中国が東シナ海で実弾演習、韓米演習に対抗か

 中国軍は韓米両軍が西海(黄海)で行う合同軍事演習を控え、今月末に浙江省沖の東シナ海で定例の実弾射撃演習を行うと発表した。

 28日付中国紙・温州晩報によると、中国軍の東海艦隊に所属する第91765部隊は、今月30日から来月5日までの六日間、浙江省の舟山諸島と台州市の沖合で実弾射撃演習を行う。

 中国海軍の演習海域は韓国の泰安半島沖から南に700キロ離れた場所で、韓米両軍の合同演習に対抗する意図があるとみられる。中国軍は今月24日に発表した演習計画で、毎日午前0時から午後6時まで演習を実施し、演習海域での船舶の通告を禁止した。同演習は昨年、7月10-15日に実施されたが、今年は10日前倒しされた。

 28日付香港紙・明報は、中国軍が演習日程を事前に発表するのは異例のことで、今回の演習が韓米合同軍事演習に対抗するものだとの見方を示唆した。新華社が発行する雑誌『世界軍事』の陳虎編集長も「直ちに韓米合同軍事演習だけを念頭に置いたものだとはいえないが、大規模な(米軍)空母船団が参加する今回は、中国軍にとって絶好の訓練目標になる可能性がある。通常よりも高い訓練効果が得られるのではないか」と指摘した。

 人民日報系の国際ニュース紙、環球時報など中国メディアは今月初め以降、米軍第7艦隊に所属する原子力空母ジョージ・ワシントン(9万7000トン)が黄海に入れば、北京を含む華北地区の大部分や遼寧省などが空母の作戦範囲に入ると報じ、韓米両国は哨戒艦「天安」沈没事件を口実にして緊張を高めるべきではないと主張してきた。

 中国外務省の秦剛報道局副局長も今月22日の定例会見で、韓米合同軍事演習に関する質問を受け、「注意深く見守っている。関係当事国は情勢を緊張させたり、域内各国の国益を侵害したりしてはならない」と警告した。

 北京の外交筋は「演習海域こそ異なるが、韓米両国の軍事演習を控えた時期に中国海軍が海上軍事演習を行うと発表したことには、韓米両国をけん制する意味合いがある。中国は外交ルートを通じても、韓米合同軍事演習に強く抗議したと聞いている」と語った。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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