記者会見する武蔵川理事長。右は特別調査委員会の伊藤滋座長=両国国技館(撮影・西岡 正)
「臨時理事会」(28日、両国国技館)
厳罰かと思われた「理事長の謹慎、代行の選任」は骨抜きに終わりそうだ。日本相撲協会の臨時理事会では「謹慎」の定義について話し合われた。「名古屋に行くことはOK」、「けいこ、部屋の監督が必要」、しまいには「公務は可とする」という意見も出て、7月2日の特別調査委に差し戻された。
名古屋場所に通勤できるのならば、一般的な解釈では謹慎とはとらえにくい。村山外部理事の就任が有力視される理事長代行が立てられても“名ばかり”に終わる可能性が高い。特別調査委の伊藤座長は27日、「(謹慎した協会員は)名古屋場所にかかわらせない」と宣言したにもかかわらず、一夜で協会に押し返された。
しかも、理事会の冒頭で伊藤座長は、27日に特別調査委の結論を執行部に報告する前に記者会見を開いたことを謝罪した。特別調査委側が、理事会側に強く勧告を主張できたかは疑問だ。
武蔵川理事長は会見で「一生懸命(問題を)解決していきたい」と謹慎明けの抱負を述べた。謹慎期間は7月4日から名古屋場所千秋楽の25日。その後も、当面は理事長辞任はなさそうだ。
(2010年6月28日)