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[18741] 転生紳士の紳士(パンツ)な日々(オリ主・転生・憑依?・仮面ライダーWのネタあり)
Name: ナシ◆11a3e1c6 ID:d5a0cc90
Date: 2010/06/30 14:23
皆様、初めての方は初めまして、見たことのある方はお久しぶりです。
今回は、ついこの前妄想しだしたものを一発ネタとして書いてみようと思って投稿したいと思いました。
ネタとしてオリ主、転生、憑依(?)といったネタを私が書いたらどうなるかといった感じの内容です。ちなみに、(?)の部分はそういったものに当たるか自分でも不安なため(?)とさせていただきました。
あくまで一発ネタですので続きは期待されないようにご注意ください。まあ、期待出来るようなシロモノではないですが……。

以下注意点です。

①主人公がフリーダムです。
②戦闘時は○○○無双が起きるかもしれません。
③以前書いた作品である「魔法少女リリカルなのは剣」のような展開を期待すると
火傷します。
④私がものすごく勢いで書いていくため、皆様の感想に書かれた案が普通に出てくる可能性があります。
⑤おろかにもチラシの裏からとらハ板に移動しました。ご忠告しだいでチラシの裏に戻ります。
⑥仮面ライダーネタが結構出てきました。

さて、それでは皆様、心臓にご病気を持ってはいませんね?持っている方、薬の準備は万全ですか?それでは紳士な主人公の物語をお楽しみください。








「あのぉ……起きてください」

誰かが肩を叩きながら声をかけてくる。
聞き覚えは……ないな。なら、一体誰だ?

「あのぉ……大切なお話があるんです」

大切?いや、それよりも重要なのは、俺は確か姉さんに言われてパシッている途中だったんじゃないか?
パシられているんじゃなくてパシッているか……とことんパシリ根性が染み付いてきたな。
まあ、それはいいか。
それよりも今は急いでゲーセンに行って、ガンバライドのカードを買ってこなくては。
畜生、いくらもう良い年齢だからって俺に買いに行かせるなよ。俺だってもう大学生で二十歳超えてるんだからな。
しかもモモタロスのレアが出るまで帰って来んなって、姉さんは鬼か?ファングジョーカーじゃダメなのか?俺は電王よりW派なんだよ。

「えっと、そろそろ本当に起きて欲しいんですけど……」
「うっせぇよ!!!」

うるせえったらねえな。こっちは今日中に家に帰れるかどうかも怪しいってのによ。

「うぅ~、そう言われてもこっちだって重要なんですよぉ~」

涙目のような感じの声が聞こえた方向を見てみると、そこには一人の人間の女性……らしきものがいた。
整った顔立ちに蒼い瞳、ストレートに伸ばした金色の髪、服というよりは衣と言った方がいい真っ白くて生地の薄い衣服、手に持た槍なのか杖なのか剣なのかわからないとりあえず長い得物、背は俺より低いな、胸は……結構でかい。
よし、メッチャ好みのタイプだ。
でも、一番目立っている背中に広がる6枚の白い翼、これって……アレですか?

「……天使?」
「はい、その通りです。よくおわかりになりましたね。あ、でもどちらかというと女神と言った方がいいかもしれません」

いや、そんなに手をポンと叩いて喜ばなくても……いや待て、天使?んなもん普通なら見える訳ない。
ということは……どういうことだ?
いや、何となく意味というか結論はわかるんだが……つまり、えっと……どういうことだ?

「えっと、大変申し訳ないんですが……あなたは死んでしまいました」
「……死んだ?それって俺がか?」

俺の言葉に女天使は申し訳なさそうに頷いた。
死んだ……つまりガンバライドのカードを買いにいけない……じゃなくって、俺の人生ここで終わり?

「ちょ、ちょっと待てよ!!!俺は普通に外に出ていただけだぞ?なんでそれで死ぬんだよ!!!」

歩いていた場所は車の通りも少なかったし、俺自身は体のどこかが悪いなんてことはない。
いきなり死ぬなんてことは無いはずだ。
そんなことをまくし立てた俺にすまなそうな視線を投げかけてくる女天使は怖ず怖ずと口を開いてきた。

「ほんと~に憶えていませんか?」
「……俺に問題でもあったのか?」
「いえ、そういうわけじゃないんですけど……ほんと~に憶えてないんですか?」
「そういえば……ゲーセンに行く途中で何か光っていたような?」

確か二つくらいの光が空でぶつかってたような……でも、それが一体何の意味があるって言うんだ?

「えっと、それの一つが私です」
「……は?」

光の一つがこの女天使だか女神らしき女だって?

「実は……」

ここから先の説明は長いので簡単にまとめようと思う。
なぜなら、何故か説明に入るとこの女の言動が挙動不審で、俺自身も意味を理解するのに時間がかかったからだ。
まず最初に、この女天使だか女神の名前はライア。なんだか訳がわからないが、とある人物を追っかけてきたらしい。
そんでもって、ターゲットを見つけて戦闘に入ったのはいいんだけど、その時に偶然通り掛かった人間……すなわち俺を巻き込んでしまった……らしい。
つまりだ、今の俺がこうなったのは全てというか半分は……

「お前のせいかあああぁぁぁ!!!」

あ、もう半分はそのターゲットとかいう奴だ。

「ゴメンなさいゴメンなさいゴメンなさい!!!」

とりあえず、死んだ理由がわかってライアに掴みかかった俺は悪くないはずだ。
掴みかかった拍子に薄い衣がはだけて豊かな胸の先端についていた桃色の突起とかがチラッと見えたのも俺のせいじゃない。……役得だとは思ったけどな。
互いに言いたいことを言い終えたのか、俺とライアは肩で息をしながら息が落ち着くのを待った。

「それでですね、流石にこれでは申し訳ないと思いまして、あなたを別の世界に転生させようと思うのですが……」
「それなら今すぐ生き返らせてくれ」

そう言ったらライアが固まった。
いや、自由に転生とかできるんなら生き返らせることもできるんじゃね?

「それはできないんですよぉ~、一度死んだ魂が同じ世界に戻るには輪廻の輪をくぐって転生しないといけません。それをした場合は前世の記憶も無くなっちゃいます。それに少し時間がかかるんですよ?」
「少しってどのくらい?」

一年やそこらなら記憶が残るようにしてもらって転生させてもらうのも悪くないかもしれない。

「そうですねぇ、ざっと……たったの500年くらいですね」

たったの500年って……ニッコリと見惚れるような笑顔で言い切りましたよ、この堕天使だか堕女神は!!!

「長すぎじゃ!!!」

俺がこいつの頭をはたいたのも悪くない……はずだ。

「いった~、短いじゃないですか。私の生きてきた時間のホンの10分の1にも満たない時間ですよ?」
「俺は人間なんだよ!!!人生長くて100年くらいしか生きられないんだよ!!!」
「でも~、他の世界に転生するにしても問題はあるんですよ?」

……他にもあんのかよ。

「他の世界に転生する場合もすぐに転生できますけど、もちろん記憶はなくなります」

まあ、転生するなら記憶は普通無くなるよな。
そう考えれば、そこら辺はどこをとっても変わらんのね。

「それに私は別の世界に逃げた相手を追わないといけませんし……。ですので、私はその世界に向かいます。ですから、早く決めて欲しいんですが……」

決めろって、今まで生きていた世界に500年待って転生するか、他の世界に今すぐ転生するかだよな?どっちでもかまわないいっていえばかまわないんだよな。
そんな風に悩んでいると、ライアが下からすがるような視線で見上げてきた。

「一つだけ……記憶を失わないやり方が無いわけじゃないんですけど……」
「ホントか?」

あまりの意外な言葉に俺はライアに掴みかかった。
やっぱり今までの記憶があったほうがいいとは思うからな。

「どうやって?なあ、どうやって?」

肩を掴んで揺さぶっていると、ライアは目を回したのかグルグルといった表現が似合うかのような目をしている。
……やりすぎたか?

「はら~……あ、えっとですね、私の行く世界にあなたも一緒に転生するんです。その際に転生する体に私を使えば神の御加護で記憶を失うことも無くなるはずです」
「よし、それでいこう!!!」

ライアの行く世界に転生するだけでいいのか、なんだかその後に色々言っていたみたいだけど、よく聞き取れなかったから問題はないとしよう。

「……いいんですか?」
「ああ、そっちなら記憶は無くならないんだろう?」

今まで生きていたのが無駄になんねえならむしろ大歓迎だ。
……あんま大したもんじゃないけどな。

「わかりました。お名前は今までの名前の篤志でいいですね」
「ああ……って、なんで知ってるんだ?」

俺の名前なんて一度も言ってねえよな?

「わ、私は女神ですからそれくらいのことはあ、朝飯前です」

ライアは今まで以上に慌てた様子だけど、なんかあったのか?

「いいからさっさとやっちゃいますよ!!!」

両手を前に突き出したライアの手のひらから光を発し始めたのを見ながら、俺は今度の人生ではパシられなきゃいいなぁなんてアホなことを考えていた。









あれから9年、俺は無事に今の世界を生きている。
今の俺の名前は高町篤志。私立聖祥大付属小学校3年A組の生徒の一人になっている。

これまでの人生は……いや、転生してからの9年間は一応平穏無事に過ごせたことにまずは感謝したい。
まあ、父親が事故って入院したとか色々あったけどな、それ以外は至って平凡な生活を送れたと思う。

俺の父親の高町士郎と高町桃子は海鳴商店街にあるとある喫茶店『喫茶翠屋』を営んでいる。
俺の篤志という名前も父親である士郎の一字をもらった……ということになっている。
でもさ、士と志って明らかに字が違うよな?
まあ、それとは別に恭也兄さんと美由希姉ちゃんは御神流とかいう剣術をやっているけど、俺自身はそれをやっていない。
剣術そのものは別の人……人なのかはわからないけど、一応師匠というか相棒のような奴に教えてもらっている。
もっとも、俺は今のところは平穏無事に生きられたらそれでいい。

そりゃ、確かに力があれば何かを守れるかもしれないさ。
だけど、俺ともう一人の片割れが本当に小さかったときにその力は俺達を守ってはくれなかった。
父さんが事故ったときに母さんは店の経営で忙しく、兄さんはその手伝い、姉ちゃんは父さんの身の回りの世話で家にいないことが多かった。
必然的に家には俺ともう一人の片割れだけが残されることになる。
幸い、食事などは前もって用意してくれていたから飢えることとかはなかったけど、それは問題じゃない。

少なくとも転生しても前世の記憶のある、つまりは家庭の事情をある程度の理解できる俺はともかく、もう一人の片割れはそんなんじゃないはずだから、母さんとかがいなくて本当に寂しかったはずだ。
だから俺はもう一人の片割れだけでも幸せになってくれたらとは思う。

別に父さんや母さん、兄さん姉ちゃんが嫌いなわけじゃない。ただ、優先順位で言えば父さんたちよりももう一人の片割れが上なだけだ。

(篤志さん、そろそろあの子を起こしにいかないと)
(……そうだな)

心の中に9年間の苦楽……いや、苦楽はそこまで多くはなかったな。
とりあえず9年間を共に過ごしたライアの声が響く。

どうやら転生するときにライアの体を使って転生したため、ライアの意識も俺の中にある。いや、俺の意識がライアの中に入っているのか?
体も子どもの体格だが、顔立ちはどことなく出会ったときのライアに似ているような感じの女顔とでも言えばいいのか、やや目つきの悪い面が目立っているが顔立ちだけは整っているのだろう。

ちなみに、転生前は金色だった髪と蒼い瞳は転生した際に黒髪に黒い瞳になった。まあ、これで金髪だったりしたら隔世遺伝だなんだで問題がでてくるかもしんねえかんな。

髪の長さはライアに涙目での懇願……髪は女の生命と言われて、長くしている。まあ、後ろで束ねる分にはそこまで邪魔になんないからいいけどな。
そんでもって可愛いリボンをつけろと言われた時は、そうしたらこの髪を切ると提案したらライアは諦めてくれた。髪を伸ばすのだけでも嫌なのに、リボンなんてつけてられっかってぇの。

でもこの顔って、目つきを除けばどっかでも見たことがあんだよなぁ。それも死んでライアと出会う前に……別にいいか、そんな思い出せないことは。
そんでもって、顔のことだが、そのライアに似すぎているせいか、双子の片割れとはあまりというか全然似てない。でも、双子であることは確かなんだよな。母さんの腹から一緒に出てきたし……二卵性双生児というやつか?

そういえばこの体だけど、主導権は俺にある。どうやらライアが気を使ってくれたようだ。
でも、何かを追うとかって転生前に言ってたような?まあ、何も言ってこないようだし、それも問題ないのかな?

あ、言い忘れてたけど、俺の剣術の師匠が実はライアなんだ。
その修行方法というのは、ライアが剣を振っているイメージを俺の心の中に投影して、それを実際に木の棒を持って延々と続けるだけ。それだけだから兄さんたちには全く敵わない。
ライアにこんなことを続ける理由を聞いてもいつか必要になるっていうだけで、何も説明してくんねえんだもんな。……いつか犯したろか?

もっとも、そう言ったらライアにどうやってってニッコリと言われちまった。そうなんだよな、俺とライアってニ心同体みたいなもんだから、ライアに何にもできないっちゃできないんだよな。
この体になんかしても被害を被るのは主導権を握っている俺だし、体も男だからアレがある……くっ、いつか欲求不満が爆発しないだろうな?片割れにぶつけちまうのはさすがに勘弁だかんな。
おっと、無駄に時間が過ぎちまったな。
そろそろもう一人の双子の片割れでも起こしてくるとしますか。





俺の部屋のすぐ隣に俺の片割れが今もなお惰眠を貪っている。
無駄とは知りながらもドアをノックする。
返事はない……死んでいるもとい、いつものように眠っているようだ。

携帯のアラームをかけているとはいえ、それだと少し遅くなる。
仕方なく俺は閉じられているドアを開いて中に突入した。
そして目の前にいる巨大なみの虫……いや、一応俺の双子の姉である高町なのは。

なぜか俺と同じクラスでもある。
普通は双子とかってクラスを分けないか?
いや、それもどうでもいいか。この地球ではそういうものなんだろう。
ちなみに、どうやらこの世界は俺が生きていた地球とはまた別の世界の地球らしい。
もっとも、俺の生きていた世界とほとんど変わらないから、転生した後も普通に過ごすことができたのはラッキーだったな。

おっと、それよりも今はこのみの虫を起こすとしますか。

「みのむ……なのは、起きろ」

思わずみの虫って言いそうになっちまった。
姉さんとは言わない。精神年齢的には俺が上……のはずなんだけど、どうもなのはは少し達観している感じがするんだよな。
それが実年齢よりも年上に見えるときがある。……体はお子様のくせにさ、それに比べてライアのあのときの胸は……素晴らしかった。

母さんもスタイルはいいよな……別に欲情するようなことはないけど。俺としてはライアのほうが好みだし。となると、俺の好みのタイプって……自分自身?
ヤバイじゃん、それじゃ俺ってナルシストだよ。これはヘコむな。

「ん~……あっちゃ~ん、なのはは~お姉ちゃんだよぉ~」

寝ぼけながら自分が姉であると主張する一応我が姉、高町なのは。
だが、俺がなのはを姉と呼ぶことはないだろう。

「く~」

自分の主張が終わったのか、再び布団の中に潜り込み寝息をたてる我が姉……らしき者を現世へと引き戻すべく、俺はいつもの手を使う。

「いいから……起きろ!!!」

おはようのキスでも枕を取るわけでもかけ布団を引っ剥がすでもなく、なのはの寝ているベッドに敷かれているマットレスを思いっきり引っ張る。
柵がなくて摩擦の少ない台のおかげか、9歳児の俺の腕力でも引っ張ることのできたマットレスは、なのはを載せたままベッドから床へとずり落ちる。
そして、少しの間が開いて聞こえてくるドシンという轟音……いや、なのははそこまで重くないからドンという音程度にしておこう。そんな音が聞こえてくる。
……何故だろう?これをやらないと朝が来たって感じがしない。

(今日も……いい朝ですね)

どうやらライアもそう思っているようだ。
これが決まらないと、どうも調子が出ないんだよなぁ。

「いった~、お尻打っちゃったぁ」

さて、目が覚めたようだし俺も下に降りるとするか。

「なのは、早く着替えて降りてこいよぉ」
「なのはじゃなくてお姉ちゃんだってば、あっちゃんのバカ!!!」

なのはの投げた枕が俺が閉じたドアより少しだけ外れるのも、俺となのはの朝のお約束とも言える一幕だった。





そんなこんなで朝食を食べ終えて、途中まで美由希姉ちゃんと一緒にバス停まで向かう。
恭也兄さんはどうやら大学の講義が午後かららしくて、それまで家でのんびりしていくらしい。
バス停で美由希姉ちゃんとも別れて、なのはと一緒に学校に向かうバスに乗り込む。

しばらくバスが走ると、途中の停留所で幼馴染とでもいうべき女の子が二人バスに乗り込んできた。

「アリサちゃん、すずかちゃん」
「なのは、篤志おはよう」

金髪幼女のアリサ・バニングスが勝気な笑みで挨拶してくる。
やはり同じ金髪でもライアとは違うな。俺はライアのあの巨乳の方が好みなんだよ。
あれ?なんか話の内容が金髪から胸の話に変わってないか?ま、いっか。とりあえず貧乳のアリサはどうでもいい。

「なのはちゃん、あっくんおはよう」

青いロングヘアの月村すずか。お淑やかで他人を立てる、まさに典型的な大和撫子とでも言えばいいのか?
少なくともアリサよりは性格的に付き合い易いだろう。俺から見てだけどな。もっとも、こっちも貧乳だからどうでもいい。

「おはようアリサ、すずか」

まあ、確かに可愛いとは思うけどな。
それだったら恭也兄さんの彼女の忍さんやすずかの家のメイドさんのノエルさんやファリンさんのほうが断然いい。

まあ、兄さんから忍さんを取る気はないから、興味があるとしたらノエルさんやファリンさんだけどな。……ああ、そうだよメイドさんが好きだよ、大人の女の人が好きだよ、なんか文句あっか?

……いかんいかん、どうやら話が脱線した。ともかくお子様には興味はないんだよ。まあ、10年後とかは知んないけどな。10年後、巨乳になったりしてたら……うん、楽しみだ。

ちなみに、なのはや俺より誕生日の早いアリサにもお姉ちゃんと呼ぶように命令されたことがある。そんときはスカートめくってから、もっと大人っぽいパンツ履いてから出直してきなって言ったけどな。
ちなみになのはとすずかもそれを聞いて、なんだか物陰に行ったかと思うと、戻ったときには何か落ち込んでいた。……なんでだ?

そんなこんなで今日も平凡な一日が始まっていく。
そう、俺の愛すべき、平凡で普通な生活が今日も……









続いていく…………はずだったんだけどなぁ、どこで何を間違ったんだろう?

夕飯のときになのはが怪我をしたフェレットを見つけたって話をして、それを家でしばらく飼うことになったのはいいんだけどさ、夜中にいきなりなのはが飛び出していくのを感じた俺はすぐになのはを追っかけたわけさ。

その途中でなんだか嫌な予感をしたんで、急いでなのはを連れ戻そうとしたんだけど、こんなときに限って運動音痴のはずのなのはは異様に足が速いわけよ。

いや、なのはが速いんじゃなくて、俺がただ単になのはを見失っただけだけどさ。んでもって、今はなのはを探している真っ最中ってわけ。

「どこいったんだ、なのはの奴」

あのみの虫め、こんなときは積極的に動きやがって、帰ったら泣くまでウメボシしてやる。

(篤志さん、もしかしたら夕ごはんの時になのはちゃんが言っていたあの槙原動物病院に行ったのでは?)

そういえば、フェレットは動物病院で預かってもらっているって言ってたな。
他に手がかりもないし、まずは行ってみるか。
俺は急いで元来た道を引き返して、槙原動物病院に急いだ。

そして、辿りついた俺が見たのは、学校の制服をアレンジしたようなコスプレをして杖を持ったなのはと、訳のわからん黒い化け物だった。

「なんだよ、あれ?」
(なんていう禍々しい気……篤志さん、気をつけて)

ライアも何か感じたのか、警戒心を強めている。
もっとも、そんなのお構いなしに俺はなのはの元へと駆け出した。

「あっちゃん、何で来てるの?」

なのはも俺のことに気がついたのか、驚きながら声をかけた。

「んなもん、いきなり家を飛び出すバカを追っかけたに決まってるだろ!!!」
「バカって言う方がバカなんだもん、あっちゃんのバカ!!!」
「それならなのはもバカだろう!!!」
「なのはじゃないもん、お姉ちゃんだもん!!!」

お互いに今話すことじゃないことを一気にまくし立てた。そのおかげで化け物が近づいてくるのに気付かなかった。

(篤志さん、後ろです!!!)

ライアの声に後ろを振り向くと、目の前に黒い影が迫っていた。

「なのは!!!」

化け物となのはの間にいる俺は、化け物を見ながらもなのはを突き飛ばした。

「あっちゃん!!!」

そして、無駄とは知りながらも化け物に向かってせめてもの抵抗となるように腕を突き出す。

ここで少しでも時間を稼げれば、なのはの逃げる時間を作れるかもしれない。とか考えていたらかっこいいんだろうけど、実際にはそんなの考えないで突き飛ばしちまったんだよな。

はあ、第二の人生もこれで終りなのか。思えば楽しい9年間だったな。……パシらずにすんだし。
でも、何時まで経っても何にも起きないな。なぶり殺そうとでも考えているのか?
さすがにそれはイヤなんだけどな。

そぉ~っと目を開けてみると、俺の手から化け物に向かって金色の光が出ていますよ?

(篤志さん、このまま力を前に押し出すようにイメージして)
「お、おう!!!」

突然のことに戸惑いながらもライアの言うとおりに化け物を押し出すようにイメージする。
徐々に押し出されていく化け物を見た俺はさらに遠くに飛ばすようにイメージする。

(ダメです、それじゃあ強すぎます)

ライアの声に反応できずにより強い力をイメージしたら、案の定化け物は大きく弾き飛ばされた。

(いけない!!!)

その結果、化け物は郊外にある病院から弾き飛ばされて住宅街のほうに吹き飛ばされた。

「やべっ」

ここでは特に問題起きなかったけど、あれが吹っ飛んでいった先でなにか起きないとは限らない。
それに……

(篤志さん、急いで追いかけますよ)

そう、このお節介なライアのせいで追っかけることになるんだよなぁ。
しょうがねえ、なのはを先に帰らせてアレを追うとするか。

「なのは、お前は先に帰れ」

突き飛ばされたまんまで尻餅をついているなのはに声をかけるけど、何か様子がおかしい。
俺を見て固まっているのか?

「……あっちゃん?」
「どうかしたのか、なのは?」

何だか俺の顔や体を見て驚いているようだけど……そんなに変か?

「髪が……それに……」
「髪?」

なのはに言われて後ろで束ねている自分の髪を目の前に持ってきた。
そこにはいつもどおりの黒髪が……

「ねぇっ!!!」

黒かったはずの髪は金髪の輝きを放っている。それに気がついて体を見てみると、服も変わっている。
恭也兄さんとどうやら同じ色が好きな俺は、普段着は大抵黒とかの暗い色合いの服を好んで着用する。その俺の着ている服が……白かった。
そんでもって、その白い布は転生する前に最後に見た物によく似ている。

「……まさか」

恐る恐る服の中を見てみると……そこにはついさっきまでは無かったはずのささやかな膨らみ。なのははぺったんこだけど、今の俺はなぜか膨らんでいる。

「ある!!!」
(篤志さん、どこ触ってるんですか!!!)

突然の体の変化にパニックになると同時に、昔のことを思い出した。
確かライアの体を使って転生するって話だったよな?

「もしかして……」

俺は恐る恐る股間を触ってみた。
いや、なんとなく感覚がないから結論はわかるんだけど、やっぱり確認しときたいしな。
間違いって可能性もあることだし……。
そして、その結論は……

「ねぇっ!!!」

ねえよ、俺のシンボルが……いや、全世界の男のシンボルが……将来マグナムになるはずのイチモツが……どこにもねえよ!!!

(篤志さんのエッチ!!!)
「あっちゃんが……女の子になっちゃった?」

最悪な結論となった。
魔法少年ならぬ、魔法少女?それとも女神の体だから魔法女神?
とりあえず始ま……

「始まらねえよ!!!」
(私の体のどこが不満だって言うんですか!!!)
「そういう意味じゃねえ!!!」
「あっちゃん……誰と話してるの?」







まずい、ものすっごいグダグダな内容ですね。オリ主ものや転生ものを書ける作者様達が本当に羨ましい。もしよろしければ感想……というか、ご批判等をよろしくお願いします。



[18741] 第2話「……続いちまった、しかも短けえorz」
Name: ナシ◆11a3e1c6 ID:d5a0cc90
Date: 2010/05/15 21:23
よう、俺の名前は高町篤志。ひょんなことから女神の体を使って別世界の地球に転生しちまった。
転生に使った体は胸がでかくてメッチャスタイルのいい、もろ俺好みのライアとかいう堕女神。女神って言ってたけど、俺を殺した張本人の一人だから堕女神でいいだろ。

転生してから9年間、これといって波風のない平凡な暮らしをしていたはずだったんだけどなぁ。
何をどう間違ったのか、俺の双子の姉(胸も履いているパンツもお子様だがな)の高町なのはと一緒に俺は日常から非日常へと移っていく……っぽい。
おっかしいなぁ?俺は本当に平凡に暮らしていただけなんだけどなぁ?俺ほど平凡を愛する男はそういない……はず。

そう、例えば……お姉ちゃんと呼べといったアリサの膨らんでない胸を触って溜息ついて、ついでにスカートもめくって犬さんプリントのパンツを見てもう一度溜息ついて、もっと胸を大きくして大人っぽいパンツを履いてから出直してきやがれって言ったり、なのはを朝起こすのにマットレスごと一緒に床に落としたり、お姉ちゃんと呼べっていったときにアリサの時と同じように小さい胸をアリサのときとは違って服ごしじゃなくて直に触って確かめて、パンツの柄もついでに確かめて(キツネさんのプリントだった)溜息ついて以下略したり、大人の女性やメイドさんや巨乳さんが好きだったり、今の俺の体でもあるライアにどうやったら×××なことができるのか考えたり……うん、メッチャ平凡だ。
あまりに平凡すぎて、もっとはっちゃけろと言いたくなるくらい平凡だ……ホント涙が出てくる。

それなのに……なんで、なんでこんなことになるんだよ!!!
夜飛び出したなのはを追って動物病院に行ったら、目の前にいたのは学校の制服をアレンジしたなのはと黒い化け物。
でも、このコスプレしたなのは……なかなかかわいいな。もちろん、俺の守備範囲外だけどな。10年後なら……いや、さすがにその時にこの格好してたらイタイ人だな。

……誰だ?なのはたんカワイイとか言ってハァハァしているヴァカ共は。悪いけどな、なのはに手を出そうとか考えるなら、俺が黙っちゃいないぞ?
そんな愚か者にはこの女神の体を持った俺の力で修正してやるよ。
いいか?決して女神の体……つまり女の体になっちまったからその憂さ晴らしってわけじゃねえんだからな?
あくまでなのはに変な目を向ける貴様らに天罰を下すためだかんな?そこんところを間違えんなよ?
俺が女になっちまった憂さ晴らしとかじゃねえかんな?……ホントだかんな!!!いいか、あくまでなのはのためだかんな?なのはを守るためだかんな?
女になっちまったことなんて、これっぽっちも関係ねえんだかんな!!!女の体になったことなんて、よくて地球の面積くらいだかんな、気にしてんのは。なのはのためは……月の面積くらいか?うん、なかなか広大な面積だ。
……いかん、なんだか自分でも何を言っているのかわからなくなってきた。

つうか、そもそもこれって一発ネタのはずなのに続くのかよ?いいのかよ、こんな中途半端で、こんなプロットも何も無さそうな話で!!!
これを読んでいるなのはの可愛さをよく知っている(ハァハァしない良識ある素晴らしい人達)もこの無謀な愚か者(作者)を止めてくれ。
いや、決して俺が女の体にこれ以上なりたくねえってわけじゃねえかんな?
あくまでこんなもんを読んで時間を無駄にしないようにしようという俺の提案ってやつだ。
決して女の体になりたくねえわけじゃねえかんな。
いや、別に大事なことだから2回言ったってわけじゃねえんだけどさ、なんつうか……あんまりにも微妙じゃん?この話って。
それならさ、後腐れないように一発ネタで終わらせようぜって感想とかに書いとけばさ、俺もみんなも幸せになると思うんだよ。
いや、別に俺の幸せとかはいいんだ。男のシンボルが無くなったとか、好みのタイプの女の体に自分が憑依しているんでイタズラできないとか、ホントにそれはどうでもいいわけよ。

ライアの胸を揉めないとかさ……どうでも……いいわけよ、グスッ。な、泣いてなんかないぞ?ライアの胸に顔を埋められないとかで泣いてるわけじゃねえんだかんな。

……ん?いつまでアバンでこんなこと続けているつもりだって?
これってアバンなのかよ?ていうか、ホントに本編に続くのか?俺は女の体から始まんのか?……あ、そこから始まるわけね。
……というわけで、始まんなくてもいいけど始まるんだとさ。
帰って……不貞寝してえな。
そんじゃ、こっから先は本編だ。

最初に言っておく……見んなよ?いいか、俺が女になったところなんて見るんじゃねえぞ?見るんじゃなくて読むんだよとかツッコむんじゃねえぞ?
そんじゃあ……言うのね?……言わなきゃなんないのね?ああもう……わかったよ、リリカルマジカルガンバり……たくねえ!!!





「な、なんじゃこりゃああああ!!!」

俺の男のシンボルが無い!!!
今は水鉄砲でも、将来にはきっとマグナムになって別の体に別れたライアをヒイヒイ言わせるであろうイチモツが無い!!!
小さくなったとかじゃなくて影も形もない!!!

「あっちゃんが女の子になっちゃったあああああ!!!」
「ヤベエ、なのはより胸がある!!!」
(そういいながら胸を揉まないでください!!!)
「ウソ!!!……ああああ、あっちゃんに……負けたああああ!?」

さすがライアの体だ。この時から既に発展途上か。
いや、問題はそれじゃねえ!!!
なのはが俺の胸元を覗いてうなだれているけど、そんなのも問題じゃねえ!!!

(ううう~篤志さん、あの化け物を追いますよ)

もう立ち直ったのか……ホントに犯したろか?

(ふっふっふ、篤志さんの言いたいことはわかりますよぉ~。でも、どうやってやるんですかぁ?)

……やべえ、こいつムカつく。マジでムカつく。マジで×××して○○○して△△△してやりてえ。

(ほらほら、いいからさっさと行きますよ。悪しきものを滅ぼす。これは女神のお仕事なんですからね)
「ちっくしょおおおお!!!」

ヤケになった俺は、結局ライアの言うとおりに化け物を追う事になっちまった。
……別にライアの胸に惚れた弱みじゃねえんだかんな!!!

「なのははここで待ってろよ」
「あっちゃん、だからなのはじゃなくてお姉ちゃんだよ!!!」

いつもの文句を言うなのはを置いて、俺はそのまま化け物が吹き飛ばされた方向へと駆け出した。





(いました、あそこです)

吹き飛んだ方向に走って、しばらくしてようやく化け物に追いついた。
それにしても、住宅街に吹き飛んだ化け物で騒ぎになっているかと思ったけど、何も反応がない。

(何かの結界…‥でしょうか?)

んなもん、超常現象に疎い俺が知るわけも無い。

「んで、どうやってあれを倒すんだよ」

わざわざ追いかけさせたってことは、倒す手段があるってことだよな?

(あ、はい。篤志さん、右手を前に出して、剣を持つようにイメージしてください)

なんだよ、そのイメージで強くなれますみたいな展開は。
でも、どうやればいいのかわかんねえ俺には、ライアの言葉に従うしかできねえんだよな。

「……こうか?」

ライアに言われたとおり、右手を突き出して剣を持つ自分をイメージする。
それと同時に俺の右手のひらから光が溢れて、不定形な剣が構成された。

「そんで?これからどうするんだ?」
(いつものお稽古のときとおんなじです。距離がありますし住居もありますから、三の太刀でいきましょう)

三の太刀……ああ、あれね。でも、あれって兄さん達に見せたら隙が多いとかって言われなかったっけ?

(いいから早く!!!)
「お、おう!!!」

ライアに促されて、俺は右手に持った光の剣を腰だめに構えて、意識を剣を持つ右手に収束させる。
そして、ターゲットである化け物を見据えて剣を一気に振り抜いた。

「ライア流剣術、三の太刀……弾!!!」

振り抜くと同時に、剣の刀身が光の弾となって化け物に突き進んでいく。それと同時に刀身は消えて、俺の右手にはさっきまで持っていた剣の欠片も何も無くなった。
もっとも、それを気にする前に俺の飛ばした無数の弾が化け物を貫いていたからよしとするか。
こうしてライアに言われて、俺は霧散した化け物のところに今回の元凶になった物の回収に向かうことになった。

「あっちゃ~ん」

その一歩を踏み出そうとしたそのときに、我が家のみの虫……じゃねえ、今の俺の人生にとって占める割合の大きいなのはがやってきた。
あ、今までの俺のなのはに対する態度がヒドイとか考えている奴、それは大きな間違いだぞ?
俺はなのはのことを大切に思っているんだからな。もっとも、あくまで家族としてだかんな。そこんところを忘れるんじゃねえぞ?
なのはがヒロインだとか死んでも思うんじゃねえぞ?アリサやすずかも体型お子様だからヒロインじゃねえんだからな?
あ、そこまでは聞いてないのね。うん、俺が先走りすぎたみたいだわ、反省。

「なのは、来ちまったのか?」
「はぁ、はぁ、はぁ……だってぇ、あっちゃんのことが心配だったんだもん」

……やべえ、今の俺はなのはのその言葉に感動してる。

(なのはちゃん、良い子ですねぇ)

なのはにライアの声は聞こえないから、俺はとりあえず軽く頷く。

「えへ……どう?お姉ちゃんらしいでしょ?」

なのははそう言って胸を張った。
……前言撤回だ。なのははやっぱりみの虫でお子様パンツでペチャパイだ。

「そんなことよりもジュエルシードの封印を」

……ん?今の声って誰だ?……ライアの声でもない。なのはの声でもない。もちろん俺の声でもない。
……誰?キョロキョロしている俺はなのはの肩にいる一匹のイタチだかオコジョを発見した。
まさかこいつがしゃべっているなんて……ねえ?
ねえよ、そんなことはぜってえねえよ。もしそうだったりしたら、俺はなのはのことを「お姉ちゃん」って呼んで……やっぱやめとくわ。
いや、もし本当にこのイタチだかオコジョがしゃべってたらホントに呼ばなきゃならねえじゃねえか。

「封印ってどうやって?」

なのはがオコジョに向かってそんなことを言い出しやがった。
そんでもってオコジョも封印がどうとか魔法がどうとかって言ってる。
……あぶねえ、あぶねえ。もし気の迷いなんかしてたらなのはをお姉ちゃんって言わなきゃならんところだった。
間一髪のところで引き止めた俺のナイス判断に感謝したい。
まあ、そんなこんなでジュエルシードとかを封印したなのはとそれを見ていたオコジョと俺は、誰かが来る前にその場を離れることにした。





(ところで篤志さん?)

家に帰って、外で待っていた恭也兄さんに何とか家を勝手に飛び出したことを適当に言い訳して自分の部屋に戻ったときに、ライアに声をかけられた。
ちなみに、体はまだ元に戻っていない。まあ、もとから子どもであるため、髪の色と瞳の色以外の変化は服の上からは殆どわからない。さっきの白い服も戦いが終わると同時にもとの服に戻った。
だから、ライアの力で髪と瞳の色だけ黒くして事なきを得た。なのはには今度説明しなきゃなんねえよな。……どうやって説明しよう?
あ、今はライアとの話を優先させないとな。

「なんだ?」
(あの……さっきのライア流剣術って、なんですか?)

ん?あ、そういえば三の太刀を使うときに言ってたっけ?

「いや、俺ってライアに剣術を習ってるじゃん?ならライアは俺の師匠だろ、だからライアが使っていた剣術だからライア流剣術」

我ながら安直だが、それもまたいいだろう。というか……

(私の使っている剣術は龍凰翔覇流ですよ?最初に剣術のお稽古を始めるときに言いましたよね?)
「いや、さすがにその厨二っぽい流派の名前はどうかと思うぞ?」
(これでも女神に伝わる由緒正しい流派です!!!)

いや、だって……ねえ?どう聞いたって厨二全開な名前だよなぁ?
それとも、俺が勝手にそう思っているだけなのか?

「まあいいじゃん」
(よくありません!!!いいですか、龍凰翔覇流は私が生まれる25000年以上前に編み出された剣術なんですよ?それをまるで私が作ったみたいな流派の名前じゃ、開祖に申し訳が立たないじゃないですか)

ライアの生まれる25000年以上前って……もうどうでもよくね?
あ、そういえば、まだ風呂に入っていなかったっけ?

「さて、そろそろ風呂に入って寝るとすっかな?」
(あ、そういえばなのはちゃんを追いかけるのでお風呂に入れませんでしたものね)

それじゃ、熱い湯に浸かって一日の疲れを落とすとします………ちょっと待て。
今の俺って女神の体だよな?ライアの体なんだよな?
これから風呂に入るってことはだ、裸にならんといかんわけだ。
これは……なんというか……

(……あ!!!あ、篤志さん?お風呂は別の日にして、今日はもうお休みにしませんか?)

どうやらライアも気がついたらしい。今から風呂に入るということは、俺は直にライアの裸をこの目に焼き付けることができるということを。

「何をおっしゃるライアさん。お風呂に入らないのは不衛生じゃないですか」
(その丁寧な言葉使いが逆に怖いです!!!)

ふっふっふ……ついに、ついに俺の時代がきた!!!
今までさんざんライアにお預けっぽいことをくらわされてきたのも、きっと全ては今日この日のため!!!
触っても虚しいだけだが、見るぶんには問題は何も無い。いざゆかん、湯けむりのパラダイスへ!!!

「さってと、ライアの体をゆっくり鑑賞しなきゃねぇ~」

さってと、風呂にはゆっくり浸かんなきゃねぇ~。

(やめてぇ~!!!というか、本音と建前が逆になってますよぉ~!!!)

やべえ、ルンルン気分が収まんねえ。ま、いっか。





さて、ついに脱衣所に到着した。
ここまでの数10秒……本当に長かった。今、この時を、我々は9年待ったのだ!!!
俺は目を瞑って服を脱ぐ。
なんで目を瞑るかって?んなもん、脱ぐ途中で見えちまったら喜びも半減じゃねえか。
風呂といったら裸、裸といったら風呂。これは切っても切れない縁があるってもんよ。

「さってと」
(シクシクシク)

下を見ないで風呂のドアを開く。そして、桶を使ってかけ湯して、ついに念願のライアの裸体(9歳バージョン)をこの目に焼き付ける。
確かにお子様体型に興味はない。しかし、この体が将来ああなると考えれば、これは漢の妄想を掻き立てるスンバらしいものになること間違いなしってもんよ。
では、いざ参らん!!!





…………おやおやぁ?
……おかしいなぁ?目の錯覚か?なんでこんなもんあるんだ?
この象さんはなんだ?この水鉄砲はなんだ?
まさか……

「戻っちまったあああああ!!!」
(よかった……ホントによかった、神様、本当に感謝いたします)

なんでだ?絶望した!!!神も仏もいないことに絶望した!!!
俺の純情を返せえええええ!!!
つうかライア、お前も女神なら神様なんじゃねえのか?

(ありがとう、神様本当にありがとう!!!)

……ダメだ、この堕女神。いや、ダメ神か?





愚か者からの懺悔
なんでか続いてしまいました。しかも短いし……プロットも何もない、ホントにふざけた内容ですので……ゴメンなさい。それにしても、主人公が最低だ。……いつまで続くかな?








[18741] 第3話「パンツ貯金始めました」
Name: ナシ◆11a3e1c6 ID:d5a0cc90
Date: 2010/05/15 21:21
第3話「パンツ貯金始めました」

あら、こんな馬鹿な作品を見にきたの?あんたも物好きよね。
あ、自己紹介がまだだったわね。私の名前はアリサ・バニングス。私立せい・・・・・・学校のこととかは別にどうでもいいわね。

今回は私とあのバカ……高町篤志と私のことについて話をしようと思うわ。
ホントは話なんてしたくなんてないんだけど、このアバンとかいうのでアイツとそれを取り巻く周辺人物の関係を簡単の説明していこうって感じになったんだって。だから、ここにいる私は本編の私とはまた少し違った立場にいる私ってわけ。

とりあえず説明に入るわよ?アイツのことを知ったのは入学してすぐの頃よ。
同じ学年に綺麗な顔立ちをしている男の子がいるって噂があったの、何でも男の子なのに物凄い美人だとかって。

まあ、そんときはそんな奴もいるのねって思ってたくらいで、私は特に気にもしなかったんだけどね。
アイツと直接会ったのは、すずかとのことでなのはと取っ組み合いの喧嘩したときのこと。
喧嘩した私が悪いって言えば悪いんだろうけど、いきなりあいつが私のことを蹴り飛ばしてきたのよ。

あいつは「なのはを泣かせんな、このメスガキ」って言ってきたわ。
そんで見た顔は確かに美人って言葉が確かに似合っていたわ……目つきを除いてね。
目つきは……何と形容していいかわかんない感じなのよね。

まあ、最初はなのはのボーイフレンドかなって思ってたんだけど、双子って聞いたときは流石に開いた口が塞がらなかったわ。
だってさ、なのはは桃子さんによく似ているから親子だってわかる。
それなのに、篤志ってば桃子さんにはもちろん似ていない。
士郎さんにも似てないし、美由希さんや恭也さんにも似てない。双子のなのはにも似てないのよ?それなのに双子ってどういうこと?
最初は篤志が養子かなんかじゃないかって思ってたけど、そういうわけじゃないって言ってたし……。

まあ、そんな感じでアイツとは出会ったってわけ。ちなみに、アイツに持った第一印象は最悪だったわね。
あの喧嘩以来仲良くなったなのはとすずか、ついでになのはの双子の弟の篤志と一緒に帰っている時に、お互いの誕生日の話になったの。
それでなのはと篤志は3月生まれって聞いて、私が4月、すずかが11月に生まれたの。

4人の中では一番のお姉さんである私が篤志に向かってお姉ちゃんと呼びなさいって言ったときに事件が起こったってわけよ。
以上、説明終わり!!!……え?ダメ?最後まで言えって?い、嫌よ!!!なんであんな恥ずかしいことを言わなきゃならないのよ!!!

……わかったわよ、言うわよ、言えばいいんでしょ!!!
あいつはさ、お姉ちゃんって呼びなさいって言った私に近づいたかと思うと、両手で私の胸を揉んできたのよ!!!
まあ、その後にイタズラが成功したって顔で騒げば、私だって怒れたかもしんないのに、アイツは更に予想外の行動に出たんだから。
……何とアイツは、私のす、スカートを捲ってぱ、ぱぱぱ、パンツを見たのよ?信じられる?スカート捲りだけじゃなくて、パンツまでしっかり観察したのよ?こんなの信じられる?
しかもアイツは溜息をつきながら、何も悪いことをしてないってような顔で「まだまだお子様だねぇ、もっとボインになって大人っぽいパンツを履いてから出直してきな」なんて言いやがったのよ!!!犬がプリントされたお気に入りだったのに!!!

はぁ、はぁ、はぁ……流石に興奮しすぎたわ。とりあえずこんなわけでアイツとの関係は最悪と言ってもいいって感じ……ならよかったんだけどねぇ。
普段だったらこんな目にあってまであいつと一緒に行動するようなことはない。
でも、私は……ううん、私とすずかは知っている。アイツが……篤志が実はとてもなのはに対して優しいってことを。
なのはは……多分気付いていない。アイツはいつもなのはをわざと怒らせているように見える。でも、感情を剥き出してプンプン怒っているなのはをバカにした目じゃなくて、優しい目で見ているのを私やすずかは知っている。

だから、アイツのことを少なくとも嫌いにはなれない。異性としては好きになれないけど、友人の一人としては好きになれるって感じかしら?
まあ、流石に胸を触ったのとスカート捲りはいただけないけどね。
アイツを見返すにはどうしたらいいかしら?やっぱりアレかしらね?私のほうがお姉さんだってことをアイツに教えてあげるべきよね?
それなら……やっぱり私がアイツより大人だってことを証明しなくちゃ!!!

そうして壮大な計画の第一歩のために買ってきたのはワンちゃん貯金箱。
これにはアイツにお子様だってバカにされたときに悔しさをバネにして少しずつお金を入れている。
え?何のために貯金してるのかって?……わからない?ほんと~にわからない?……私にわざわざ言わせるために聞いているわけじゃないわよね?
わかったわよ、言うわよ、よっく耳の穴をかっぽじって聞きなさいよ?





買うのは…………………………パンツよ。





…………なによ、その間は。聞こえなかったっていうの?え?聞くんじゃなくて読まなきゃなんない?わかったわよ、ちゃんと書くわよ!!!
お金を貯めて大人っぽいパンツを買うのよ!!!
だって、パパやママに大人っぽいパンツが欲しいなんて言える訳ないでしょ!!!
男の子を見返すためだなんて言ったら、パパが気絶しちゃうわ。

ううう~、私をこんなに辱めるなんて……やっぱり私はアイツが大っきらいよ!!!
そこ、ツンデレって言うな!!!さっさと本編に行っちゃえ!!!
リリカルマジカルパンツ貯金始めます……って、なによコレ!!!
ほら、今までのことは忘れて、さっさと本編に行け!!!










絶望した……生きていくのがイヤになった。

「……死のう」

ロープってどこにあったっけ?

(いきなりなんなんですか!!!)
「ライアの胸が見れない人生に価値なんて……ない!!!」

俺の人生……もう終わりか。せめて……せめて、ライアの豊満な胸に……胸に包まれて死にたかったです、安西先生。

(そんなどうでもいいことをキリッとした表情で言わないでください!!!しかも、安西先生って誰ですか?)

どうでもいい……だと?

「お前、俺がどんだけお前のオッパイが好きなのか知らねえだろ?」
(知ってますけど、そんなの知りたくなんかないですよぉ~)

俺は今何と言った?……オッパイ?……いかんいかん、暴走しすぎた。
紳士になれ、俺。

「ちょっと訂正する。お前、俺がどんだけお前の胸が好きなのか知らねえだろ?」
(胸とオッパイを変えただけじゃないですかぁ~)

……ライアはこの違いをわからないらしい。
ふう、まだまだだね。まだ俺の心意気をライアは理解していないようだ。

「いいか?俺は紳士な気持ちで胸が好きなんだよ」
(……真摯の間違いじゃないですか?まあ、篤志さんは真摯とはかけ離れていますけど)

ふっ、本当にライアは紳士の心意気ってもんをわかっていない。

「いいかライア、本当の紳士ってもんは……オッパイ言わない」
(…………は?)
「男は誰もが女性の胸が好き!!!なればこそ、その胸に最大限の敬意を評するのが筋ってもんじゃねえのか?」
(いや、あの……よく意味が……)
「ならば、本当の胸好きは、オッパイなんて卑猥な言葉じゃなくて、敬意を持って胸と呼ばねばならんのじゃあああああ!!!」
(あなたはバカですかあああああ!!!)

これぞ俺の胸理論……そこのお前、惚れるなよ?
俺の胸理論に惚れたら……お前はもう抜け出せねえぜ?

「よ~し、言いたいことも言い終わったし今回はこれでお終い!!!」
(え?もう本編は終わりなんですか?)
「いいのいいの、言いたいことは言い終わったし」

さ~ってと、ライアの胸も見れなかったことだし、不貞寝でもすっかな?

(ちょっと待ってください!!!これって、アリサちゃんのアバンより短いですよ!!!)

いいじゃん、たまにはアバンが本編扱いでも。

(いや、第3話でたまにはってどう考えてもおかしいですから!!!)

そんじゃおやすみ~。

(え?ちょっと、篤志さん?ほんと~に終わりなんですかぁ?)










「終わらないよ!!!あっちゃん、まだお姉ちゃんはさっきのことのお話を聞いてないんだよ?」

寝ようと思ったら、部屋の前で我が家のみの虫がいやがった。しかも本当に布団を被ってみの虫みたいだし……確かに可愛いとは思うけど、狙ってるのか?

「明日も早いから、早く寝ろ」
「あっちゃんが説明したらお姉ちゃんも寝るよ」

説明ったって……なあ?なのはは俺がどうして女になったのかを知りたいんだろうしなぁ。
でも、どうしてそうなったのかはわからないんだよなぁ。
なら……

「俺にもわからん、以上」

さってと、不貞寝不貞寝。

「ダメだってば、ちゃんとお姉ちゃんに説明しなさい」

そう言いながら、むぅ~っとふくれっ面で俺が自分の部屋に入るのを引き止めるみの虫。
……勘違いするなよ?確かにカワイイけど、みの虫は結局はヒロインになんねえんだかんな?
そこんところをしっかりと覚えとけよ?フラグなんてねえんだからな?
感想にみの虫をヒロインにって書いても、みの虫はみの虫だかんな?

「んなもんより、あのオコジョに今回のことを説明してもらえよ」

今回の件って、あいつが関係してるんじゃねえのか?

「あ、そっか……そうだよね。あっちゃんも私の部屋に行こう?」

そう言ってなのはが俺の手を掴んで隣のなのはの部屋に連行していった。
……はあ、なのはに頼まれると断れねえんだよなぁ。
……お姉ちゃんと呼べってのは論外として。





そんなこんなでオコジョとの情報交換が始まった。
まず最初にそれぞれの自己紹介なんだが、俺やなのははともかくライアはなのはやオコジョにその存在を知られていないから説明は無し。
説明したら俺が転生者ってことも話さなきゃならないかもしんねえからな。そんなのはめんどくさい。
ちなみにオコジョは最初はさん付けしてきたけど、流石にオコジョにさん付けされるのは変な気分だ。だからなのはと俺は呼び捨てでいいとオコジョに伝えた。

「なのはと篤志ですか。僕の名前は」
「カモ君」

コイツに似合う名前はそれ以外にねえ。

「そうなんだ、カモ君って言うんだ。よろしくね、カモ君」
「いや、僕の名前はユーノ・スクライア」
「いや、どう見てもお前カモ君ってツラだろ?」
(それってどういう顔ですか?)

これを読んでいる奴もそう思うよな?

「あっちゃん、どうしてカモ君なの?」

むぅ、なのはもわからんのか。仕方ない、説明してやるとするか。

「いいか、これを書いている愚か者はリリなのを二次創作で知った口なんだ。その際に出てきたオコジョは愚か者の脳内映像ではカモ君として出てきたんだ。故にカモ君だ。あ、一応愚か者は原作を全話見ているからな?」

……なんだ?今の説明は?……電波か?

「そっか~、それじゃあ仕方ないね、よろしくねカモ君」
(聞こえないとは思いますが、カモ君よろしくお願いします)
「え?あの、ちょっと?だから名前が違うって……」

さて、自己紹介も終わったことだし、早速話でも聞くとしますか。
そんでもって不貞寝だ不貞寝。
……ライアの胸に包まれる夢が見れたらいいなぁ。





愚か者からの懺悔
あいもかわらず短くて申し訳ありません。とりあえず勢いに任せて書いている状態ですので、そこのところはご容赦ください……って無理ですね。
なのは達の誕生日については私の独断で決めさせていただきました。はやて以外は……特に公式で決まってとかはいなかった……よね?まあ、もし違った場合もあくまでネタとして見逃してください。
相変わらずの主人公の紳士ぶり……いかがでしょうか?……変態?いやだなぁ、これ以上の紳士がどこにいるとでも?批判やツッコミは感想板のほうへでお願いいたします。いえ、決して強制しているわけではありませんよ?
……アバンのほうがタイトルになりつつある。しかも文字数のほぼ半分がアバンってorz








[18741] 第4話「パンツ貯金始めました そのに」
Name: ナシ◆11a3e1c6 ID:d5a0cc90
Date: 2010/05/16 00:18
第4話「パンツ貯金始めました そのに」

えっと……こんにちは、それともこんばんは?もしかしたらおはようございますかな?えっと、あっくんのお友達の月村すずかです。
今回は私がアバンを担当することになりました。

えっと……何を話せばいいのかなぁ?とりあえず、私とあっくんの関係とかをお話すればいいのかな?
あっくんのことを知ったのは……入学してすぐのことなんだよ。近くの女の子があの男の子綺麗だねっていうのが気になって、そっちを向いたらいたのがあっくんだったんだ。
そのときは知らなかったけど、双子のお姉ちゃんであるなのはちゃんとはとても似てないけど、なのはちゃんを気遣う男の子。

でもね、このあっくんはとんでもない男の子だったんだよ。1年生のときは別のクラスだったから噂でしか聞いたことはないんだけど、物凄いお、おおお、おっぱいが好きな男の子たちのリーダー格みたいな感じだったんだって。

でもね、すぐにそのリーダーをやめたのかやめさせられたのかわからないけど、エッチな男の子たちと一緒に行動することはなくなったんだ。その時エッチな男の子たちに向かって言ってたのが、噂だと……

「俺は女性の大きな胸をこよなく愛する紳士だ。お前らみたいな胸なら何でもいい、おっぱいとかしか言えないお子様と一緒にするな」

……だったはず。えっと、お、おっぱいと胸って何か違うのかな?
それから私がアリサちゃんにいじめられて、それをなのはちゃんが止めてアリサちゃんとなのはちゃんが取っ組み合いの喧嘩をしているときに、アリサちゃんを蹴っ飛ばしたのもあっくんなんだよね。
でもねあっくん、流石に女の子にメスガキって言うのはよくないと思うんだ。そのことをあっくんに言ったら何でもないって感じでこう言ったんだけどね。

「なのはを泣かせる奴に天誅を下すのは俺の義務だ」

そう言ってアリサちゃんと話しているなのはちゃんを見ているあっくんの目は何だかとても大切なものを見ているような目だったな。
でもね、それも吹き飛ぶような事件もあったんだよ?

実はなのはちゃんって運動神経があんまり良くないの。そのせいか、2年生でみんなと同じクラスになったときの体育の授業のドッジボールとかで女の子たちに集中して狙われることがあったんだ。
そんなときにあっくんはクラスのみんなを怒ってくれたんだけど、その言葉が……ちょっとね、微妙だったんだ。
えっと、ちょっと恥ずかしいんだけどね……あっくんはこう言ったんだよ。










「お前らのパンツは何色だああああ!!!」










そう言って怒り狂ったあっくんがなのはちゃんを集中して狙ってた女の子たちのパンツを確認しちゃったんだよね。
それで全員のパンツを確認しての一言が……もうわかるよね?





「ふっ、このお子様が」





うん、まさしくあっくんだ。
それ以来なのはちゃんがドッジボールとかで集中して狙われるようなことはなくなった……かな?

ちなみに、その言葉が今でもあっくんの決め台詞ってことになっている……かも。
他には……そうだなぁ、アリサちゃんがお姉ちゃんと呼びなさいって言ったときのこともあるかな?

詳細は第2話でアリサちゃんからの説明があったと思うけど、そのあとに私はなのはちゃんと一緒にちょっと物陰に隠れて、今日のパンツの確認をしたんだ。
その時私が履いていたのが「ねこさんパンツ」でなのはちゃんが「キツネさんパンツ」だったの。そんなわけだから……

「すずかちゃん、このパンツじゃ……ダメだよね?」
「えっと、さすがに……子どもっぽい……よね?」

私となのはちゃんもあっくんにお姉ちゃんと呼ばれる資格はありませんでした。
だって、胸は……小学生だからまだ無理だもん。
でもね、あっくんに文句を言いたいことだってあるんだよ?

そう、あれはあっくんとなのはちゃんとアリサちゃんが初めて私のお家に遊びに来た時のこと。
家にはお姉ちゃんのほかにメイドさんのノエルとファリンがいるんだ。
お姉ちゃんはなのはちゃんとあっくんのお兄さん、恭也さんの恋人でいっつも仲がいいんだ。
そして、あっくんは……お姉ちゃんに気に入られてる。別に猫をかぶっているってわけじゃないんだよ?
むしろ大きな胸が好きって公言しているくらいなんだけど、そのあけっぴろげさが気に入ったのか、お姉ちゃんはあっくんのことをすごく気に入ってるんだよね。
えっと、最近のお姉ちゃんとあっくんの会話はこんな感じかな?

「お~あっくん、最近も元気にオッパイしてる?」
「いやだな~忍さん、俺は女性の胸をオッパイなんて言わない紳士ですよ?忍さんはあれから大きくなりました?」
「ん~、残念ながらなってないわねぇ」
「カップが上がったら教えてください。恭也兄さんと一緒に拝みに行きます」
「あはは、オッケー」

……うん、こんな感じで間違いなかったはず。お姉ちゃんとあっくん、フリーダムすぎだよ。
それに、恭也さんはそんなことしないよ?……ホントに恭也さんと兄弟なのかな?
ちなみにあっくんはノエルとフェリンにもちょっかいというかなんというか、色々している。
いや、ちょっかい出しているというかなんというか……むしろ、悩んでいるのかな?
そのときは確か……

「ロリ巨乳のファリンさんと大人の魅力(みりき)満載のノエルさんを選べだと?……神よ、お前は俺にこんな選択をしろと言うのか!!!」

……ホントにフリーダムだよ、あっくん。誰かあっくんを止めようよぉ。
それとも、お姉さんから言われないとやめないのかな?……よ~し、それなら私があっくんのお姉さんになって、あっくんを真人間に戻さなくっちゃ。

そのために用意したのは猫さん貯金箱。今日から貯金を始めようと思ったんだ。
きっと、こんなことを考えているのは私だけのはずだよ。
この貯金を始める理由はね、あっくんにお姉ちゃんって言わせるために、買わなきゃいけないものがあるんだよ。

何を買うかは……ひ、秘密だよ?恥ずかしくて言えないわけじゃなくて、あっくんを驚かせるために教えないだけだよ?

あ、そろそろ時間かな?そ、それじゃ恥ずかしいけど言うね。
こほん……リリカルマジカル、パンツ貯金を私も始めます……って、結局言っちゃたあああああ!!!

あれ?……私も?これってどういう意味なんだろう?ううん、そんなことはどうでもいいよ。バレちゃった……他の人にバレちゃった。
ううう、行っちゃえ……本編にさっさと行っちゃえ、あっくんのばかあああああ!!!










「つまり、ジュエルシードを回収しないといけないってわけだな、カモ君」
「そうなんだ。……ん?いや、だから僕の名前はユーノ・スクライア!!!」

……カモ君は今なにか言ったのか?俺には何も聞こえなかったぜ。
さて、ここいらで今この場所にいるみんなの紹介をしようと思う。
まずは俺、高町篤志だ。
女性の胸をこよなく愛する真摯な紳士で、この話の主人公。女性の胸をこよなく愛する真摯な紳士……まさに俺のためだけにあるような言葉だな。
ちなみに、みの虫のような胸には興味はありません。

「21個かぁ~、結構多いよね?」

これは我が家のみの虫、高町なのは。

(なのはちゃんの言うとおりですが、女神としてこのまま捨ておくわけにはいきませんよねぇ)

こいつは俺が転生することになったというか、前世の俺を殺した張本人。
ダメ神……ん?何か違ったか?とりあえず堕女神のライア。

(ダメ神ってなんですか?それに堕女神じゃなくて女神です!!!)

将来はスンバらしい巨乳になること間違い無しの美人さんだ。

(いやですね篤志さん、美人だなんてテレちゃうじゃないですかぁ)

いつかその豊満な胸を○○○して△△△して□□□して、俺の将来のマグナム……いや、マク□スキャノンを使って×××で昇天させられる幸運な女だ。

(なんですか、その説明は!!!それに、一部が伏せているようで伏せてないですよ!!!)

さて、紹介も終わったな。それじゃ今回はこれでお終いってことで……

「待ってよ?僕は?僕の紹介は?それに今回もアバンより少ないよ?」

えぇ~?しないとダメェ?

「だって、なのはや篤志、それに誰だかわかんない人は紹介したくせにさ、どうして僕は紹介されないのさ」

わかったわかった、紹介するよ。

「頼むよ、ホントに」

そんじゃ、改めて……こいつはオコジョのカモ君、以上!!!

「オコジョじゃなくてフェレットだ!!!それに名前はユーノ・スクライア!!!」
(はう~、私の役割(ツッコミ役)がカモ君に取られちゃいますねぇ)
「なのは……みの虫じゃないもん、あっちゃんのお姉ちゃんだもん」

……あれ?声に……出してたか?

「出してたよ!!!」
(まあ、私の部分はそこまで大きな声ではなかったですけどねぇ)

そっか、バレてないならよし。

「それじゃ……もう終りでもいい?」
「ダメ」

カモ君からはダメ出しされた。

「お話終わってないよ?」

みの虫……じゃねえや、なのはにもダメって言われた。

(これからが本題なんですよ?)

……ライアに普通に突っ込まれた。

「わかったよ、話を聞けばいいんだろう?べ、別になのはのためじゃないんだからね」

そこのところを間違えんなよ?あくまで面倒事をさっさと終わらせて、ライアの胸を見れなかった無念を不貞寝で紛らわすためだかんな?

「あっちゃん、それってどこのツンデレさ……い、イタイイタイ、ウメボシはいやなのぉ~!!!」
(篤志さん、なのはちゃん痛がってますよぉ~)

いいんだよ、勘違いしているみの虫でお子様パンツでペチャパイには丁度いいお仕置きだろ?

「あの……話を進めてもいいかな?」

……カモ君はさ、俺的にはもっと自己主張をしたほうがいいと思うんだよ。
カモ君ってそういうキャラクターじゃなかったか?

「しても無視するじゃないか!!!」

……そうだったっけ?

「あっちゃ~ん、いいから放してよぉ~」

ん?そういえば俺って、今何をしてたっけ?

「うう~、頭が……頭が割れちゃうの~」
「あ、わりい、なのは」

やべ、やりすぎたか?

「にゃあ~……頭がジンジンするの……カモ君、ジュエルシードを探すのお手伝いするよ。ね、あっちゃん?」
「え?俺も?」

いや、俺としてはノエルさんやファリンさんのメイド姿を拝みに行ったり、忍さんと真摯な紳士による胸談義をしたいなぁって思ってたんですけど?

(篤志さん、なのはちゃんだけ危険な目に合わせるつもりなんですか?)

む……それを言われると辛いな。だけど、忍さんのところでの胸談義も捨てがた……待てよ?たしか、ジュエルシードってのは、使った人間の願いを叶えるんだったよな?

「よし、俺も手伝おう」
「さっすがあっちゃん」
「ありがとう、篤志」
(篤志さん、さすがですよぉ~)

みんなが喜んで俺を見てくる。
ふっふっふ、ヴァカめ……俺がただ単にジュエルシードを集めるのを手伝うと思っているのか?
いいか?よ~く考えろよ?ジュエルシードが願いを叶えるってんなら、俺とライアを分離させることもできるはずだ。
ということはだ、俺は長年の夢であるライアの豊満な胸を○○○して△△△して□□□して、俺の将来のマク□スキャノンを使って×××でライアをヒイヒイ言わせて昇天させられるってわけだ。

「はっはっは、この俺に任せておきなって!!!」

ジュエルシードは21個か、そんだけあればどうとでもなるだろうな。
くっくっく、待っていろよライア、俺のマク□スキャノンが火を噴く日がついにくるんだ!!!

(あのぉ~、篤志さん?何か良からぬことを考えていませんか?)

良からぬことじゃなくて、良いことを考えているんだよ。





愚か者の懺悔
あいっかわらず本編が少ないですね。そのため話がなかなか進まない。こんなスローペースでいいのかな?最後の部分を見ると主人公こそが黒幕って感じがしてくる。おかしい……闇の書事件では終わりが結構シリアスになる予定なのに、こんな感じで話を進められるのか?いや、それ以前にJS事件をまともに解決出来るのか?脳内プロットだと主人公の○○○フラグすらあるというのに……。








[18741] 第5話「犯人はハン……ガクッ」
Name: ナシ◆11a3e1c6 ID:d5a0cc90
Date: 2010/05/15 22:02
皆さん、初めまして。本編でもアバンでもまだ出ていない喫茶翠屋のパティシエの桃子さんですよ~。
今日はどっかの愚か者さんに頼まれてここに来たんだけど、私って本編にもまともに出てきてないのによかったのかしら?
まあ、いいでしょう。ここでは篤志の話をしないといけないのよね?

えっと……そうねぇ、まずは二人がお腹にいたときの話かな?最初は一人……女の子だったからなのはだと思うんだけど、お腹には一人しか見えなかったのよね。
それが何回かの検査でもう一人いることがわかったの。

でもね、最初は篤志の性別はわからなかったのよねぇ。ある時は男の子である時は女の子……お医者様も首を傾げていたっけ。
そうして生まれてきたのがなのはと篤志なんだけど、生まれるときに不思議な感じがしたのよねぇ。
あれは……そう、二十歳くらいの篤志が女の人になったような綺麗な人で、たしか……

「ごめんなさい」

そう言っていたわね。あれってどういう意味かしら?……考えてもわからないから、それはどうでもいいとしましょう。
それからなのはと篤志が生まれて、6人家族になって楽しい生活が始まった。

小さい頃のなのはは漏らしたときに泣き叫んでいたから、それがオムツを交換する合図ってのがわかったんだけどね、篤志は少し違ったわねぇ。
篤志はオムツを変える前じゃなくて変えている時に一番泣き叫んでいたものねぇ。
それ以外は泣くことをほとんどしない子だったし、オムツを変えた後は何だか哀愁漂う感じと言えばいいのかしら?
終わったら何か黄昏てたし……どうかしたのかしらねぇ?あの……僕汚されちゃったみたいな反応にはどう接すればいいのかわからなかったわ。
まあ、そんなわけで小さいときはなのはと随分違って、手のかからないけどわかりにくい子ではあったわね。

それからなのは達が少し成長して事件が起きたのよね。
士郎さんが事故にあって瀕死の重傷。私はオープンしたばかりの翠屋の切り盛り、恭也はそのお手伝い、美由希は士郎さんのお世話。
必然的に家にはなのはと篤志の二人だけって事になる。
そのときの私は一人ならともかく、二人いるならなんとかなるだろうと思っていた。

そして、それは確かにそうだった。
結果的になのはの面倒を弟である篤志が見ていたのだから。
そして、初めて二人だけでお留守番をするときに、私は二人のために夕ごはんとして、その日は篤志が大好きなハンバーグを作りおきしていた。
コンロで温めればすぐに食べれるように、しかも失敗してもいいように多めに用意した。
一応コンロの使い方、もし難しかったらレンジを使うように言っておいたから、多分大丈夫だろうと思ったのよ。

そして、家に帰ってきたときに最初に聞こえてきたのがなのはの泣き声だった。
あれは確か……

「あっちゃんが……あっちゃんが死んじゃたああああ!!!」

死んだと言う言葉に驚いた私は靴を履いたままなのはの声のするリビングに飛び込んだ。
そこで目にしたのは、リビングにあるテーブルにうつぶせている篤志と、そのそばでへたり込んで泣いているなのはだった。
なのはに何があったのか聞いてみると

「ケチャップを渡したらあっちゃんが……あっちゃんが……動かなくなっちゃったのぉ」

……ケチャップ?私はなのはの言うケチャップに違和感を覚えた。
ハンバーグのソースは作っているから、ケチャップは必要ない。おかずにも必要ないはずだ。
なら……何に使ったのだろう?
確かに、篤志の傍にケチャップが置かれている。
そして、篤志の右手のすぐ傍には血文字でダイイングメッセージが書かれていた。
そこには……










〔ハンニンはハン…………ガクッ〕





えっと……どういうことかしら?そんなことを考えていると……

「腹が……苦しいぃ、食い過ぎたぁ」

うつぶせていた篤志が起き上がったのだ。

「わ~い、あっちゃんが生き返ったぁ」

なのはが跳んで喜んでいたけど、これってどういうこと?
後から聞いた話によると、どうやらハンバーグを暖めるのに失敗しなかったので、全部食べてしまったらしい。
しかも子ども二人では多すぎるハンバーグを二人で半分こしたのではなく、本来なのはが食べるぶん以外を全て篤志一人で食べてしまった。
それで食べ過ぎて気を失っていたらしい。

つまり、あの血文字は血じゃなくて、ケチャップで書かれたものだったってことよね。
意味は……

〔犯人はハンバーグ〕

と言いたかったのだろう。それがそのときに感じたことだった。
そして次の日に、唐突に思い出したことがある。
それはハンバーグに使ったお肉のこと。実はあれってセールで買ったものなのよね。
確かお値段が半額だったのよね。つまり……

〔犯人は半額〕

とも言いたかったのかしら?
そんなこともあって、篤志は少しどこか変なところがある男の子なのよねぇ。
女の子に興味……というより、9歳の時点で大人の女の人に興味を持つってどんな子どもなのかしら?
でもまあ、どっちにしても大切な子どもに変わりはないわね。

何だか篤志の話をしたら、今日は篤志の好きなハンバーグを作りたくなっちゃった。
それじゃあ、お夕飯の支度をしなくちゃならないから、これで失礼しますね。
それでは本編へどうぞ~。
……あら、私も言わなきゃならないの?
それでは、リリカルマジカル喫茶翠屋へごあんな~い。……あ、違うのね。










……死のう。

「生きているのに……絶望した」

だから……死のう。父さん母さん、先立つ不幸をお許しください。
ロープじゃライアに止められるから、今度はカミソリだな。
えっと……父さんのを使えばいいのか?
よし、今から風呂場に戻るのもなんだが、下に降りるとするか。
洗面台から父さんのカミソリを借りないとな。……せめて新しいのを買っといておくべきか?

(ちょ、篤志さん?何で下に降りるんですか?というか、何に絶望してるんですか?まあ、理由はわかりますけど……というか、いつかと同じような出だしですよぉ?)

はっ、俺に絶望をくれやがったダメ神が何か言ってますよ?

(ダメ神じゃないです!!!)
「だってさ、ジュエルシードの無能っぷりに絶望したんだよ!!!」

なのはがレイジングハート……だっけか?デバイスとかっていう杖の扱い方をカモ君に聞いている間に、俺はライアにジュエルシードなら俺とライアを分離できるんじゃないかって聞いちまったんだよな。黙ってればよかったのによ。
それでライアの答えだと、ジュエルシードじゃ俺達の分離はできないらしい。
ライアが言うには……

(ふう、たかだか古代の遺産程度で女神の力に干渉できると思っているんですか?)

……なんだよ、お前は自分のことをチート女神とでも言いたいのかよ?そうですよ、どうせ俺はチートじゃねえ紳士ですよ。
胸を愛するしか能がねえですよ。
お前なんてせいぜいダメ神だろうが!!!

(篤志さんは性格そのものが充分チートですよ!!!)

ふう、俺のどこがチートだと言うんだ?
胸を愛するしか能のない俺がチート?笑わせんな。

(それに、なのはちゃん一人でジュエルシードを探させる気なんですか?)

む、相変わらずライアは痛いところを突いてくるな。
俺はおまえの○○○すら突けないというのに……。

「いや、さすがにそれはさせられねえだろ」
(なら、死のうなんて言えないですよね?)

……ツッコむべきか?……ツッコんでいいのか?
みんなもわかるだろ?俺が何をツッコミたいのかをさ。
それでは皆さん「せ~の」の合図で、ライアにツッコんでみようか。
いいか?「せ~の」でだぞ?

「カモ君は?」
せ~の!!!





……悪い、俺が先にツッコんじまった。

(そういえば……いましたねぇ)

……ライアって結構容赦ねえよなあ。





とりあえず自殺するのを延期した俺は

(延期じゃなくて、やめましょうよ!!!)
「お前が俺を絶望させるのが悪いんじゃい!!!」
(ホントのことを言っただけですよぉ!!!)

とりあえず俺の部屋に戻って、今後のことをライアと相談することにした。
こっからは少しマジだぜ?俺達マジだぜ、マジレ○ジャーってくらいマジだぜ?

「あの時に女の姿になったのが俺の戦闘形態ってことでいいんだよな?」
(はい、あの状態でしたら女神の力を一部ではありますが扱うことができます)

……女装しないと力が使えないって……いや、女装じゃないってのはわかるけどよ。
まあ、いいか。

「その状態で俺が現在使えるのが」
(龍凰翔覇流の一から五の太刀です。五の太刀は一応使える……程度ですけどね。六と七の太刀、それから真太刀と奥義は今の篤志さんじゃムリですね)
「……あいかわらず厨二臭い流派名だよなぁ」

みんなもそう思わん?感想欄に感想を書こうと思った方は感想の他に「いよっ、この厨二ダメ神」と書こう。
俺は止めない。

(厨二臭くありません!!!由緒正しい剣術流派です!!!)

ヴァ~カ、それを判断するのは読者様ってもんよ。

「ま、しばらくは一から四の太刀で何とかするしかねえってことか」
(そうですね、五から七の太刀のお稽古をしながらジュエルシードの捜索をするしかないですね)

はあ、ライアの奴、これがいつか必要になるって言ってた意味なのか?
それとも、これとは別なこと……なのか?

(……もう時間も遅いですね、休みましょう)
「……ああ」

……マズイなぁ。こんなにシリアスな状況になるなんて聞いてねえぞ?





そんなわけで翌日、学校でいつも通りにお姉ちゃんと呼べと言うアリサやその他の女のパンツを確認して溜息をつく日々が行われる。
あ、他の女ってのはクラスや学年の違う女たちだ。
なんでか俺は、ライアの外見のせいか上級生の生徒にも受けがいい。
しかも、双子の姉であるなのはを普通におちょくっていて、なおかつ姉と言わないせいか、俺に姉と呼ばせようとする女生徒が後を絶たない。
まあ、そんなときは決まってこう言うんだけどな。





お前のパンツは何色だあああああ!!!





これで大抵の女は逃げる。
ふう、この程度で逃げるなんてお子様だねえ。
少しアリサを見習えって、いっつも確認させるんだぞ、あのツンデレは。
あ、ああいうのはホントはツンデレって言わねえんだっけ?
メンドくさいねえ、ツンデレの定義ってのも。
それに比べて紳士の定義って簡単だよなぁ。なんせ、紳士と言えば俺、俺と言えば紳士だもんなぁ。
……あれ?何の話だっけ?

(アリサちゃんの話ですよ。アリサちゃんのアレは篤志さんにお姉ちゃんと言わせようと挑みかかっているだけなのかと……。それと紳士の話は明らかに違うと思いますよ?)
「……なに、その物好き。それにどこが違うんだ?」

ちなみに、パンツを確認することもあんだけどさ、一度も俺が陥落(お姉ちゃんと呼ぶこと)したことはねえんだぜ?
確かに6年生とかではオトナっぽいパンツを履いている女がいたけどさ、なんつ~か履いているってよりパンツに履かれているって感じなんだよな。
……はいそこ、逃げない逃げない。俺の紳士なパンツおよび胸談義はまだまだこれか……

(あっちゃん、大変だよ!!!)

ん?今のはなのはの声?
ははは、いやだなあ。幻聴ですか?俺は今、学校帰りに本屋で「月刊 今日も元気だ!!!オッパイが美味い!!!」の表紙をガン見しているところだぜ?
なのはは先に帰ってカモ君とジュエルシードの捜索に行くはずなんだから、これは幻聴に決まっている。

ん?オッパイを胸と言う紳士の俺がなんで「月刊 今日も元気だ!!!オッパイが美味い!!!」の表紙をガン見しているのかって?
いや、確かに俺の紳士道に反する雑誌名だけどさ、忍さんのところで見た胸雑誌の中ではこれが一番俺の感性にVivid……じゃねえ、ビビッと来たんだよ。

ちなみに、この話から読んでいる読者様のために説明しよう。
俺の言う紳士道とは……あ、必要ない?そんなもんに文字数を費やすな?
わかった、どうしても知りたいなら第3話「パンツ貯金始めました」を読んでくれ。

……パンツ貯金?ははは、誰だよ、こんな恥ずかしい貯金始めてる奴って。
ん?読者様はなんで冷ややかな目で俺を見ているんでしょうかね?
何?その全ての元凶は貴様だよって目は?
俺は関係ないでしょ?

そんなわけで新刊が出る度に本屋で表紙をガン見する。……早く18歳になりた~い。
ん?お~い、ネタがネタだからってブラウザバックはやめてくれって。
ブラウザバックすんのは俺が絶望したときにしろって。
……頻繁にありそうだよなぁ、俺が絶望するときって。

(あの~、篤志さん?なのはちゃん、念話の向こうで落ち込んでますよ?)

ん?あれって念話だったの?それならさ、コール音が必要だとは思わんかね?
いきなり「あっちゃん、大変だよ!!!」なんてきても、普通に幻聴と思うだろ?
しかも、いつもライアにツッコまれている俺としてはさ。
ああそうか、つまりだ、それもこれも全ては……

「ライアが悪い」

この一言につきるってもんだ。

(私のせいじゃないですよおおおお!!!)
(なのは……みの虫じゃないもん)

……みの虫って今の会話で関係あったか?

(いっつもみの虫って言ってるからですよ!!!)
(んで?なのは、どうした?)
(ちょっと、私は無視なんですか?)

ライアのツッコミはスルー。
確か……あれだよな?荒れそうなときはスルー推奨ってあったよな?

(それはそうですけど、意味が違いますよ!!!)
(あのね、ジュエルシードの発動を感じたの。あっちゃんも一緒に行こう!!!)
(なのはちゃんまで無視ですかああああ!!!)

諦めろ、なのはにお前の声は届かない。
ちなみに俺はジュエルシードの発動とかは感じられないらしい。
どうやら俺にも魔力があるため、この念話はできるんだと。
ただ、ライアと俺の会話は念話とかじゃねえからなのは達にライアの声は届かない。
でも、魔力にそこまで敏感ではないらしくて、ジュエルシードの発現とかに反応はできないようだ。

(わかった、とりあえず俺も行くから無理すんなよ?)
(ううう~、あっちゃんがリーダーシップをとるんじゃなくて、お姉ちゃんのなのはの言う事をあっちゃんが聞くの!!!)
(そんじゃな)
(あっちゃん?お姉ちゃんの言ったこと理解してる?ねえ、あっちゃ)

荒れそうな時はスルー推奨っと。
それじゃ、なのはの言う場所に行くとしますか。

(ところで篤志さん、どこに行くんですか?)
「…………どこだっけ?」

さて……カモ君はどこにいるのかなぁ?

(念話でなのはちゃんに聞けばいいじゃないですか!!!)
「……荒れそうな時はスルーすいしょ」
(これで行かない方が荒れますよ!!!)

…………はい、わかりました。なのはに聞きます。
俺の平凡って……どこ行った?





愚か者の懺悔
相変わらず総文字数6000にも満たないほど短いですが……次回は主人公がすごくて強くてカッコいい……はず。








[18741] 第6話「三の太刀と四の太刀は流石に・・・・・・な」
Name: ナシ◆11a3e1c6 ID:d5a0cc90
Date: 2010/05/17 20:58
初めまして、なのはと篤志の父親の高町士郎だ。
ん?俺を本編で見たことがない?
それもそうだ。俺自身初登場が今のここだからなぁ。何を話せばいいんだ?

ん?ここでは篤志の使う剣のことについて話せばいいのか?
とはいうけどなぁ、篤志の使う剣なんてほとんど見てないってのが現実なんだよなぁ。
まあ、それでもいいのなら話すとしようか。
本当なら俺は、篤志が望むなら御神流の全てを教えようと思ったんだがなぁ。
でも、本人にその気がないのなら仕方ない。
あのなのはを守るという意志があるのなら、良い剣士になると思ったんだがなぁ、残念だ。
もっとも、それからしばらくして外で竹刀を振るっている篤志を見たときは、正直落ち込んだものだ。
その太刀筋が何となく見たことのない感じがしたものだから、どんな流派かと聞いたら篤志はなんだか微妙な顔をしていたしなぁ。
篤志が言うには……

「俺はあんな厨二流派の名前は言いたくないから、現在名前を考え中」

ちゅうに流派?どんな流派だ?ちゅうに流派という名前なんだろう?
確かに微妙な名前かもしれないが……。

そんなことを話しながらも、篤志に頼んでちゅうに流派の話を聞くことができた。
どうやら基本として一の太刀から七の太刀まであるらしい。
俺も剣術家の端くれとして、その剣を見てみたいと思って篤志に少し見せてほしいと頼んだ。
そこで見たのは……確か練習中の三の太刀と四の太刀だったな。

結果として、篤志の見せてくれたものは……よく理解できなかった。
それはなぜか、ただその場で剣を振っただけだったからだ。
あれでは何も斬れない。
まあ、剣術をやるのが体を鍛えるものと考えれば、そこまで気にする必要はないのだろうが……あれを教えている人物は何を考えているんだろう?
いつか話をしてみたいものだな。
いや、別に篤志の言う剣術の師匠が美人だから見てみたいとかじゃないからな?

そ、それでは、ここから先は本編だ。
どうやらなのはと篤志が何かと戦うようだが……大丈夫か?
まあ、篤志がなのはを危険な目に合わせるようなことはないと思うんだが……。
……ん?俺も……あれを言わないとダメなのか?
言ってもかまわないが……ブラウザバックしたり、ディスプレイに拳を叩き込むような人がいるかもしれないが……本当に言うのか?
……どうやら言わなきゃダメなんだそうだ。





それでは……コホン、リリカルマジカルがんばります……はぁ、俺に言われて嬉しいかねぇ?

……ん?桃子、まさか……見てたのか?いや、これはその、やれと言われたからであってって……そのビデオカメラは何かな?
え?これを今日の夕飯のときに流すって?
いや、それはダメだろ?頼むからそれだけはやめてくれって!!!
なのはに白い目で見られてしまうじゃないか。

え?ヴィ○ンのバッグ?いいぞ、買っても……え?あ、俺に買えってことね?
どうして俺が……篤志の剣術の師匠?……買います。いえ、ぜひ買わせてください。
ふう、今月の小遣いの残りは……どう考えてもバッグを買うには足りないな。……やっぱり、へそくりも使わんとダメかねぇ?










最初に言っておく。俺は女性の胸が好きだ。
ん?わかっている?今さら言うなって?
まあ、聞くんだ。実は感想で女性のするブラについて話が来たんだ。
それはいい。その感想を読むと彼(彼女か?)のブラに対する愛着というのが伝わってきた。
彼(彼女?)とは良い胸談義とパンツ談義が出来そうだ。
……いや、そうじゃない。俺が言いたいのはそういうことじゃない。

今回は俺のブラについての思いを伝えたいと思う。
ブラというのは女性の象徴たる胸を覆う神秘なる布だ。
ブラの神秘はどんな英霊の持つ伝説の武器であろうとも破られることはないだろう。
これ以上に勝る神秘を持つのは女性のパンツ以外にはないだろう。

ん?なぜブラよりもパンツのほうが神秘さで上なのかって?
ふう、しょうがねえなあ。俺がこれからそれをミッチリと教えてやろう。
いいか?ここに10人の女性がいたとする。
さて問題だ。この10人の女性でパンツを履いている人と、ブラを付けている人、どちらが多い?

ん?これだけの情報じゃわからん?
まあ、こう考えるんだ。パンツを確実に履いている人数と、確実にブラを付けている人数のどちらが多いのかをじっくりと考えれば、俺の言いたいことがわかるはずだ。

そう、どう考えてもパンツのほうが多いよな?女性の×××を隠す神秘のヴェール。
やべぇな、これ以上の神秘はねえよ。
だからこそ俺は女性を見るときは胸と、そしてパンツを見る。
……あれ?ブラの話は……どこ行った?まあ、いいか。
さて、俺の主張も終わったことだし、続きはまた今度だ。それじゃ次回でまた会おう。










(いいからさっさとなのはちゃんのところに行きなさい!!!)

ふう、相変わらずやかましいダメ神だこと。
感想にも厨二ダメ神って来たのによぉ。

(なんですか!!!いつもみたいに死のうとかでは始まらなかったのに、何をぶ、ぶぶぶ、ブラジャーについて語ってるんですか?って言うか、ダメ神じゃないです!!!)

いや、ブラについて語ろうとしたんだけどさ、気がついたらパンツの話になってるんだよな。
今の俺ってパンツ神?……いや、それは他にもいるだろうパンツ好きな人に申し訳ないな。
俺はあくまで普通な女性の胸とパンツの愛好家だ。
ダメ神については……別にいいじゃん。

(いいから、さっさとなのはちゃんのところに行きますよ!!!)

ふう、本当にライアは俺の紳士道をわかってくれないんだなぁ。
とりあえず俺はなのはに念話して、どこで合流するのかを確認して、その場に急行した。





なのはに念話して向かった神社では、既になのはがジュエルシードと戦っていた。
そこで目にしたのは……

「なのはが……トンでいる」

じぇねえ、なのはが空を飛んでいる。
いや、バリアジャケットだっけ?そんな姿になってもキツネさんパンツってのは……やりすぎじゃない?
なのはの両足の靴には、ピンクの羽が生えている。
この色は……あれだな。なのはの脳内が桃色の妄想で膨らみまくっているからこんな色なんだろうな。
だとしたら、俺の色は……紳士服たる紺とかか?
それともまっさらで純真無垢な白か?

(きっと欲望まみれな意味で真っ黒ですよ)

ライアは何を呆れているんだろう?
さて、なのはだけに戦わせるわけにはいかねえからな。俺も準備しよう。
ということは……だ。





「それでは読者の皆様、ブラウザバックのお時間がやってまいりました」
(は?あの……篤志さん?一体何を言っているのですか?)

ん?この前言わなかったっけ?ブラウザバックするときは俺が絶望するときだって。
これから俺は女になる……これ以上の絶望が他にあるとでも言うのか?

(せめてこのお話を読んでもらってから、ブラウザバックしてもらいましょうよぉ)

うるせぇ、お前に女装しなくちゃならないこの俺のピュアな心を理解されてたまるかってんだ!!!
それに読んでからブラウザバックって、お前も結構後ろ向きだな。

(篤志さんがピュアなら、世界中の全ての人がピュアですよ!!!)

…………な、何だって?世の中には俺以上にピュアな人間がいるだって?
お、俺以上の……ピュアな胸好きが……この世にたくさん?
ふ、ふふふ、参ったぜ。まさか世界がこんなに広いなんてなぁ。





よし、わかった。これからも俺はピュアに女性の胸、そしてパンツを愛していこうじゃないか。
そしていつか!!!いつの日か、俺がこの世界で一番胸とパンツが好きな漢だと証明してみせる!!!

(…………さ、それじゃあ、なのはちゃんのお手伝いにいきましょうか)

どうやらライアも俺を応援してくれているようだ。って……いつの間にか俺の姿が女に変わっている?服装も白い衣のようなものに変わっている。
俺に絶望する隙すら与えないとは……ライアの奴、やるな?
まあいい、それじゃ早速なのはに助太刀するか。





…………ところで、カモ君はどこ行った?
なのはと合流したんじゃねえのか?

「…………下だよ」

ん?今の声はカモ君?
声はすれども姿は見えず……どこにいるんだ?

「だから下だって!!!」

舌?とりあえず俺は自分の舌を出した。
舌の裏にカモ君が張り付いている様子は……ない。

「だから踏んでるって!!!」
「おおう」

びっくりしたぁ。踏まれているなら最初からそう言えって。思いっきり踏まれるのが好きなオコジョなのかと思っちまったぜ。

「踏まれるのなんて好きじゃないよ!!!それより、早くなのはの助っ人を!!!」
「おっしゃ!!!」

よっし、本当の意味での覚悟を決めての初陣だ。
ハードボイルドに決めてやる。

「なのは!!!」
「あっちゃん!!!」

犬のような狼のような姿をした化け物の前に立って、なのはを背中に隠す。
ジュエルシードの封印をする際に決めたこと。
それは俺となのはのポジションの徹底化。
俺はライア流剣術で剣を持って戦うしかできない。

(龍凰翔覇流です!!!)

なのははレイジングハートでジュエルシードの封印ができる。
今のライアの言葉は荒れるもとなのでスルー推奨だ。
そのため、俺が前線を受け持ち、なのはが後方からジュエルシードの封印をするのが役割になっている。
それじゃ、早速戦闘開始としますか。
さて、ここいらで決め台詞をハードボイルドに決めるとすっか。
ジュエルシード、ここからは俺が相手をしてやろう。










「さあ、お前のパンツを……教えな?」

決め台詞を言ったあと、俺は右手に持った光の剣をジュエルシードに向けて突き出す。
決まった…………決まっちまった。
やっべぇ、今の俺ってメッチャハードボイルドだ。まさにキタコレって感じだ。

(来ませんよ!!!ハーフボイルドにもなってませんよ!!!)
「あっちゃん……アレのパンツ、ホントに聞きたい?」

あれ?今の台詞って、もしかしてかなり不評?……アレのパンツかぁ。

「……ううん、聞きたくない」

というか、どう見てもパンツ履いてねえだろ。というか、あれってオスじゃねえか?
俺の初陣の決め台詞は不発に終わった。

(もうちょっと……空気を読んで言いましょうね?)

ダメ神に空気読めって言われた。俺って空気読んでるよなぁ?
あ、オスかメスかを確認しないで言っちまったなぁ。
そういう意味で空気読めってことか。それは反省しないといけないな。

(来ますよ!!!)

ライアの声がした一瞬後にジュエルシードが物凄い速度で迫ってきた。
俺はそれを右に跳んで回避して、なのはは空に飛んで回避する。

「空飛ぶなんて、なのはずっけぇ!!!」

俺は飛べないってのにさ。俺だけ置いてけぼりかよ?

「ずるくないもん、お姉ちゃんだもん!!!」

今の……お姉ちゃんって関係あるか?

(篤志さん、どうやらジュエルシードは私達を標的に絞ったようですよ?)
「んなら丁度いい。なのは、俺が抑えている間に封印しろ!!!」

ジュエルシードはどうやら空に逃げたなのはではなく、自分と同じフィールドに立っている俺を標的に選んだようだ。
それなら俺が囮になれるから丁度いい。

「それはお姉ちゃんが考えてたの!!!あっちゃんが先に言っちゃダメなの!!!」

空気読めないのは……なのはのほうじゃねぇか?

(篤志さん、早く終わらせましょう)
「さっきの突進の速度から考えると……交叉法での一の太刀……だな」
(正解です)

二の太刀だと……タイミングが難しすぎる。
三の太刀と四の太刀じゃ、今の俺じゃあの動きを捉えづらい。
五の太刀はまともに決まらないだろうなぁ。
となると、必然的に一の太刀しか使えない。

(……来ますよ)

俺に向かって突進してくるジュエルシード。
そして、そのジュエルシードの後ろからレイジングハートを向けるなのは。
……あれ?つまり、レイジングハートってジュエルシードの進行方向にいる俺にも向けられているわけだよな?
……俺が撃たれないだろうな?
やべっ、ジュエルシードよりなのはが怖くなってきた。
一撃で決めて、とっとと終わらせよう。

(タイミングを合わせて……)

息をゆっくり吸って、ゆっくりと吐く。
タイミングはライアが合わせてくれる。
俺の剣筋をわかっている、なおかつ今までの生活で俺のクセを知り尽くしているライアなら、最適なタイミングで合図することができるだろう。
あとはそれを実行するだけだ。
そして……

(……今です!!!)
「ライア流剣術…………一の太刀」
(龍凰翔覇流、一の太刀)

合図と一緒にジュエルシードに向かって駆け出した俺は、ジュエルシードの進行方向にやや外れた軌道で走る。
このままジュエルシードに向かっていったら、正面衝突だからな。
そして、少し軌道を外れたことで、奴の傍に近づくときにはちょうどホンのわずかだが、ジュエルシードが俺の左に位置する場所に存在していた。
俺の心の中で、ライアが俺と同じ構えをとって、攻撃に備える。
接触する寸前にライアの合図で、ライアと同じ動きで剣を左から右に横薙ぎに振るう。

「…………斬」
(…………斬!!!)

ライア流剣術、一の太刀「斬」は一刀で相手を斬り裂くことを目的とした技法だ。
それゆえにどのように剣を振って斬るのかは問題じゃない。
どういった目的で、どの太刀を使うのかが重要なだけだ。
斬り裂かれたジュエルシードが地面に崩れ落ちる。

「リリカル・マジカル、ジュエルシードシリアルⅩⅥ、封印!!!」
『Sealing.』

最後になのはの力でジュエルシードが封印されて、事態は事なきを得た。
ジュエルシードと分離したのは、どうやらオスの子犬のようで、ようやく俺が空気を読めてないことが判明した。
男にパンツを聞くなんて……俺も修行が足りないな。
そして皆様、初めてレイジングハートの声が出てきましたよ。
それにしても……まずいなぁ。剣術関係の話になると真面目にならざるを得ない。
これって俺のキャラじゃ……ねえよなぁ。

「あっちゃんやったね」
「なのは、篤志、お疲れ様。二人ともすごいよ」

カモ君……ホントに何もしてねえ。
……クビり殺すか?誰も反対しないよな?
あ、決してカモ君アンチじゃねえかんな?
……ん?何か忘れているような……。

「あああああああっ!!!」
「な、何?あっちゃん、どうしたの?」

忘れてたああああっ!!!

「悪いなのは、俺は急いで家に帰る!!!」

そう言って俺は、白い衣を自分がさっきまで着ていた学校の制服に戻して、家へと走る。

「あ、あっちゃん?どうしたの?」
(あ、篤志さん?まさか……)

そう、ライアの想像通り、今の俺の姿は女……つまり、ライアの本当の体ってわけだ。
となれば、やることは一つ。

「ライアの裸体をしっかりと目に焼き付けなくてはな!!!」

運動の後はしっかりとシャワーで汗を流さなくてはな!!!

(やっぱりいいいい!!!というか、前にも言いましたけど、本音と建前が逆になってますよおおおお!!!)

ん?俺は普通に本音を言っているはずだが……いや、んなことよりも、俺は湯けむりパラダイスに向けて、急いで家に帰ることを優先せねばならんのだ。
何気に次回の最初の出だしが予想できるが、それでも夢は見たいのが男の子って奴だろ?
だから俺は進む。
あの素晴らしい胸に出会える日を願って……。

(な、何を感動的なことを言ってごまかしてるんですか!!!誰か、この人を止めてくださいよおおおお!!!)

だが、残念だ。お前の声は……届かない。
次回のライアのムフフなシーンに期待してくれ。
その前に俺が楽しませてもらうがな、は~はっはっは!!!





愚か者の懺悔
う~ん、主人公の戦闘シーンでの性格が一致していないかも……。次回、ついに○○○無双が起きる……かも?








[18741] 第7話「パンツ貯金始めました そのさん」
Name: ナシ◆11a3e1c6 ID:d5a0cc90
Date: 2010/05/19 23:01
なのははお姉ちゃ~ん、あっちゃんのお姉ちゃ~ん

えっと、次の歌詞は……あれ?あ、もしかして今回のアバンって私?
みなさん、アバンでは初めまして。あっちゃんのお姉ちゃん(ここが今回一番重要なの)の高町なのはです。

今やってたのは、弟のあっちゃんに聞かせる子守唄「なのははあっちゃんのお姉ちゃん」って言うのを作っていた途中なんだ。
これをあっちゃんの枕元で毎日歌うんだよ。そうすればあっちゃんもなのはのことをお姉ちゃんって言ってくれるはずだよ。

……ん?今はそんな話をするときじゃない?しょうがないなぁ。それじゃあ、今までの事についてOHANASHI……じゃなかった、お話するね。
ひょんなことからカモ君と知りあって、あっちゃんとレイジングハートと、カモ君と一緒に魔法少女としてジュエルシードの捜索をしています。
でも、今回のアバンではそんなことは関係無しにあっちゃんとなのはのことについてお話しないといけないんだ。

そこで、今回はこれから題して「高町なのははあっちゃんのお姉ちゃんクイズ」をやろうと思うの。
これに答えていけば、なのはとあっちゃんのことを簡単に理解できると思うんだ。
問題は三択問題形式だから簡単だよね?
それじゃ始めるよ?

それでは第一問、なのはお姉ちゃんは双子の弟、あっちゃんにとっての何でしょうか?
答えは下の三つから選んでね。

①あっちゃんのお姉ちゃん(これが正解だよ。これを選んだら他の問題をどんなに間違えても100点満点だよ)

②あっちゃんの妹(違うよ?なのははあっちゃんのお姉ちゃんだから、①が正しいんだよ。これを選んだら文句なしで0点だよ?)

次は……あれ?こんな選択肢だったっけ?
とりあえず言うね?





③みの虫でお子様パンツでペチャパイ(これは絶対違うよ!!!これを選んだら、問答無用で-500点だよ!!!だから、みんなは答えに①を選ぼうね)

……おかしいなぁ、確か義理の姉っていう選択肢だったはずだけど……気のせいかな?
さぁ、みんなはわかるかなぁ?ううん、第一問は簡単だからわかるよね?
さあ、答えはど~れだ。答えは①だよ、みんなはわかってるよね?









………………あれ?
あの……なんでみんなそんな答えを選ぶのかな?
……違うよ?それは間違いだよ?
みんなは①を選ぶんだよ?選ばなきゃいけないんだよ?
……なんで、みんなこの答えしかないって顔してるの?
見たの?なのはのパンツ、もしかして見ちゃったの?
ち、違うもん!!!お子様パンツじゃないもん!!とってもカワイイく~ちゃんパンツだもん!!!

それに、最近はキツネさんの貯金箱を買って貯金を始めたから、そんなことはないの。
ただ……お金が貯まってないから、用意できてないだけなの。

それにさ、なんで?なんで誰も感想欄にお姉ちゃんななのはガンバレって書いてくれないの?
あんなにお姉ちゃんとして頑張っているのに……みんなイジワルだ。
……ん?なんでみんな生暖かい目でなのはを見ているのかな?

よ~し、今度はあっちゃんがお姉ちゃんにどれだけヒドイことをしているか教えてあげる。
これを聞いたら、あっちゃんがどれだけお姉ちゃんにイジワルなのかがよくわかるよ。

あっちゃんはね、ヒドイんだよ?お姉ちゃんがいっつも落ち込んでいる時にイタズラして怒らせるんだよ?
ホント~にあっちゃんってイジワルだよね?
この前なんてね、マラソンの授業があったんだ。私はそんなに運動神経良くないし、体力もそこまであるとは言えないから、運動神経抜群なすずかちゃんやアリサちゃんに置いてけぼりにされて落ち込んじゃったんだ。
やっぱり、私はダメなんだぁって思ったんだ。
そんなときにね、あっちゃんはこんなひどいことを言ったんだよ。

「なのはもアリサも……うん、同じお子様パンツだ、気にすんなよ」

そう言って、私のパンツを確認した瞬間にあっちゃんはアリサちゃんに平手打ちされちゃったけどね。
でもさ、ヒドイと思うよね?

それにさ、いっつも朝起きるときにイジワルするんだよ。
布団ごとお姉ちゃんを床に落とすなんて信じられないよね?
おかげでいつもお尻を打っちゃうから、お尻の青アザがまだ……ううん、何でもないよ?

さて、あっちゃんがどれだけヒドイかをみんなもわかってくれたよね?
それじゃあここからは本編です。
リリカルマジカルパンツ貯金始めます。
……ん?あ、ち、違うよ?パンツ貯金じゃないよ?あっちゃんにお姉ちゃんと言わせよう貯金だよ?
……え?なのはって今回ほとんど出番ないの?
う~、あっちゃんのバカ!!!










やあみんな、僕、高町篤志です。
やったよ……僕はついにやったんだ。
ついに僕は念願のライアの裸を……










という夢を見た。騙されたか、ヴァカめ!!!は~はっはっは!!!
………………虚しい、虚しすぎる。

そんなわけで買い物にいくことにしました。
そう、その夢を見て、俺が言える一言はこれしかない。

「……そうだ、ロープを買おう」

……そして、天国に行こう。あ、その前にホームセンターな?
ロープ買わないといけないから。

(結局はこれですか?最初の方は少し焦りましたけど)

この前のジュエルシードとの戦闘終了後、俺は急いで家に帰った。
しかし、結局は家に着く直前に自分の股間に将来のマク□スキャノンの感覚を感じたことで、俺の野望はもろくも消滅した。
しかし、天は我を見放さなかった……と、思っていた。
いや、家に帰ったときにさ、恭也兄さんと忍さんが家にいたわけよ。

傷心(ブロークンハート)な俺は、その心の傷を癒すことと汗を流すため、湯に浸かろうと考えても不思議じゃない。
そんなときに、俺に春が来たんだ。

「あ、あっくんお風呂に入るの?それじゃあ、私も一緒に入ろうかなぁ」

そう、忍さんからのお風呂のお誘いがあったのだ。
どうやら忍さんも運動の汗を流そうと考えていたらしい。
運動といっても恭也兄さんと一緒にアッチの運動のほうじゃねえかんな?純粋なスポーツという意味だかんな?
傷心(ブロークンハート)な俺にはまさに神の啓示とも言えるべき、天使のお誘い。
では賢明な読者諸君、俺の選んだ答えは……わかるよな?










俺はそのお誘いを………………丁重に、断腸な思いを持って断った。
はいそこ、何意外そうな顔してんの?
何?もしかして一緒に入ると思ったんか?
おいおい、なんだよ、そのあまりにも意外って言う顔はよぉ。

いいか?俺は紳士なんだ。感想やらなんやらで変態紳士とかいう奴が多いみたいだが、俺のどこに変態の成分が入っている?……入ってないよな?
はい皆さん、なぜ……黙る?
いいか?俺は恋人同士を別れさせるような鬼畜な真似はしない。
忍さんの誘いにヒャッホ~イと言って、尻尾を振るような奴と一緒にしないでほしいものだ。

ん?なのはやアリサ達に誘われたらどうかって?
んなもん、興味ねぇよ。すぐに断るか、一緒に入っても何も気にしない。
いいか?何度も言うけど、俺はお子様には興味ねぇのよ。
あんなペチャパイとお子様パンツ見て、何が楽しいんだ?
ふう、それが良いんだと考えている人間こそ、俺が何故か戴いている4文字の称号の前2文字がふさわしいってもんよ。
……なぜ、俺に紳士という称号がないんだ?
俺にもっともふさわしい称号とは思わんかね?

ん?他にも質問がある?
まあ、今回は特別だ。聞いてやろう、なんだ?
……ノエルさんとファリンさんに誘われたらどうする?
…………ふぅ、お前らと言うより、それを想像した奴……俺をナメているだろ?
そんなもん、答えは決まっている。










もち、一緒に入りますよ?それが何か?
考えても見ろ、二人ともフリーで、尚且つ大人の魅力(みりき)満載のノエルさん、童顔巨乳のファリンさん……まさにこの世のヘヴンだねぇ。
どこか断る理由があるか?
ん?なんだ、そのすげさむような目は?
いいか?俺はまだ9歳の子どもなんだ。だから問題ないのよ。
もっとも、これ以上年齢を重ねたら、流石にマズイだろうけどな。
そんなこんなで俺は今、ロープを求めてホームセンターに……

「あっちゃん、そろそろ帰ろう?」

行こうと思ったんだ、ホントだぞ?
ジュエルシードのことさえなければなぁ。
カモ君と出会ってそろそろ一週間、ジュエルシードの捜索をしながら、俺達はそれぞれ特訓を続けている。

俺はライア流剣術の鍛錬を続けて、何とか五の太刀を扱えるようになった。
はいそこ、努力(笑)乙!!!とか言うんじゃねえ。
これでも努力している……はずなんだよ。
まあ、一応今までも五の太刀を練習してたから、そこまで難しかったわけでも、疲労が溜まっているわけでもないんだけどな。
なのはは魔法の練習で、なんだかディバインシューターとかディバインバスターとかって魔法を使えるようになったらしい。
まあ、その魔法がねぇ……どこが魔法?って言いたいんだけどさ。
何?あの光の弾とか光の砲撃?
あれは魔法というよりは必殺技だよね?
そう考えた俺は間違いじゃないよね?
みんなもそう思うよな?

まあ、そんな訓練を続けながらも、ジュエルシードは5個回収できた。
一週間の成果にしてはいいもんだろう。
だけど、そろそろなのはが限界だろうな。
俺は元から少しだけ剣の鍛錬をしてたから、そこまで疲れが残っていない。
だけどなのはは、もとから運動はあまり得意じゃないからなぁ。
疲れも結構溜まっているだろう。
明日はどうやらアリサ達と約束もあるようだし、休みってことにしておくか。
俺はカモ君にそういったことを伝えて、なのはにも明日は捜索を休むように言った。
もっとも、なのはは……

「お姉ちゃんもそう思ってたの、あっちゃんが先に言っちゃダメなの!!!」

こう言ってたがな。
まあ、明日は俺のほうでも約束があるしな。
丁度いいって言えば、丁度いい。

(明日が楽しみですねぇ)

楽しいのはライアだけだけどな。





そして次の日、日曜日。
いつも通りなのはを床に落とし……いや、なのはにモーニングフォールして、カーテンを開いて清々しい朝を満喫して、俺は外に出る。
父さんは地元のサッカーチームのコーチだかなんかで試合に出掛け、なのははアリサ達と一緒にその応援に行くようだ。カモ君も一緒についていくらしい。
……カモ君にはなのはにちょっかい出さないように言っておいたから、大丈夫だろう。
あ、アリサやすずかにはちょっかい出してもかまわんのよ。
相変わらず……俺も過保護だねぇ。
恭也兄さんは忍さんとデートかな?
美由希姉ちゃんは……友達と買い物だっけ?
母さんは翠屋で仕事だからな。
さて、俺もそろそろ出かけるとするか。

(さ、篤志さん、それでは早速いつものところに行きましょう)

ふぅ、ライアの奴……はしゃいでるなぁ。
とりあえず、いつもの場所に行くとするか。
……はぁ、憂鬱だ。





目の前にあるドアを開く。

「いらっしゃいま……あら篤志、そろそろ来るころだろうと思ったわよ」

おめでとう母さん、本編初登場だ。

「あら、ありがとう。いやぁ、士郎さんにバッグは買ってもらえたし、最近いいことづくめねぇ」

……やはり、母さんは恐ろしい。
アバンや感想のネタを振るのは俺の……主人公である俺だけの特権だったはずなのに、母さんは平気でそれをやってくる。
まさに、桃子さん恐るべしだ。

「母さん、とりあえずいつもの」
「用意、できてるわよ」

俺が言うと同時に渡される一つの紙袋。

「帰りは……いつもどおり?」
「……ん、大体そんな感じかな?」
「わかったわ、いってらっしゃい。気を付けるのよ?」
「は~い」

母さんからの言葉を受けて、俺は喫茶翠屋から出て、誰もいない場所へと向かう。





「……ここならいいか」
(それじゃ、始めますよぉ)
「そんじゃ、みんなはこれからブラウザバックしてな?」

俺の絶望にお前が泣くから。

(な、なんでですか?これから私が活躍するというのに!!!)

うっせぇ、これから俺を……俺を弄ぶくせに!!!

(人聞き悪いこと言わないでください。ちゃんとお願いしてのことじゃないですかぁ)

だから、せめて読者の皆さんにはブラウザバックしてもらおうと思ってんだよ!!!

(そんなことより、ちゃっちゃとやっちゃいましょう)

俺の魂の叫びが……そんなこと呼ばわり?
そんなことを考えている内に、俺の体は光に包まれた。










「さってと、これからシュークリーム食べて、今日は……クレープなんかいいですねぇ」
(お前のパンツに俺が泣いた……俺が泣いてどうすんじゃい!!!)
「……篤志さん、ウルサイです」

はい、現在体を乗っ取られた高町篤志です。
俺の体を乗っ取ったライアは、母さんからもらった紙袋に入っているシュークリームを頬張りながら、ウインドウショッピングを続けてます。
こんな所帯染みたダメ神初めて見たぜ。

「あ、篤志さん、このお洋服ステキですねぇ」
(パンツ見るけどいいよね?答えは聞いてない……微妙だ)

俺が小学校に入学してから、毎月一日だけライアに体を貸すことが最近の約束事になりつつある。
その間は俺はいつものライアのように、表に出ているライアにしか俺の声は届かない。

「でも、スカートですから、試着できませんねぇ」
(お前、僕にパンツ見せてみる?……どこの変態さんだってぇの)

ライアも律儀だねぇ。この姿の俺なら、体が女だからスカートとかも履いても問題ないのに、俺が嫌だからってんで服装はいつものシャツにズボンだかんなぁ。
ちなみに、髪と瞳の色だけは元のライアの姿にしているし、憶えていないだろう髪型もほどいているので、俺とバレるようなことはないだろう。

「あらら、タイヤが溝にはまっちゃったんですねぇ。お手伝いしますね?」
「あ、これはおおきに」
(俺、パンツ!!!……いや、これはメッチャダメだろ?)
「今の車椅子の女の子……なんだか変な感じがしましたねぇ」
(最初に言っておく、俺はか~な~り、パンツ!!!……ワケ分からん)

ん?今なんかタヌキを感じたような?
あ、今の俺はやることないんで、決め台詞を考え中だ。
現在、決め台詞を絶賛募集中!!!
宛先はこちら……あれ?普通はここで下に住所とか連絡先が出てくるんじゃねえの?
あ、二次創作にそういうもんはない?失礼しました。

「ゴメンなさい、今日は約束がありますので、せっかくのお誘いなのですが……」
(そのパンツ……俺に返しなさい。……753、あんたダメダメだぁ)

う~ん……決め台詞って難しいな。

「えっと……どのクレープにしましょうかねぇ?」
(必殺、パンツ斬り!!!……ダメだ、剣術には使えない)

一応剣術には真面目に取り組んでるのよ?そう思えないだろうけど。

「いちごチョコも捨て難いですけど、バナナチョコも……」
(女神が人を守るなら、パンツを守ったっていい!!!……なんのこっちゃ?)

やはり難しいなぁ。

「う~ん、悩みますねぇ」
(う~ん、悩むなぁ)
「決めた、両方……だとお小遣いが足りなくなっちゃいますねぇ」
(パンツ見てますから、シュッ!!!……これもダメだな)

他には……そうだなぁ。

人間はみんなパンツなんだよ……男のパンツに興味なしなんで却下。

パンツを好きにならない男は邪魔なんだよ……理解できる……パンツを好きにならない男は男じゃない。

パンツでしか分かりあえないなんて、悲しすぎるから……いや、むしろ感激ですが何か?

過去のパンツは変えられなくても、未来のパンツは変えられるから……う~ん、ちょっと違うか?

俺は今、心の中でお前のパンツを見た……何?この後ろ向き発言?

不完全なパンツのせいで、俺の心はボロボロだ!!!……決め台詞じゃねえ。

君もパンツに生命をかけてくれ……お、なかなかいいぞ?

それでも俺はパンツのために戦う、パンツのために生きる。俺は……それだけでいい。……カッコええ?

地べたを這いずり回ってこそ、見えるパンツがある……流石にそこまではねぇ?

なのはのパンツを笑ったのはお前か?俺のパンツも笑ってもらおう……いや、俺はパンツを見せる趣味はない。

わからないもんさ、人のパンツなんてな……保留。

パンツが飛ぶなぁ!!!……いや、飛んでもいいと思うけど?

こんな寄り道をしたくなかった、俺はパンツだけ見ていたかった……これは感動系か?

最初から最後までパンツだ!!!……よくわかるぞ、その気持ち。

人生を面白くするのは、千のブラに万のパンツ……素晴らしいな。

おばあちゃんが言っていた、パンツとは俺、俺自身がパンツだ……俺はパンツじゃねえ!!!

パンツを見ない理由なんてないよね?だから……パンツを見る。……俺の人生そのものか?

あきらめない、パンツに負けたくないんだ!!!……俺は、俺を負けさせるパンツに会いたいんだが?

俺はただ……パンツを見たかっただけなのに……魂の叫びだな。

俺は……パンツを求めなきゃいけないんだ……ダメだ。

パンツにおいてもっとも重要なのはパーフェクトハーモニー、完全調和だ。……よくわかるぞ。

俺はパンツを見ることでも頂点に立つことのできる男だ……俺はそこまでパンツ神じゃねえ、まだ未熟だ。

俺は全てを失った。男の尊厳も、マク□スキャノンも……だから、最後に残った物だけは失いたくない。信じられる……パンツへの思いは……って、長すぎる!!!

俺はただ、パンツを見たいだけだ……シンプル・イズ・ベスト?

この距離ならパンツを抑えられないな……どこの変態だ。

パンツが俺のノブレス・オブリージュ……信念だな。

お子様パンツだったり、柄パンツだったり、何も知らなかったとしても、それはパンツを見ない理由にはならない……素敵だ。

決まったパンツほど変えたくなる……いや、パンツは女性が思い思いのものを履いてこそパンツ……変えさせちゃいかんよ。

世界中のパンツがお前を愛しているよ……むしろ俺を愛してくれ。

女性のパンツのために生まれた、この剣、この生命はそのためのものだ……カッコいいぞ、これ。

これ以上、誰かのパンツを見たくない……いいえ、見たいですが何か?

だから、見ててください、俺のパンツ!!!……いや、だから俺はパンツを見せる趣味はない。

パンツは……パンツは闇を切り裂き、光をもたらす……すばらしいぞ、パンツ。

パンツはどんな奴でも履く……それがどんな嫌な奴でもな……真理だ。

パンツを見れない全ての人のために……俺がパンツを見る。……まあまあか?

おい知ってるか?パンツってのは時々すっげー熱くなって、時々すっげー切なくなるらしい。……わかる、わかるぞぉ。

悪いけどパンツは消させない……もちろんだ!!!

天が呼ぶ、地が呼ぶ、パンツが呼ぶ……ちょっとなぁ、天とか地には呼ばれなくてもいいし。

ううん……難しいなぁ。
あ、次回に続くぞ?決してネタが無くなったわけじゃねえかんな?
むしろ、本来書くところまで収まりきらなかった。
ってわけで、次回をよろしく。





愚か者の懺悔
なのはが何だか低脳化している?なのはファンの皆様、申し訳ありません。
そして、何故かアバンのなのはになのちゃんの影を見てしまった愚か者がここに……。いや、あんなのなのちゃんじゃないとはわかっているのですが、どうもなのちゃんのほうの声が頭に流れてくるもので……末期だな、私もいろいろと。






[18741] 第8話「今回アバンはない・・・・・・なんですか?その落胆は?しょうがない、今回のタイトルは・・・・・・降臨!!!厨二ダメ神でどうだ?」
Name: ナシ◆11a3e1c6 ID:d5a0cc90
Date: 2010/05/22 23:43
決め台詞……難しいなぁ。
他にどんな決め台詞があるのだろう?

ん?何をしているのかって?
それはほら、ジュエルシードと戦うときの決め台詞を考えているんだよ。
なかなかいい台詞がなくてなぁ。

あ、その前にお前ら、今からすぐにブラウザバックしろ。
ん?何でかって?
前回の話を憶えてないのか?
今の俺は絶望のど真ん中にいるんだぞ?
というわけで、ブラウザバックをよろしく。

「篤志さん、このリボンなんかなのはちゃんに似合うんじゃないですかぁ?」

あ、ちなみに今もダメ神に体を乗っ取られている。
そんでもって、女の体になってるんだよ。
だから、ブラウザバックをしろって言ったんだよ!!!

(……この厨二ダメ神が)
「中二じゃないですよ、今の私の体は篤志さんと同じ、小学3年生の体ですよぉ」

くっ、俺が何もできないことをいいことに……好き放題いいやがって。
別に体を貸す……あ、返すだな、俺の場合は。それは別に構わんのよ。
たださ、女神とは言え、この世界では生まれ方が普通の人間と同じだから、色々とあるわけよ。
たとえば……トイレとか。
そんなときはどうすると思う?
……ん?ライアの×××を見れて嬉しいだろうだって?
お前らはヴァカか?俺は未だにライアの裸を見れてないんだぞ?
それなのに、なんで×××が見れるんだ?
あいつはな、トイレに行く時に限って俺に体を返すんだぜ?
しかもその理由が……

『女神はおトイレに行かないんです』

……マジでヤッちまうか?いや、それは俺も死ぬって意味だからやめておこう。
あ、ここいらで少し訂正を入れておこうと思う。
今の俺は小学3年生だ。そんでもって、生まれは3月。
つまり……俺って、実はまだ8歳なんだよねぇ。
う~ん、今まで誰にもツッコまれんかった。
だから、これからは僕8歳と宣言するとしよう。
あ、文章の訂正はよっぽどのことがない限りメンドイから勘弁な?

そんなこんなで『今回の俺の主張』のコーナーだ。
ん?『今回の俺の主張』って何だ、だって?
いや、感想とかをもらうときに色々と書かれてくるわけよ。
それが書かれたときは、これを書いている愚か者じゃなくて俺の魂の叫びを聞いてもらおうと思って、こんなものを企画したわけだ。
ま、聞き流す程度でいいから、みんな正座して(この正座が重要)傾聴しろよ?

さて、今回のテーマはこれ。

『俺がドラゴンボ○ルを7個集めたら、神龍に「ギャルのパンティーおくれ~」って頼むのかどうか』

結論から言おう。
ん?聞かなくても答えは決まっている?
ほう、ならばお前達の答えを言ってみろ。




「このスカートもなのはちゃんに似合いそうですねぇ」
(高いから買わんぞ)





……言うに決まっている……だと?しかも全員がそう思っているのか?
そうか、お前達は俺のことをそんなふうに思っていたわけだな?
お前達にはまだ俺の紳士道が届いていなかったわけだな?

いいか、お前ら?俺は軒先に並んだいろんなパンツを見ても何も思わんぞ?
何故かって?んなもん決まっている。
誰も履いていないからだ。
女性が履いてもいないパンツのどこに、どんな思いを寄せろと言うんだ?
誰が履いたのか、ギャルといっても誰なのかわからんパンツを見て、お前らは満足か?
いいか?パンツってのはな、女性が履いてこそ神秘に包まれるんだ。
履いていないパンツなんて、悪い言い方をすれば、神秘のないただの布切れってもんよ。

「……少しお腹が空いてきました。今日はお寿司というのを食べてみたいんですが……」
(俺が破産するから却下)

それと、お前達は俺がお子様パンツをパンツじゃないと感じているかもしれないが、それも大きな間違いだ。
俺はお子様パンツを否定する気もバカにする気もない。
ん?なら、なんでお子様パンツをバカにした発言をするのかって?
お前ら……俺の話をちゃんと聞いてないだろ?

いいか?俺がお子様パンツと言ってバカにするときはどんな状況だ?
……思い出せたか?
そう、アリサやなのは、その他の女が俺にお姉ちゃんと呼ばせようとしたときだ。
そして、俺はそう呼ばれるだけの器があるのかどうかをパンツを見て確認するわけだ。
まあ、それに見合うパンツにお目にかかったことはないけどな。

今のなのはやアリサに似合うのはお子様パンツなんだよ。まあ、それを見て楽しむような性癖はないがな。
なのに奴らときたら、お姉ちゃんと呼べなどとのたまいやがって……そう呼ばれたいなら、大人っぽいパンツが似合うようになってからにしろってんだ。
あ、ちなみに美由希姉ちゃんのパンツはオトナっぽいぞ?
いやぁ、あのメガネっ娘にしては大人っぽいパンツを履いているもんだ。
うん、問答無用でお姉ちゃんって呼んでしまったよ。
……ま、実際にお姉ちゃんなんだけどさ。

忍さんやノエルさん、ファリンさんにお姉ちゃんと呼べと言われたら、問答無用でお姉ちゃんと呼ぶけど、さすがにあの3人は大人の女性だ。
そういったことを俺に言ってこない。あれこそがまさに大人の女性というものだとは思わないかね?

「あのぉ~、篤志さん?」
(なんだ?)
「話しかけてるのにパンツに対する思いを延々と語られても、困るんですけどぉ?」

……ライア、俺に話しかけてたのか?全然気付かなかったな。

「気付かなかったって、お寿司食べようと考えたら、即行でダメ出ししたじゃないですか!!!」
(……そうだっけ?)

まあライアはほっといて、俺のパンツに対するこだわり……理解してもらえたかな?
そう、前回の決め台詞を考えていたときに、まさにそれにふさわしいものがあった。
それはこれ!!!






『パンツにおいてもっとも重要なのはパーフェクトハーモニー、完全調和だ』

履く女性とパンツの完全調和……どうよ?魂にビビっときたろ?
決め台詞にはなんねえけど、俺の思いをそのまま謳ったようなこの言葉。
流石は蜂のアニキだ。
蜂のアニキ、あんたはパンツのことをよく理解している。

あと、戦闘中に想いを叫ぶならこれだな。





『女性のパンツのために生まれた、この剣、この生命は…‥そのためのものだ』

漢の魂が……魂が熱くならないか?さすが赤心少林拳……パンツを守る梅花の型を持つだけはある。

……ん?何か読者の皆様との距離が遠くないか?
おいおい、今更俺の主張を聞いて引くのか?
まあ、所詮紳士というものは万人に理解されないものなのかもしれないしな。
これを読んでいる読者で俺のように紳士を極めている男は少ないのだろう。





それにしても……そろそろ決め台詞を考えるのも、飽きていたなぁ。
まあ、一日中考え続けるもんでもないだろう。
ライアをいじくって遊ぶとするか。

「そんなことよりも篤志さん、この感じ……ジュエルシードです」

……は?あの、急展開にもほどがありませんか?
これ書いてる愚か者もネタが無くなったんですか?
というか、俺の言いたいことを言い終わったらジュエルシード発見ってどんなご都合主義ですか?
いや、それよりもどうしてライアはジュエルシードのことを感知できたんだ?
たしか、発動していて近くにいるならその存在を知ることができるみたいだけど、それ以外は感知できなかったはずだよな?

「どうやら、私が表に出ているときはジュエルシードを感知できるようですね」

さすがチート厨二ダメ神、半端ねえ厨二っぷりだな。

「なのはちゃんに連絡は……するつもりはありませんよねぇ」
(当然)

さすが8年の付き合いなだけはある。
どうやらライアは俺の言いたいことを理解しているようだ。
なのははさすがに疲れているし、今日はアリサやすずかと一緒に遊ぶはずだもんなぁ。
なら、ジュエルシードの相手は俺がするしかないだろう。

……ん?なんだ、お前らのその顔は?この俺がまともなことを言ってるって表情はなんだ?
……そんなに意外か?俺がなのはに気を使うのが?

「ですが、流石に篤志さん一人じゃ……アレの相手はムリですねぇ」
(……ああ、あれを一人で相手すんのはムリだろ)

ジュエルシードの発動を知ってからすぐに、巨大な樹が街を覆い始めた。
なのは抜きであれを封印しないといけないのか。
……ん?誰か忘れてたっけ?……気のせいだな。

「今回は私がアレを封印するしかないですねぇ」

まぁ、それしか手はないよなぁ。
俺一人じゃ手に余るだろうからなぁ。

「カモ君から聞いた、認識阻害型の結界を展開してこの周辺の空間を隔離、ジュエルシードの封印をします」

認識阻害型の結界?そんなの使えんの?

(なぁ、俺にもそれって使えんの?)
「使えるわけないじゃないですか」

ですよねぇ~。さすがチート厨二ダメ神、存在が半端ねえ。
……別に悔しくないからな。……ホントだからな!!!
ほらそこ、ツンデレって言うな!!!どうせなら紳士と言いたまえ。
……なんだよ、そのナマ暖かい視線は?

「では篤志さん、行きますよ」

俺の……ライアの体が光り輝くと一緒に、転生する前に見た、白い衣と翼が現れる。
しかし、以前は6枚あった翼の数は、今は2枚しかない。
どうやら、この世界に転生したときに女神の力も弱くなっているようだ。
まあ、それでも俺よりは格段に強いんだけどな。

「ジュエルシードの位置は……あそこですね。どうやらあの男の子と女の子が発動させてしまったようです」
(人間が発動させるとマズイのか?)
「動物などが発動させるよりかは、強い願いと思いを持つので強力になっているようですね。ですが……私の敵ではありません」

ライアはそう言って、転生する前に見た金色の杖のようなものを取り出す。

「聖杖シャインクルス……この剣を持って、ジュエルシードを封印します」

いや、あのさ?……杖なのに剣ってどういうこと?
それにその名前って……ほら、読者の皆様も引いてますよ?
というか、いつもと全然違うこのノリに置いてかれてますよ?

「いいんです。私は女神、世界の危機の前にためらう理由はありません」

いや、それってそんなに理由になってないっしょ?

「なのはちゃんを休ませる以上、こちらが全力でいくしかありませんからね」
(むぅ、それを言われると何も言えない)

現状ではライアに任せるのが一番であるのは確かだからなぁ。

「では、あの二人を助けて、一気にジュエルシードを封印します」

ライアは2枚の翼を広げてジュエルシードの発動によって巨大化した樹に突っ込んでいく。
なぜだ?なぜ、こんなにもシリアスな展開になっているのだ?
よし、ここで一服の清涼剤として俺が活躍しないでどうとする?
でもなぁ、なのはを休ませたいってのは俺も思ってるんだよなぁ。
しょうがない、今回だけはマジで行くとしますか。
べ、別にカッコつけたいわけじゃないからな!!!
なのはに関わらせないようにするだけだかんな?

「もう少しであの子達に……これは?」

巨大な樹に包まれるように寄り添う二人の男女の邪魔をさせまいとするかのように、樹の枝がライアに突き進んで、その体を串刺しにしようとする。

「これは……なるほど。どうやらジュエルシードを発動させたきっかけでもある、お二人の一緒にいたいという思いが形になったと考えるべきですね」

ん?つまり、俺達ってこの二人が一緒にいたいのを引き剥がす悪者ってわけ?
ライアがジュエルシードから距離をとろうとするも、邪魔をする者として認識されたのか、木の枝がライアを逃がさないように追いかける。

「ですが、その願いをこのような形で叶えさせるわけにはいきません。龍凰翔覇流、二の太刀……迅!!!」

ライアが剣を振るうと同時に追撃してきた木の枝が木っ端微塵に斬り刻まれる。
ライア流剣術、二の太刀「迅」……複数の斬撃を見舞う技で、一の太刀「斬」が力の技とするなら、二の太刀「迅」はまさに速さを基本とした技と言えるだろう。

「四の太刀……月!!!」

横に振り抜いたライアの剣が、三日月の衝撃波となってジュエルシードに突き進む。
しかし、その衝撃波は伸びてきた木の枝に遮られ、樹の幹までには届かない。

(これって、マズくないか?)

近づこうにも樹の枝で邪魔されるし、三の太刀「弾」でも大したダメージにはならないだろう。

「こうなったら、まずはあのお二人をジュエルシードから切り離します。幸い、ジュエルシードはあの樹の幹に埋まっているようです。お二人を助けた後なら、奥義をもって一気に倒すことが可能です」

……やけに好戦的に見えるのは気のせいですかねぇ?

「……行きます!!!我が裁きの光に、その身を委ねなさい!!!」
(ちょ、そこはお前のパンツは何色だ、だろうが!!!)

俺のツッコミを無視して、ライアは二人のもとに一直線に飛んでいく。
それを阻止せんと樹の枝がライアに突き進むも、その動きを見切ったライアは時に剣で斬り払い、ときに体をひねって攻撃を回避しながら突き進む。

「お二人を包むバリアを破壊して救出します」

ライアは剣の切っ先を二人を包むバリアに向ける。

「龍凰翔覇流、五の太刀……突!!!」

突き出した切っ先がバリアに突き刺さると同時に、バリアに一気に罅が広がって砕け散る。
そして、バリアの消滅とともにライアは二人を抱えて、翼を開いて一気にその場を離脱する。
もともとの願いが二人が一緒にいることだったせいか、樹の枝の追撃はなかった。
ビルの屋上に二人を下ろした後、ついにライアは反撃に移る。

「では、一気に決めましょう。龍凰翔覇流、六の太刀」

空に滞空したライアが剣を下段に構える。
六の太刀はどういったものかは聞いているが、俺自身がそれを練習したことはない。
つまり、今回見るのが初めてと言うことになる。
それは後で繰り出すであろう奥義にも同じことが言える。
ライアが剣を構えると同時に、刃に風が収束してくる。

「……嵐!!!」

下段に構えた剣を振り上げることによって、剣に収束した風がジュエルシードに突き進み、その体を真空の刃で切り刻む。

「舞うは紅蓮の鳳凰……その炎をもって、全てを浄化せしめん」

言葉を紡ぐと同時に、ライアの翼が炎に包まれる。
その炎は剣にも燃え移り、あたりにもその熱気が満ちていく。

「龍凰翔覇流、奥義が壱……鳳炎斬!!!」

剣を上段から振り下ろすと同時に、炎の鳳凰がジュエルシードに突き進む。
そこから先は一方的だった。
ジュエルシードがその攻撃を迎撃しようと樹の枝を向けてくるが、全てが炎によって燃え尽きることになった。
そして、その鳳凰はジュエルシードに突き刺さると同時に、その樹全体を炎で包み込んで焼き尽くすまで消えることは無かった。





ジュエルシードの封印を終えて、あの二人とは違うビルの屋上に降りてきた。
あの二人にはライアが記憶を操作して、今回の件を忘れるようにしたらしい。
まあ、あんなの憶えててもいいことなんてないしな。
街の被害も比較的最初のほうで対処できたから、そこまでひどいもんでもないだろう。
でもなぁ……

「これで6つ目ですね」
(……ちっくしょおおおお!!!)
「あ、篤志さん?どうしたんですか?」

俺が吼えたことにライアが驚いているけど、そんなことはどうでもいい。

(なぜに俺はあんな変になってしまったんだああああ!!!)

そこのお前、戦闘中はマトモになったとか言うんじゃねえぞ?
パンツのことを語らない俺がマトモだと思うか?
……思わないよな?
確かに剣術のことに関しては真面目に取り組むつもりはある。
でも、パンツを捨ててまでとは考えていなかった。
なのに、この展開は何なんだ?

「あ、なのはちゃんが来ます。篤志さん、そろそろ私は引っ込みますね」
(あ、ちょっと、おい!!!)

ライアは俺の答えを聞かずに体の所有権を俺に渡す。
いつもなら、家に帰るまでは絶対に渡さないのにな。

「あっちゃん!!!」
「篤志!!!」

なのはが肩にカモ君を載せて降りてきた。

「なのはとカモ君、どうしたんだ?」

まあ、なんとなくわかるんだけどな。

「えっと、ジュエルシードの発動を感じたから来たんだけど……」
「どこにも……ないね?篤志は何か知らない?」

あ、やっぱり気付いたんだ。
ライアに封印してもらってよかったな。
下手したらなのはが休めなかったところだ。

「ジュエルシードなら俺が封印した」
「あっちゃんが?」
「でも、どうやって?」

どうやって……俺が封印できないことは知られてるしな。
ライアのことを話すわけにはいかないし……どうする?
……あの手しかないか?

「パンツ神が降臨して、封印する手段の無い俺を助けてくれた」

あの手とは……そう、煙に巻くことだ。

「そうなんだ」
「パンツの神様かぁ、さすがあっちゃんだね」






…………オヤオヤァ?もしかして、信じてらっしゃいます?
流石8歳、お子様思考……じゃねえよなぁ?
俺ってもしかしてそんな扱いなんですか?

「でも、よかったよ……パンツの神様があっちゃんを助けてくれて」

あれ?訂正したいのに、なのはが落ち込んでるから訂正できないぞ?

「私……ジュエルシードのこと知ってたのに、気のせいかもって思っちゃった」

何ですか?この重い雰囲気は?

「あっちゃん一人でジュエルシードと戦うことになっちゃったのは、お姉ちゃんのせいだよね」

やめて!!!戦ったの俺じゃないの、ライアなの!!!
ライア、何か助言プリーズ!!!

(篤志さん、なのはちゃんのことをしっかりと慰めてあげるんですよ?私は久しぶりに奥義を使って疲れたので、シェスタさせてもらいますねぇ~)

ふざけんなこのダメ神!!!

(Z~Z~Z~)

何?そのいかにも寝てますよって表現は?
しかもワザとっぽいんですけど?
いや、そんなことはどうでもいい。
今はなのはを何とかせねば。
このままでは泣き出してしまう。
それだけは避けたいな。
……ならば、これしかない。

「なのは、大切な話がある」
「……なあに?」

お姉ちゃんと呼べって言葉すら出てこない……重症か?
いや、こんなときだからこそ、俺がしっかりしなくては。
俺はなのはに近づいて、なのはのバリアジャケットのスカートをめくり上げる。

「……やっぱりなぁ。流石にバリアジャケットでもキツネのパンツはないだろ?」
「あ、あっちゃんの……あっちゃんのバカアアアア!!!」

こうして俺は、砲撃をするためのデバイスであるレイジングハート……砲撃する杖って変じゃね?まあ、それはいいか。
レイジングハートのフルスイングで天に舞った。
レイジングハートを完全に鈍器として使うような奴って……そんなにいないよなぁ?





その日の夜、俺がベッドで寝ている時に事件は起きた。
俺の寝ているすぐそばで人の気配がする。
というか、変な言葉が聞こえる。

「なのははお姉ちゃ~ん、あっちゃんのお姉ちゃ~ん♪」

何だ?そのわけのわからんリズムの言葉は?

「なのは、何をしているんだ?」

わからん、俺には何をしたいのかが理解できん。

「何って、子守唄だよ?タイトルは『なのはお姉ちゃんはあっちゃんのお姉ちゃん』っていうの。どう?お姉ちゃんらしいでしょ?」

誰だよ、こんなこと吹き込んだのは?

「とっとと寝ろ、俺も寝る」

感想を一言いって、布団をかぶる。
ん?感想じゃないって?どこからどう見ても感想じゃないか。
さて、俺も寝るとしますか。

「あ、あっちゃん、寝るならお姉ちゃんが子守唄を」
「いらん」

あれのどこが子守唄だ?洗脳ソング、もしくは電波ソングの間違いじゃねえのか?

「早く寝ないと明日……いや、もう今日だな。モーニングコール……じゃなくて、モーニングフォールをくらわすぞ?」

朝になのはを起こすために落とす……だからモーニングフォールってやつだ。
内容は、布団ごとなのはを床に落とすだけ。
みんなも簡単だから、ぜひやってみよう。
被害を受けても知らんがな。

「なのははあっちゃんのお姉ちゃんだから、大丈夫だも~ん」
「あ、そう」

これ以上は何を言ってもムリそうだから、俺はなのはの電波ソングを聞きながら眠りについた。










ん?結局朝はどうなったのかって?
んなもん、結局眠くなったのか、俺のベッドに入って寝ているなのはのためにモーニングフォールをかましましたが、それが何か?

ついでに、カモ君は俺の部屋で寝ているんだけどな。
実は朝にこんなことがあった。

「おはよう篤志、なのは……お姉ちゃん」
「ちがうもん!!!カモ君のお姉ちゃんじゃなくて、あっちゃんのお姉ちゃんだもん!!!」

あの電波ソングはカモ君の脳に莫大なダメージを与えたようだ。
それにしても、カモ君は最近自分の名前をようやく認めたらしい。
まったく、自分の名前も素直に認められないなんて、変なオコジョだよなぁ。










ライアの手によってジュエルシードが封印された翌日。
ジュエルシードが発動した場所に、一人の少女が現れる。

「ここで、ジュエルシードが発動したんだね」

既に封印されたため、この場にジュエルシードがないことに少女は落胆するが、すぐに自分のするべきことを確認する。






「ロストロギア、ジュエルシードの確保。そして……」

少女にとって大切な人が必要とする物を手にするために……。






「女神殺しを、あの人のもとへ……」

少女にとって大切な人の願いを叶えるために……。
そのための障害ならどんなものでも排除する決意を少女は固める。






「でも、何か別の意味で大変なことが起きそうな気がする」





愚か者の懺悔
いつもより少し遅くなりましたが……これから先はもっと遅くなるかも?はい、言い訳にもなりませんね。
主人公の紳士っぷりを待っていた皆様、遅くなってしまい申し訳ありませんでした。
いつもどおりの紳士っぷり……さすが主人公です。
ん?紳士の前に漢字二文字が抜けているですって?いやだなぁ、紳士の二文字だけで充分ですよねぇ?
チート剣術もとい、ライア流剣術についての説明は……必要ないですよねぇ?







[18741] 第9話「そろそろ厨二ダメ神は……やめようかなぁ?」
Name: ナシ◆11a3e1c6 ID:d5a0cc90
Date: 2010/05/26 23:45
やあ読者諸君、お待たせしました。
今回のアバンは再び主人公こと俺の登場だ。

……ん?何だ?その落胆した表情は?
何?今回のアバンはフェイトの番じゃないのかって?
えっと、どこから話せばいいのかねぇ?

んじゃあ、まず最初に……フェイトって誰だよ?
スター○ーシャン3の主人公か?聖杯戦争のゲームのことか?
それともカモ君の出ている漫画の主人公のライバルか?
どれも違うって?じゃあ、誰だよ?
……あれ?それじゃあなんでカモ君はここにいるんだ?……どうでもいいよな、そんなことは。
んで、フェイトってホントに誰よ?……金髪の女の子?それってアリサじゃねえの?
それも違う?……ま、どうでもいいか。
女の子ってくらいだから、どうせそいつのパンツも俺のハートに火をつけるようなもんでもないだろう。

そんなことよりも聞いてくれ。
……ん?僕のフェイトそんをそんなこと呼ばわりするなだって?
いや、だって俺そいつのこと知らねえし、それにお子様には興味ねえし……ねぇ?俺にどうしろと言うんだ?
それよりも俺の話を聞いてくれ。

最近さ、ライアのことを厨二ダメ神って呼ぶのをやめようと思っているんだ。
だってさ、流石にあれってイジメだよなぁ?
それに、あいつに似合う通り名を考えたんだよ。
ん?どんな通り名だって?
まあ、気になるよなぁ?
聞いて納得しろよ?俺が考えた通り名はこれ!!!










『パンツ神ライア』

ん?なんでこんな名前にしたかって?
それはだな、前回の話は覚えているか?

そう、なのはの代わりにジュエルシードを封印するのでライアが戦ったんだけど、そのことをなのは達に説明することができなくてパンツの神が俺を助けてくれた……ことになっちまった。
そこでだ、ライアって一応女神だよなぁ?
そんでもって俺を助けてくれたのはパンツの神ってことになっている。
つまり、俺を助けたパンツの神=ジュエルシードを封印したライアってことだ。
つまり、パンツ神=ライアってわけよ。
どうだ?理解できたか?まさにライアにぴったりだろ?

(理解できませんし、ぴったりじゃありません!!!)

な?ライア、いつの間に?

(そんなことはどうでもいいんです!!!それより一体なんなんですか、パンツ神って!!!私はそんなんじゃなくて女神です!!!)

お、お前、なんて恐ろしいことを……。

(恐れ多いのは女神のことをパンツ神なんて言っている篤志さんです!!!)

違う!!!俺が言いたいのはそういうことじゃない!!!

(んん?じゃあ、なんですか?)

いいかライア、今のこのパートはアバンなんだ。

(ええ、知ってますよ?)

アバンってのは一人でやるもんなんだ、少なくともここではな。

(……それが何か?)

そうか、ここまで言ってもわからないのか。

(だから、何が言いたいんですかぁ?)

いいか?よ~く聞いとけよ?










なんでお前は俺のアバンに直接ツッコミを入れるんじゃあああああああ!!!

(え?ダメなんですか?だってお母さんの桃子さんだって、士郎さんのときに……)

あれは父さんがアバンの外から母さんの存在を知らしめていただけだからいいの!!!
アバンで他の人の台詞が入るときは、過去の回想とかでの台詞とかじゃなきゃいけないの!!!
まったく、これだから空気を読めないKY女神は……。

(……KYじゃないですよぉ)

いいや、KYだね。よく聞けよ?母さんだって……あの母さんだって本編でアバンのネタは出しても、他の人のアバンそのものに直接口出ししたことはねえんだぜ?

(うううぅ~)

さて、これでライアの呼び方は厨二KYパンツダメ神ってことでいいな。

(よくないです!!!)

それじゃあみんな、これからも厨二KYパンツダメ神ライアのことをよろしく頼む。

(だから、私は厨二KYパンツダメ神じゃないですよ!!!)

んじゃ、こっから先は本編だ。どうやら俺となのは、それに恭也兄さんが忍さんの家に遊びにいくんだ。
さて、忍さんと仮面ライダーの話でもして盛り上がろうかな?

(え?なんでみんな私の声を無視するんですかぁ?)

そんじゃ、本編へどうぞ。リリカルマジカ……ルって、結局言わないとダメなのか?
そうか、言わないとダメなのか。
そんじゃ……リリカル・マジカル今日もパンツを見るぜ!!!
ふう、アバンでこれ以上の名台詞はきっとないだろうなぁ。





ん?今の台詞のどこがリリカルだって?メッチャリリカルじゃんかよ。
パンツだぜ、パンツ。これ以上のリリカルはないだろ?え?違うって?ま、いいじゃん、どうでも。
そんじゃ、こっから先は本編だからな。










俺の一日はこれから始まる。

「あ、篤志?本当に今日もやるの?」

俺の肩に止まっているカモ君。その声はなんだかこれから起きる出来事を恐れているように見える。

「当然だ。これは爽やかな朝を手に入れるための俺の日課だ」
「前から知ってたけど……随分と嫌な日課だね」

俺とカモ君が話している傍では、今もなお惰眠を貪っている一匹のみの虫。
高町なのはVer.みの虫って奴だ。

「ふへへ~、なのははぁ~あっちゃんのぉ~おねえちゃ~ん♪」

相変わらずの電波ソングを歌って、ご満悦のなのはを起こす。
これが俺の日課だ。今やらなければならない、俺の日課だ!!!
うん、こう言うとカッコいいなぁ。

「それじゃあ、気分も新たに……いっきま~す!!!」

なのはの眠っている敷き布団を引っ張る。
今必殺のモーニングフォール……これでなのはが起きる。

「にゃ?地震?雷?火事?あっちゃん?」

おい、俺はオヤジの代わりか?
それにしても今のは……。

(なんか……しっくりきませんねぇ?)

そうだなぁ……いつもよりキレがなかった感じだな。
……よし。

「なのは、もう一度寝てくれ」
「ん?どうしたの、あっちゃん?」

敷き布団を戻した俺の言ったとおりに、ベッドに上がり再び掛け布団をかぶるなのは。
俺はそれを見るともう一度敷き布団を掴む。

「日輪の力を借りて、今必殺の……モーニングフォール!!!」
「にゃ?にゃあ!!!」

布団が落ちる音に加えて、なのはが尻から床に落ちる。
……これだ、俺はこれが見たかったんだ。
見たかった光景を見れたことで、俺はなのはの部屋のカーテンを開ける。
そこにはちょうど朝日が窓から顔を出していたところだ。

「今日も……いい朝だな」
(そうですねぇ)
「あ、なのはお姉ちゃん、おはよう」

やっぱり、これが決まるとスッキリするなぁ。

「いい朝じゃないよ!!!あっちゃん?何でいつもこんなことするの?いつもお尻が痛いんだよ?それにカモ君のお姉ちゃんなんかじゃないってば!!!」
「だってなのは、声かけても起きないじゃん」
「え?今日って篤志、なのはお姉ちゃんに声をかけてたっけ?」

カモ君もあの電波ソングに毒されてるなぁ。

「あ、最初のころは声で起こしてたんだけどな、メンドいからモーニングフォールに変えた」
「なんで?」

なのはがさも怒っていますといった感じでプリプリしている。
う~ん、さすがに遊びすぎたか?

「まあなのは、落ち着いて。深呼吸でもしろって、吸って~」
「すぅ~」
「吸って~」
「すぅ~」
「吸って~」
「……すぅ~」
「吸って~」
「…………すぅ~」
「吸って~」
「すぅ~……って、これじゃ死んじゃうよ!!!」

うむ、予想通りの反応をありがとう。なのはって最高だな。

「さて、目も覚めたようだし、忍さんのところに行くとしますか。なのはも早く着替えろよ~」

う~ん、なのはって結構付き合いいいよなぁ。変な男に騙されないか心配だ。
ん?おちょくっているお前に言われたくないって?
何を仰る、俺がいつどこでなのはをおちょくった?
俺はなのはを(兄的な視線で)見守るややシスコン気味で女性のパンツを愛するだけの紳士だぞ?
だから、決しておちょくっているわけではないのだ。

「さて、なのはの用意が終わるまで下で待ってるとするか」
(そうだね)
(二度寝しないといいですけどねぇ)

ライアの心配の声はカモ君の使う念話とは違うから、ライアの言葉はカモ君には聞こえていない。
だから俺はライアの言葉に特に頷くでもなく、階段を降りていった。





そんなこんなでやってきました、忍さんのお屋敷。
ん?美由希姉ちゃんがどうしたって?……美由希姉ちゃんが出てきてない?
……あ、特に何もなかったから端折ったんだけど、マズかった?
そういえば美由希姉ちゃん、私の出番がとかって泣いてたっけ?
ま、大丈夫だよなぁ、父さんも出てきてないし……あ、アバンで出てたっけ?
…………気にしたら負けだな、うん。

「恭也様、なのはお嬢様、篤志君ようこそいらっしゃいませ」
「やぁ、お招きにあずかったよ」

おめでとう恭也兄さん、初登場初台詞……なんだ?美由希姉ちゃんが泣いているような……気のせいだな。
うん、そう思っていた方が幸せだ。…………主に俺が。

「こんにちは、ノエルさん」
「ノエルさん、今日のパンツは……って、なのは、どこをつねっている?」
「お姉ちゃんが恥ずかしいから、そんなことを言ったらダメなの」
「なのはお嬢様も篤志君もお元気そうで」

ノエルさんは俺の言葉を気にもしないで話を続ける。
これが大人の女性ってもんだよなぁ。……なのはには届かない境地だな。

「さあ、こちらへどうぞ」

ノエルさんに促されて、忍さんとファリンさんの待つテラスへと進む。
ん?誰か忘れてるって?……誰か他にいたっけ?
……アリサとすずか?……ま、お子様なんて別にどうでもいいじゃん。
え?これってリリなのの二次創作なのにメインがおなざりでどうすんだって?
いやだなぁ、メインのなのはとカモ君がいるから、お子様のことは気にしなくても別にいいんじゃね?
それに俺は設定的にはリリなのを知らないってことになってるんだから、そんなツッコミをしてはいかんのだよ。

「こちらです」

そんなことを考えているうちに、ノエルさんにテラスに通された。
開いた扉から飛び出してきたのは……

「死ねえええええ!!!」

ツンデレボイスと一緒に目に前に広がる犬のプリントのついたパンツだった。





「あっくん、大丈夫?」
「ふん、バ~カ」
「顔が痛くて涙が出てきちゃう……男の子だもん。だからファリンさん、俺を慰めて」
「はいはい、痛いの痛いの飛んでけ~」

腹にアリサの強烈なキックを食らったのはいいんだが、その後にパンツのことを指摘したらアリサに往復ビンタをかまされた……なぜだ?
バカにしたんじゃないぞ?今日もお子様パンツだったから褒めたんだぞ……多分。
それなのに俺は蹴られたり往復ビンタを食らったわけだ。
なんでも無性に俺に対してムカムカしたらしい。相変わらず理不尽だよなぁ。
そんなわけで、今はファリンさんに頬と腹をさすってもらっているところだ。
しかしファリンさん、そのお呪いはさすがに子供扱いしすぎでは?

「ううう、ひどいよあっくん」

ん?すずかは何をそんなに落ち込んでいるんだ?

「ひどいよ、心配してるのに無視するなんてぇ」

俺はすずかに何か悪いことをしたんだろうか?
まあ、落ち込んでいるすずかは放っておこう。どうせなのはやアリサがいるんだ、問題ない。

「あっくん、私はこれから恭也と一緒に部屋に行くけど、あっくんはどうする?」
「ん~、どうすっかなぁ」

忍さんから俺がこれからどうするのか聞いてきた。
確かに、ここにくるのも忍さんと仮面ライダーの話とかで盛り上がったりすることが多いからだもんなぁ。
あとは……あ、あれだ、「月刊今日も元気だ!!!オッパイが美味い!!!」で恭也兄さんをからかうときとかかな?
恭也兄さんはあれで初心だからねぇ。以前は鼻血を出してたもんな。

さて忍さんとノエルさん、なのはとファリンさん……どちらを選ぶべきか。
ん?選択肢に2人足りないって?あとの2人は……誰だ?

「録画したWでも見る?」
「行きます」
「あっくんは相変わらず仮面ライダーのこととなると即決だねぇ」

さて、なのはやファリンさんと別れるのは残念だが、忍さんとノエルさんと一緒にWを見にいくとしますか。





「いやぁ今回のWも面白かったわねぇ」
「いやぁ、ツッコミどころが満載でしたからねぇ」

忍さんとの話の内容はこちらの世界でもやっている「仮面ライダーW」のことだ。
この世界でも平成仮面ライダーがやっているのには驚いた。
ま、生まれた時間的にクウガとかはDVDとかでしか見れないんだけどな。
録画したものを俺と恭也兄さん、忍さんとノエルさんの4人で見た。

「さすがに夢の中とはいえ、亜希子が変身するとは思わなかったからな」

ちなみに恭也兄さんも家で俺と一緒に見ていたりする。
もっとも、恭也兄さんはそれよりも昔にやっていた「仮面ライダー剣」のほうが気に入っているらしい。やっぱり剣術をやってるからか?
それとなく聞いてみたら、仮面ライダー剣を見て兄さんはこう言ったんだ。

「昔、あの人のような兄がいたような気がするし、憧れていた気もする」

とか言ってたんだぜ?
はい恭也兄さん、そういったメタかつ一部の人しか知らないネタは自重しましょうね?
わからない人のほうがきっと多いから。他の二次創作のネタを引っ張るのはよくないからね?
ちなみに、なのはも今の仮面ライダーより剣のほうが好きらしい。
その理由がたしか……

「私はあっちのほうがよかったと思うの。だって、あっちのほうがお姉ちゃんのヒロインとしての待遇がいいと思うんだ」

仮面ライダー剣にそんな役どころってあったっけ?
いや、今はそんなことよりも仮面ライダーWの話だ。
今回のドーパントはナイトメアドーパントだったんだけど、そこで主人公である左翔太郎じゃなくて、鳴海亜希子が夢の中でWに変身するシーンがあったんだ。
それを見て俺が言ったのはこの言葉。

「あれじゃ左翔太郎じゃなくて、右翔太郎じゃない?」
「そういえば……そうよねぇ」

俺の言葉に忍さんが今思いついたような表情で答える。
あ、仮面ライダーWの主人公である左翔太郎なんだが、相棒のフィリップと一緒にガイアメモリってのを使って仮面ライダーに変身するんだ。
ベルトに装着するガイアメモリのうち、右側をフィリップが使うのにたいして翔太郎は左側のガイアメモリを使う。
でも、その回だけは夢の中で翔太郎は右側のガイアメモリを使ったんだ。
だから、本名の左翔太郎じゃなくて右翔太郎ってわけ。
あ、どうでもいいよな、こんな話。

「それじゃ見終わったことだし、俺は少し散歩でもしてくっかなぁ」

流石にいつまでもここにいて忍さんと恭也兄さんの邪魔をするのは気が引けるしな。
あ、俺だって気を使う時は使うんだぞ?それに考えたいこともあるしな。





そんなこんなでやってきました、月村家の庭。

(広いですねぇ)
「広いっつうか……ここどこよ?」

あれから30分、まさか迷うとは思わなかった……ってか広すぎるんだよ!!!

(どうしましょう?)
「ま、ノエルさん辺りが探し出してくれるんじゃね?」

なんせノエルさんは俺が認めるスーパーメイドさん。きっとすぐに俺のことを見つけてくれるはずだ。

「そんなら、今のうちにあのことを考えておこうぜ」
(そうですね)

さて、ライアとの話し合いだが、これは前回のジュエルシードでライアが戦ったことが関係している。
今現在はライアの力はそこまで強くないらしく、前回のジュエルシードとの戦いで結構力を使ってしまったらしい。
このままだとまた前回のようなことが起きた場合、対処が困難になる可能性があるということで、できるだけ早急に俺自身が強くなる手札が必要になるってわけだ。
まあ、現状でも俺が直接ジュエルシードと戦ったときくらいの力は出せるようだけど、それだけだと心もとない。
言ってしまえばライアはエンジンみたいなもんだ。ライアの作るエネルギーを使って、俺は戦うって感じだな。
つまり、ライアが表に出てこれない以上は俺が頑張らないといけない。
そんなわけで、なのはだけに頑張らせるわけにはいかないから、俺も何か手を考えないとな。

(やっぱり、新しい戦闘形態を考えた方がいいですかねぇ?)
「新しいってどんなだ?」
(そうですねぇ、それぞれの能力に特化した形態とかはどうですか?)

それぞれの能力に特化……か。

「それってWみたいな奴か?」
(ああ、あのメモリチェンジは参考になりそうですねぇ。だとしたら、後は武器をどうするかですね。篤志さんは今は子どもですから、リーチの面で不利になる可能性は高いです。それなら各形態ごとに武器を使った方が便利でしょう)

……武器ねぇ。剣以外ろくに使ったことがないから、あんまり期待できないんじゃないかな?

(ちょっと考えさせてくださいね……)

ライアも考え込んでいるようだし、俺も少し考えてみるか。
ライア流剣術をより上手く使えるような戦い方を……な。
なのはだけにムリはさせられないしなぁ。





「迎えが……こない」

あれから……さらに30分経過した。
スーパーメイドさんは……ノエルさんはまだこない。
ドジっ娘メイドさん……ファリンさんは来るはずもない。
俺ってもしかして忘れられてる?
しかも、周りがいつもとなんか雰囲気が違う。

(これってもしかして……結界ですか?)
「結界ってことは……ジュエルシードか?」
(おそらくカモ君が結界を張ったんだと思います)

それじゃあなのはが戦っているってことか?

「ライア、行くぞ」
(はい、急ぎましょう)

なのはだけに戦わせるわけにはいかねえもんな。
俺はとりあえずライアの言葉を頼りにジュエルシードがありそうな場所へと急いだ。





「なのは!!!」

戦闘形態(ああそうだよ、みんなから見れば女装みたいなもんだよ)になって、ようやくなのはを見つけたときには全てが手遅れだった。
なのはのバリアジャケットはボロボロで地面に横たわった気絶している。
カモ君はなのはの傍にいるが、あいつめ役立たずだな。まさにカモ君だ。

「おいなのは、しっかりしろ!!!」
(篤志さん、上を!!!)

ライアの声を聞いて、上を見るとそこには金髪をツインテールにしたなのはや俺と同年代の女の子がいた。
女の子の手には黒光りした長い棒のようなものが握られている。
くそ、俺だって将来はマク□スキャノンになるんだぞ?
いやいやいや、今はそれどころじゃない。
そいつが気を失っているなのはと俺をを見下ろしている。

「お前がなのはをこんな目にあわせたのか?」

きつい言い方になっているな。クールになれ、紳士のようにクールに……って、なのはをこんな目にあわされてクールになんてなれるかあああああ!!!
いや、俺が紳士じゃないわけじゃない。そう、大切なものをこんな目に合わされて怒らないほうが紳士じゃないんだ。
だから俺=紳士、オーケー?
手に光の剣を出して、あいつに向かって叫ぶ。

「さあ、お前のパンツの色を言いな!!!」

よし、今回のこの台詞の使いどころは間違ってねえ。

(もういませんよ?)
「…………は?」

ライアに言われて、あの小娘のいたところを見ると、誰もいない。
もしかして、決め台詞が……また不発?
いや、そんなことを気にするもんじゃない。今はなのはの心配をしないとな。

「ん……あっちゃん?」
「お、目が覚めたのか?」

よかった、それほどひどい怪我ではなかったようだ。
しかし、あの小娘……

「なのはをこんな目にあわせやがって、あのアマ……」
「あっちゃん?」

ふ、ふふふふふふふふふふ、俺を完全に怒らせたな。

「今度会ったときはあいつのパンツを白日のもとにさらしてくれるわああああ!!!」
(せっかく今回はここまであんまりパンツって言ってなかったのに、結局最後のオチはこれですかぁ?)
「あ、あっちゃん?少し落ち着こうよ」
「そうだよ、なのはお姉ちゃんの言うとおりだよ?」

うっせえ、あの金髪小娘のパンツを白日のもとにさらして、自分がどんだけの罪を犯したか思い知らせないと気がすまねえんだ!!!
つうか、カモ君は毒されすぎだ!!!

「ほらあっちゃん、深呼吸だよ深呼吸。はい、吸って~」
「すぅ~」
「吸って~」
「はぁ~」
「吸って~」
「すぅ~」
「吸って~」
「はぁ~」
「吸って~」
「すぅ~」

※以上のやりとりを後10分ほど繰り返しますので、そこのところをご了承ください。

「な、なんでぇ?あっちゃん、そんなに息を吸い続けることができるの?」
「いや、普通に吸って吐いてを繰り返しただけだけど?」

そんな吸ってばかりじゃ死んじゃうだろ?

「ううう~、あっちゃんはお姉ちゃんの言う事をもっと聞かなきゃいけないの!!!」

んな横暴な。なのはは俺に死ねと?

「それより、早くファリンさんのところに戻ろうぜ」
「そうだね」

ジュエルシードはどうやらあの小娘に取られたみたいだからな、これからもあいつが狙ってくることもあるだろう。
それなら、今度会ったときに完膚なきまでに叩き潰す。んでもって、あいつのパンツを白日のもとにさらす。それが俺のやるべきことだ。

「くくく、なのはをあんな目にあわせた罪は重いぜぇ?」
「あ、あっちゃん?なんか目つきが悪人さんだよ?」

失敬な、家族を思う暖かい目の間違いだろ?

「ところでなのは」
「な~に?」
「忍さんの家って方向どっち?」

俺って迷子だったんだよなぁ。

「え?あれ?え~と……カモ君ガンバ!!!」
「え?僕?」

カモ君、君だけが最後の頼りだ。なのはを守れなかったんだから、これぐらいはできるだろ?










一方、月村邸から少し離れたところでは……

「……なんだろう?寒気がする」

一人の少女が何かに悪寒を感じていた。

「それにしてもあの女の子、何を言ってたんだろう?確か……お前のパンを教えろとかどうとか……違ったっけ?」

篤志が叫んだと同時にその場を離脱してしまったため、その叫びをちゃんと聞きとることはできなかった。

「好きなパン……か。アルフにはドックフードだけじゃなくて、コッペパンも買っていこう。あれが1番おいしいし……」










愚か者の懺悔
今回はパンツがあんまり出てこなかった。しかし、次回の話は海鳴温泉。きっと主人公のパンツ……もとい、紳士旋風が吹き荒れるはず。
タイトル変えたけど……こんなんでいいのかな?








[18741] 第10話「私はコッペパンが好きだな……え?パンの話をするんじゃないの?」
Name: ナシ◆11a3e1c6 ID:d5a0cc90
Date: 2010/06/09 00:53
あ、こんにちは。あれ?それともこんばんは?あとは……おはようございます?
私はフェイト・テスタロ……あ、本編にはまだ名前が出てなかったよね。……今のは聞かなかったことでお願い。
えっと……と、とりあえず今は謎の少女です。……誰が何と言おうと、今は謎の少女です。

……ここでは何を話せばいいんだろう?
とりあえず今の私はあの人が必要としているジュエルシードというロストロギアと女神殺しというのを探しています。
ジュエルシードは、この前猫がジュエルシードを取り込んで大きくなったけど無事封印回収に成功。そのときに一人の魔導師が邪魔をしたけど、あの子くらいの実力なら今後邪魔をされても問題はないね。
でも、女神殺しってなんだろう?あの人に聞いてもよくわからなかったし……今はそれを気にしないでもいいかな。

それにしても、あの白い服の魔導師が気絶した後にやってきた、金髪の女の子は誰だろう?
すごく怒っていたけど、あの子のお姉さんかなにかかな?
もしそうなら悪いことをしちゃったかな?
でも、私はあの人の望みを叶えるためにやらなくちゃいけないことがあるんだ。

そういえば、あの女の子の最後に叫んでいた言葉はなんだったんだろう?
立ち去るときに叫んでいたからよく聞き取れなかったけど、確か……

「お前の……パン……言いな」

だったよね?……お前のパン?あ、好きなパンのことかな?
私の好きなパンって言ったら、コッペパンしかない。
なんだって、あの人が私のために用意してくれるご飯なんだ。あれが一番美味しいパンに決まっている。

焼きそばパン?コロッケパン?違うよ、コッペパンと牛乳が一番いい組み合わせなんだよ?なんたって、あの人が用意してくれるご飯なんだから。だから、それ以外の焼きそばパンとかコロッケパンなんて邪道だよ。
よし、今度金髪のあの子に会ったら教えてあげよう。コッペパンこそ最上かつ究極至高のパンなんだよって。

それじゃあ、リリカルマジカルパン……パンツ貯金なんて言わないよ?ん~パンツ貯金ってなんだろう?私には関係ないよね?
それじゃもう一度、リリカルマジカルコッペパン食べます。

あ、それでは本編にどうぞ、私はこれからコッペパン食べてからジュエルシードの探索に出るから。
確か今日の探索範囲はどこかの温泉の近くだったかな?
コッペパンの買い置きしとかなくちゃダメだよね。










皆さん、大変長らくお待たせしました。
あ、更新のことじゃなくて話の展開的なことでだ。
……ん?フェイトそんが出てきたばんざ~い?
いや、だからさ、フェイトって誰よ?
金髪はアリサとライアだけで充分だってぇの。あ、大人っぽいパンツの似合う女性なら大歓迎だぞ?
話の展開ってのは、今回やっと温泉に行く話ってわけだ。
しかも忍さんとノエルさんとファリンさんも一緒だ。これで落ち着くなと言う方がムリってもんだろ?うし、俺の今日の運勢は絶好調だ!!!
……いや、俺は紳士だ……落ち着け、真摯に紳士的に喜べ。……よし、俺紳士。
ふっ、これを読んでいるみんなも俺の溢れ出る紳士パワーに恐れをなすところだろう。
とまあ、今日は家族全員と忍さん一家と他一名で温泉旅行に出発ってわけだ。

ま、今回の旅行がなのはの骨休みくらいにはなってほしいかな?
なんだか、この前出てきた金髪小娘……あ、アリサじゃないぞ?あの黒光りする棒を持って、なのはをぶっ飛ばした憎い小娘のことだ。
あ奴のパンツを白日のもとに晒すため、俺は……。
あ、そういえば感想であの小娘は最初からパンツを履いていないってあったんだ。
でも、昔の偉い人がこう言ってたよな?パンツがないなら身ぐるみ剥げばいいんじゃないって……違ったっけ?
ま、そうすれば自分がどれだけ愚かなことをしたのか身に染みてわかるだろうしな。
まあ、泣いたらやめてやるけどな、ほら、俺って紳士だし。
それに、俺はあんなお子様体型には興味ねえからなぁ。

俺のほうもライアと相談して、新しい力が完成しつつある。
まあ、全部揃ってからが本当の意味での完成なんだけどな。
とりあえずはなのはの戦い方と合わせて、それをサポートできるような力になるはずだ。

……いかんいかん、こんなふうに悩むのは俺のキャラじゃない。
そう、俺は女性のパンツを愛する紳士、紳士道を極めることこそが俺の生きがい。
ま、それでも出発までにはまだ時間がある。その前に少しでも訓練を続けよう。

(篤志さん、最後の仕上げをしましょう)
「わかった、カモ君、結界張って」
「うん……いつから僕はカモ君って名前だったっけ?」

カモ君は何か悩んでいるようだけど、そんなの生まれたときからじゃないのか?

(いいですか?今のところ完成しているメモリは二つだけです。その力の使い方をできるだけ早く慣れてくださいね?)
「わかってるって」

仮面ライダーWを参考にして作ったガイアメモリならぬ『ライアメモリ』がライア流剣術とは別の新しい力だ。
はいそこ、パクリとか思ってても言わない。俺が必死で考えてこの程度なんだから、仕方ないだろ?
ま、全部を同じにはしない。ようするにジョーカーとかサイクロンってガイアメモリは使わねえってことだ。
ま、せめてもの抵抗ってやつだな。

「そんじゃ、始めるとするか」

右腕と左腕には、新しく作られた黒と白のガントレットのような小型の盾が装着されている。
これが『ライアメモリ』と一緒に作り出された『シールドドライバー』で1セットという扱いだな。
それぞれのシールドドライバーに一本ずつライアメモリを入れて、両拳をぶつけることで起動が完了する。

『PHOENIX』
『LANCER』

風と速さを象徴とした『PHOENIX』のメモリを右腕に、双剣術の象徴である『LANCER』のメモリを左腕のガントレットに装着して両拳をぶつける。

『PHOENIX・LANCER』

起動が完了すると同時に、俺の体は今までのように女の体になるのだが、今回はそれ以外にも変化が現れる。
そう、これを使っても女になる。なんだ?俺が女の姿になるのは……デフォなのか?
そんなに俺を女にして楽しいのか?
そんなに俺の絶望を見て嬉しいのか?
しかも今じゃもう、なのはやカモ君は女の姿になってもツッコミを入れてくれないんだぞ?
……いや、落ち着けよ俺。
今はそれよりも今回の新しい力の説明からだ。
んじゃ、こっから先はさっきの続きだ。以前は金髪になった俺の髪は蒼い色へと変わり、今まで白い衣だった服は青みがかった鋭角的な鎧と翼に変化した。そう、翼が生えたことで俺は飛ぶことができるのだ。
もっとも、最初に飛んだときは制御がうまくできなくて、地面に頭から激突しそうになったけどな。
まあ、カモ君が魔法で受け止めてくれたからよかったものの、下手したら訓練だけで死んでたな。
さすがにそのことをなのはに話したら、泣かれそうになったから以降の訓練では気を付けるようにしたが。
まあ、その訓練の御陰で少しはマトモに飛ぶことができるようになった。
両腰には小太刀といっても良いような長さの両刃の剣『スキルランサー』が収められている。
この剣は恭也兄さん達が使うような小太刀くらいの長さだが、柄の部分で連結して槍のような使い方もできる。

「よし、カモ君、ダミーターゲット出して。数は……」
(今日は50で仕上げとしましょう。クリア条件は……3分以内で全機撃破です)
「そうだな、50機で」
「わかった」

さて、時間もあまりないし、本日最後の仕上げといきますか。









さて、やっと着きました海鳴温泉。

(ねぇ篤志、流石にはしょりすぎじゃない?)

カモ君が何か言っているみたいけど無視。
だってさ、車の中の様子とか別に見なくてもよくね?だって、人数の都合上なのはと同じ車じゃなかったし、移動するだけで特に何もなかったし。
俺は父さんの運転する車に母さんと恭也兄さんと忍さんと……あ、美由希姉ちゃんも同じ車だったな。
……そっか、だから美由希姉ちゃんはまた台詞がないって泣いてたのか。最初は車酔いかと思ったけど、違ったんだな。

(僕、何となく美由希さんとは仲良くなれる気がするよ)

カモ君の哀愁漂う声(念話だけど)が聞こえたけど、なんで美由希姉ちゃんと仲良くなれるって思ったんだ?カモ君は出番が多い方だよな?
たしかに、家では美由希姉ちゃんによく遊んでもらっているのを見るけどさ。

「さて、それじゃあ私達はどうしようか?」
「それはやっぱり温泉に入るべきですよ、忍さん」

温泉に来んならやっぱり温泉に入らないとな。

「あ、やっぱり?あっくんはどうする?男湯に行く?それとも……」

む、これは……まさか俺は試されているのか?
確かに忍さんのお誘いは嬉しい。しかし、紳士の道を進む覚悟を持った俺がそうやすやすと女湯に突入するわけにはいかない。
それに……

「お前は来るな!!!」

金髪ツンデレもどきがスカート姿でわざわざ蹴りを入れて反対されたから、女湯に行くという選択肢はなくなった。
まあ、犬さんパンツが見えたって言ったら、往復ビンタにラリアットを食らったけどな。
というか、似合ってるから別に気にすることないのにな。

ん?なんでアリサの攻撃をよけないのかって?
いや、ああいうのってさ、なんかよけちゃいけないような雰囲気が出てくるんだよな。
なんてぇの?……そう、空気読めっていうのか?そういったのがあるせいか、よけるっていう選択肢が思いつかない。
あそこでよけたらまさにKYの烙印を押されちまうからな。
ま、お子様の癇癪を広い心で受け止めるのも紳士の役目ってやつよ。

「さ、恭也兄さん、男2人で温泉に浸かるとしますか」

父さんは母さんと近くを散策しに行ったから、男は俺と恭也兄さんしかいないしな。

「2人?カモ君もいるのなら3人みたいなもんじゃないのか?」
「……は?」

ナ・ン・デ・ス・ト?
カモ君も……一緒?というか、カモ君も男一人とカウントしていいのか?
いやいや、それよりも問題なのは……

(篤志、どうしたの?)

……確かにカモ君からの念話だ。
そう思って肩を見ると、カモ君が俺の肩にいる。

「……恭也兄さんは先に入っていて、少し用事あるから」
「そうか?わかった」

恭也兄さんが温泉に入ったのを見届けて、俺は人目のつかないところへと移動する。
あ、別に覗くってわけじゃないからな?
どうしても話をしなければならないことがあるんだ。

(どうしたの?温泉入らないの?)

こ、このオコジョ……わかってて言ってるのか?

(お前は……自分が何を言っているのかわかってないのか?)

流石に声に出して話してると周りに変な目で見られるかもしれないからな。
念話でカモ君と話をするしかない。

(え?今日って温泉旅行でしょ?)
(篤志さんは何を言いたいんですか?)

ライアも俺の言いたいことがわからないらしい。
しかし、これを読んでいる皆さんは理解しているだろう。

(いいかカモ君、お前が行くのは女湯だろ?)
(え?なんで?僕は男だよ?)

な?聞きましたか皆さん?
カモ君が……あのエロガモが女湯に行かないと言ってるんですよ?

(お前、さてはカモ君じゃないな?)
(え?そ、そうかな?……ん?僕の名前っていつからカモ君だったっけ?)

ダメだ、こいつは何もわかっちゃいない。

(いいか?お前の名前はカモ君なんだよ)
(えっと……ホントにそうだったっけ?)

そうなんだよ。お前の名前は生まれた時からカモ君なんだろ?

(つまりだ、カモ君は女湯に入らないといけないんだ)
(えっと……そうなのかな?)
(そうなんだよ!!!)
(あの、篤志さん?なんか話が変な方向にいってませんか?)

全く、このKYダメ神は少し黙ってろって。

(まあいい、とりあえずカモ君は女湯に行ってこい)
(KYじゃないですよ!!!)

そうすることがカモ君の存在意義ってもんだろう?

(あ、えっと……それじゃなのはお姉ちゃんのところに行ってくるよ)

カモ君もようやくわかってくれたようだし、あとは……あ、いくつか忠告しとかないとな。

(カモ君、言っておくことがあった)
(……ん?何?)

俺の肩から降りようとするカモ君を制して、伝えなければならないことを伝える。

(なのはと忍さんと美由希姉ちゃんの裸を見たら…………ぶっ殺すからな?)

思いっきりカモ君を睨みつけて忠告した。
確かノエルさんとファリンさんはまだ温泉に入らないみたいだから、ノエルさんとフェリンさんのことまでは忠告しておく必要はないだろう。
まぁ、それなら女湯に行かせるなって話だけど、何となくカモ君は女湯に突入するのが似合っている気がするんだよな。
ま、そこまで気にしなくてもいいか。後でなのはにカモ君がなのはや忍さんのの体を見たかどうか確認しないとな。

(……色々な二次創作があると思いますけど、カモ君を女湯に突入させる主人公って、そうそういないような……。普通なら女湯に入るのを止めるような感じだと思うのですけど……)

いや、カモ君ならこうするのが普通じゃないのか?むしろ男湯に入ろうとしたカモ君のほうがおかしいと思うんだが?

「さて、恭也兄さんも待ってるから、そろそろ温泉のほうに行くとしますか」
(そうですねぇ)

こうして俺は日頃の疲れを洗い流すべく、男湯へと進んでいった。
はいそこ、俺が女湯に突入すると思っていた紳士の道を踏み外した者達、残念だったな。
なのはや忍さん、美由希姉ちゃんの裸は誰にも見せんぞ。
え?他の誰かを忘れてるって?えっと……他に誰かいたっけ?










さて、温泉にも入り終わって自由時間の時。

「カモ君、さっきから震えてるね」
「なんか怖い目にもあったのかな?」

なのはとすずかはカモ君が震えているのを心配そうに見ている。
まさか、なのはの裸を見たとかじゃないだろうなぁ?

(見てない、僕は何も見てないんだ。目を閉じてたから、壁に激突するは知らない誰かに踏まれるは、誤って水風呂に突撃するは……怖い、温泉ってこんなに怖いところだったんだ)

……この完璧な状況説明はなんなんでしょうね?とりあえずどんな目にあってきたのかはわかった。
結果としてなのはの裸とかは見てないようだ。ま、それならよしとしよう。
ちなみに俺は恭也兄さんと忍さんがノエルさんとファリンさん、美由希姉ちゃんを連れて卓球に行くのについていこうとしたんだが、今は……

「なんなのよ、あの女はああああああ!!!」

アリサの怒りの矛先になっております。
なんだか、どっかの女がなのはに絡んできたとかどうとか。……俺はそれに全く関係なくね?
まぁ、そのときに何かなのはが少し怯えてたようだから、その女が今度なのはを怖がらせるようなことしたら、そいつもこの前の小娘と同じようにしてくれよう。
そう、逆さ吊りにしてパンツを衆目にさらしてくれるわ!!!

(あ、あの篤志さん?アリサちゃんに思いっきり踏まれていますけど……いいんですか?それに、逆さ吊りは入ってなかったような……)

くっくっく、なのはを泣かせる奴に俺は容赦しねぇぜ?

「篤志のこのわけのわかんない態度もムカつくううううう!!!」
(いや、ですから踏まれているんですけど?)
(温泉怖いオンセンコワイ温泉怖いオンセンコワイ)

そのクソ女……今度会った時こそお前のパンツが晒されるときだ!!!










それから旅館の夕食を食べてから、父さんや母さんが恭也兄さんや忍さんと一緒に酒盛りをしているなか、俺達子ども4人はファリンさんによる絵本を聞くことになったんだが……退屈だ。
これなら忍さんと胸談義していたほうが面白い。
ん?胸談義の何が面白いかって?いや、恭也兄さんも交えて話をするとな、鼻血を吹き出すんだよ、恭也兄さん。
いや、あそこまで純朴だとはねぇ。ホントに俺の兄貴か?
ま、せっかくのファリンさんの好意だ、黙って絵本の内容を聞いていることにしよう。
まあ、その最中なのはは念話で俺やカモ君にこの前会った小娘と戦うのを不安がっていたことを話てくれたけどな。
まぁ、それは俺が前に出れば何とかなるかな?
カモ君はアリサに捻られていることだし、そっとしておこう。
今日はこのまま何も起きないといいんだけどなぁ。










今日はこのまま何も起きないといいなと、そう思っていた時期もありました。
しかし、結局のところ、なのはとカモ君と一緒に夜の森を走っている。
なのははバリアジャケットを纏い、俺はいつものようにライアメモリを起動していない状態、すなわち今まで通りの女の姿にシールドドライバーを装着してジュエルシードの反応のあったところに急いでいる。
というわけで女の姿になってるから、みんなはブラウザバックしろよ?
ちなみに、カモ君はなのはの肩に乗っているけど、連れてきた意味あんのか?

「あっちゃん、あそこだよ」

なのはの言葉通り、ひらけた場所には既にこの前の小娘とオレンジ色の髪をした、獣耳の女性が一人いる。
ううむ、俺はそういった獣耳とかにはそこまで興味はないんだがなぁ。
パンツこそ至高だからなぁ。それ以上のものなんてこの世にないだろう。え?そんなことは聞いてない?
んじゃ、それなりに真面目にやるとしよう。あ、別にふざけてパンツとか言ってたわけじゃないからな?俺は真剣にパンツを愛している紳士だからな。
オレンジ色の髪をした女性は、俺達を認識すると歯を剥いて凄んできた。

「あ~ら、子どもはいい子でって言ってなかったっけ?」

どうやら既にジュエルシードは向こうの手に渡っているようだ。それに、こいつがなのはに絡んだ奴か?
カモ君もジュエルシードを奪われたことに気付いているのか、それの危険性を必死に伝えている。

(でも、俺とライアを分離させるだけの力はないんだよなぁ)
(たかだかロストロギアごときで女神の存在をどうにかしようとすることが間違いなんです)

自信満々なライアだが、そこまで女神って万能なのか?ま、俺が考えてもしょうがないか。
どうやら向こうもカモ君の話を無視して、ここから立ち去ろうとしているみたいだ。

「私はこの子に作ってもらった魔法生命、製作者の魔力で生きる代わりに命と力の全てをかけて護ってあげるんだ。……先に帰っていて、すぐに追いつくから」
「無茶はしないでね?」

あの小娘が先に撤退するようで、オレンジ髪の女がどうやら殿を務めるようだ。

「オッケー!!!」
「い、犬に変わった?」

アリサがめっちゃ喜びそうだな。いや、今はそれどころじゃない。女性は大きな犬になると俺達に襲いかかってきた。

「なのは下がれ!!!」

なのはに近づかせるわけにはいかないからな、ここは俺が前に立たないと。

「あっちゃん、その人をお願い。私はあの子を追いかけるね」
「は?ちょ、なのは?」

せっかく後ろにかばったのに、あの小娘追っかけたら意味ねえだろ?カモ君も止めろよ。

「あ~、もう!!!」
「な、待ちな!!!」

なのはを追おうとしたら、何かさっきの犬が立ちふさがった。
これじゃあ、なのはのところに行けねえ。

「あんたの相手は私、この使い魔アルフさ!!!」
「しゃあねえな。そんならこっちも本気でいくからな」

そう宣言して俺は、懐から2本のメモリを取り出して、起動ボタンを押す。

『PHOENIX』
『LANCER』
「変身……じゃねえんだけど、とりあえず変身!!!」

起動した『フェニックスメモリ』を右に、『ランサーメモリ』を左のシールドドライバーに装填して、拳をぶつける。

『PHOENIX・LANCER』

『フェニックスメモリ』は戦闘形態に関係するフォルムメモリで、『ランサーメモリ』は俺が持つ武器に関係するアームドメモリとなっている。
この形態では速さを活かしての攻撃や、風を操ったり双剣での手数を重視した戦い方が主体になる。

「あんたのそれ、どう見ても魔法……じゃないね。魔法陣とかが全く無いなんてね」

どうやらアルフとかいう犬も俺がなのはと違う力を持っているのを感じて警戒しているようだ。
体勢を低くしつつ、いつでも攻撃できるように身構えている。
俺も両腰に下げられたスキルランサーを両手で構えて、アルフと対峙する。
なのはのところに急ぎたいけど、今はこいつを何とかしないとな。

(篤志さん、実戦でメモリを使うのは初めてです。気をつけてくださいね?)

ライアの忠告通り、これが俺の新しい力を使っての初陣となる。
それならまずはこれから始めないといけないよな?
俺は構えたスキルランサーを連結して、アルフに刃を向けて言葉を告げる。

「さあ、お前のパンツを……言いな」

俺の決め台詞と同時に風が吹く。
よし決まった……今の俺、最高に紳士だ。

「パンツだぁ?そんなことよりも攻撃してこないならこっちからいくよ!!!」
「うっせえ、なのはを怯えさせたお前のパンツを晒してやんよ!!!」
「うるさい!!!あんたは敵、しかも魔導師とは違う得体の知れない力を持つ敵なんだ。そんなヤツを相手に手加減なんてしてられないんだよ!!!」

アルフは前足の爪を俺に向かって振り下ろしてくるのを、その速度をもって躱す。
今の形態は速さに特化しているため、力そのものはそこまで大きくない。
速さと手数、この二つで相手を斬り続けるのがこのフォームの特徴だ。

「ならこっちも容赦しねえぞ、お前のパンツを晒して逆さ吊りにしてくれるわ!!!」
(あぅぅ、どっちが悪者なんでしょうかねぇ?)

ライアは何をわけのわからんことをほざいているのか。なのはを怯えさせたあいつが悪者、それで決定じゃんか。
アルフは力に任せての攻撃が主体らしい。それなら俺の速さを使って撹乱しながらの攻撃をしかけていけばいいだろう。
そう、力には技ってやつだ。とある騎士団長もそう言ってたしな。
その騎士団長は、力には技、技には魔法、魔法には力という3すくみを考えた人でもある。
あ、別にその騎士団長はこの話には全然関係ないから、知っている人だけが知っているネタって考えればいいぞ?
知っている人はそういえばそんなのが昔あったなと懐かしく思えば問題ない。
ちなみに、なのははこれの属性でいうところの『力』になる。
え?なのはが使うのは魔法だろうって?
いや、あのディバインバスターとかってさ、どう見ても圧倒的な『力』って感じじゃね?
どう見ても……魔法じゃねえよなぁ?
ま、今はそれを考えるより、アルフをぶっ倒してパンツをさらけ出してくれる!!!

「ライア流剣術、二の太刀……迅!!!」
「な、速い?けど……防げる!!!」

連結したスキルランサーを再び分離して正面からの二刀での連撃。
今までの一本での剣ではなく、二本の剣かつ速度に特化した形態で繰り出すそれは、今まで以上の速さと鋭さを持った斬撃へと変わる。
しかし、アルフはバリアみたいなものを張ってその斬撃を受け止める。
やっぱりこの形態では攻撃力は低いな。
なら……

「もっと速くするだけだ!!!」
「この程度の威力、避けられなくても耐え切ってみせるよ!!!」

アルフはバリアに魔力でも込めているのか、アルフの前方により大きなバリアが生成された。
俺の方は今まで以上の速さを剣に込めて、アルフのバリアにぶつける……わけないだろ。
俺はアルフへの攻撃を止め、一気に背後に回り込んで後ろからの奇襲に切り替えた。
アルフの展開する魔法陣を見れば、前方にバリアが張られているだけだ。
それなら今の俺の速度をもって、背後に回りこめばいい。
初撃からアルフは俺の速さについて驚いていたみたいだし、反応が遅れていたからな。
さっき以上の速さを出せば、背後に回れる。
そして、上手く背後に回って、隙だらけの背中にスキルランサーで斬りつける。

「こいつで止め!!!」
「え?う、後ろ?」

これでアルフのパンツを晒し者にして、自分がどれだけ愚かなことをしたのか思い知らせてくれるわ!!!

「きゃああああああ!!!」

俺の剣がアルフに届こうとしたときに、なのはの悲鳴が響く。
なのはの走ったほうに視線を向ける。
そこには……




キツネのパンツ剥き出しのなのはが地面に落ちていた。

「お前がパンツを晒してどうすんじゃあああああ!!!」
(ど~してそこまでパンツにこだわるんですかああああ!!!)

パンツを晒すのはなのはじゃなくて、あの小娘だろうが!!!
……いやいやいや、そうじゃない。今はとりあえずなのはのところに行くのが先決だ。

「なのは、大丈夫か?」

見たところそこまで怪我はなさそうなんだけどな。

「あっちゃ~ん、ジュエルシードとられちゃった」

なのはは仰向けに倒れながらも俺に何が起きたのか教えてくれた。
しかし……

「カモ君はどこいった?」

あのオコジョ、何もしないでなのはをこんな目にあわせやがって。

「え?あれ?どこに行ったんだろう?」

なのはもキョロキョロしているが、カモ君の姿は見えない。

「こ、ここだよぉ」
「にゃ?」

カモ君の声が聞こえてきたのは……なのはのパンツ……じゃなくて尻?

「え?ちょっと……うにゃ……ひゃう!!!」

なのはがなんかモゾモゾしだしたと思ったら、カモ君がなのはの尻の下から出てきやがった。

「あ、カモ君そこにいたんだ」
「な、なのはお姉ちゃん大丈夫?って、篤志はなんで僕を掴んでいるの?」

……決めた。カモ君捻じ切る。今すぐにその存在を抹消する。

「あの、僕なのはの裸見てないよ?」

ああ、それについての疑念は晴れている。しかし……だ。
なのはにセクハラかました貴様を紳士の俺が許すわけにはいかない。
いや、だがエロガモのカモ君なら、このくらいは当然なのか?
くっ、誠に遺憾だが、今回だけは許してやろう。

「それよりもあの子は?」

なのははそんなことを気にせずに立ち上がると、あの金髪の小娘を探し出した。
俺としてはもう少し気にしてほしいんだがなぁ。
ま、今はそれよりも優先することがあるだけか。

「なのはお姉ちゃん、あそこ!!!」

カモ君の視線のほうを見ると、アルフと合流したあの憎い小娘が今にもここから離れようとしている。

「ま、待って!!!」

なのはが無事なのを確認したのか、なのはが立ち上がって声を出すと同時に小娘は背を向ける。

「もう行く」
「待って!!!」

小娘がなのはを無視しようとしてもなのははそれでも食らいついていく。
うん、その積極性はいいな。まあ、俺にお姉ちゃんと呼べという積極性は無くなってもいいけどな。

「できるなら、もう私達の前に現れないで。もし次にあったら今度は止められないかもしれない」
「名前……あなたの名前は?」
「フェイト……フェイト・テスタロッサ」

そういって立ち去ろうとしたとき、小娘……フェイトは何かを思い出したのか、振り向いて俺と目を合わせると変なことを言い出した。

「私は……コッペパンが一番好きだよ」

そう言ってアルフを連れて立ち去るフェイト。
訳のわからない俺となのはと役立たずのカモ君は、呆然とそれを見ていた。

(もしかして……この前の篤志さんのパンツのことを聞き間違えたんじゃ?)

パンツじゃなくてパンのことを聞いたと思ったのか?……どんなアホだよ、あいつ。

「俺が言ったのは、お前のパンツの色を言いなだ!!!」

俺はあまりのアホさ加減につい大声でこの前叫んだ言葉を、フェイトに向かってもう一度叫んだ。

「あ、フェイトちゃん、森に落ちちゃった」

そして、どうやら俺の叫びが届いたのか、フェイトはバランスを崩して森に落ちたらしい。
しかし、すぐに飛び上がると、一度こっちを見てから物凄いスピードで離れていった。
……ひょっとして、恥ずかしかったのか?

「これじゃあ後を追えないよね?」

確かに結構距離が開いている。あのコッペパンで呆気にとられたのがまずかったな。

「なのはお姉ちゃん、今日は戻るしかないんじゃないかな?」
「ま、今日は遅いし帰って寝た方がいいだろうな」

なのはは明日起きれないだろうし、俺もライアメモリで思いのほか上手く戦うことができた。
これなら、残りのメモリもかなり俺の力になるだろう。
それがわかっただけでも充分だ。

「そっか、それじゃあっちゃん帰ろう」

そう言ってなのはが俺の手を握ってくる。
不安……なんだろうな。なのはは何かしら不安を感じているときは俺の手を握ってくる。
父さんが事故で入院して俺となのはが二人きりの時も、よくなのはのほうから手を握ってきた。
多分、それと同じだ。
だから俺はなのはを泣かすような奴には容赦しない。
なのはを守る……それが父さんの事故で、俺が出したなのはの双子の弟として選んだ道だ。

「えへへ」

俺の手を握って旅館へと戻るなのはの笑顔を見ながら、俺は今より幼い頃に決意したことをもう一度確認した。










そして翌日。
俺は父さんと恭也兄さんに協力してもらい、ある作戦を実行に移す。

「父さん、恭也兄さん、テーブルの位置直したよ」
「そうか、恭也は足のほうを持ってくれ」
「わかった」

俺は布団を敷くときに隅に移動されたテーブルを部屋の真ん中に持ってきていた。
そして、父さんと恭也兄さんは今もまだ惰眠を貪っている高町家のみの虫の寝る布団をテーブルの上に敷き直した。

「それじゃあ、父さんと恭也兄さんはしっかりテーブルを抑えていて」
「わかった」
「こうでいいのか?」

そういえば……父さん、本編で初登場初台詞おめでとう。
いや、今はそれよりもみの虫だ。
部屋の隅ではすでに起きている忍さん達が何をしようとしているのか、心配そうにそして興味深そうに見ている。

「さて、それでは今朝もいってみましょう……モーニングフォール!!!」

叫びと一緒に父さんと恭也兄さんに抑えられたテーブルから一気に布団を引きずり落とす。

「ふえ?にゃ、にゃあああああ!!!」

布団の落下に気付いたのか、なのはの悲鳴が上がる。
そして……衝撃。
俺はなのはを無視して窓を開ける。
そこには朝の清々しい空気と一緒に朝日が顔を出している。

「今日も……いい朝だなぁ」
(そうですねぇ)

今の俺はめっちゃハードボイルドだ。ブラックコーヒーがきっと似合っているだろう……今の味覚だと苦くて飲めないけどな。
俺やなのはの背後では忍さんや母さん、ノエルさんやファリンさんが拍手している。
それは当然だろう。ノエルさんやファリンさんが先程なのはを起こしたのだが、それで起きるようななのはではない。
こういってはなんだが、なのはを起こすことにかけては俺以上の存在はいないだろう。

「なのはって……いつもこんな起こされ方なんだ」
「あっくん……いつも大変だねぇ」
「あっちゃんは大変じゃないよ!!!なのははあっちゃんのせいでいっつもお尻が痛いんだから!!!」

うむ、今日もなのはは生き生きしているな。俺がいる限り、泣いている暇なんかぜってぇこねえから、覚悟しとくんだな。
そんなこんなで、結局美由希姉ちゃんの台詞は無しでこの旅行も終りましたとさ。
……やべぇ、何か涙出てきた。
美由希姉ちゃん、きっと次回は出番が……ないな、きっと……。










愚か者の懺悔
ガイアメモリネタを出して皆様の反応が怖い。そして美由希の出番はあるのでしょうか?
以下、今回から登場したライアメモリの説明です。本編で書かれている部分もありますが、それ以外にも補足的部分もありますので、気になるという方はどうぞ御覧下さい。





ライアメモリ
仮面ライダーWに出てくるガイアメモリを参考にして、ライアの持つ力を個別に分けたもの。今までの戦闘形態(女装)が全体的な力の向上だったが、ライアメモリを使うことでそれぞれの能力に特化した戦闘スタイルをとることができる。
以前の戦闘形態がただ単に力を垂れ流している状態にたいして、ライアメモリを使った場合は、ライアメモリによる力の制御も行われているため、総合的な戦闘能力の向上に繋がっている。
ライアメモリは鎧を構成するフォルムメモリと武器を構成するアームドメモリに分けられ、それらの組み合わせによって戦い方が変化する……予定。

フェニックスメモリ(フォルムメモリ)
ライアの持つ風の力と速さを記録したメモリ。これを起動させることによって、蒼い鎧を装着する。髪の色も蒼くなり、背中にも2枚の翼が生える。

ランサーメモリ(アームドメモリ)
ライアの技量を記録したメモリ。これを起動させることによって、2振りの両刃の剣『スキルランサー』を使っての攻撃が可能になる。スキルランサーは2振りの剣の他に柄の部分で連結しての槍としての機能も持ち合わせている。

フェニックスランサー
『フェニックスメモリ』と『ランサーメモリ』を起動しての戦闘形態。速さと風を生かしての戦い方がメインになる。この二つのメモリを先に完成させた大きな理由は、なのはが後方からの攻撃を担当することを前提とした、最前線での撹乱および陽動を重視したため。そのため機動力に特化した形態として作り出された。2振りのスキルランサーによる手数を重視した戦い方がメイン。





シールドドライバー
仮面ライダーWにおけるダブルドライバーの代わりのようなもの。盾としての機能の他にライアメモリの起動も行える。メモリの保護も兼ねるため、盾としての強度はかなり高い。





こんな感じです。これから増えていくメモリについては登場した際にその都度設定を書いていきたいと思います。







[18741] 第11話「あいつはヤバイ……何がなんだかわかんないけどヤバイ。だからフェイトのパンツはアタシが守る」
Name: ナシ◆11a3e1c6 ID:d5a0cc90
Date: 2010/06/18 13:49
ん?まだこんな話を読む奴もいるんだねぇ。
あ、アタシの名前はアルフ。ご主人様であるフェイトに仕える使い魔ってやつさ。
今のアタシ達が来ているのは、第97管理外世界『地球』っていうところだ。そこの日本という国の海鳴という街であの子の母親であるプレシア・テスタロッサから……え?フェイト、どうかしたのかい?……まだプレシアの名前を出すのはダメだって?

……ゴホン、とある人物がアタシのご主人様にジュエルシードを探すように命令してきた。
ま、それ以外にも一つ命令されてるんだけどね。
確か、女神殺しを連れてこい……だったっけ?
ところで、その女神殺しってなんだろうね。言葉通りだと神様を殺したってことかい?
でも、神様を殺すことなんてできるのかねぇ?
しかも、女神殺しさえ確保したらジュエルシードはそこまでムキになって集めなくてもいいって言っている。
まあ、その女神殺しっていうのが人なのか物なのかは知らないけど、どこに存在するのかわからない以上はジュエルシードを集めるしかないんだけどねぇ。

でも、ジュエルシードを集め始めて数週間、今のところ3つのジュエルシードの確保に成功している。
フェイトの邪魔をしている白い服の魔導師はまだまだフェイトが手こずるような相手じゃない。
あの程度ならフェイトが負けることなんてないだろう。
でも、もう一人のアタシ達の知っている魔法とは全く違う力を使うあの女は別だ。

この前戦ったときは危うくやられそうになったけど、あれは何も手加減したからとかじゃない。
アタシは確かに全力で戦った。でも、アイツの速さはアタシの想像以上のものだった。
確かにフェイトの最高速に比べればまだ遅いかもしれないけど、アイツはアタシの傍を離れることなく死角から死角へとすごい速さで動き回っていたんだ。
認めたくないけど、アイツは機動力という面だけならフェイトを超えている。
今のアタシの動きじゃ、アイツの動きを捉えられない。それなら……他の手段を使ってでもアイツの動きを止める……これしかないね。

そして、アイツは攻撃に躊躇いがない。フェイトやあの白い服の魔導師は非殺傷設定で魔法を使っているけど、アイツの剣はそんなのをお構いなしに振り下ろしてくる。
この前の戦いでアイツの剣をバリアで受け止めたとき、その衝撃の余波でアタシの頬が切れた。
もっとも、それを知ったのはアイツとの戦闘が終わってフェイトと一緒に家へと帰る途中のことだったけどね。
あいつがフェイトに勝てるとは思わないけど、万が一のことを考えたらアイツの相手をフェイトにさせるわけにはいかない。
これからアイツが出てきた時はアタシが相手をしてやんなきゃねぇ。

そして、それよりももっと許せないのが、アイツはフェイトのパンツを狙っているってことだ。
アイツは女なのに同じ女の子であるフェイトのパンツに興味を持っているらしい。
まぁ、アタシのパンツも聞いてきたけどさ、それよりもご主人様のことを優先しないとねぇ。
フェイトのパンツは使い魔であるアタシがしっかりと守ってやんなきゃ。
そんなわけで、リリカルマジカルフェイトのパンツを守ってみせるさ。
……ねぇフェイト、アバンってこんな感じでいいの……なんでそんなに紅くなってるんだい?
え?パンツパンツ言われて恥ずかしい?
大丈夫だよぉ、フェイトのパンツはすごくカワモゴモゴ!!!(誰かに口を押さえつけられています)










さて、旅行から帰ってしばらく経ったが、今のところジュエルシードの回収は全く進展がない。
そのため、最近はそれ以外の時間を使っての剣の鍛錬が続いている。
今のところ完成しているライアメモリの内、アームドメモリは双剣の『ランサー』しか完成していない。
フォルムメモリは以前使った完成品の『フェニックス』を含めた二つに未調整のが一つ。
つまり攻撃方法が二刀のランサーしかないので、二刀流の戦い方を知らないといけない。
だけど、今までは基本的に剣一本での鍛錬がほとんどだった。
だから、この前のアルフとの戦いでは情けない話、スキルランサーを振り回すことしか出来なかったんだよな。

そんなわけで、旅行から戻ってきてから父さんや兄さんに二刀流での剣の扱い方を習っている。
とは言っても、御神流を習うんじゃなくて、あくまで父さん達から二刀流の基礎を習っているだけだ。
これで御神流まで習ったら、俺の頭はパンツ……じゃない、パンクするからな。
それと、スキルランサーの刃を斬れないように調整しておく必要があったな。
流石に戦いが終わった後に、このランサーはめっちゃ斬れるって聞いたときは冷や汗が止まらなかった。
流石に少年院に入れられてはなのはを守ることができなくなる。それだけは避けないとな。
もっとも、武器についてはライアのほうで調整してくれるから問題はなさそうだけど。
他の武器もそういった調整を前もってしておかないとな。

なのはのほうもこの前フェイトと戦った際に、完膚なきまでに叩きのめされてから様子が少しおかしい。
明らかに以前より俺の手を握ってくることが多くなった。そして、魔法の練習も以前より真剣に取り組みだした。
ま、俺としてはなのはに危険が及ばなければいいんだけどなぁ。
カモ君も少しは力を取り戻したみたいで、今後は今までより大きな結界を張ったり、サポートをすることもできるようになったようだし、戦力として当てにできるだろう……多分。
しばらくは探索を続けながら、今度フェイト達が出てきた時に対応できるようにしとかないとな。





…………よし、近況報告はこれで終わり。
さってと、そろそろ教室に戻るとしますか。
ん?今まで何をしていたかって?いやぁ、以前話したかもしれないけど、今日も俺にお姉ちゃんと呼ばせようとする人が来たわけよ。
まぁ、俺はライアの体を使って転生したんだけど、ライアってこう言っちゃなんだがめっちゃ美人なんだよなぁ。
そんなわけで、一応その体を借りているんで、俺の顔もライアによく似ている。ま、当然だな。
ただ、目つきはライアに比べて明らかに悪いんだけどな。

……そういえば俺って転生者なんだな。なんか今までのですっかり忘れていた。
多分これを呼んでいるみんなも忘れていることだろう。もっとも、俺が紳士であることは誰も忘れていないだろうが………な?
まあ、転生したと言っても、ライアの体に憑依しているような感じ以外は普通の人間に変わりないから、そこまで気にする必要ないだろう。
転生なんて、あくまでその世界に対する存在の仕方の手段の一つでしかないだろうからな。
戦うときは女の体になっちまうのが難点だが、それもそこまで気には……なるな。

話がズレたな。
そんなわけで、その容姿に惚れ込んでか俺の姉になろうとしてくる人がけっこういる。
今日は確か……6年生だったか?
そんな人を相手に俺はいつものあの台詞を言ったわけよ。
そんでもって確認したのはいいんだけどさ、なんてゆうか……ダメだったわ。
俺がお子様パンツを履いている人相手には陥落しないことが知れ渡っているのか、その人は黒の紐パンなんて履いてきてたのよ。
小学生が紐パン?……ダメだな。パンツと履いている人の調和がとれていない。パーフェクトハーモニーには程遠い。
確かに今回の人は大人っぽい外見の可愛いと言うよりは綺麗な感じの人だった。だから、外見的には確かに大人の女性っぽい。だが、ぽいだけで断じて大人の女性ではないのだ。
あえてもう一度言う、決して大人の女性ではないのだ。
かなりというか、とても大切なことなので二回言いました。
そんなわけで俺は溜息をついて、その人を後にして教室に戻った。

「……俺を唸らせるパンツにいつ出会えるのだろう」
(小学校では難しいですよねぇ……じゃなくて、いつまでパンツパンツって言い続けるんですか!!!しかも、なんでそんな物憂げな表情でつぶやいているんですか!!!)

んなもん、俺がパンツに飽きるまでだ!!!……一生来ない感じだな。
それに、俺を唸らせるパンツは忍さんやノエルさん、ファリンさんくらいしか……なかったからなぁ。

「いい加減にしなさいよ!!!」

教室に入ったと同時にアリサの怒鳴り声が響いた。
なんだ、そんなにパンツを愛でるのはいけないことなのか?
俺はパンツを見てハァハァするような変態ではない。女性の履いているパンツを愛でる紳士なんだぞ?
それのどこが悪いか!!!
そんなことを思って、アリサの声のした方向を見ると、なのはの席にアリサが仁王立ちしている。

「こないだから何話しても上の空でボーっとして!!!」

どうやらアリサがなのはに絡んでいるらしい。
そうか、アリサは俺がパンツを愛していることを理解してくれているのか。
だが……アリサは一つミスを犯したな。

「あ、ご、ごめんね……アリサちゃん」

なのはの謝っているのを聞きながら、俺はアリサに気取られないようにアリサの背後に回る。

「ゴメンじゃない!!!わたしたちと話しているのがそんなに退屈なら無理して一緒にいなくてもいいじゃない!!!いくよ、すずかって、きゃ!!!」

そして、一気にアリサのスカートを捲る。
それを見た男子クラスメイトは一瞬目を見張るが、すぐにアリサから目をそらした。
見たのがバレたら大変だと思っているんだろう。
しかし、俺はそんなことを気にしない。

「今日も犬プリントかぁ、中々いい選択じゃんか」

うん、アリサとこのパンツの組み合わせは中々いい感じだな。パーフェクトハーモニーまできっともう少しだぞ。ま、お姉ちゃんと言うつもりはないけどな。
だってさ……履いているパンツはお子様パンツだからねぇ。

「あ、アリサちゃん、大丈夫?」
「あっちゃん?」
「篤志、いきなり何すんのよ!!!」

アリサが俺に掴みかかってくるけど、そんなことは関係ない。
掴みかかってきたのを利用して、俺はアリサにヘッドバットをかます。

(あ、頭突きなんかしたら私の肌に傷がついちゃうかもしれないじゃないですかぁ)

ライアの言葉は空気読んでないんでスルー。

「いったぁ~……すずか、行くわよ!!!」
「あ、アリサちゃん……あっくん、なのはちゃんのこと」

すずかが涙目のアリサを追う前に俺に小さな声で話しかけてくる。
恐らくなのはのことを頼もうとしているんだろう。
俺はすずかの言葉に無言で頷くと、それを見たすずかは安心したかのような顔を見せて、アリサの後を追っていった。

「あっちゃん、今のは……お姉ちゃんが悪いんだよ」

なのはは落ち込んだような顔で、どうしてこんなことが起きたのか話してくれた。
どうやらフェイトのことで悩んでいるのをアリサ達に言わないことが、アリサの逆鱗に触れたようだ。
しかし、悩んでいるときもお姉ちゃんと言うあたりは……こだわりなのか?
まぁ、流石に魔法のこととかを簡単に話すわけにはいかないよな。
それにしてもフェイトと戦うことを悩んでいるようだ。
しかもアリサのことで悩んでいる時に戦いなんてあったら、それを気にしたことによってなのはが危険な目に合う可能性が高い。
それなら……

「なのは、今日の探索は休んどけ」
「え?なんで?」
「アリサ達と話してこいって。話せる部分だけでもな。今日の探索は俺とカモ君でやっとくから」

ジュエルシードが手に入んなくても、なのはに危険の行く可能性は減るはずだ。
それなら……そっちのほうがいい。





そんなわけで、放課後にカモ君と合流して一緒にジュエルシードを探索することになった。
なのははアリサ達と話し込んでいることだろう。

「はぁ~」
(篤志、どうしたの?)
「俺って……変になったよなぁ」
(え?)

なんでこんなに真剣になってるんだろ?確かになのはのためではあるけど、今までの俺のキャラじゃねえよなぁ。
ジュエルシードをなのはの代わりに探すったって、俺はジュエルシードを感じることはできない。
探索はカモ君の力に頼るだけだな。それに、俺自身発動して大きな力を持っているジュエルシードの封印をすることもできない。
カモ君も発動してしまったジュエルシードを封印するだけの力は戻ってないみたいだし、これじゃ探す意味が少なくなる。
今の俺達ができるのは発動していないジュエルシードの確保だけ。
こう言っちゃなんだけど、かなり不甲斐ないよな。なのはがいないとマトモに行動出来ない。
……イカン、これがなのはにバレたら大変だ。
きっと……

やっぱりあっちゃんはお姉ちゃんがいないと何もできないんだねぇ。

満面の笑みでこう言うに決まっている。
何もできないわけじゃないぞ?ジュエルシードの探索という、ごく極めて特殊なことができないだけだ。……強力な奴なら封印もできないけどな。
ま、結局のところ、今日の探索は不発で何も収穫はなかったけどな。

「そろそろ戻らないと……まずいよなぁ」

流石に一人で出歩くような時間じゃない。

(それじゃあ篤志は先に家に戻っていて。僕はもう少し探索を続けるから)
「……いや、今日はこのまま戻るとしよ…‥」
「あっちゃんとカモ君見~つけた!!!」

流石にカモ君一人で探索するにも限度があるだろうし、それなら疲れを残さないように休んで、次の日の探索にあてたほうがいいだろう。
そんなことを考えてたときに、アリサやすずかと話をしているはずのなのはが俺達のところにやってきた。

「えへへ、もう遅いし一緒に帰ろう」
(待って、これは!!!)

なのはと一緒に帰ろうとしたときに、カモ君が何かに気付いた。
なのはも同じなのか、空を見上げて不安そうな顔をしている。

(この感じ……まさかジュエルシード?)

ライアも何かを感じ取ったようだけど、今の状態でジュエルシードの発動を感じられるってことはかなり近い?

「こんなところで強制発動なんて……結界、間に合え!!!」

俺の肩から飛び降りたカモ君が周囲に被害を広げないために結界を展開する。
……何気に初めて役に立ってないか?

「レイジングハート、お願い!!!」
『Stand by, ready set up.』

なのはもレイジングハートを起動して……そういえばこの話ってあんまりデバイスとか出てこないよなぁ。

(篤志さん、私達も行きましょう)
『PHOENIX』
「ああ」
『LANCER』

もはや誰もツッコんでくれなくなった女の姿になって、それぞれのメモリを起動させる。

『PHOENIX・LANCER』

蒼い鎧と翼を身に纏って、なのはと一緒にジュエルシードのあるところへ向かう。






ジュエルシードに近づいたとき、そのすぐ傍のビルに最近知ったばかりの二人組がいた。

「なのは、あそこにアルフとフェイトがいるぞ!!!」
「向こうも封印しようとしてるみたいだ」
「うん、フェイトちゃんより先に封印するよ!!!」

なのははレイジングハートをジュエルシードに向けて封印をしようと準備するけど、フェイトも黒光りするすんごい棒を向けて封印しようとしている。
くそぅ、あんなに立派なもん持ち出して……俺へのあてつけのつもりか?

「リリカルマジカル、ジュエルシードシリアルⅩⅨ……封印!!!」
『Sealing.』

なのはのレイジングハートとフェイトの太くて硬い黒光りする、男には憎いイチモツから発動したジュエルシードを封印するべく、魔法を使う。
これって……ぜってえ魔法じゃねえよなぁ?

「まぁ、それよりも確保が先だよな」

位置的には俺達とアルフ達のジュエルシードとの距離はほとんど同じだ。
向こうもジュエルシードに向かって動き出したようだから、急がないと。
……いや、フェイトは向かっているけど、アルフがいない?

「……篤志、待って!!!」

突然のカモ君からの声を無視してジュエルシードに向かおうと空に飛び上がった瞬間、何かが俺の手足に絡みついた。

「な、なんだこれ?」

よく見るとオレンジ色の光が輪のようになって、俺の手足を拘束している。

「これは……リングバインド?」
「カモ君、リングバインドって?」
「リングバインドっていうのは……」

なのはの質問にカモ君はバインド魔法とかっていうのの説明をしているけど、それよりも今は俺を助けてほしいんだが?
どうやらこのリングバインドとかっていうのは、そこまで強力な種類の魔法ではないみたいだけど、俺の今の力だけじゃ簡単に引きちぎれないくらいの強度はあるらしい。
まあ、魔力をぶつけたら簡単に壊れるみたいだけど、ぶつける魔力が無かったらどうすればいいんでしょう、カモ君先生?
……さすがにカモ君先生は言い辛いな。
いや、今はそれどころじゃない。問題なのはどうして俺が拘束されたのかってことだ。
なのはやカモ君にはバインドが仕掛けられていないのに、俺だけが仕掛けられるってどういうことだ?
そんなことを考えているうちに、フェイトはジュエルシードを確保し、なのはがそれを追うようにして、フェイトへと接近する。
それによって、拘束された俺はその場に取り残されたが、突如別の人物が襲いかかってきた。

「おおおおおりゃああああああ!!!」

そう、拘束されて動けない俺に姿を消していたアルフが殴りかかってきたのだ。
為す術も無くアルフの拳を受けた俺は地面へと叩きつけられる。

「さすがに……今のは効いたな」

今もまだリングバインドで手足を拘束されているため、自由に動くことは出来そうにない。

「アンタの今の状態じゃ、この前のような動きはできないよねぇ?」

アルフは少し離れた位置から俺の様子を見ながら話しかけてくる。
その見下したような目が何かメッチャムカつくなぁ。
なのはのほうは、フェイトに向かってジュエルシードを集める理由を話している。
今のところ俺が特になのはに対してすることもないようだから、アルフの相手に全力を注ぐとしますか。
カモ君も周辺に被害が出ないように何かしているみたいだしな。
しっかしアルフの奴……

(まさかアルフさん、最初からこっちの動きを止めることを狙って?)
「ったく、変なことに頭が回る犬っころだ」

確かに今の状態じゃアルフの動きについていくこともできないだろう。
今の状態なら……な。

「ライア、あれを使うぞ」
(はい、でもアームドメモリはまだ完成していませんから、注意してくださいね)
「わかってる」

俺は自由の利かない手を何とか動かして、左手でライアメモリを掴んで起動させる。

『DRAGON』
「まさか、他にもあんのかい?」

アルフも俺のやろうとしたことがわかったのか、一気に決めようと俺に向かって突進してくる。

「でも、それを使うには二つ必要なんだろ?その前にアンタを倒すさ!!!」

アルフが迫ってくるのを目で追いながら、右腕のシールドドライバーから『フェニックスメモリ』を取り出して、『ドラゴンメモリ』を何とか装填する。

「ライア!!!」
(はい、強制起動開始!!!)
『DRAGON・LANCER』

本来の起動方法である両拳をぶつけることがまともにできない状況なので、ライアからの遠隔操作で起動させる。
それと同時に、俺の鎧は蒼から赤へ、髪の毛も蒼から赤に変化する。
力と炎を象徴した『ドラゴンメモリ』を起動させたことによって強化された力で、リングバインドを強引に引きちぎる。
……と思ったんだが、思いのほか簡単に引きちぎることができた。
……つまりだ。

「ライアって……怪力なんだなぁ」
(か、怪力なんかじゃないです!!!そういうふうに力を割り振っただけです!!!)

確かにライアの言うとおり、このライアメモリはライアの力を特化させたもんだから、そういう考え方もできるっちゃできるのか?
そして、バインドを引きちぎった俺はなのはのほうを見てみると、どうやらなのはの話が通じたのか、フェイトがジュエルシードを集める理由を話そうとしたとき……

「フェイト、答えなくていい!!!」

アルフの怒声が響いた。

「優しくしてくれる人の中で、ぬくぬく甘ったれて暮らしているようなガキンチョなんかに何も教えなくてもいい!!!アタシ達の最優先事項はジュエルシードの収集だよ!!!」





アルフのその言葉で、一瞬だけ心が冷えた。





優しくしてくれる人の中で、ぬくぬく甘ったれて暮らしている?
俺はアルフ達がジュエルシードを集める事情を知らない。
そして……アルフ達もなのはのことを……なのはが小さい頃に感じていただろう孤独を知っているわけもない。
確かに優しくしてくれる父さんや母さん、恭也兄さんや美由希姉ちゃんはいた。
優しい人達は確かにいる。だけど、それがそのままぬくぬく甘ったれて暮らしている理由にはなりはしない。

「……………………潰す」
『DRAGON・OVER DRIVE』

オーバードライブ。
この場合は、鎧全体からこのフォルムの特徴である炎を纏い、力そのものも大きく向上した状態で相手を叩き潰す……それができるだけの力を開放するのがオーバードライブだ。
無意識に使用したそれで俺はアルフにランサーで斬りかかった。










次元空間を移動する次元空間航行艦船『アースラ』のブリッジでは、オペレーターが小規模ながら発生した次元震の調査をするべく、現場へと急行していた。

「女神殺し……か」

ブリッジの艦長席に座る男は物憂げに呟くが、それを聞いた者は誰もいない。

「あと少しで第97管理外世界ね。……艦長、どうしますか?」

艦長と呼ばれた男のすぐ傍に控える緑色の髪をポニーテールにした女性に、男は優しげに笑いかけると安心させるように言葉を告げる。

「なあに、そんなに心配するほどじゃないよリンディ。なんせ、このアースラには切り札がいるんだからな。そうだろ、クロノ?」

男の言葉に、ブリッジに映されているモニターを見ていた黒髪の少年は男のその言葉に素直に頷く。

「はい、もちろんです。そのために僕はいるんですから、父さん……いえ、クライド艦長」










愚か者の懺悔
旅行に行っていたとは言え更新が遅くなってしまったこと、まことに申し訳ありません。
あ、なのは達が温泉旅行に行っていたのとは関係無しにリアルな話ですので……誰もそんなの聞いてませんよね。
ここから先は原作でもかなりシリアスになっていくので、最初のころに比べてそこまで主人公の紳士(パンツ)っぷりはないかもしれません。
ただ、この原作部分が終わったら、また主人公の紳士(パンツ)っぷりが出てくるはずです。
それにしても……最初のころは主人公はそこまでパンツにこだわるようなキャラじゃなかったのになぁ。
最後に……番外編書きたいなぁ。主人公下着泥棒疑惑とか、お姉ちゃん選手権とか。





さて、どうでもいいかもしれませんが、今回出てきたものについての設定を以下に書いておきたいと思います。基本的に本編で語られている+αくらいですので、読まなくても先の話に支障はない……はずです。




ドラゴンメモリ(フォルムメモリ)
ライアも持つ力と炎を記録したメモリ。これを起動させたことによって赤い鎧を装着する。髪の色も赤くなり、背中には赤い2枚の翼が生える。

ドラゴンランサー
『ドラゴンメモリ』と『ランサーメモリ』を起動しての戦闘形態。圧倒的な力で敵を叩き潰すのが本来のスタイル。しかし、力が大きい分、決して速いとは言えず、あくまで攻撃力で相手を圧倒することが目的である。そして、手数で勝負し、その鋭さで戦うランサーとの相性は良いとは言えず、その力を存分に引き出すことは難しい。







[18741] 第12話「ライアの高町篤志な日……って、前回のシリアスはどこに行ったんですかぁ?」
Name: ナシ◆11a3e1c6 ID:d5a0cc90
Date: 2010/06/21 23:50
皆さんアバンでは初めまして。このしょうもないお話の唯一の癒しで、このお話の真の主人公ですぅぱぁひろいんの女神ライアです。
ツッコミ女神とかダメ神とかKY女神とか言っちゃダメですよ?
そんなこと言っちゃうと泣いちゃいますよ?
私が泣いちゃうと涙で世界が沈没しちゃいますよ?

篤志さんと一緒に転生してからおよそ8年、篤志さんのパンツ好きには本当に困ったものです。初めて会ったときはそんな感じじゃなかったのにどうしてなんでしょう?
え?私のパンツを見たからじゃないのかですか?
いえいえいえ、それはありえません。だって私パンツは履いてな……いえいえいえ、なんでもありませんよ?気にしちゃダメですよ?

それに篤志さんの相手は本当に苦労しています。
いつもは篤志さんのことを精神世界の中でお煎餅を作り出して、お茶を飲みながら覗いているんです。
たま~に寝ている時もあるんですけどねぇ。篤志さんが学校で授業を受けている時とか。





え?なんで精神世界でお煎餅食べてるんだですか?
忘れましょう……今の話は聞かなかったことにしておいてください。
だってだってだって、何もしないでず~っと篤志さんの行動を見続けるのも退屈なんですよ?
お煎餅でも食べてないとやってられないです。
そんなわけで最近ハマっているのは鹿せんべいです。あの食べても味のしない味気なさがなんというか最高なんです。





………………忘れてください。精神世界でお煎餅を食べていることはキレイサッパリ忘れてください。
皆さんは何も聞いてないんですよ?
私は精神世界で食っちゃ寝してる女神じゃないんです。
でも、鹿せんべいは至高の一品なんです。

いえいえいえ、そんなことよりも重要なのはこれからです。
ついに……ついに私もアバンに進出です。これで篤志さんのパンツパンツな日常もきっと終わらせることができますよ。

……あれ?皆さん、どうかしましたか?
え?以前アバンに私が出ていた?
……いいですか皆さん、それは忘れましょう。私がアバンに出てくるのは今回が初めてといったら初めてなんです。

さて、前回ではアルフさんの言葉でなのはちゃんが傷付いたと思って篤志さんがプッツンして暴走しちゃいましたけど、これからどうなるんでしょうかねぇ?
今のところ、この世界の本来の歴史の流れに重大な影響を及ぼす問題は無さそうですけど、私と篤志さん、それに私がこの世界に来るきっかけになった彼もこの世界に来ている以上、何かしらの変化が出てくるはずです。
できるだけこの世界の行く末を変えないように気をつけないといけませんね。
フェイトちゃんやはやてちゃん、それになのはちゃんが泣くような結末があったとしても……。





うん、やっぱり私はシリアスが似合う女神ですよねぇ。きっとこれを読んでいる皆さんも私のカッコよさに痺れちゃってることでしょう。

それでは、リリカルマジカルガンバりますよぉ。





あ、ちなみに今回は私が主人公なので私視点でお送りしますね?









「潰す……叩き潰して……お前のパンツを晒し者にする!!!」
(ちょっと篤志さん?物騒なこと言ってますけど、結局行き着くところはパンツなんですか?)
「ちっ!!!こいつ、フェイトのパンツだけじゃなくてアタシのパンツも狙ってるのか?」

篤志さんが物凄い憎悪を持って、アルフさんに襲いかかっています。でも、結局のところ狙いはパンツなんですねぇ。
アルフさんも流石に乙女の危機を感じ取ったのか、篤志さんから離れるように後退していきます。
なのはちゃんとフェイトちゃんも篤志さんの様子がいつもと違うのに気付いたのか、一時的に戦闘をやめています。

「あっちゃん、どうしたの?」
「お前のパンツを晒し者にして……潰す!!!」
「潰しちゃダメなのおおおおお!!!」
「アルフ、逃げて!!!」

なのはちゃんとフェイトちゃんの声も届いてないみたいですし……しょうがないですね。
篤志さんには完成してないと言ったメモリですけど、私が使う分には問題ないので少し体を借りてこの場を収めることにしましょう。

(篤志さん、少しだけ体を借りますね?)

篤志さんから体の所有権を一時的にもらいます。
でも、この前のジュエルシードの発動によって現れた大樹との戦闘で私の力はかなり小さくなったので、それほど長い時間この状態を維持することはできません。
なので、未完成ということになっているメモリを使います。

『UNICORN』

光と雷、そして魔力の象徴である『ユニコーンメモリ』を起動して、シールドドライバーに装填、フォルムチェンジを行います。

『UNICORN・LANCER』

『ドラゴンメモリ』使用時に装着していた赤い鎧は白銀の衣になって、私の髪も赤から銀色へと変化します。

この『ユニコーンメモリ』は私の魔法戦闘能力が記憶されたものなので、魔法というものを使えない篤志さんにはもとから使うことはできなかったんですよね。
篤志さんに未完成と言っていたのは、篤志さんには使うことができない状態だからなんです。
だから、現状ではこのメモリを使う場合は、私が表に出て戦う必要があります。
これで篤志さんの暴走も食い止められましたし、後はフェイトちゃん達がこの場を離れられるようにしておけばいいですね。
確かここではフェイトちゃんがジュエルシードを持っていくはずです。
次元震は起きていませんので正規の歴史と少し変化してしまいますが、そこまで大きな問題はないはずです。
でも、今の状態だとフェイトちゃん達がこの場を離れるのは難しいかもしれません。
なら……撤退するようにこっちが撃退するのが一番ですね。

「申し訳ありませんが……攻撃させていただきます!!!」
「な、いきなり感じが変わった?」

アルフさんの戸惑いを無視して私は攻撃態勢をとる。
今はできるだけ早くこの場を立ち去ってもらうようにしないといけない。

「龍凰翔覇流、四の秘太刀……雷月!!!」

秘太刀……私が持っている属性の『火・風・雷・光』の力を込めて放つ太刀のこと。
それぞれの太刀の上位に位置する真太刀とは別の技法で、メモリを使用してない場合は篤志さんが使うことは決してできない技です。
雷を纏った三日月状の衝撃波が、虚を突かれたアルフさんのいるところスレスレを飛んでいく。

「な?……今のは……一体なんだい?」
「アルフ、ジュエルシードは確保できたから、ここは撤退しよう」

フェイトちゃんが全く身動きのできなかったアルフさんの不利を悟ったのか、目的は達したからなのか、アルフさんのパンツを守るためなのかはわかりませんが、アルフさんを連れて撤退していきます。
きっとアルフさんのパンツを守るためでしょう。なんてったって、フェイトちゃんのパンツもかかっていますからねぇ。
でも、これで一応の問題は解決したはずです、

「ふぅ、何とか終わりましたねぇ」

これならこの世界が本来歩むはずの歴史に大きな変化は起こらないはずです。

「あっちゃ~ん」

あ、なのはちゃんとカモ君がこっちに来ます。
……カモ君って、カモ君が本名でしたよねぇ?何か違うような気がするのは気のせいですよね?

「あっちゃん、怪我はない?」
「大丈夫ですよ、なのはちゃん」
「なのは……ちゃん?なのははあっちゃんのお姉ちゃんなの!!!あっちゃんがなのはちゃんって呼ぶのはダメなの!!!」

あ、いけないいけない。今は篤志さんの代わりにならないといけないんでした。
でも、篤志さんの代わりなんて難しすぎです。
なら、こうするしかないですね。

「なのはちゃん、カモ君、ジュエルシードもフェイトちゃんに取られちゃいましたから、もう家に戻りましょう」
「あ、そうだね。あんまり遅くなるとお母さん心配するもんね」
「僕もお腹すいたし、そろそろ帰ろう」

ふぅ、なんとか誤魔化すことはできましたね。
え?何をしたのかですか?
これはですね、私の力を使って、私が普通に話した言葉を相手は篤志さんが話しているように聞こえるようにしたんです。
話している意味は直接相手に篤志さんの声と言い方で伝わるので、私が普通に話しても問題はないんです。
まあ、あんまり変なことをやるとバレちゃう可能性もあるんですけど、普通に過ごす分には問題はないですね。
それにどうやら篤志さんは『ドラゴンメモリ』をオーバードライブさせた衝撃と私と入れ替わったことで一時的に眠ってしまったようなので、目を覚ますまで私が表に出るしかないですね。
まぁ、戦わなければ対して消耗しないから問題はありませんが……。
いえ、唯一の問題がありましたね。
唯一の問題……それは今の私の体が女の子の体だということです。
これは流石に誤魔化しきれませんから、バレないようにしないといけませんねぇ。





「ただいま~」

カモ君を肩に乗っけたなのはちゃんを先頭に玄関に入ります。

「あ、なのは、篤志おかえり~」

あ、美由希さん初登場ですね、おめでとうございます。

「第12話で初登場って……私って結構扱いがひどいんじゃないかな?しかもサブキャラクターの中で一番遅いんじゃない?」
「お姉ちゃん、何を言ってるの?」

なのはちゃんの答えに首をかしげながらも靴を脱いで家の中に入っていきます。
私もそれに習って家へと入ろうとしたとき、美由希さんから声をかけられました。

「あれ?篤志って……そんなに体が細かったっけ?」

私の体つきを変に思ったのか、美由希さんはそんなことを聞いてきます。
確かに篤志さんの私服の下は私の体ですけど、そこまで体のラインが出るようなものじゃないはずです。
それでもわかってしまうなんて、流石御神流ってことですか?
いえ、そんなことよりも今の状況をクリアしないといけません。

「み、美由希さん、初登場ホントにおめでとうございます!!!」
「あ、そう?これでようやく私もこれのレギュラーだよね?」
「そうですそうです」

まあ、ここから先の出番はあまりないかもしれませんけどねぇ。
とりあえずこれ以上何かを聞かれる前に、私は急いで家の中に入ることにしました。





「ふぅ、バレないようにするのも大変ですねぇ。でも、いいこともありました」

あれからなのはちゃん達家族と晩御飯を食べてから、今はお風呂に入っているんですけど、今日のこの数時間だけで疲れました。

「えへへ、桃子さんのご飯は美味しかったですねぇ」

ときどき篤志さんに体を借りてお出かけすることもありましたけど、家の中では家族にバレるかもしれませんから私が表に出ることはなかったですからねぇ。
だから、桃子さんの作ったご飯を食べるのは今日が初めてだったりします。
今もあの晩御飯の味を思い出しているところなんですよねぇ。

「はふぅ~……じゅる、あ、涎が出ちゃいました」

いけないですね、これでも私は女神なんですから、もっとシャキッとしてないと笑われてしまいます。
変なことしたら、これを読んでいる人に『女神(笑)』なんて言われちゃうかもしれないです。
いえいえいえ、もしかしたら食いしん坊ダメ神なんて言われちゃうかもしれません。
それだけはイヤです。

でも、こうやって表に出るのもいいのかもしれませんねぇ。
まあ、桃子さんにバレちゃいそうになっちゃいましたけど、誤魔化せたみたいですからよしとしましょう。
そんなことを考えている時に、浴室入り口の磨りガラスに誰かのシルエットが見えました。

「篤志入ってるのか?」

……え?今の声って……恭也さんですか?

「あ、はいそうです」
「そうか、なら俺も一緒に入るとしよう」

はいる?誰が一緒にどこに入るっていうんですか?

「あ、あの、えっと、その……」

ダメです、今の私は女の子の体ですから、篤志さんじゃないってバレちゃいますよ!!!
というより、ここから先の展開が18歳未満禁止な方向に行っちゃいますよ?

「なあに、たまには兄弟二人で入るのもいいもんだろう」

今は兄弟じゃないんです。今の状況だと、どちらかというと兄妹といったほうが性別的に正しいんです!!!

「きょ、恭也さん?私はもう少しで上がるんですけど」
「もうか?体はちゃんと洗ったのか?」
「それは……まだですけど」

でも、このまま一緒にお風呂に浸かるわけにはいかないんです。
バレないように早く浴室から出ようとしたんですけど……

「と、とにかくもう上がりますね」
「まあ待て、せっかくだから背中を流してやる」

捕まっちゃいました。
そこから先は基本的に台詞だけのダイジェストお送りします。

「なんだ?お前ってこんなに細かったか?」

「なんでタオルで前を隠してるんだ?同じ男同士じゃないか」

「ほら、前も洗ってやるからこっち向け」

う、ううう、うううううう、恭也さんの……恭也さんの……

「恭也さんのエッチィイイイイイイイイ!!!」
「な、篤志?まだ全部洗い終わってないぞ?」

汚されちゃいました……お兄さんである恭也さんに汚されちゃいましたよぉおおおおお!!!





翌日、昨日のお風呂での出来事で枕を濡らした私は、それでも篤志さんの日課であるなのはちゃんを起こすという大役を果たさなければなりません。

「く~」

なのはちゃんは今日も気持ちよさそうに寝ています。

「なのはお姉ちゃん、朝だよ?」

カモ君がいつも通り声をかけますけど、それでなのはちゃんが起きる確率は万に一つもありません。
……なのはちゃんってカモ君のお姉ちゃんでしたっけ?
あれ?実はなんか色々と訳のわからない状況になってませんか?
だって、なのはちゃんがカモ君のお姉ちゃんなら、篤志さんとカモ君は兄弟ってことですか?
まあ、今はそれを気にするよりも、なのはちゃんを起こすことが先決です。
ここはやはりいつもの手段を取るしか無いでしょう。
なのはちゃんのベッドに近づいて、敷き布団を両手で掴みます。

「なのはちゃん、もう朝ですよ!!!」

力を込めて思いっきり敷き布団を引っ張ります。
それと同時に滑り落ちて、なのはちゃんが「にゃっ」と声を出して床へと激突しました。
これはなんというか……





クセになっちゃいそうです。
篤志さんはいつもこんな楽しいことをしてたんですねぇ。
羨ましいです。

「あっちゃん……どうしていつもお姉ちゃんを床に落とすの?」

こうして床にお尻から落ちて、涙目になっているなのはちゃんもかわいいですねぇ。

「なのはちゃんがかわい……」

……ちょっと待ってください。
篤志さんはなのはちゃんのことを面と向かってかわいいなんて言いません。
大切に想っていますけど、そんなことを言わないツンデレさんです。
それなのに私がなのはちゃんのことをかわいいなんて言ったら、篤志さんが目覚めたとき面倒なことになっちゃいますねぇ。
なら、ここは心を鬼にして言うしかないです。

「それはなのはちゃんが……えっと……その……みの虫だからです!!!」
「あっちゃんのイジワル!!!」

叫んだ後に投げたなのはちゃんの枕が私の顔面に激突しました。
篤志さんはいつもこれを避けるのに……これも兄妹の……じゃない、姉弟の絆なのでしょうか?





さて、学校では午前の授業で体育の時間まではそこまで大きな問題は起きませんでした。
このまま行けば問題なく過ごせそうですねぇ。
今日の体育は50メートル走の記録を計測します。
すでに走り終わっているアリサちゃんやすずかちゃんは運動能力が高いのか、クラスでもトップクラスのタイムを出していました。
あ、そろそろ私の番ですねぇ。

「あっちゃ~ん、ガンバレェ~」

なのはちゃん、ホントにいい子ですねぇ。篤志さんが過保護になるのもわかる気がしますよ。

「位置について、よ~い……スタート」

先生からの合図で一斉にスタート。
って、ちょっと待ってください。
本気で走るわけにはいかないですから、少し力を抜いて走らなきゃダメですよね。

「あっちゃんが走る!!!」

なのはちゃん、わざわざそんなこと言わなくてもいいんですよ?
そんなことを思って、なのはちゃんのほうを見たら、その瞬間左足からバランスを崩して前に倒れそうになりました。

「あ、あっくんが滑る」

すずかちゃん、篤志さんのことを気にかけてくれるなんていい子ですねぇ……じゃないです!!!
そんなどうでもいいことを考えているうちに、体勢を立て直す時間は無くなって、私は地面へと前のめりに倒れました。

「はぅわ!!!」
「篤志の奴……転んだわね、見事に」

アリサちゃん、その淡々とした言い方に私ホントに落ち込んじゃいますよ?
走って滑って見事に転ぶなんて、どんなコントですか?
でも、私は心に愛がありますから、すぅぱぁひろいんで間違いないです。
でも……

「うぅ~、恥ずかしいです」
「あっちゃん、大丈夫?」

転んだことを恥ずかしく思いながらも、このままでいるわけにはいかないので立ち上がりました。
でも、流石に女神の治癒力を使うわけにはいかないので、膝を擦りむいたのはそのままです。……膝が痛いです。
いえ、それよりも今はこの状況を何とかしないといけません。
えっと……走って滑って見事に転んだ場合は、確かこう言えばいいんですよね?

「えっと……コホン、そんなバナナァ~」

これでいいはずです。
……あれ?どうして皆さん地面に頭から突っ込んでいるんでしょう?





そんなこんなでお昼休みです。なのはちゃん達とお弁当を食べて、今は一人で行動してます。
う~ん、桃子さんの作ってくれたお弁当を食べ過ぎて、少しお腹が苦しいです。
そんなことを考えている私は、今は人に呼ばれて体育館裏に来ています。

「どうかな?私なら高町くんのお姉ちゃんになれるよね?」

えっと……とりあえず上のような台詞の状況になっています。
今日は5年生の女の子がツンデレな篤志さんにお姉ちゃんと呼ばせようと……いえ、ホントにお姉ちゃんになりたいのかもしれませんがチャレンジしてきました。
篤志さんはいっつもこの攻撃を回避しているんですよねぇ。
ある意味で尊敬してしまいます。
でも、普通に女の子から告白されたことはないんですよねぇ。
一体どうすればいいんでしょう?篤志さんが眠っている状態で勝手にするわけにはいきませんしねぇ。
ここはいつもの篤志さんに習って、あの手でいきましょう。

「お、おおおお、おまおま、お前のパンツは何色だ!!!…………です」

うぅ、こんな言葉言いたくありませんでしたよぉ。





それから教室に戻って、私は机に突っ伏します。

「あっちゃん、どうしたんだろう?」
「さぁ?なんか黄昏てるわね」
「あっくん大丈夫かなぁ?」

なのはちゃん達の心配の言葉すら私には届きません。
私、女神なのに……女神なのに小学5年生の女の子のパンツを確認しちゃいました。
私も一応今は女の子なのに、他の女の子のパンツを確認するだなんて……きっと女神失格です。





「さて、この時間の社会の授業は日本の歴史についてです」

私のブルーな気持ちを無視して授業が始まりました。
流石にこんな気持ちで授業を受けるわけにはいきませんから、気持ちを切り替えましょう。

ふむ、歴史ですか。丁度いいです、篤志さんの世界の歴史は完全に頭の中に入っています。
いっつも授業中は退屈で寝ていますけど、小学生程度の勉強内容なら問題は全くありません。

「それでは今日は……篤志くんに答えてもらいましょう」

おお、偶然とはいえ指されちゃいました。いいでしょう、女神の私の凄さをその身で味わいなさい。

「さて、1192年に創設された幕府はなんでしょう?」

な、そんな簡単な問題でいいんですか?そんな簡単な問題で女神の凄さを見れると思っているんですか?

「さあ篤志くん、答えは何かしら?」
「……鎌倉幕府です」

うう、こんな簡単な問題、女神じゃなくたってわかりますよぉ。

「はい残念、正解は……バニングスさんはわかるかしら?」

え?違うんですか?いい国作ろう鎌倉幕府ですよね?間違ってませんよね?





アリサちゃんは私に教えようとするかのように丁寧な言葉使いで驚愕の答えを言います。

「はい、江戸幕府です」
「正解ですね」

え、江戸幕府ですか?江戸幕府って1603年に徳川家康が征夷大将軍に任官されてから始まったものですよね?
鎌倉幕府よりも後ですよね?

「この江戸幕府は1192年から4000年の歴史を誇り……」

ちょっと待ってください!!!
それどこの中国ですか?それより、今って西暦の何年ですか?






「それから年号は西暦からアフターウォーに変わって……」

アフターウォーって、なんだか年号が変わる時に壮大な争いがあった感じになってますよね?
人型巨大兵器が出てきそうな感じですよね?
というより、今って西暦じゃないんですか?





「それから各国はそれぞれの自由を取り戻すため機動兵器ガン……」

一体この世界の歴史は何なんですかあああああ?





「しかし、その争いが終わってから侵略者グラド……」

なんか他の星の人達まで来ちゃった感じですよ?





「そんな数々の試練を乗り越えた人類ですが、結局のところ各国の関係は以前と変わらないまま現在に至っています」

なんだか、この世界の行く末を知っているはずなのに……この言いようの無い無力感は何なんでしょう?





それでは今日の教訓です。
世界を跨いだらその世界の歴史をしっかりと調べましょう。





授業が終わったあとに、本日の最大の試練がやってきました。
これは……大変です、大事件です。この問題をヘタに扱ったら、世界の崩壊が起きるほど大変です。
何が大変って、大変なものは大変なんです。
その……





おトイレに……行きたくなっちゃいました。

「……どうしましょう」

人間に転生したとはいえ、もとは女神なんです。
女神はおトイレなんかに行かないんです。いつもは篤志さんに任せるくらいなんです。
でも、今は女神の体で転生した普通の人間なんですから、生理現象は抑えられません。
これというのも桃子さんが作ってくれたお弁当が美味しすぎたのがいけないんです。
我慢するべきでしょうか?でも、漏らしちゃったら大変です。

「ううう~」

何故でしょう?目から涙が溢れてきます。
そ、そんなことより、もう我慢の限界です!!!

「もう、我慢できません!!!」

ううう、これで篤志さんが女の子だったら、何も問題なく女子トイレに入れるはずなのに、篤志さんは男の子ですから男子トイレに入らなきゃならないんですよ。
そういうことなので、結局……





私……汚れちゃいました。女神失格です。





「あっちゃん、どうしちゃったんだろう?」
「トイレから戻ってきてからずっとあんな感じだよね」
「篤志の奴……なんか変じゃない?」

ううう、早く篤志さんの目が覚めてほしいです。
そうすれば精神世界に引っ込んでお煎餅食べて寝てるだ……なんでもないです。
篤志さんが目を覚ませば、おトイレに行く必要も無くなるのに……。
篤志さんが目を覚ませば、変な歴史にツッコミを入れる必要も無くなるのに……。
篤志さんが目を覚ませば、女の子のパンツを見なくてもすむのに……。
篤志さんが目を覚ませば……
篤志さんが目を覚ませば……
篤志さんが目を覚ませば……
篤志さんが目を覚ませば……
篤志さんが目を覚ませば……

「う、うわぁあああああああああん!!!」

篤志さ~ん、早く目を覚ましてくださ~い!!!女の子の体で男の子の振りなんてムリですよぉおおおおおお!!!










愚か者の懺悔
このままライアが主人公になり変わるのか、それは誰にもわからない。そう、この私自身にもわからない。





では、必要ないと思いますが今回出てきたライアメモリの説明を下記に記載します。

ユニコーンメモリ(フォルムメモリ)
ライアの持つ魔力と光と雷の力を記録したもの。これの起動により、ドラゴンとフェニックスと違い鎧ではなく、白銀色の衣のようなものを防具として装着する。髪の色は銀色になり、背中の翼も銀色に染まる。

ユニコーンランサー
『ユニコーンメモリ』と『ランサーメモリ』を起動しての戦闘形態。魔法戦に特化したユニコーンメモリの力でスキルランサーに魔力を纏わせ、それを飛ばす形で戦うのがメインとなる。しかし、元から刀身の短いランサーでは大きな力を込めることはできないので、攻撃能力はそこまで高くない。








[18741] 第13話「僕の名前はカモ君……だったっけ?」
Name: ナシ◆11a3e1c6 ID:d5a0cc90
Date: 2010/06/30 14:33
やぁみんな、アバンでは初めまして。僕の名前はユーノ・スクライア。









あの……みんなのその、そんな奴いたっけ?っていう目はなんなのかな?
なんでみんな、そんな奴この話に出てきたっけって顔をしているのかな?
わかったよ、カモ君だよ、僕の名前はカモ君だよ!!!
それでいいんだろ!!!

……うわぁ、カモ君認めたらみんな納得した顔してるよ。
なんで?みんなも篤志に毒されちゃったの?
そんなことよりも、フェイトとアルフっていう二人もジュエルシードを集めているのを知ってから、僕達のほうではあまり収集が進んでいない。
少なくとも、フェイト達が現在持っているのは4個、それに対してこっちは5個。
数的にはこっちが多く回収出来ているけど、それでもまだ半分は見つかっていない。
それにフェイト達が出てきてから、僕達は一個もジュエルシードの回収に成功していない。
少なくとも今後の探索回収も困難な状況になるのは間違いない。

勢いでこの世界に来ちゃったけど、時空管理局に連絡してからの方がよかったかなぁ?
まあ、この前街で発動しちゃったときに、ジュエルシードが暴走して小規模ながら次元震が起きたから、それを察知して時空管理局がやってくるかもしれない。
……次元震?あれ?そんなのって……起きたっけ?

……起きたよね。なのはとフェイトのデバイスが激突して、その衝撃でジュエルシードが暴走したんだ。
でも、レイジングハートには大きな損傷なんてなかったよね?
……どういうことなんだろう?ところどころ記憶がおかしい感じがするな。

それにしても、昨日と今日の篤志の様子はなんだか変だなぁ。
いつものような……なんと言えばいいんだろう。篤志であって篤志じゃないって感じがするんだよね。
なのはもそれに気づいているのか、篤志とあんまり話してないみたいだし……。

おっと、こんな暗い感じじゃダメだよね。
なのはや篤志と一緒に僕もガンバんないと……少なくとも役立たずの汚名を挽回しないとね。……あれ?挽回でいいんだっけ?この世界の言葉はときどきわからないことがあるからなぁ。

それじゃあリリカルマジカル………………ところで、僕の本名ってカモ君だったっけ?





あ、今回も最初はライアって人の視点からだって。
……ん?ライアって……誰?










ううう、今日の学校は散々でしたよぉ。
放課後はなのはちゃん達と別れて、別々にジュエルシードの探索をしているところです。
だって、一緒に行動すると篤志さんじゃないことがバレちゃうかもしれないじゃないですか。
それに篤志さんならムリですけど、私が表に出ているならジュエルシードの反応はわかりますから、単独行動でも問題はありません。
まあ、学校での悔しさをバネに、新しいアームドメモリを完成させたからいいんですけどね。

あ、ちなみに今は誰か知り合いに見つかるかもしれないんで、髪の色を金色に戻して、頭の後ろで縛っていたゴムも外しているんです。
まあ、髪の長さは背中の真ん中くらいなので、そこまで邪魔になりませんしねぇ。
これで少しは篤志さんとの違いが出てくるので、そうそうバレることはないはずです。
誰かに会っても別人で話を通すことができます。

「さて、ジュエルシードはどこにあるんですかねぇ」
「あれぇ?そこにいるのって……やっぱり。お~い」
「ふぇ?」

周囲に誰もいないので、恐らく呼んでいるのは私なのでしょう。
でも、私に知り合いなんていましたっけ?
そんなことよりも私の正体がバレちゃったんですか?
さすがにバレるにしてもなのはちゃん達家族くらいだと思うんですけど。
そう思って声のした方向を振り向くと、丁度車椅子に乗った女の子が私のほうに向かっているところでした。
あれは確か……そうそうジュエルシードが街で発動して巨大な樹が暴れたときに会った女の子ですね。

「こんにちはぁ」
「こんにちは。お久しぶり……でいいのでしょうか?」
「はは、確かにお久しぶりやね」

車椅子に乗っている、栗色の髪をした女の子が私の言葉に答えるようにコロコロと笑っています。

「この前は車椅子の車輪が溝にはまっていて困ってたところを助けてくれてありがとうございます。……えっと」

わざわざそんなことを言うためだけに声をかけてきたんですね。
律儀な女の子なんですね。

「そういえば……名前を言っていませんでしたねぇ。私は……レイアと言います」

さすがに本名を言うのもなんですからねぇ。

「レイアさん……外国の人なんですか?何か日本語めっちゃ上手いんですけど」
「あ、生まれは海鳴で、それから先もずっと海鳴で過ごしていたので……」

とりあえず間違いではないですよねぇ。過ごしていたのは篤志さんでしたけど。
まあ、さすがに外国語とかは流暢に話すことはできませんしねぇ。
それでも、相手の心に直接言葉の意味を叩き込む方法でコミニュケーションをとることはできますけど。

「そうなんですかぁ、私ははやて……八神はやてって言います」
「八神……はやて?」

その名前って確か、この世界での闇の書の主で将来の最後の夜天の主ですよね。ということは、この子が……闇の書の主?

「どうかしたんですか?」

いえ、確かに八神はやてが闇の書の主ってことは知ってましたけど、まさかこの子がそうだったなんて。
う~、事件的なことは知っていますけど、その人がどんな顔なのかまでは把握出来ていないですからねぇ。
以前感じた奇妙な感じは闇の書のことだったんですねぇ。

「いえ、知り合いに似たような名前の人がいたかなぁと思っただけです。それよりも今はお家に帰るところですか?」
「あ、うん。図書館で本を借りた帰りなんよ」

はやてちゃんは膝の上に置いてあった手提げ袋を笑顔で掲げています。
きっとその中にはやてちゃんが借りてきた本が入っているのでしょう。
とりあえずは変に思われないようにして、気になることを調べてみましょう。

「そうですか、ならお家まで送っていきますね」
「あ、そんな気にせんでもええのに……ええの?」
「はい」

はやてちゃんのおうちで少し調べたいこともありますからねぇ。

「ならレイアさん、お願いしますわ」
「レイアでいいですよ、はやてちゃん」
「なら、レイアちゃん、お願いな?」
「はい」

さて、闇の書は今どうなっているんですかねぇ。





「ここが私の家なんよ」

はやてちゃんに案内されたのは結構大きな住宅街の中でも、かなり立派な家でした。
でも、この家に6月までは一人ぼっちなんですよねぇ。

「ささ、入って入って。お礼にお茶くらい飲んでって」
「それじゃあ……遠慮無く」
「そんじゃあ、こっち。リビングに案内するな」

はやてちゃんに案内されて、家の中に入ったときに何か強大な力を感じました。
恐らく、それが闇の書なんでしょう。
これから一月後には闇の書の守護騎士が現れて、それからしばらくしてから闇の書の蒐集が始まる。
そして、それが完成したときに起きる災厄で、もしもなのはちゃん達の力が及ばなかった場合、それを食い止めるのも私の仕事です。
まあ、この前のジュエルシードの発現によって現れた大樹のv一件で、その力のほとんど使ったことでその時までに回復しているかが問題ではありますね。
ただ、もしもの状況を考えて篤志さんにも龍凰翔覇流を教えているところですし、篤志さんの身を守る武器と鎧もメモリシステムの形で作ることができました。
万全とは言えませんが対策は立ててあります。そうそう大きく歴史が変わるようなことはないでしょう。

このPT事件ではなのはちゃんの身にそこまで大きな危険は来ないでしょうし、結末も現状では篤志さんが関わっても大きな変化は起きないはずです。
ですが闇の書事件では、なのはちゃんや篤志さんに危険が及ぶ可能性が高いのも事実です。
だとすれば……今のうちに闇の書の浄化をしてしまうべきでしょうか?
……いえ、それだとそこから先の歴史がどれだけ大きく変化するのか想像がつきません。

でも、浄化するのを悩んでいるのも事実です。
闇の書の浄化をすればはやてちゃんの体が侵食されることはありませんし、祝福の風リインフォースのことを元から知らなければ彼女が消滅する未来を見ることもない。
なのはちゃんがそれを悲しむこともない。

「適当なとこに座ってて」
「あ、はい」

はやてちゃんの言葉に曖昧に頷いた私は、リビングにある椅子に座りました。
車椅子の生活では基本的に必要のない椅子。
ここは、はやてちゃんのご両親が生きていた時から変わっていないということなのでしょうか。
それとも、ただ単にご両親が亡くなられたのを認めたくないから無意識に考えないようにしているのでしょうか?

「……考えすぎですね」
「ん?なんか言った?」
「いえ、何でもありませんよ」

私のようなお客さんも来ることがあるのでしょう。なら、テーブルや椅子はあって困ることはないですしね。
そんなことを考えていると、はやてちゃんの傍に奇妙な反応を感じました。
はやてちゃんのほうを見ると、膝の上に一冊の本が置かれています。
さっきまであんな本あったでしょうか?

「はやてちゃん、その本」
「あ、これ?なんか昔から家にあったもんなんやけど、鍵がかかってて中を見ることができないんよ」

あ、聞きたいのはそういうことじゃないんですけどね。

「もしよければ見せてもらってもいいですか?」
「あ、ええよ」
「それじゃあ失礼して」

はやてちゃんから受け取った本、まるで封印しているように鎖で巻かれたこの本から感じる力。恐らくこれが闇の書に間違いないでしょう。
これが半年後の大きな事件の発端になるんですね。
今のうちに浄化しておけば、確かにこれから起きる事件を無かったことにすることができますが、それだと色々な部分で問題が出てきます。

確か……なのはちゃん達が守護騎士に負けることでデバイスのパワーアップをしたり、フェイトちゃんが新フォームを作ったりするはずです。
ここでその可能性を消すと、それより先の未来でどんな変化が起きるのかわかりません。
今はまだ、手を出すべきではないんでしょう。

「レイアちゃん、どうかした?」
「……いえ、中々立派な本ですね」
「せやろ?そやから、どんなことが書いてあるんか楽しみなんや」

はやてちゃんはこの本の本当の意味を知らない。そして、確かにはやてちゃんにとって新しい家族が増えるという楽しみもあります。
そういう意味でなら、確かにこの本の封印が解かれるのは楽しみなことと考えてもいいのかもしれません。

「……面白いことが書いてあるといいですね。あ、悪いんですけど、そろそろ時間なのでお暇させてもらいますね」

はやてちゃんに闇の書を渡して、私はそろそろジュエルシードの探索に戻りましょう。

「え、そうなん?……あの、もしよかったら……」
「もしよろしければ、また会いましょう」

定期的に闇の書の状況を確認するのもいいかもしれませんしね。

「あ、おおきに!!!」

ちょっと……はやてちゃんには悪いかもしれませんけどね。





さて、はやてちゃんの家から出たのはいいですけど、これからどうしましょう。
ジュエルシードを探すと言っても、闇雲に歩いているわけにもいきませんしねぇ。
それに篤志さんはいつ目覚めるんでしょう?

(あっちゃん、聞こえる?)

これは……なのはちゃんからの念話?

(どうかしたんですか?)

なんだか慌ててるような、そんな感じの声ですね。
篤志さんが聞いたらからかわれちゃいますよ?

(あのね、ジュエルシードが発動しちゃったみたいなの!!!場所は……)

ジュエルシードの発動?……確かに集中してみると、ジュエルシードの発動した波動を感じます。
これは……海鳴臨海公園ですか?

(わかりました、現地で集合しましょう。先に着いてもムリはしちゃだめですよ?)
(そ、それはお姉ちゃんがあっちゃんに言うべきことなの!!!)

なのはちゃんは相変わらずですねぇ。そのため私が篤志さんと入れ替わっているのもまだバレてないみたいです。
さて、それじゃあ急いで海鳴臨海公園に向かうとしましょう。

(俺思う)

え?今のってまさか篤志さんですか?

(篤志さん、目が覚めた……)

ようやく篤志さんの目が覚めたことで、今までの数々の悲劇を忘れることができる。
そう思ったのですが……

(俺思う 男のパンツ 見たくない お姉さんパンツ 見たい歳なり)
(んです……か?)

そうそう、男の人のパンツなんて私も見たくありません。
女性のパンツなら………………は?今のって……なんですか?
篤志さんの寝言ですか?

(高町篤志、目覚めの短歌……漢の魂を込めて)

やっぱりぃいいいいいい!!!目が覚めるのを待っていたのに、これ聞いたらものすごくどうでもいいような……微妙な気持ちでいっぱいです。










さて、気付いたときには俺とライアはどうやら入れ替わっていたみたいだが、何がどうなってるんだ?
それに寝言で何か言っていたような気がする。

(篤志さん気がつかれたんですか?)
(ん?何かあったのか?)

ライアの嬉しいような疲れたような感じの声はなんなんだ?

(篤志さん、ドラゴンメモリのオーバードライブで意識を失っちゃったんですよ)

ん?意識を失う?それにオーバードライブを使った?
確かフォルムメモリのオーバードライブは、ライアから禁止されてたはずじゃなかったっけ?
それなのに、なんで俺はそんなのを使ったんだ?
いかん、少しばかり記憶が曖昧だ。

(それよりも今は海鳴臨海公園に急いでください。なのはちゃんとカモ君も向かっています)
(お、おう)

何かワケ分からんうちに話が進んでいるし、何がどうなっているんだ?

(駆け足です!!!)
(わ~ったよ!!!)

ライアに怒られながら俺は海鳴臨海公園へと急いだ。って、何気に今日のライアって不機嫌なのか?
………………そうか、あの日なんだな。うん、そうに決まっている。

(違います!!!)

うん、だからこんなに不機嫌なんだ。大丈夫、俺はちゃ~んと理解しているから。

(ううう、早く目が覚めてほしいとは思いましたけど、やっぱり目が覚めなくてもよかったような気がしますぅ)

さて、なのはも向かっているようだし、海鳴臨海公園に急ぐとしますか。









こうしていつものように女装形態になって、結界の張られた海鳴臨海公園に来たのはいいんだが……。

「さて、ライアよ」
(なんですか?)
「あれはなんだ?」

なのはとフェイトの間にいるのは……木のお化けか?

(えっと……ジュエルシードが発動した姿ですね)

いや、それは言われなくてもわかるんだけどな。

「あいつ、フェイトの魔法モドキをバリアか何かで防いでいたぞ?」

そう、さっきのフェイトの放った複数の光弾は断じて魔法ではない。
魔法はあんなどこぞの光学兵器みたいなもんじゃないはずだ。
いや、メ○とかヒ○ドとか確かに攻撃魔法だけどさ、少なくとも魔法であんなビームは出ないよな?うん、出ない。
きっとこれを読んでいるみんなもそう思っているはずだ。

「封印するにしても、あのバリアをどうにかしないと……だな」
(そうですね……あ、それなら新しく完成したアームドメモリで叩き斬りましょう)

新しく完成したメモリ?
俺はいつもメモリを入れてあるケースから、中に入っているメモリを確認した。
確かに今まで入っていた『ドラゴン』『フェニックス』『ユニコーン』のフォルムメモリと『ランサー』のアームドメモリの他に一本アームドメモリが追加されている。
これは……

「なるほど、確かに叩き斬るには最適だな」

俺は二つのメモリを取り出して、シールドドライバーを両腕に装着する。
その間になのははディバインバスターを、フェイトは光の鎌の刃を飛ばすというそれぞれの必殺技を放っていたが、それも途中でバリアによって阻まれた。
そう、必殺技だ。あくまで魔法じゃなくて必殺技だ。
となるとだ、必殺技を当てるには、まずはあのバリアをぶっ壊すのが先だ。

「なのは、バリアは俺が叩き斬る、その後に封印しろ!!!」
「あっちゃん?……うん!!!」
「そんじゃ、いくぜ」
『DRAGON』

フォルムメモリの『ドラゴンメモリ』を起動して右腕のシールドドライバーに装填、もう一つのメモリを起動させる。

『SABER』

ライアの剣の力を記録した『セイバーメモリ』を左腕のシールドドライバーに装填してシステムを起動させる。

『DRAGON・SABER』

システム起動と同時に俺の体は炎に包まれて、炎の力を身につけた赤い鎧を纏い、右手にも幅広の片刃の剣『パワーセイバー』が握られている。

(篤志さん、五の太刀の突ではあれだけのバリアを一気に破るのは難しいです)

バリア貫通に特化した五の太刀『突』でも難しい?それじゃあ、あのバリアを破るのは難しいってことか?

(ですが、フルドライブ状態の一の太刀でしたら……)

フルドライブ?あれ?それって使ってもいいんだっけっか?

(フォルムメモリのオーバードライブはまだ篤志さんの体に負担が大きいので使えませんが、武器に作用するフルドライブならそこまで大きな負担はかからないはずです)

そっか、フルドライブでの一撃ならバリアを斬ることができるってわけか。

「よし、それなら一の太刀でいくか!!!」

『セイバーメモリ』をシールドメモリから引きぬいて、パワーセイバーの柄尻にあるスロットに装填する。

『SABER MAXIMUM DRIVE』
「いっくぜぇえええええ!!!」

俺の持つ剣の柄が長く伸び両手で構えられるほどの長さになる。
そして鍔に当たる部分も展開し、それが完了すると同時に片刃だった刃が3メートルの長さを持つ巨大な両刃として現れる。
その刀身は炎のように赤く輝いている。
俺はそれを両手で持ち、肩に担ぐように構える。

「ライア流剣術、一の太刀!!!」
(龍凰翔翔覇流です!!!もういいです!!!それよりも一刀で決めますよ!!!)

ライアの言葉を無視しつつ、ドラゴンメモリの持つ力である炎をパワーセイバーに纏わせて俺は背中の翼を広げて上空に飛び上がる。

「斬!!!」
(斬!!!)

ライアと一緒に叫ぶと共に炎に包まれた大剣を唐竹に振り下ろす。
振り下ろした刃はジュエルシードのバリアに阻まれたが、すぐに亀裂が生じてバリアが砕け、ジュエルシードを両断した。

「…………あれ?」
(えっと……もしかしてジュエルシード、たたき斬っちゃいましたか?)
「いや、つうか燃えてるよ!!!」

バリアとかあって硬かったくせに、なんで簡単に燃えるんだよ?
木だからか?木だから簡単に燃えたのか?
いや、確かにそれなら炎の力を持つ『ドラゴンメモリ』なら可能かもしれないけどさ、何か違わないか?

そんなことを考えていると、燃えている木からジュエルシードが浮かび上がってきた。
どうやら、まだ封印はされていないらしい。

「えっと……なのは、とりあえず頼むわ」

何となく微妙な気持ちになった俺は呆気にとられて呆然としているなのはに封印を頼んだ。





なのはによるジュエルシードの封印が終わって、ようやくフェイト達と話が……できるのか?

「ジュエルシードのは衝撃を与えちゃいけないみたいだ」
「うん、夕べみたいなことになったら、私のレイジングハートやバルディッシュもかわいそうだもんね」

ん?昨日何かあったのか?

(おかしいです。昨日の戦いではレイジングハートもバルディッシュも壊れてないのに)

ライアも何か気付いたのか焦っているな。

「だけど、譲れないから」
「私はフェイトちゃんと話をしたいだけなんだけど」

ああ、確かになのはの目的はそうだよな?
でも、今の俺の状況はなんだろう?

「なぜ俺はバインドで縛られていますか?」

ジュエルシードの封印が終わったと同時に、俺はアルフのバインド魔法で拘束された。
しかもなのははそれを無視している。
いや、確かになのはのしたいようにすればいいとは思うけどさ、さすがに気にしてほしいと思うのは俺のわがままかね?

「あんた、フェイトのパンツを狙ってるんだろ?」

ちょっと考え込んでいると、アルフがバインドで拘束した理由を言ってきた。
しかし、俺はフェイトのパンツを狙っているだけではない。アルフのパンツも衆目に晒す気満々ですよ?
……ん?なんでアルフのパンツも晒す気だったんだ?
あれは確か……

「ああああああ!!!」
「な、なんだい?なんでいきなり叫びだすんだい?」

思い出した、あいつはなのはにひどいこと言ったんだった。
なのはとフェイトも、なのはの交渉は結局のところ決裂してフェイトに勝ったら教えてくれるってことになったらしい。
なら、俺はアルフの相手をしないとな。

「ふふん、速さだけが自慢のアンタにこの前より硬いバインド魔法をどうにか出来るかな?」

この前……あ、確か前もバインドで拘束されたんだっけ?
確かその時は『フェニックスメモリ』を使っていて、不意打ちでバインドをかけられたんだよな。
そのときは『ドラゴンメモリ』を使って難を逃れたんだったな。

「……ふん!!!」
「なっ?」

拘束された両腕に力を込めたら、あっさりとバインドが外れた。
その光景を見たアルフも目を見開いて驚いている。
まあ、俺も驚いたんだけどさ。これってやっぱりライアがメチャクチャバカ力ってことなのか?

「ふん、バインドを破壊したからって簡単には負けないよ!!!」

気をとり直したアルフが俺に向かって突撃するのと同時に、なのはとフェイトもぶつかり合う。

「くっ!!!」

俺はアルフの突き出してきた拳を左手のシールドドライバーで受け止めた。
このフェルムだとフェニックスを使った時のように速さで回避するのは難しい。
力に大きなウエイトを置いたから、スピードはかなり犠牲になっている。

「か、硬い」

そんなのは当たり前だ。
こいつの名前はシールドドライバー。この『ライアメモリシステム』の中核になるものなんだ。
そんな重要なものをヤワに作るわけがない。
どの形態でも守りの要でもあるこいつだけは形状や能力に大きな変化がないんだからな。

「だてにシールドって名前は……ついてねえ!!!」

俺は左腕でアルフの拳を受け止め、右手に持ったパワーセイバーを横に薙ぎ払った。

「この程度……って、マジかい?」

アルフはそれをバリアを張って食い止めようとしたみたいだが、パワーセイバーの攻撃でバリアに罅が入っていくのを見て、すぐに後方へと下がった。
なのはとフェイトも、なのはがアクセルシューターっていう誘導弾を撃ったり、フェイトが光の鎌を飛ばしたりと一進一退の攻防を繰り広げている。
こっちの決着がつけば、なのはの援護に向かえる。
そう思った俺は一気に決着をつけようと、アルフへの追撃を決めた。
アルフも俺を迎え撃つべく全力で飛び込んで拳を叩き込もうとし、なのはとフェイトもお互いのデバイスを振りかぶって激突する。
そして、俺の剣とアルフの拳が交差する瞬間。
なのはとフェイトのデバイスが激突する瞬間。

「ストップだ!!!」

ここにはいない第三者の声が響いた。

「え?」

今にも激突するだろうなのはとフェイトのデバイスは、黒い服を着た俺と同じ年くらいの黒髪の男が受け止めていた。

「ここでの戦闘は危険過ぎる。時空管理局執務官、クロノ・ハラオウンだ」

そして、俺の剣とアルフの拳を受け止めているのは、そのクロノとかいう男が大人になったらこんなだろうって感じの男だった。

「同じく時空管理局提督、クライド・ハラオウンだ。詳しい事情を聞かせてもらおうか」
(クライド……ハラオウン?まさか、歴史が……変わっている?)

突然の第三者の介入に、俺はライアの小さな呟きを聞き取ることが出来なかった。





愚か者の懺悔
さて、このまま進めて本当に話をまとめることができるんですかね?これから先もとんでもない方向に話が進むかもしれないのにクライドさん生存って……。
それでは以下は簡単な説明です。





セイバーメモリ(アームドメモリ)
ライアの持つ大剣の戦い方を記録したメモリ。片刃の幅広の剣『パワーセイバー』を使っての斬撃がメインになる。フルドライブ時は柄や鍔が展開し、巨大な両刃の剣となる。

ドラゴンセイバー
『ドラゴンメモリ』と『セイバーメモリ』を起動させた戦闘形態。炎と力を生かした戦闘を得意として、その圧倒的な攻撃力で戦うことを目的としたスタイルをとる。そのため一撃一撃は大きいが、その分隙が大きくなるという弱点も持っている。






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