(CNN) 米メキシコ湾で起きた原油流出で、湾に面したルイジアナとアラバマの両州で作業員や住民が呼吸器系や皮膚に関する症状を訴えていることが、衛生当局への取材で分かった。
ルイジアナ州衛生病院局によると、9日現在で原油流出に関連して71件の健康被害が確認されている。このうち50人は石油採掘または原油除去作業にかかわった作業員、残る21人は一般住民だという。
作業員はのどの痛み、せき、胸の痛み、頭痛、息苦しさなどを訴え、8人が入院した。入院日数は平均1日だった。一般住民は原油のにおいで気分が悪くなったという人が大半を占め、年齢は18〜64歳が中心だという。
同州の大気からは、大規模な健康被害を引き起こすような原油の化学成分は検出されておらず、飲料水の安全性にも今のところ問題はないという。ビーチは一部で地元自治体が閉鎖する措置を取っている。
一方、アラバマ州の衛生当局によると、同州ではこれまでに15人の健康被害が報告された。このうち10人は呼吸器系の症状、5人は皮膚症状を訴えているという。1人が入院したとの報告もあるが、これは暑さによる症状が原因とみられる。
同州は健康被害防止のための大規模キャンペーンを展開し、遊泳禁止勧告を発したり、ビーチに注意喚起の看板を立てたりしているという。ただしビーチの閉鎖にまでは至っていない。
ミシシッピ、フロリダ、テキサスの各州ではこれまでのところ、原油流出に関連した健康被害は報告されていないという。