公開日:2010.06.30
負債総額が原則30億円以上の倒産企業および信用変動企業を掲載。
大内田建設(株) | [福岡] 総合建設 |
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破産申請へ / 負債総額 約40億円
~北九州地区トップクラス 建築業法違反~
TSR企業コード:88-036524-2
大内田建設(株)(北九州市小倉北区中津口1-2-1、設立昭和57年7月26日、資本金2000万円、大内田薫社長、従業員30名)は6月29日に事業を停止。
事後処理を阿部哲茂弁護士(大手町法律事務所、北九州市小倉北区大手町11-3大手町アイビースクエア2F、電話093-571-3559)に一任し、破産申請の準備に入った。
負債総額は精査中だが、約40億円が見込まれる。
昭和42年6月創業、57年7月法人化した総合建設会社。発足からしばらくは土木工事を主体としていたが、法人化前後から建築工事にも進出。以後、中堅ゼネコンの下請けで大型商業施設建築や都市高速道路延伸などの大型工事を手がける一方、消防本部庁舎新築工事(北九州市小倉北区)や中学校改築など公共施設にも施工実績を重ねてきた。
平成13年7月期に完工高が初めて50億円を突破し、以降は地場デベロッパーが手がける分譲マンション建築を主力に展開。大口物件の引き渡しが重なった平成20年7月期の完工高は過去最高となる108億3400万円、最終利益は2700万円を計上し、北九州市に本社を置く総合建設会社としてはトップクラスに成長していた。
しかし、リーマン・ショック以降の急速な不動産市況の冷え込みにより、受注を予定していた物件の着工延期や繰り延べが重なって営業環境が悪化し、21年7月期の完工高は56億5500万円まで落ち込み、最終損益は500万円の赤字を計上。この間には開発業者からの代金回収が遅延する事態が発生していたほか、9億円前後を投じて取得した土地の売却が計画通りに進まず借入依存が高まり、支払サイトの延長や従業員削減などの合理化を急いでいた。今期は分譲マンション3棟、高齢者向け賃貸住宅などを引き渡していたが、新規物件が受注できないなど業況が悪化していた。
こうした中、建設業の許可を更新するために県に提出した貸借対照表に虚偽の記載をした建設業法違反の疑いで、5月7日に社長と副社長が逮捕され(略式起訴)、国交省と福岡県からそれぞれ指名停止措置を受けたほか、6月25日付けで特定建設業許可の取消処分を受けていた。
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