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イラクで米軍撤退のあとを埋める形でビジネスを拡大する民間警備会社に密着しました。
イラクの都市部から、アメリカ軍戦闘部隊が撤退してから、30日で1年。そのあとを埋める形で、ビジネスを拡大する民間警備会社に密着しました。軍隊並みの装備を持ちながら、戦いを避ける理由について、秋元優里キャスターがキーマンを直撃しました。
フセイン政権崩壊から7年。
復興への道のただ中にあるイラク。
3月に選挙が行われたが、連立協議が難航し、6月にようやく議会は開催されたものの、いまだ新たな政府が発足せず、混乱が続いている。
戦争とテロ。
死のにおいに包まれていた日々から、大きく状況を変えつつあるイラクの今を、現地で活動する民間警備会社への取材からひも解く。
バグダッド国際空港の警備は、イギリスの民間警備会社「G4S」が請け負っている。
しかし、手荷物検査の様子を見てみると、検査を行っているのは、現地で雇われたイラク人。
手荷物検査以外でも、麻薬犬による検査や空港内の警備のコントロールルームでも、イラク人が重要な仕事を任されている。
イラクで働く「G4S」の従業員は2,000人で、実に、その7割を占める1,400人がイラク人だという。
コントロールルーム担当者は、「これはとても責任が重いのと同時に、とても素晴らしい仕事です。(要人たちの)命を守ることで、この国に貢献していると感じます」と話した。
手荷物検査担当者は、「(この仕事の前は、何をしていました?)仕事はしていなかったわ。初めての仕事よ。(仕事には満足?)ええ、神様のおかげね」と話した。
イラク人の従業員が、装甲車を修理していた。
「G4S」は、身辺警護やトラックの護送など、武装勢力に襲われる可能性がある軍事的な業務も行う。
イギリス本国から派遣されている社員は、ほとんどが2つ、3つの戦争を経験しているという。
こうした活動をする民間警備会社といえば、アメリカの「ブラックウオーター」社が思い出される。
バグダッドで2007年、無抵抗の民間人17人を射殺し、イラク政府から国外退去命令が出され、アメリカ国務省からも契約を打ち切られた。
軍隊レベルの装備だった「ブラックウオーター」社に対し、「G4S」は、依頼者と自分たちの身を守れる最低限のもの。
しかも基本は、専守防衛。
身辺警護小隊のジョージ・カトニバイコ隊長は、「車の中から外に向かって発砲できないんだ。だから、とにかく強行突破さ」と話した。
そして、彼らと行動を共にしていると、たびたび見かけるのが、銃から弾を抜く光景。
カトニバイコ隊長は、「安全なエリアに入ったら、全員が武装解除しなくてはいけないんだ。これは本部からの命令だよ」と話した。
「G4S」では、安全なエリアでは銃から弾を抜くことを徹底させている。
イラク人を積極的に雇い入れ、イラク人との戦いを回避する。
こうした民間警備会社の方針の理由について、「G4S」イラクの警備部門の責任者に秋元優里キャスターが直撃した。
(秋元キャスター)「現地のスタッフを多く雇っていると聞きましたが?」
(G4Sイラク警備部門担当責任者のトム・パーカー氏)「そのとおりです。どんな国の活動でも、その国の文化を理解しなければならないし、そのコミュニティー内で活動していることを理解しなければなりません。巨大な壁を造って、その壁の内側にとどまっていることもできますが、もし、現地の人とかかわらなければ、必ず行き詰まり、失敗します」
(秋元キャスター)「現地の人を雇うことが、その地域の治安改善につながりますか?」
(G4Sイラク警備部門担当責任者のトム・パーカー氏)「広域なセキュリティーレベルにおいて、もちろんそうでしょう。これは、どの国でも同じだと思いますが、もし、あなたが仕事もなく、家族を養えない状況なのに、外国人が、あなたがどんなに頑張っても買えないような車を運転し、あなたの国の天然資源を奪っていったとしたら、もちろん怒りますよね? それに、われわれが払う賃金は、従業員1人のためのものではありません。従業員は、これで大家族を養っていて、それは地域全体を支えているのも同じです。だから、わたしたちのビジネスのやり方は、イラクの治安改善に貢献していると思います」
地元の人々が自分で国を守れるように訓練を施す「G4S」。
地元への浸透を図る先には、さらに大きなビジネスチャンスが待っている。
フセイン政権崩壊から7年。
復興への道のただ中にあるイラク。
3月に選挙が行われたが、連立協議が難航し、6月にようやく議会は開催されたものの、いまだ新たな政府が発足せず、混乱が続いている。
戦争とテロ。
死のにおいに包まれていた日々から、大きく状況を変えつつあるイラクの今を、現地で活動する民間警備会社への取材からひも解く。
バグダッド国際空港の警備は、イギリスの民間警備会社「G4S」が請け負っている。
しかし、手荷物検査の様子を見てみると、検査を行っているのは、現地で雇われたイラク人。
手荷物検査以外でも、麻薬犬による検査や空港内の警備のコントロールルームでも、イラク人が重要な仕事を任されている。
イラクで働く「G4S」の従業員は2,000人で、実に、その7割を占める1,400人がイラク人だという。
コントロールルーム担当者は、「これはとても責任が重いのと同時に、とても素晴らしい仕事です。(要人たちの)命を守ることで、この国に貢献していると感じます」と話した。
手荷物検査担当者は、「(この仕事の前は、何をしていました?)仕事はしていなかったわ。初めての仕事よ。(仕事には満足?)ええ、神様のおかげね」と話した。
イラク人の従業員が、装甲車を修理していた。
「G4S」は、身辺警護やトラックの護送など、武装勢力に襲われる可能性がある軍事的な業務も行う。
イギリス本国から派遣されている社員は、ほとんどが2つ、3つの戦争を経験しているという。
こうした活動をする民間警備会社といえば、アメリカの「ブラックウオーター」社が思い出される。
バグダッドで2007年、無抵抗の民間人17人を射殺し、イラク政府から国外退去命令が出され、アメリカ国務省からも契約を打ち切られた。
軍隊レベルの装備だった「ブラックウオーター」社に対し、「G4S」は、依頼者と自分たちの身を守れる最低限のもの。
しかも基本は、専守防衛。
身辺警護小隊のジョージ・カトニバイコ隊長は、「車の中から外に向かって発砲できないんだ。だから、とにかく強行突破さ」と話した。
そして、彼らと行動を共にしていると、たびたび見かけるのが、銃から弾を抜く光景。
カトニバイコ隊長は、「安全なエリアに入ったら、全員が武装解除しなくてはいけないんだ。これは本部からの命令だよ」と話した。
「G4S」では、安全なエリアでは銃から弾を抜くことを徹底させている。
イラク人を積極的に雇い入れ、イラク人との戦いを回避する。
こうした民間警備会社の方針の理由について、「G4S」イラクの警備部門の責任者に秋元優里キャスターが直撃した。
(秋元キャスター)「現地のスタッフを多く雇っていると聞きましたが?」
(G4Sイラク警備部門担当責任者のトム・パーカー氏)「そのとおりです。どんな国の活動でも、その国の文化を理解しなければならないし、そのコミュニティー内で活動していることを理解しなければなりません。巨大な壁を造って、その壁の内側にとどまっていることもできますが、もし、現地の人とかかわらなければ、必ず行き詰まり、失敗します」
(秋元キャスター)「現地の人を雇うことが、その地域の治安改善につながりますか?」
(G4Sイラク警備部門担当責任者のトム・パーカー氏)「広域なセキュリティーレベルにおいて、もちろんそうでしょう。これは、どの国でも同じだと思いますが、もし、あなたが仕事もなく、家族を養えない状況なのに、外国人が、あなたがどんなに頑張っても買えないような車を運転し、あなたの国の天然資源を奪っていったとしたら、もちろん怒りますよね? それに、われわれが払う賃金は、従業員1人のためのものではありません。従業員は、これで大家族を養っていて、それは地域全体を支えているのも同じです。だから、わたしたちのビジネスのやり方は、イラクの治安改善に貢献していると思います」
地元の人々が自分で国を守れるように訓練を施す「G4S」。
地元への浸透を図る先には、さらに大きなビジネスチャンスが待っている。
(06/30 01:06)