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バレー元日本代表「パワフル・カナ」引退

現役引退を発表した大山(左)
現役引退を発表した大山(左)
Photo By スポニチ

 バレーボール女子元日本代表の大山加奈(26=東レ)が29日、現役引退を発表した。「パワフル・カナ」の愛称で人気を集めた大型アタッカーだったが、04年アテネ五輪以降は度重なる腰の故障に苦しみ、今月上旬に競技続行は困難と判断して引退を決意。今後は所属先の東レに残り、普及活動などでバレーボールに携わる予定だ。

 1メートル87の大砲が17年間の競技生活にピリオドを打った。大山はこの日、所属先の東レを通じてファクスで引退を発表。「たくさんの方に応援していただいて本当に幸せな選手だったとあらためて感じている。長年にわたり復活を楽しみに待ち続けてくださった皆さまの期待に応えられず、申し訳ない気持ちでいっぱいです」とコメントした。

 00年シドニー五輪出場を逃した日本にとって、日本人離れしたパワーを持つ大山は待望の大型アタッカーだった。高3時の02年に代表入りし、03年W杯では同い年の栗原恵(現パイオニア)との「メグ・カナ」19歳コンビで大ブレーク。04年アテネ五輪では5位入賞に貢献した。しかし、翌05年に腰痛を発症。その後も故障を繰り返した。

 08年北京五輪は代表から外れ、同年8月に椎間板(ついかんばん)ヘルニアと脊柱管狭窄(せきちゅうかんきょうさく)症の手術に踏み切った。医師からは「このケガから復帰したアスリートはいない」と告げられたが、「これ以上つらい経験はない。同じ症状の人を勇気づけたい」と再起を目指した。プレミアリーグの09〜10年シーズンは開幕戦から出場。だが、昨年12月に腰痛が再発して離脱。懸命にリハビリに励んだが、再びコートに立つことはなかった。

 今月上旬に引退を決意し、会社に伝えた。東レも本人の意思を尊重。関係者は「私たちも彼女が苦しんでいる姿をずっと見てきた。腰の状態が思わしくなく、本人の納得いくプレーができないことが大きい」と話した。

 26歳での引退は早いが第二の人生に踏み出す覚悟を決めている。「栄光と挫折、この貴重な経験や財産を、次世代を担う子供たちやケガに苦しむ方たちへ伝えていきたい」。今後は社員として東レに残り、バレーボールの普及や育成の活動に積極的にかかわっていく。

 ◆大山 加奈(おおやま・かな) 1984年(昭59)6月19日、東京都生まれの26歳。成徳学園高(現下北沢成徳高)でインターハイ、国体、選抜大会(春高バレー)の高校3冠達成。高3時の02年に日本代表入りし、同年の世界選手権、アジア大会に出場。03年4月、東レ入社。妹・未希(24)も東レ所属。1メートル87、84キロ。

 ▼女子日本代表柳本晶一前監督 きのう(引退するという)メールがあった。監督就任から1年で(アテネ)五輪出場という奇跡みたいなことができたのも“メグカナ”がいたから。ただ夢ばっかりで代表に飛び込んできてくれた純粋な子だった。

 ▼日本バレーボール協会荒木田裕子女子強化委員長 頑張ってケガを治し、また日本代表に入りたいという思いもあったと思う。大きくてもレシーブがうまい選手。夢のあるプレーヤーだった。コートに入るだけで華があった。残念です。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年06月30日 ]

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