プロボクシングの「ザ・グレイテスト・ボクシング」が29日、東京・後楽園ホールであり、日本スーパーウエルター級8回戦で同級2位の湯場忠志(33)=都城レオスポーツ、宮崎県三股町出身=が、同級6位の西禄朋(30)=川崎新田=に2回2分21秒でTKO勝ちした。湯場の戦績は44戦37勝(28KO)5敗2分けとなり、同級タイトルマッチ挑戦権を獲得。ライト、スーパーライト、ウエルターの3級に続く国内初の4階級制覇をかけ、この日、東洋太平洋同級王座の初防衛に成功した日本王者のチャーリー太田(28)=八王子中屋=と次戦で激突する。
■2回TKO勝ち 4階級制覇へ
待望の挑戦権は得意の形で手に入れた。60パーセント超のKO率を誇る湯場が、2回2分21秒で西にTKO勝ち。「ここ何年かで一番練習をやった。それを出せれば勝てると思っていた」。ほとんど傷のない端正なマスクが、強さを物語った。
重いパンチの攻防となった1回、ボディーを攻めてダメージを負わせると、2回1分すぎには必殺の左ストレートで1度目のダウン。「西君も気持ちが強い。パンチを耐えられて焦った」。最後は再び左で、立ち向かってくる相手を沈めた。
2008年4月に地元宮崎で、3階級目の日本ウエルター級王座から陥落。あごを2カ所骨折して進退が注目されたが、4階級制覇の夢をあきらめきれなかった。「この2年のこともあるし、そう簡単には挑戦権は譲れない」。東京やタイでの合宿で心身を追い込み、王者への挑戦権をつかみとった。
「(チャーリー太田は)強いし、王者のオーラのある選手。でも自分にとっても、応援してくれる皆さんにとっても夢なんでね」。国内で4階級制覇となれば史上初。南国生まれのサウスポーが満を持して快挙に挑む。
(山本泰明)
=2010/06/30付 西日本スポーツ=