春野友矢先生&あさのハジメ先生対談

ドラマCDの収録を終えての感想は?
あさのハジメ(以下、あ) 

とても貴重な経験でしたね。特に印象的だったのは、千歳のキャラが、脚本を書いているときにはもっとフレンドリーなイメージだったのですが、自分のイメージよりは上から目線の、全体をまとめる生徒会長っぽいキャラになっていたところでした。
でも聞いてみるとそっちのほうが良いなと……。そんな感じで、アフレコでキャラが事前のイメージと変わるというのはすごくいい体験だったなと思います。

春野友矢(以下、春) 

僕も芦花はもっと感情が無いイメージがあったんですが、花澤さんの声を聞いていてやっぱり感情は無いとだめだなと。人間だもの(笑)。
原作の芦花より、好感度が高い(笑)。

―『ディーふらぐ!』をはじめに読んだときの感想は?
あ 

作品は以前から読ませていただいていたんですが、ドラマCDの脚本をやるという前提で改めて作品を読むと、プレッシャーがかかって大変でした(笑)。
でも原作が面白かったので、恐縮というか、光栄なことだと思って取りかかりました。脚本の作業自体は、最初はネタが全然出なくてすごく苦しみました(苦笑)。
でも一度思いついてからは楽しく書けましたね。

春 

逆転の発想でしたよね、ドラマCDでドラマCDを作る話ですし。原作を面白いといっていただけて嬉しいです。
あさの先生に書いていただいたシナリオが面白くて、なるほど、と理解できる部分があって客観的に作品を見られました。
原作のイメージを維持しながらこういう風に面白くできるのは、本当にプロの作家さんはすごいなと(笑)。

―春野先生もプロです(笑)。動かしやすかったキャラクターはいましたか?
あ 

属性持ちのゲーム製作部(仮)の4人はとても動かしやすかったですね。まず属性というものについて、それぞれ会話でネタが作れるようになってるのがすごいなと。

―ネタというのは?
あ 

それだけで会話が進むんです。ドラマCDだと地の文が基本的にないので、脚本を書いていくにあたって、例えばツッコミでも、台詞の中で状況がわかるセリフが必要だったんですが…。
この作品の場合、属性のネタが出るだけでまず「誰が話をしているか」が分かるので、状況を説明しながらでも、個性が出たテンポがいい会話ができるんですよね。
「キャラを立てるってこういうことかな」と思いましたし、そういうのがはじめからできている原作でしたので、やはり面白い作品はいろいろと考えられているなあと。自分の作品(『まよチキ!』)でも、そういう風にセリフだけで特徴が出るようにしようと、いま参考に…。

春 

いやいや、そんなに考えてないです…本当に(笑)。
僕は他人のキャラでよくここまでスムーズな話にできるなとあさの先生に感心してしまいました。あさの先生には、最初の打ち合わせの際に、キャラを理解して頂くように資料を用意しようと思っていて。でもいざ資料を作ろうとすると、どこまで伝えよう、そもそもどうやって伝えるんだ?と…。それをうだうだ悩んでいたら、打ち合わせするより先に物凄い速さでシナリオがあがってきて。
でも、それがとても面白かったんですよ。キャラもできてるし。手を入れたらリズムが悪くなるんじゃないかと思ってほとんどできませんでした。

あ 

 僕は春野先生から殴られるんじゃないかと思ってビクビクしてたんですが(笑)。

春 

いやもうばっちりですよ。『ディーふらぐ!』の原作書いてください(笑)。シナリオを読んで、僕も得るものは本当に大きかったですね。もっと自分のキャラっていじれる幅があるぞと。本当にありがとうございます。

―お気に入りのキャラクターは?
あ 

原作では高尾部長なんですけど…どうしても動かしやすいのは芦花と千歳なので、若干そちらにも気が行ってしまいますね。どうやって風間君に突っ込ませるためにセリフを作るか、というのはとてもやりやすかったので。逆に南先生や桜はもっと突っ込んでもよかったなぁと。

春 

でも南先生と桜は自分から事件を起こすタイプじゃないんですよね。芦花たちが事件をつくって、それに対して乗っかっていくというスタンスなので、やはり自分から動く比率は少ないと思います。先生にいたっては…

あ 

 でも、原作では桜が風間君にはっぱをかけるエピソード(2巻収録11話)があったので、そういうものを入れられたらもっとキャラが立ったのかなという気もします。

春 

 はい…「起こすタイプじゃない」ではなく、ただ単に僕が桜や先生に事件起こさせるのが苦手なだけでした(笑)。ちなみに僕は風間君と高尾部長が一番動かしやすいです。彼らは比較的普通の人間なので(笑)。やはり自分から事件に首を突っ込んでいってくれるキャラクターでないと動かしにくいですね。風間君が1話まるまるいない話をやってくれといわれたら、正直厳しいかもしれない。やってみたいですが。それとお気に入りのキャラは中です。

―あさの先生の作品『まよチキ!』だとどのキャラクターが動かしやすいですか?
あ 

ダントツでお嬢様(涼月奏)ですね。自分の足りない実力を補ってくれるくらいのオールマイティーキャラで、彼女が出てくれば何とかなるだろうと。逆に彼女がいなかったらやばいです。

春 

僕も好きですね。キャラ的にも立ち位置的にもすごく良いです。読者さんからのキャラ人気は?

あ 

 それはもう近衛スバルが一番ですね。やはりメインヒロインですから(笑)。

春 

やっぱりスバルですか、さすがメインヒロイン!
ん、メインヒロイン? …うちのメインヒロインって、そもそもそんな崇高なものいたっけ?

あ 

何を身につけなければいけないのかが
なんとなく分かってきて…
それをキャラと一緒に
追いかけているのは楽しいですね。

―実は今回の収録でドラマCDになるまで、芦花がこんなにしゃべるキャラだと思っていなかった部分があったんです。

僕もそうですね。それに、結構笑ってるんですよ、芦花が。

―笑ってる、というのは?
春 

声に出して笑っているというのではないんですが、最初に言った感情ですかね……嬉しそうって言うか。芦花って、実は風間のことが好きみたいなことを言葉では言っているんですが、本当にどうなのかは僕自身はわからない。わからないので僕自身芦花の感情の振れ幅を無意識にセーブしているところがあるみたいで、だから最初はもっと全体的に感情の抑揚が無い声をイメージしてたんです。それが、あさの先生の脚本と…花澤さんの声だからというのももちろん大きいんでしょうけど、感情の部分が顕著に出るなぁと。

あ 

それはもう、脚本を書くときには読者視点でしたから(笑)。もう好きに決まっているというのがあって、それに沿っていくと、どうしても風間をいじるやり取りに、そういう感情が出てきちゃうんでしょうね。

断然そっちのほうがいいですよね!実際はわけわからないキャラに振り回されるという部分を軸に考えているので、恋愛は二の次になっているのが原因と…なんて嫌な軸だ。だれだこんな軸にしたの。

―声でイメージは変わりますか?
春 

最初に言ったように、芦花が変わりましたね、他の点だと高尾部長の声が、伊藤さんが通しの練習をしている時、少しカッコ良過ぎるかもと思ったんですが、本番ではそんなこともなく、ああこれはいつもの「ちょっぴり残念な高尾さんだ」って。イメージのまんまだなぁと。

あ 

声でいうと、僕はやっぱり小西さんです。突っ込みも通常の会話も「ああ、プロフェッショナルってこういうことかな」と思ったりして。いっぱい叫ばせちゃいましたけど(笑)。

聴く前のイメージ的には大人っぽくなるのかなと思っていたのですが、聴いたらもう風間ですね。これはばっちりでした! 小西さんの突っ込みは最高です!

あ 

前に話した千歳もですが、やはりイメージは変わりましたね。

―お二人はお話を作るときはキャラから?
あ 

僕はそうですね。キャラが最初にあって、おおまかなストーリーだけを考えて放り込んでみる。それでキャラが勝手に動く方向へ話を進めていくのですが、『ディーふらぐ!』と比べるとより恋愛を軸に考えているので、それ以外のコメディ部分を埋めていく感じです。

春 

スタートがキャラというのは一緒ですが、僕は行き先はたぶん逆ですね。ギャグ漫画で始めたので、どうしてもギャグ優先になる(笑)。

あ 

恋愛部分は書いているときは恥ずかしいんですよ……。恋愛パートはキャラクター同士のバトルだと思って書いています(笑)。

春 

いいですね! それいただきます(笑)。小説を書くときは、恋愛だけで1冊ネタもちますか?

あ 

全部は無理ですね。やっぱりコメディ部分やストーリーを進める部分がないと。ただコメディでも、プロレスネタとかマイナーなパロディとかは担当さんに削られてしまいます。おまえラブコメやる気あるのか!と(笑)。そういうマイナーな要素が多くなると、読者に伝わらないものになりがちですしね。

春 

『ディーふらぐ!』はそういう要素の方が多いです。テキサスチャーシューというキャラは『テキサスチェーンソー』という映画のオマージュだったんですけど誰も分からなかった(笑)。彼がやられるときに言っていた「アジャイ!」というセリフも、実は『ロストワールド』という映画からだったり。こっちは後付けなんですけどね…。担当さんが、ネタが分からないのに気を利かせて解釈してくれたりするんですが、それが意図したのと違っていることもあったりするので「そこは聞いてください」と(笑)。

あ 

キャラが勝手に回っているほうがいいですよね。自分の思いもしなかったところに話が広がるし。3巻でようやくメインキャラも出揃ったんですが、これから『まよチキ!』を書くのがさらに楽しみですからね。

春 

今はキャラが分かってきて自由度が増してきたという感じはしているので、キャラが作品を広げていってくれて、できることがたくさんある気がしてます。ぜんぜんまだまだなんですが、作品と付き合っていると分かってくることがあって、ネームの技術とか、何を身につけなければいけないのかがなんとなく分かってきて…それをキャラと一緒に追いかけているのは楽しいですね。

―あさの先生はなにか身につけたいものはありますか?
あ 

執筆の速さですね。それは本当に身につけたい……!

春 

全然速いじゃないですか!!

あ 

いやいや、速い人は本当に速いですからね。

春 

あの発行ペースで…? 恐ろしい。漫画なら週刊漫画の単行本並みのペースなのに……僕も頑張ります。

―ドラマCDのブックレットには小説も書いていただきましたが、脚本を書いたときと小説を書くのとでは、作品に対してのとらえ方は違いますか?
あ 

全然違いますね。行動とか動作が書けるので、やはり地の文があるのとないのとではキャラクターの会話も違ってきます。

春 

小説は新鮮でした。これもまた、あれ?こういう攻め口あったじゃないかと(苦笑)。

―お互いの作品に触れていただきましたが、今後どんな展開を読んでみたいですか?
あ 

読者目線で恐縮ですが、『ディーふらぐ!』の恋愛メインの話は読んでみたいですね。芦花と高尾部長の。

春 

『まよチキ!』だったら黒執事15傑衆とか出てきて、倒された執事の亡霊が最後の執事に乗り移ったりして、その最強執事と戦うとか。是非!

あ 

完全にバトルものですよねそれ!?

―それでは最後に読者のみなさまにメッセージをお願いします。
あ 

ドラマCDの脚本、面白いものを書こうと一生懸命やりましたので、楽しんでもらえたらうれしいです。あと、『まよチキ!』もよろしくお願いします。

春 

むしろ『まよチキ!』をよろしくお願いします(笑)。いや、もちろんドラマCDもですが。原作者の贔屓目かもしれないのですが、すごく楽しいドラマCDになっていると思います。ブックレットの描き下ろしも頑張っているので、原作ともども宜しくお願いします。あとコミックアライブも。

―それはぜひお願いしたい(笑)。今日はありがとうございました!

キャストコメンタリー

収録を終えられての感想をお願いいたします。
【小西さん】
叫びました!! まくりました!! 俺がんばったよ!!
【花澤さん】
とても楽しかったです!!
まだまだしゃべり足りないですが(笑)
【伊藤さん】
勢いでドカーン!!な収録で楽しかったです。
【斎藤さん】
楽しかったです。大好きなキャストさんばかりだったので、 休憩中までみんなでワイワイしてました。
【高橋さん】
とても熱く激しい収録でした。
みんなわきあいあいと楽しかったです♪
【小清水さん】
すごく楽しかったです。風間いがいはローテンションなのに テンポ感があって、ずっと聴いてられるコメディだなぁと思いました。
【福山さん】
体力使いました!
ハァハァやりすぎましたからね(笑)
演じたキャラクターの印象を教えてください
【小西さん】
不良です。が、おもしろい人でした。
【花澤さん】
第一印象はかわいらしくてちょっとぼーっとしてる子なのかなぁと思いましたが、 原作読み進めていくと、全然そんなことありませんでした・・・・。
さすが部長!!黒いっす(笑)
【伊藤さん】
THE・ツッコミ!!って感じでした。
まわりのみんなに踊らされてる感じがたまらないです。
【斎藤さん】
個人的に普段あまりやらないタイプのキャラクターだったので新鮮でした。
あと、ドS。
【高橋さん】
明るいS ・・・ かな。ピュアなんだけど、まわりの 先輩たちにひっぱられてどんどんおかしな方向に・・・!?
【小清水さん】
先生らしからぬ先生!!
たんたんと話しつつ とってもノリノリで悪いコトしてますね。
【福山さん】
ディープですねぇ。
彼はもう後戻り出来ないんだろうな(笑)
演じていて印象に残ったシーンについてお聞かせください。
【小西さん】
モガァ―――――――――――――――――――――ッ!!
【花澤さん】
校内放送で風間君をハレンチな人に仕立て上げるシーンが特に楽しかったです。
【伊藤さん】
みんなが総ボケなので、風間と2人で とにかくツッコんでるのが印象に残りました。
【斎藤さん】
効果音の使い方がすごいなぁ、と。アレがアレで あんなコトになるなんて・・・。
【高橋さん】
ペットボトルとチャポチャポしてたシーン(笑)
【小清水さん】
桜が「私はただペットボトルの水をチャポチャポさせてただけですよ」 と言うところ!!
【福山さん】
全てに全力注ぎました。
ドラマCDの聴きどころ、オススメシーンを教えてください。
【小西さん】
素敵な女性キャラクターたち。
皆、癒されればいいんだよ。
【花澤さん】
風間のモガァァァー!!と、高尾さんのツンデレセリフです。
【伊藤さん】
各キャラのマイペースっぷりがたまらんです。
全編通してテンポがよいので、余すとこなくきいて下さい。
【斎藤さん】
小西さんがひたすらツッコミまくってます。
ずっとテンション高くてすごかったです。
【高橋さん】
声優陣のかけあい全てです!3本のマイクに 入れかわり立ちかわり入って・・・チームワーク完璧でしたよっ☆
【小清水さん】
属性会話ですかね!あと、軽いノリで会話しているキャラクターたち。
とにかくおもしろいです!!
【福山さん】
『M人英雄伝アタル』以外をまず聴いてから聴いて下さい。
そしたら僕的おすすめがわかります。
あなたの属性はなんですか?(妹属性とか、眼鏡属性とか、フェチ的なものを教えていただければ)
【小西さん】
なんかやわらかいやつ。
【花澤さん】
スーツフェチです。メガネもかけていたらパーフェクトです。
【伊藤さん】
エロ?
【斎藤さん】
おじさま属性です。男は40過ぎてからです。
【高橋さん】
スーツ属性とホルモン属性。
スーツ属性は男性のスーツ姿が好きなので。
ホルモン属性はホルモン焼きが好きなので(笑)
【小清水さん】
ハスキーボイス属性・・・?
ハスキーな声好きです。
【福山さん】
青属性です。
ファンの皆様にメッセージをお願いいたします。
【小西さん】
原作のイメージに合っていれば嬉しいです。
皆様いかがでしたでしょうか。
楽しんで頂ければ!!
ふくろは顔にかぶせたらダメですよ!
【花澤さん】
とても賑やかでおもしろいドラマCDとなっております!
ぜひ!お聴きください!!
【伊藤さん】
いっぱい笑えて
元気になれる1枚ですので、
ぜひお手にとって下さいまし!!
【斎藤さん】
たくさん笑ってスッキリして下さい!そして続きが出せますように
たくさん応援して下さい。
【高橋さん】
ドラマCDでしかできないような過激な描写も(?)
あるので、ドキドキしながらぜひ聴いて下さい!!
【小清水さん】
頭をからっぽにして、ゆっくりじっくり
聞いて下さいネ♪
【福山さん】
属性に続々と族たちが集まりゾクゾクとするようなディープな世界が繰り広げられてます。
ドラマCDも以下ゾク巻なるか!?
よろしくお願いします。
以上です。ご協力いただき、ありがとうございました。
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©春野友矢/メディアファクトリー

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