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琴光喜クビ、大嶽親方も…名古屋場所は開催

 「解雇以上」の処分が決定した琴光喜
 「解雇以上」の処分が決定した琴光喜

 日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、野球賭博に関与した大関琴光喜(34)=佐渡ケ嶽=と大嶽親方(42)(元関脇貴闘力)に対しては「解雇以上」(解雇か除名)で懲戒処分の手続きに入った。同じく関与した時津風親方(36)(元幕内時津海)は「降格以上」の懲戒処分。名古屋場所(7月11日初日・愛知県体育館)の開催条件だった特別調査委員会の勧告案を全面的に受け入れたことで、開催が決定した。

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 相撲協会が、琴光喜に厳罰を科した。特別調査委の勧告を受けた理事会は懲戒処分の手続きに入り、事実上の「解雇以上」の処分が決定。相撲協会は7月4日の理事会、評議員会で正式に処分を決める方針だが、さらに厳しい「除名」の可能性も出てきた。

 5月27日の相撲協会の聴取に対して、虚偽の申請を行ったことが決定的な要因となった。特別調査委は、大関の地位、常習性、賭け金の回収において刑事事件に発展した事実、虚偽申請を挙げたが、中でも相撲協会は協会への「うそ」を問題視し、懲戒処分の方針を固めた。

 特別調査委は、琴光喜の野球賭博の賭け金が、1回につき1万円から5万円であったと発表した。1回につき20万円から50万円を賭けていた大嶽親方と比べて少額だが、武蔵川理事長は「理事会の席で『やっていない』とうそをついていた。厳しい処分にあたると思う」と厳罰の姿勢を崩さなかった。

 野球賭博に関与した協会員の中でも、賭け金や常習性など「突出した存在」だった大嶽親方も「解雇以上」の処分が決定した。同親方は理事会開催に先立ち、相撲協会に退職届を提出。協会は受理せず、懲戒処分の手続きに入った。

 同じく、親方として野球賭博に関与した時津風親方は「降格以上」の懲戒処分が決定。3人のほか、野球賭博に関与した14人(幕内7人、十両5人、幕下2人)の力士に謹慎処分が下される。7月4日の理事会で正式決定し、謹慎期間は名古屋場所千秋楽(7月25日)まで。したがって名古屋場所は休場となる。

 協会は、特別調査委が突きつけた(1)琴光喜、大嶽親方、時津風親方は懲戒処分に相当する。琴光喜、大嶽親方は解雇以上の処分(2)琴光喜を含む幕内7人、十両5人、幕下2人、床山1人を謹慎とし、名古屋場所出場を辞退させる‐など9項目の勧告を全面的に受け入れる形で名古屋場所開催に踏み切った。先送りになっていた番付発表は5日に行う。また、武蔵川理事長は、相撲協会の“ケジメ”として全親方、全関取を対象とした減俸の方針を打ち出した。

 野球賭博問題で揺れに揺れ、崩壊寸前まで追い込まれた相撲界。琴光喜の「解雇以上」の懲戒処分をはじめとする力士、親方の大量処分という大きな代償を払い、再建への一歩を踏み出した。

(2010年6月28日)





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