時代劇の「花形」 プロの殺陣集団が存続の危機?週刊文春6月24日(木) 12時12分配信 / エンターテインメント - エンタメ総合「剣会」は、一九五二年に東映京都撮影所で発足。白井滋郎「剣会」会長が振り返る。 「五〇〜六〇年代、いわゆる大部屋には約四百人の俳優がおられ、その中で『剣会』の会員は百人ほどでした。入会するのはかなりの難関で、まず既会員全員がその人物の殺陣の技術、人格などすべてにOKを出さなければならない。一人でも反対が出れば、入会は許されない。厳しいけど、殺陣をする者としては、入会がひとつのステータスだったんです」 当時の「剣会」はもちろん花形。 「その頃は川谷拓三さん、志賀勝さんなど先輩が大活躍されている時でした。ヤクザ映画が全盛で。高倉健さん、若山富三郎さん、鶴田浩二さんなどが主演の任侠映画が人気で、時代劇も多くありましたね。当時は、映画も時代劇も東映だけで制作していたんですよ。監督、スタッフから役者まで、全員が東映の社員だった」(同前) 『桃太郎侍』で最後の大立ち回りの撮影で、他の番組の撮影も重なり「剣会」のメンバーが揃わず、撮影は延期になってしまったこともあったほどだ。 「誇らしい歴史です。かつては入会すると契約金が上がったり、役につけたりしたんですが。今では、そういうメリットもなくなってしまって……。会の平均年齢もずいぶん上がって五〇歳ぐらい。会員も二〇人ほどになりました」(同前) 製作費の圧縮、時代劇の斜陽、「剣会」に厳しい現実がのしかかる……。なんとかこの状況を打破しようと、あの手、この手を試みている。 「ボランティアで老人ホームへ慰問に行ったり、依頼があればほとんど足代だけでチャンバラ教室などのイベントを行なったり。また映画やドラマへの出演だけでなく、時代劇の所作指導なんかもやっています」(製作部・演技センターの西嶋勇倫さん) 我こそはという方、“斬られ役”に志願してみる? (北浦勝広) (週刊文春2010年7月1日号「THIS WEEK 伝統」より) 【関連記事】 著名人のお墓を巡る、その名も“墓マイラー”ブーム(週刊文春2010年6月24日号) 海外から逆輸入 元詐欺師や傭兵の新・仮面ライダー(週刊文春2010年4月22日号) ディズニー映画の声優公募に お金はちゃっかり取る仕掛け(週刊文春2010年4月1日号) 憧れの人は戦国武将? 歴史にハマる歴史好き女子“レキジョ”(週刊文春2009年2月19日号)
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