【ワシントン=村山祐介】米国務省のクローリー次官補は28日の会見で、韓国哨戒艦沈没事件を根拠とした北朝鮮へのテロ支援国家の再指定について、「事件は国際的テロ行為ではなく、指定の引き金になるものではないと判断した」と述べた。再指定の検討は今後も続けるとしている。
国務省は事件を受けて、2008年に解除したテロ支援国家への再指定の検討を続けてきたが、当初から法的要件を満たすかどうかには慎重な姿勢を示していた。クローリー氏は検討の結果、沈没は「軍が別の国の軍に行った挑発行為であり、国際テロ行為には当てはまらない」と説明。ただ、「朝鮮戦争休戦協定の違反であることは確かだ」と述べ、北朝鮮が拒んでいるとされる非武装地帯(DMZ)での軍事会談を引き続き求めていく考えを示した。
テロ支援国家再指定の検討に向けた情報収集は従来通り続け、「テロを継続的に支援している情報があれば、我々は行動を取ることをためらわない」と北朝鮮を牽制(けんせい)した。