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竹野内豊「危険」撮影現場は地獄の戦場

 ジャングルの中で撮影を続ける(左から)竹野内豊、唐沢寿明、平山秀幸監督、山田孝之
 ジャングルの中で撮影を続ける(左から)竹野内豊、唐沢寿明、平山秀幸監督、山田孝之

 日米開戦70年の来年2月に公開される映画「太平洋の奇跡‐フォックスと呼ばれた男‐」の撮影現場が、28日までにタイ中部ラヨーンで公開された。主演の竹野内豊(39)、共演の唐沢寿明(47)、井上真央(23)、岡田義徳(23)らはジャングルの中でハエや蚊、灼熱(しゃくねつ)地獄と、まさに戦場さながらの現場で奮闘中だ。日本軍人になりきるため、竹野内は長髪を20センチ以上カット、唐沢は丸刈りにした。総製作費10億円以上、撮影に日米2ユニット制を敷く大がかりな作品で、海外配給も目指すという。

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 サイパンの日本軍を率いた大場栄大尉を演じる竹野内は、今回が初の軍人役となる。クランクイン前には大場さんの墓をお参りし、長髪も20センチ以上カット。体重も4、5キロ落とし、役作りに励んだ。「少しでも大場さんを意識して、1カットずつ探りながらやっている」と静かな口調に意気込みを潜ませた。

 撮影現場は、タイ海軍基地内のうっそうとしたジャングル。日本語、タイ語、英語が大声で飛び交い、本物の戦場のように過酷だ。気温は35度。火をたいているため、密林内は40度をはるかに超える。

 灼熱地獄を竹野内は「危険な暑さ」と表現し、その中での「戦闘シーンとかのアクションが一番キツイ」と話す。ジャングルの野営地を歩き回る場面の撮影では、息を切らせるために本番前に何度も“その場ダッシュ”を繰り返し、そのたびに汗を噴き出させた。

 ハエと蚊の大群もキャスト陣を悩ませている。ヤクザから軍人になった堀内一等兵を演じるため、自ら丸刈りにした唐沢は「頭が変形するほど蚊に刺されるんだよ」と苦笑い。家族を米軍に殺されたことから軍に帯同志願する千恵子を演じる井上は「とにかく格闘ですね」と常に顔の周りを飛び交う難敵に顔をしかめた。

 撮影は、全編タイロケで、5月20日のクランクインから7月中旬まで続く。リアルな“戦場現場”で「日本人として過去にあった大きなことを残していく作品に携われることに意味がある」と竹野内は表情を引き締めていた。

 映画「太平洋の奇跡」は、元米海兵隊員の書いたノンフィクション小説「タッポーチョ 『敵ながら天晴』 大場隊の勇戦512日」を原作に、太平洋戦争の激戦地サイパンで、47人の兵力で米軍4万5千人に対し、神出鬼没な戦略で翻弄(ほんろう)した日本軍の奮闘を描く。総製作費が10億円以上、スタッフは400人以上と大がかりで、邦画では異例の「日米2ユニット制」を敷く。

 日本サイドの撮影は平山秀幸監督がメガホンを取り、米軍中心の場面では「サイドウェイズ」などの米国人チェリン・グロック監督(52)が指揮する。双方に参加した俳優の岡田義徳は「日本はリハーサルを重ねるが、米国方式はいきなり本番と、全然違うので大変」と話す。グロック監督は「文化や視点が違う。戦争的な撮影だ」と“日米対決”に息巻いている。






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