アブダビ(CNN) メキシコ湾原油流出事故で環境汚染の被害が拡大しつつある中、アラブ首長国連邦(UAE)の国営石油会社が、同社の原油流出対策チームによる支援を米政府に提案している。
提案を行ったのは、アブダビ国営石油会社(ADNOC)。同社のクレイグ・バッキンガム氏がCNNに語ったところによると、ADNOCは大使館を通じて、米政府に2週間ほど前、流出油除去作業の支援のために同社の専門家チームを派遣することを提案した。米政府は現在、提案を検討中だという。
このチームは、同社で働くUAE6カ国およびエジプト、スーダン、アルジェリア、フィリピン出身の原油流出対策専門家約30人で構成されている。
バッキンガム氏は、「この支援策は、基本的にわが社が政府を代表して提案したものだ。わが国の政府は(メキシコ湾原油流出事故による)環境汚染問題を懸念している」と説明。「わが社には人材も資源もそろっている。必要があれば、すぐに提供できる態勢だ。今はただ要請を受けるのを待っている」と話している。
4月20日にメキシコ湾で起きた石油採掘施設の爆発事故以来、流出している原油量は日量推定で1万9000バレルにのぼるとみられている。