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日本や世界で現在進行形の最新の軍事情報を選別して、誰にでもわかるような文章で解説します。ホットな事件や紛争の背景や、将来の展開を予測したり、その問題の重要性を指摘します。J-rcomでは、日本で最も熱い軍事情報の発信基地にしたいと頑張ります。(1999年11月)
2010.07.29
9月の党代表者会 北朝鮮「党の指導力」強調 軍への統制強化か
カテゴリ北朝鮮出典 読売新聞 7月1日 朝刊
記事の概要
韓国の朝鮮中央通信によると、北朝鮮の労働党機関紙・労働新聞は6月30日の社説で、9月上旬に開催する党代表者会は「革命発展の新しい要求に即して党を強化」するものだと論じた。
党代表者会が「最高指導機関」を選出することで、「党の指導力は著しく高まる」と強調した。
韓国の北朝鮮専門家の間では、金正日総書記が三男のジョンウン氏への権力継承を進めるため、軍に対する統制力強化を目指したものとする見方が出ている。
「党最高指導機関」とは、中央委員会や政治局を指すと見られ、「権力継承を国民に周知させるため、党に威信回復が欠かせない」とみられる。
現在の党は幹部ポストに空席が目立つなど形骸化が進んでいる。中央委員145人のうち79人は死亡したり解任され、後任の補充はない。
19人だった政治局委員は現在3人、5人いた政治局常務委員は現在、金総書記だけだ。
軍優先の「先軍政治」が進められ、軍が政策決定に影響力を行使しているとの見方が強い。
韓国の朝鮮中央通信によると、北朝鮮の労働党機関紙・労働新聞は6月30日の社説で、9月上旬に開催する党代表者会は「革命発展の新しい要求に即して党を強化」するものだと論じた。
党代表者会が「最高指導機関」を選出することで、「党の指導力は著しく高まる」と強調した。
韓国の北朝鮮専門家の間では、金正日総書記が三男のジョンウン氏への権力継承を進めるため、軍に対する統制力強化を目指したものとする見方が出ている。
「党最高指導機関」とは、中央委員会や政治局を指すと見られ、「権力継承を国民に周知させるため、党に威信回復が欠かせない」とみられる。
現在の党は幹部ポストに空席が目立つなど形骸化が進んでいる。中央委員145人のうち79人は死亡したり解任され、後任の補充はない。
19人だった政治局委員は現在3人、5人いた政治局常務委員は現在、金総書記だけだ。
軍優先の「先軍政治」が進められ、軍が政策決定に影響力を行使しているとの見方が強い。
コメント
金正日の後継者に三男のジョンウン氏が決まるまで、軍と党が後継者をめぐって猛烈な闘争を繰り広げた。
労働党は北朝鮮が儒教国家らしく後継者に長男(正男氏)を子供の頃から担いでいた。しかし金正日が先軍政治を掲げると、軍は次男(正哲氏)を担いで党に対抗してきた。
しかし、そのままでは党と軍の対立が深刻になると考え、折衝案として三男ジョンピル氏が浮上した。そこに金正日の脳卒中が起こり、もはや三男ジョンピル氏が決定的になったのである。
その背後には、北朝鮮で党と軍に次ぐ第3の権力を持つ保衛部(秘密警察)と金ファミリーが、三男の継承に合意する決定をしたことが追い風となった。
ところが労働党は、今や北朝鮮でナンバー2の地位を得た張成沢国防副委員長の母体だが、先軍政治でボロボロにされたとはいえ、三男への権力継承を認証する国家機関としての存在は欠かせない。
そこで権力継承を機会に、労働党の権力回復を図ると共に、人民軍の政治力を抑える意図を感じる。
しかし北朝鮮で、ここまで党がボロボロにされていたとは知らなかった。今回の労働党の復活宣言で、張成沢にたてつく軍に実力者が、また平壌で交通事故にあって死亡するかもしれない。
北朝鮮で労働党と人民軍は永遠の権力ライバルである。
金正日の後継者に三男のジョンウン氏が決まるまで、軍と党が後継者をめぐって猛烈な闘争を繰り広げた。
労働党は北朝鮮が儒教国家らしく後継者に長男(正男氏)を子供の頃から担いでいた。しかし金正日が先軍政治を掲げると、軍は次男(正哲氏)を担いで党に対抗してきた。
しかし、そのままでは党と軍の対立が深刻になると考え、折衝案として三男ジョンピル氏が浮上した。そこに金正日の脳卒中が起こり、もはや三男ジョンピル氏が決定的になったのである。
その背後には、北朝鮮で党と軍に次ぐ第3の権力を持つ保衛部(秘密警察)と金ファミリーが、三男の継承に合意する決定をしたことが追い風となった。
ところが労働党は、今や北朝鮮でナンバー2の地位を得た張成沢国防副委員長の母体だが、先軍政治でボロボロにされたとはいえ、三男への権力継承を認証する国家機関としての存在は欠かせない。
そこで権力継承を機会に、労働党の権力回復を図ると共に、人民軍の政治力を抑える意図を感じる。
しかし北朝鮮で、ここまで党がボロボロにされていたとは知らなかった。今回の労働党の復活宣言で、張成沢にたてつく軍に実力者が、また平壌で交通事故にあって死亡するかもしれない。
北朝鮮で労働党と人民軍は永遠の権力ライバルである。