ぶことにした。

母に心配かけまいと嘘をついて

里の外れの森でひとりぼっち

一人でいつも遊んでいた

いつも頬を涙で濡らしながら

だるまさんがころばない

みとりの遊びはいつまでも続く

だるまさんがころばない

止めるものは非ず

だるまさんがころばない



別の場所に変わる

いつしかみとりは地獄に降りた。

地獄の片隅でひとり研究をしながら暮らす。

河童たちには認められないが、半分は河童の血が流れている。

研究してる間はそのことだけしか考えずに済んだ。

たまに陽気な鬼や心配性の覚が訪ねてくることがあったが、

みとりは心を閉ざしたままだった。

地底の隅に独り棒立ち

みとりは独り研究し続ける

みとりはいつでもひとりぼっち

誰も見つけてくれない

人から避けられ

河童から避けられ

自分の体を構成する二つの種族から避けられた

忌避されし紅色の河童

独り孤独の中に消え「見つけた!」

目の前にいるは

みとりと同じ半人半妖

名を森近霖之助と言った。





--後書き--

作中の回想は
みとりのスペカの
非止「だるまさんがころばない」
閉符「地底の隅に独り棒立ち」
「忌避されし紅色の河童」
からイメージした妄想です。
地底の隅に独り棒立ちの回想の後
地霊殿が始まり、さとりの勧めでにとりと出会うといった感じになります。
次は霖之助視点になります。



[19789] 第六話 罪悪感の捜索
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/06/27 00:05
第六話 罪悪感の捜索


---霖之助がみとりを見つける一時間前

「みとりを探しに行く。」
「私も行く!」
「駄目だ!」
「何で!」
「多分、みとりがいる場所は、魔法の森だ。
キノコの胞子になれていない君が行っても、さらに被害者が増えるだけだ。」
「でも、お姉ちゃんを助けに行くと言うことは、何か方法があるって言うことでしょ!」
「たしかに、キノコの胞子を防ぐマスクはあるが、
あいにく一つしか持っていない、これはもちろんみとりに使うから、君には渡せない」

僕や魔理沙やアリスのように、魔法の森のキノコの胞子になれているものでなければ、
住むことはおろか、入ることも出来ないだろう、
たしかに、短時間となれば話は別だ。
捜索となればどうしても時間がかかってしまう。
・・・・・・魔理沙

「君に出来ることがある。」
「本当!」
「君は確か魔理沙と知り合いだっただろう、
魔理沙ならこの森のことを知り尽くしている。
応援に呼んでくれ。」
「わかった!」

僕はすぐにリュックを持つと魔法の森に向かって走った。

「キノコの胞子が霧みたいに見えるな」

たしか、河童は乾いた所では一日もせずに死んでしまうんだったか、
三日前に雨が降ったのと、この森の湿気の多さ、そして半人半妖であることを考えると、ぎりぎりといった所か。

二十分後

ここらへんの、キノコに踏まれた後がある。
これは多分みとりの足跡だろう。
魔理沙なら魔法に使うものを無下に踏み荒らしたりしないし、
アリスはキノコが溢れているこの森で歩くなんて事はしないはずだ。



さらに二十分後
ここからの足跡を見るとまっすぐに歩けていない事がわかる、
胞子にやられたか。
あっこれは、
この赤い帽子はみとりのものだ


もう十分後
もう、歩いているより、這っていると言った方がいい跡になっている。

ヒュゥゥー

風が吹き先が少し見えるようになった。

赤い人影が木にもたれかかっていた

「見つけた!」

近寄ってみると、怪我はなく、苔と土が付いているだけのようだった

「りんの、すけ?」

鞄を開け、水筒を取り出す。

「ああ、無事でよかった、水を持ってきた早く飲むとい「近づくことを【禁止】する。」

途端、三メートルほど吹き飛ばされ木にぶつかり止まる。

「・・・私と同じ・・・半人半妖・・・・・・私はもうひとりぼっちじゃない!」

彼女は気が動転している!
とりあえず鞄から霊夢に頼まれて作っていた札を取り出した、
本来の威力は出ないが光で目くらましくらいは出来るはず。

「動くことを【禁止】する。」

動きが止められた

「・・・さっきは・・・失敗した・・・・・・でも・・・これで・・・私のモノ」

みとりが近づいてくる、明らかに正気を失った目だ。

「これは使いたくなかったんだけどね、
多分、射命丸ものぞいている、いやここから空は見えないか。」

もしもの時のために腰にさえていたかいがあった
九つ首の大蛇、その尻尾から出てきたという神剣、
草薙の剣、いや、今は霧雨の剣か。
使い手には選ばれずとも持ち主であるからには少しは力が使えるはず。

「雨を降らせてくれ!霧雨の剣」

ザァァァァーー

大粒の雨が降ってきて体がずぶ濡れだ。
札も作り直さないと

「ううっ、私は」

清浄な水にあたった、おかげで、半分河童であるみとりは正気を取り戻したようだ。

能力による拘束も解け、みとりの方に歩いて行く、

「大丈夫かい、赤胡瓜を持ってきてある、食べるといい」
「あの、どうして、探しに来たんですか。
あんなに怒っていたのに。」

申し訳なさそうにみとりが聞いてくる

「そんなのは簡単なことだよ。」

姿勢を正して、頭を下げる

「すまない、
意味もなく君を傷つけるようなことをしてしまって、
今は君と友好的な関係を築きたいと思っている。」
「こちらこそ、すいません
いきなり、能力を使って締め上げることをして、
いやな過去を話させたりしてしまって、」

みとりは一呼吸おくと

「私と友達になってください。」

と言った

「こちらこそ、
今度店に来る時は、客人でもなく、取引相手でもなく、
友人としてもてなそう!」

この日、河城みとりに初めての友人が出来た







--後書き--
見てくださってありがとうございます。
私のイメージでは
霖之助が戦うと勝ちでも負けでもない結果になりそうだと思ったので、
こんな形になりました。
つぎは、この件の後片付けです。



[19789] 第七話 半人半妖二人
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/07/01 16:05
第七話 半人半妖二人


森の中での一騒動を終えた僕は、
とりあえず、みとりに水と赤胡瓜を与え、マスクを渡した。
半妖である彼女に、河童であるからして水はともかく、
食べ物は必要ではないのではないかと思われるがそこは違う、
空腹であるより、満腹の方がマイナス思考にならずにすむ
要は気分の問題というわけだが、

五日も何も食べず、目が覚めて急に能力を二回も使ったのだ、
腹が減っても何らおかしくはない。

「たしか、店を出る時に赤胡瓜は渡したはずだが?」
「あの、多分、落としてしまったと思います。」

まあいい、どうせ回収してもだいたいが虫に食われていると思うし。

「それなら、もう一度あげよう、赤胡瓜はまだまだ家に残っていることだからね。」
「あの、今度はお金払います。」
「いいよ、今回は僕に責任がある事だしね。」
「いえ、あの、でも」
「なら、友人からのプレゼントにでもしといてくれ。」
「・・・・・・友人」

みとりの顔が綻ぶ

「さあ、早く帰らないとね、君の妹が心配している」
「にとりが?」
「その通りだよ。」
「なん・・・で・・・」
「それは家族だからじゃないかな」
「家族?」
「家族だから、かな、妹なら姉がいなくなったら、心配するモノさ。」
「・・・そう」

妹が妖怪で、姉が半妖という時点で薄々気付いていたがやっぱり訳ありか。
いくら、知的好奇心が豊富な僕でもこうゆう所を聞いてはいけない事だけは知っている。

三十分後

「もう、香霖堂が見えてきたな。」

香霖堂の方を見ると、ちょうど、青い少女が通信機で連絡をとっている所が見えた。

「どうだい、状況は、・・・あっおっおねえちゃーん!」

通信機を放り出して、にとりがこちらに走ってくる、・・・・・・あっこけた。

「にとり!」

みとりが慌ててにとりの方に走っていく、
さて、僕のすべきことは、あれか。
にとりが、通信機を落とした場所に来ると、「にとり、おい、どうした、にとり!返事をしろ!」と聞こえた。

「大丈夫かい、魔理沙」
「香霖!何で香霖が出るんだ!にとりはどうした!」
「にとりは姉と感動の再会中だ、水を差しに行くかい?」
「いやいい、そんなことよりなんで香霖が出るんだ?」
「話は聞いていないのかい、」
「さっぱりだぜ」

まったくこの子は、

「随分、お人好しだね、」
「魔理沙さんはいつもお人好しだぜ、香霖は知らなかったのか。」
「ああ、今日初めて知ったよ。」
「それは残念。」

とりあえず、魔理沙に軽く説明する。

「魔理沙、今日はもう遅い、今日は帰りなさい。
お礼は後日しよう。」
「なら、新しい服が欲しいぜ。」
「わかった、じゃあ十日後に取りに来てくれ。」

僕は、黒い布の在庫があったか思い出すのであった。



「店主ー、ありがとう。」
「ありがとうございました。」

みとりに赤胡瓜を持たせ、にとりに胡瓜の漬け物を渡し、
今日の所は帰らせることにした。
にとりは、みとりを自分の家に招待したけど断られたので、
地底の入り口まで見送りに行くらしい。

僕も風呂に入った後、
月でも見ながら酒でも飲もうかと外に出ると

「霖之助さん、
今日あなたと会っていた方について話があります。」

そこには、年端のいかない少女がいた。
彼女の名前は、八雲紫、人は彼女のことを「妖怪の賢者」と呼んだ。

「そして、半人半妖がなぜ、妖怪から嫌われるかと言うことを。」


--後書き--
四六八十です。
みとりの言葉使いが変わったのは、
親しくなったからです。
後、紫様は香霖堂設定になっています。




[19789] 第八話 半人という存在
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/07/01 16:07
第八話 半人という存在


「普通、嫌うという感情は、自分以上や同等の何かを持っている場合に使われるものよ。
それなのに、全てのスペックが自分以下であるはずの半妖ごときに、
使われるのが、見下すではなく嫌われる。
どうしてかわかるかしら。」
「それは、妖怪は生まれながらにして力を持っているモノだ、成長幅は小さい。
人間は、非力ながら生まれてから成長し続ける生き物だ、大きく成長する。
霊夢みたいに、生まれながらにして強い力を持つモノもいる。
半妖は、ある程度力を持ちながら成長することが出来「本当にそれだけかしら」

八雲紫は微笑む。

「本当にそれだけで妖怪は半妖を嫌うなんてあるのかしら。」
「それは・・・、」

それは、僕も気になっていたことだ。

「あなた、安倍晴明と坂田金時って知っているかしら?」
「ああ、昔の英雄だが、それがどうかしたのかい。」

どちらも今昔物語に載っている

「片方は人と白狐、片方は人と赤龍、
どちらも半人半妖よ。」
「ああ、聞いたことがある。」
「片方は鬼を従え、片方は鬼を切った、
只の半妖が、妖怪最強を謳われる鬼を従え、斬った。」

まさか

「今、あなたが考えている通り、
妖怪は、半妖を恐れ、そして嫌った。」
「それは、強い妖怪の半妖だったから。」

片方は神と呼ばれる狐、片方は龍だ、
強いに決まっているだろう。

「だが妖怪はそう思わなかった。」

それが・・・原因

「血とは他と交わることで、強さを持つ、
全く別の種族である、人間と妖怪が交わったら。」
「そんな馬鹿げた理由で。」
「でもそれが信じられているのも確かよ。
半妖は、人を守るためのモノだったの、
どんなに弱くてもね半妖がいるだけで、
妖怪に襲われる確率が少なくなった。」

八雲紫は語る

「でもね、
人は、生が短かった、
そんなことをすぐに忘れてしまった、
忘れて、怖くなった、
自分より長く生きて、自分より強い、自分たちとは違う化け物を、
恐れ、嫌った、
自分たちを守っていたモノ達を追い出した。
こうして半妖は、人からも妖怪からも嫌われてしまった。」

そんなことで自分は・・・・・・捨てられたのか、
胎児のまま、腹から取り出され、投げ捨てられて、

「みとりは?」
「彼女は半妖でありながら並の妖怪より強い力を持っているわ。
あらゆるものを禁止する能力だっけ、
多分、能力だけで言うならば、あの吸血鬼の妹に次くらいに。」

フランドール・スカーレットの次に、

「なぜ僕に言う。」
「あの子は、
いつも独りでいたせいか、知識はあっても、精神が未熟すぎるわ、
だから、一番心の開いているあなたに伝えようと思って。」
「妹のにとりよりもか?」
「もちろん、半年前に会った腹違いの異母妹のにとりなんかよりも、
同じ半人半妖のあなたの方を信じているみたいね。」

腹違いか、
それならみとりのあのぎこちなさも種族の違いも全てつじつまが合う

紫は手を伸ばしてきて僕の頬をなでると

「これで、あなたの手に、
幻想郷を脅かすほどの力が二つもあることになりますね。」
「なんのことだい、」

頬をなでる手が喉に移る

「嘘の下手な御方、
あの雨、神気を帯びていましたわ、
あの、山にいる蛇の神も気づいたみたいですわ。」

蛇、八坂神奈子のことか

「草薙の剣を返せと?」
「わたしは、そこまで鬼ではありませんわ、
只、力は良く考えて使うべきと言うことを伝えに来ただけ。」

喉を掴んでいた手がまた頬に戻る

「山の神は?」
「いまのところ、
保留のようね、山の巫女は「取り返すべきです!」とか言っているみたいだけど。」
「そうか、」

とりあえず様子見といった所か。

「あなたの、この頬をなでる手が、
あなたの首を断ち切らんことを願っていますわ。」

八雲紫はとびっきりの不吉な笑顔を残して消えていった。

(やはりあの人は苦手だ)

酒を飲む気も失せ、布団に戻って寝るのであった。



--後書き--
やはり紫様はいいですね。
出ていただけるだけで、話がふくらんだ気がします。
只の気のせいですけど
多分、次は慧音回です。



[19789] 第九話 慧音のパーフェクト倫理教室
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/07/01 15:48
第九話 慧音のパーフェクト倫理教室



みとりの騒動の三日後

それは魔理沙の服のデザインが決まり、
大まかな、布の裁断が終わって頃だった。
大きなドアの開く音と一つの怒声、

「香霖堂、お前は何をしている!」
「何って、ミシンをかけている。
見てわからないのかい。」
「違う、これだ!」

バン!
と机に置かれた新聞には、
「号外」と
香霖堂店主、河城姉妹と三角関係
とデカデカと書かれた文字であった。
・・・・・・・・・また、射命丸か。

「今朝、文屋がせわしなさそうにこれを撒いていたのでな、
弾幕の後、話を聞かせて貰った。」

まだこちらにその号外が来ていない理由はそれか。

「あのー店主さん、他より少しを遅れたのです・・・・・・あややややー
失礼しました。」
「おい!待て!」

慌てて追いかけるが、扉を開けると、
もう射命丸の姿は小さくなっていた。
さすがは、幻想郷最速と言うべきか。
仕方がないので、扉の前に置いていった号外を見ると、

三流の少女漫画のようなことが書いてあった。
要約すると、みとりとつきあっていた僕が、にとりに手を出し、
そのことでみとりと口喧嘩になり、香霖堂を泣いて飛び出していった。
にとりはそのことを知り、僕と一緒にみとりを探し、改めてライバル宣言をした。
などと、三日前の、騒動が面白可笑しく書き換えられていた。

真実と照らし合わせれば、
みとりが飛び出したことと、にとりと一緒にみとりを探したことしか会っていない。
なんという体たらく、
最早これは創作のレベルだ。

「なあ、香霖堂、私は、何も恋愛事全てを否定しているわけではない。
愛のある家庭はすばらしいことだ。
ただ、香霖堂さすがにこれはやり過ぎだ。
里の子供達の教育にも悪い「慧音。」
「んっ、何だ。」
「君はこれを信じたのかい。」

この、90パーセント創作な、この記事を!

「ああ、文屋が言っていたからな。
「わたしは、清く正しいジャーナリスト、
いつも真実を追い続けている私が、嘘を書くわけがないでしょう。」
といっていたからな。」
「まずその言動を疑ってかかってみるべきだろ!」
「そうなのか?」
「だいたい、天狗の新聞に真実を求める方がおかしい。」

慧音は愕然とした表情になる。

「じゃじゃあ、
この幻想郷を作った龍神様が、
七つの玉を各地に置いて、全てを揃えた者には何でも願いを叶えるというのは。」
「嘘だ。」
「じゃあ、地霊殿の主は幼稚園児という話は。」
「それも嘘だ。」
「それでは、この前起きていたUFO騒ぎは一匹の妖怪の仕業という話は!」
「嘘に決まっているだろう!」

全くこの半獣は、お人好しが過ぎる。

「君はもっと物事を疑ってかかるべきだろう。」
「知識として知っていることや、悪意のあるモノならわかるんだが、
その様なデマには疎くて。」
「それで、君は、冷やかしかい?お客かい?」
「うっ」

慧音はしばらく悩み、
きゅろきょろと辺りを見回すと、財布を見て、

「あれ・・・下さい。」

と空気鉄砲を指さした。

「お買い上げ有り難う御座いました。」

やはり良識があるお客は、相手をしていて気分がいい。
霊夢や、魔理沙だとはこうはいかないからな、

ああ、今日は満月だ。
この前出来なかった月見酒をしよう。




--後書き--
なんとか、ぎりぎり一歩で紫様ルートに入ることを踏みとどまった。
四六八十です。
次は、慧音ルート夜の部です。




[19789] 第十話 満月と半獣
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/07/01 16:09
第十話 満月と半獣


満月

それは、妖怪達の力を上げ、狂気をあげ、理性を奪う月

それにより、理性の少ない下級の妖怪達が、時たま暴れ出すことがある。

そのため、今宵は、博麗の巫女はいつでもでられるように、準備をしている。

と言う話を霊夢から聞いたことがある。
と言うことは、彼女は、歴史の編纂以外にも人里を守っていると言うことなのだろうか?

コクッ

杯の中に浮かぶ月を飲むと、そんなどうでもいいことを考えたくなる。

ガサガサッ

「誰だ!」

もしかしたら、理性を無くした妖怪かもしれない。
本来なら、妖怪は半妖である僕には襲ってこないが、
今日は満月だ、もしもの事があるかもしれない。

「香霖堂か?」

月の影になった彼女の顔には二筋の涙の跡が光っていた。

誰と言おうとしてやめた。
僕を、香霖堂と呼ぶに女性は一人しかいない、

「慧音・・・なのか?」

話には聞いていたが、これが半獣の姿。
今朝見せた元気な姿とは違う、
満月の光に照らされた彼女は
とても儚げで、綺麗だった

「この姿を初めて見て、私とわかったものは珍しいよ。
それより、ここらに妖怪が逃げてこなかったか?」
「さあ、見てないよ。」
「わかった有り難う。」

そういって、来た道を引き返そうとしている彼女を

「慧音、月見酒でもどうだい?」

引き留めてしまったのは、月とそして彼女の涙のせいだろう。

「だが引き返さないと人里が!」
「もう夜半を過ぎている、
みんな寝ている所だ。」
「だが妖怪が、」
「家というのは外と空間を分ける、
それだけで、簡易的な結界なのさ、
下級妖怪程度に毛が生えただけでは、そう簡単に破られないよ。」

そこまで言うと、観念したのか

「少しだけだ、」

と言った。
僕は時たま乱入者が出てくるので、
そのために、用意していた杯に酒をつぎ慧音に渡した。
慧音も最初は無言で飲んでいたのだが、その内ぽつり、ぽつりと話し始めた。

「私も。解っていたんだ。
もう、人間じゃない事ぐらい。」

それは、懺悔のように聞こえた。

「この姿になるたび、
妖怪を退治するたび、
助けた者に怖がられるたびに、
・・・・・・涙が・・・出るんだ。」

慧音の杯の月に波紋が落ちる。

「解っては・・・いる、
でも、
人里の守護者と呼ばれても、
里の人間に頼られても、
そのたび、私は人間でなくなったことを自覚する。」

上白沢慧音は、元は人間だった。
弟の病を治すため、あらゆる知識をため込み、
それでも解らず、ハクタクに行き当たった。
彼女は探し、ついに見つけた、
そのハクタクは、死にかけていた、
貪欲に知識を吸収する彼女を見て、
喜び、一つの条件を与えた。
弟の病を治すすべを教えよう、そのかわり、私の全ての力を引き継いでくれと、
彼女は喜び、その条件をのんだ。
弟の病気は治り、その弟も寿命で死んだ。
彼女は、死ななかった。
いや死ねなかった
上白沢慧音は残り、生き続けた。

これが今宵の酒の肴だった、
慧音はすっかり白み始めた空を見て、

「つい長話をしてしまったな、」
「いいよ、いつでも君の愚痴を聞いてあげよう。」

と言って、ぼくは、微笑んだ。

「じゃあ・・・また満月の日に、」



--後書き--
慧音イベントは前編、後編ではなく、
朝と夜のイメージで作らさせらていただきました。
次は、未定です









・・・・・・みとりに対する、にとりみたいに、
慧音にもサブキャラつけたい、
でも、もこたん人見知りだから、どうしよう?




[19789] 第十一話 友と二人で
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/07/01 18:30
第十一話 友と二人で


みとりが来た。
それは、あの満月の夜の四日後、
みとりの騒動のちょうど、一週間後だった。

「ようこそみとり、僕は君を歓迎するよ。」
「えっ・・・と、ありがとうございます?」
「さあ、店の奥にどうぞ、
お茶請けは、羊羹がいいかい、赤胡瓜のピクルスがいいかい?」
「・・・・・・羊羹で。」
「なら、ピクルスはお土産として、包んでおくとしよう。」

この前のことを気にしている様なので、何もなかったかのように明るく振る舞う。
中の客間にみとりを案内し、
羊羹を切り、ピクルスを、瓶事風呂敷に包んだ。
一番いいお茶・・・は、霊夢にとられたので、次にいいお茶を煎れる、
一番の上客でもなかなかしないが、友人となれば別だ。

「待ったかい、」
「いえ、」

お茶を入れ、羊羹を出して座った、

「それで、今日は何の用だい?」
「あの、この前のお礼を、」
「あれは僕が責任だよ、君が気に病むことはない。」
「あの、それでもお礼がしたくて!」

そこまで言われては仕方がない、
それに、受け取っていた方が向こうの気も楽だろう。
下手に、受け取らなかったらみとりを傷つけてしまうこととなる。

だから決して僕が河童の技術に興味があるというわけではない!

「そうか、なら、ありがたくいただこう。」
「この前、商品を勝手にとっていく人がいるって言ったじゃないですか、」

ああ、そういえば、森からの帰り道にそんなことを言ったかもしれない。

「なので、商品を精算せずに、店から出るとビームが出る機械を、」
「きみは、僕を殺人者にするつもりかい!」
「いや、別に、そんな・・・つもりは。」

しまった、つい怒鳴ってしまった、
みとりが涙目になっている。

「私は・・・別に・・・そんなつもりじゃ、
ただ、役に・・・立ちたくて」
「あー、別に君を責めている訳じゃないよ、
ほ、ほら、他に何かないのかい?」
「グスッ、
えっと他には、認証された人以外は、入れなくなる機械しか。
でも、それじゃあお店の意味がなくなるの「それだ!」
「えっこれでいいんですか?」

みとりは目をパチクリさせている。

「ああ、早速設置したいんだが、」

みとりの出してきた煉瓦ぐらいの白と黒の箱をとると、
みとりは途端に笑顔になった。

「はい、解りました、」

みとりは店の入り口に歩き出した。

「いやそっちじゃないよ。」

僕がこの機械を必要としたのは理由がある。
この店には、僕の集めた貴重な品がたくさん詰まった倉庫があるのだ。
この前の草薙の剣もそこから取り出してきた。
正直、もう、店の商品がとられるのはしょうがないが、
この倉庫の品だけは何とか死守したいと思っていたのだ。

「こっちだ、ついてきてくれ。」

とみとりを倉庫の前まで案内したのであった、

「まずは、白い箱をと扉の中心に置いてください。」

白い箱を置いた瞬間に、箱は溶けていき木の扉は白くなった。

「これは、扉の補強です。
これをすることによって、上級の妖怪の力でも破れないようになります。」

みとりは淡々と説明を続けていく、

「次は、扉の裏側です。」

押し戸なので一端中に入る、

「次に黒い箱を白い箱を置いた反対側に置くのですが「置いたよ。」
「えっ、」
「だから置いたよ。」

見る見るうちに黒い箱が扉の中に入っていく

「あの、その黒い箱なんですが扉の方に向けた面に掌をつけましたか、
あれ、妖力の波長を読み込ませなければならないんですが。」
「していないが。」

みとりは僕の方に倒れかかると、

「どうしましょう、閉じ込められちゃいました。」

と言った。



--後書き--
四六八十です。
みとりの発明品編前編でした。
発明品は、最後まで悩んだのですが、
結局、防犯グッズになりました。
何処かおかしい所はないでしょうか?




えっと、前回でちょうど十話になったのですが、何もしていなかったので、
アンケートでも採ろうかと思います。
感想板を見て、
ニッコウ様の意見、
慧音のサブキャラとして阿求、
当然決定にしたのですが、
阿求のキャラが解らないので、
キャラ付けをしたいと思います。
①霖之助とは初めて会う
②阿求での知り合い
③阿弥(1世代前)からの知り合いで初恋の人
④阿七(2世代前)からの知り合いで命の恩人
⑤阿⑨

の五つとなります。
③以外の場合初恋の人は変わります、(もう考えています)
長話になりました。
いつも見てくれてありがとうございました。




[19789] 第十二話 傷だらけの心
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/06/29 21:48
第十二話 傷だらけの心



閉じ込められてから二時間が立つ、
それほど長居をするとは、考えていなかったので、
三十分ほどで、蝋燭の火は消えてしまった。
窓もないので、完全な暗闇となる。
最初は、どうにか開かないかと、二人していろいろ確かめていたが、
その全てが、ただの徒労と終わった。
そのあとは、話をしていたのだが、みとりからの相づちもなくなり、
もう十分ほど誰も話さない状態になってしまった。

「みとり、」

呼びかけてみるが、返事はない。
ただ、カタリと言う音がした。

今までも薄々気づいては、いたのだが。
さっきみとりと話して確信した。
みとりはとても優しい子だ、
いや、その表現は少しおかしい、
正しくは、優しい子に戻ったのだろう。

此処で僕は一つ、仮説を立てる。
本来、河童は人間に友好的な生き物だ。
そこは、にとりがに人間を盟友と呼ぶことからも察せられる所だろう。
つまり、みとりは攻撃的な性格という仮面をつけていたと言うことだ
その友好的である河童が、前のみとりのように仮面を被るようになったのは、
きっと理由がある。

それは、みとりのぎこちない話し方から察するに、

孤独、

誰も話しかけなかった、
話しかける者がいなかったと言うべきか。
そんな日々を過ごすたび、
彼女は仮面をつけ自分から他者を否定するようになった。

それが、半年前、にとりと出会い、
ゆっくりと崩れていくはずの仮面を、
僕の、過去話により仮面がずれ、
この前のキノコの幻覚と助けたことで、
仮面をゆっくりはがしていき、心を慣れさせなければいけなかった所を、
無理矢理剥がしてしまった。

なるほど、八雲紫が彼女の精神が未熟と言ったのも
にとりではなく、僕に任せたのも全てがつじつまがあった。
要は僕のせいなので責任をとれということか。

「・・・・・・・・・・・・・で、」
「みとり、どうした。」

みとりが何かを言った気がした。

「おか・・・わ・・・ひと・・・いで。」
「みとり!」

そうか、
彼女の心はまだ未熟なままだ、
自分でトラウマを乗り越えた訳じゃない。
しかも、トラウマとは心の傷癒えることのない一生苦しみ続ける傷だ。
その痛み、彼女はまだ耐えきることが出来ない。

「おかあさん私を一人にしないで。」

そうか、彼女の痛みは母親、
唯一みとりのそばにいた母親が死んだか、殺されたか、それとも捨てられたか。
母親はいなくなってみとりは一人になった。
これは、その時の傷!
そして、この暗闇が彼女を自分が一人だと錯覚させた。
今、僕に出来ることは、

「みとり、僕は此処にいる!
そして、にとりだって、君が困っていれはすぐに駆けつける!
君は一人じゃない、そうだろ。」

両手をにぎりみとりを安心させる。

「りんのすけ?」
「ああ、見えないけれど目の前にいる。」
「ほんと?」
「本当さ。」

僕がそう言うと、みとりは安心したのか僕の方に倒れかかってきた。
安心して、眠ったようだ。

「とは言っても、でられないことには代わりはないか。」

早く探さないと、一人が起きたらまたパニックを起こすかもしれない。
これは使いたくなかったんだが。

「草薙の剣でも探すか。」
「あら、神剣をそんなことに使いますの。」

目の前の空間にが開き薄暗い光がそこから漏れ出す。

「彼女の暴走を止めたから、今日は特別、そこから入りなさい。」
「最初から見てたのかい。」
「私はいつでも幻想郷を見ているのよ、
特に強い力がある所は特にね。」

目の前の隙間に入ると、倉庫の入り口に出る。
そこには傘を持った少女が立っていた。

「何時から見ていたんだい?」
「何時から見てたかと言えば、複数同時に見てたけど、
最初からかしら、気づいたのは「僕は此処にいる!」からかしらね、」

なぜそこから、

「なぜ急に出てきたんだい。」
「だって、あなたたちは気づかなかったかもしれないけれど、
冷静に見ていた私からすれば、あの子の能力を使えば一発って解っちゃったんだもの、
いつ気づくかと思っていたら、結局、暴走して眠っちゃったんだもの、大爆笑よ。」

少し遅れたのはそのせいか。

「あと、」

八雲紫は急に声をただすと、

「二度目はないわよ。」

といい、消えていった。






--後書き--
トラウマ想起編でした。
今日帰ってから感想を見ると、ラブコメ展開とあったので、
それもいいなと思ったのですが、
フラグ不足と好感度不足の両方、
あと四六八十の力不足で、
通常通りになってしまいました。
みとりって書いてると、狂気的な物になってしまうので、
うちのみとりは多分、恋愛方面に行くとなったら、
ヤンデレになってしまいそうな気がします。
いまのみとりのイメージは、フラン+長谷部綾(こみパ)
となっています。
次は、みとりのサブキャラその2古明地さとりの登場です。



・・・・・・もう、紫様ルート作っていいかな?



[19789] 第十三話 友人の友人
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/07/01 16:11
第十三話 友人の友人


それは、何の前触れもなく。


「貴方が森近霖之助さんですね。」

彼女は突然来た。
霊夢と魔理沙とにとりから聞いたことがある

古明地さとり

地霊殿の主

怨霊も恐れ怯む少女

心を読む程度の能力

この能力は、今考えている事だけしか解らないが、
相手を動揺させることでトラウマを読みとるらしい。

「ええ、それであっていますよ。」

心を読んだか、
でも、たしか、地霊殿の主は地上どころか、
地霊殿から滅多に出ることはないと聞いていたが、

「はい、滅多なことがないと出てきませんよ、
それにしても、あまり驚きませんね。」
「ああ、君は、考えを呼んでいると解っているから、
対処の方法はいろいろとあるが、
僕の周りには、何を考えているか解らないのがいるんでね。」

八雲紫とか

「奇遇ですね、私にもいますよ。」

心が読める相手が読めない、
彼女の妹か、
確か無意識を操る程度の能力とか、

「あら、こいしのことも知っているの、
そうね、今日は商品を買いに来たんじゃないの。
でも。その商品は後で見せて貰おうかしら、
今日は、友人の友人を見に来たと言った所かしら。」

友人と言っても、
地底から来たことがあるのは、
みとりとガラス細工を買いに来たお空だけだ、
と言うことはお空か!
そういえば、おつりを受け取り忘れていたんだった。

「それは受け取りますが違います、
私が言いたいのは、みとりの方です。」

みとり?彼女は僕が初めての友人らしいが。

「たしかに、貴方は初めての友人ですが、
私はそのもっと前、彼女が地底に来た時から気にしていたんです。」


彼女が仮面を被っていただけで、
心配する者は居たという訳か。

「はい、と言っても私と勇儀の二人だけですが、
私も勇儀も、定期的にはみとりを見には行っているのです。」

ということは、

「いえ、彼女の心が開いた方法は彼女の心を見ることで解りました、
だいたい、同じ半人半妖の貴方でしか使えない、
同じ境遇であったであろう貴方でしか効果がなさなかった様ですしね。
私がしたかったのは、双方の心をのぞくことで、
事の顛末を、理解したいことと、
実際に貴方が、どうゆう人物か理解したかったのですよ。
あの子の心では、二回も救われたことで、ちょっとした王子様になっていますから。」

双方の心を見ることで物事を立体的に見る・・・ってまずい。

「貴方は神剣を持っていて、彼女と共に妖怪の賢者から実質的な危険指定を受けた、か。
いえ、安心してくださいこのことは他言しませんから。
過去話も、女性的にきつい所は出来るだけ省いているみたいね。」
「君は、そんな物を見て辛くはないのかい。」
「人の想像なんてもっと酷い物もあるわよ、
そんな物幾千幾万も見てきた、とうの昔に慣れたわ。」

それは、どれだけの事があったのだろうか。

「みとりの事はそれなりに大事に思っているみたいね、
悪用する気もない。」
「随分調べるんだね、」

さとりはその言葉を聞くとゆっくりと口を開き始めた。

「先日、一ヶ月ぶりに彼女の家に行った、
彼女の様子を見にね、
みとりは、すっかり変わっていたわ。
いつもは、私の話を聞くだけのみとりが、
自分からうれしそうに話し始めたの、友人になったわ。
でもその時気づいたの、
私は彼女とこいしを重ねてただけだって。」

古明地 こいし
人に傷つき心の目を閉ざした少女、

「今にも壊れそうな彼女を見て、
もう壊れてしまったこいしを重ねた、
今度こそは救ってみせると思ったのに、何も出来なかった、
いや、何をしていいか解らなかった、
何も出来ないままだったの。
それを貴方は救って見せた、
頼る事しか知らない彼女が、貴方を頼るようになった、
私はそれがとてもうれしく、とても羨ましい。」

古明地さとりは席を立つ、

「貴方に嫉妬しているのかもね、
そうそう、商品は今度見させて貰うわ、
それと、貴方にお礼を言いたいのは私だけじゃないのよ。」

彼女はゆっくり扉を開け去って行った、
・・・・・・彼女の開けた扉から笑顔の一本角の鬼が見えた、
ただし、両手に酒樽を持って、

その日、僕は、地獄を見る事になる、
次の日、目がさめた僕は二つとも空になった酒樽と、
頭の割れる様な痛みで呆然とするのであった。

--後書き--
さとり登場編でした。
次あたり阿求さん登場ですかね、
あと、うちのさとりさんはお節介焼きです。



[19789] 第??話 没になった設定集
Name: 四六八十◆2326695f E-MAIL ID:f6b5306e
Date: 2010/06/28 02:08
第??話 没になった設定集

シリアス分がきつすぎたので息抜き、
後、ここらで少し頭を冷やさないと紫様が好きすぎて、
なりふり構わず、紫様ルートに行きそうだったので、
ちなみにメルアドのyは紫様のy



親編

二話IF だって道具と言ったら

「君は言葉遊びが好きだな」
「あら店主さんほどではありませんよ、なんなら、あなたの昔の名前大声で叫ばせてもいいんですよ」

「多々良小霖だよ」
「は?」
「だから、昔の名前さ」

そのとき僕がどう思っていたかも知らないが、
僕は、彼女の心を傷つけようとしていたのだろう。

「僕の父親であろう屑から聞いたんだが、
僕の母親は九十九神でね、
生まれてすぐ、忘れた持ち主に、恨みを晴らそうと、家に向かったんだが、
持ち主が、見た瞬間に一目惚れ、
そして出来た子供というのが僕だ。」

父親が酒の席で言った嘘かもしれないが、半人半妖の出生などそんなものだ、
父親は正常な精神を持った人ではないのだから、
母は、明らかに少女だった。

その時、入り口の傘が急に動き出すと

「じゃーん!あちきでしたー!」




倫理的な意味でアウト

三話IF 最初に考えていた話通りにしたら


「香霖堂を雇ってよかったな。」

慧音は、三週間前、香霖堂に教師を引き受けて貰い、
生徒の声は上々、中には「とてもためになった。」と話す子もいた。
慧音も仕事が減り、定時には帰れるようになった。

「お、あそこにいるのは、草太か。」

一番、香霖堂の授業が気に入っていた子だ。
他にも、何人かの子供達がいた。
慧音は、もう時間が遅いので家に帰らせようとすると

「外の世界の技術力で、幻想郷が見つからないはずがない。
つまり、幻想郷は異世界にあったんだよ!!」
「な、なんだってー!!」








だって、幻想郷のキバヤシだって言うから




多分これからも増えます。


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