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消費税とセットのはずが…狂った首相の年金シナリオ (1/2ページ)
政府が新年金制度の基本原則を参院選直前のタイミングで発表した背景には、消費税議論の前提となる年金制度改革に積極的に取り組む姿勢を有権者に示すことで、消費税議論に理解を求める狙いがあった。ところが、菅直人首相の消費税をめぐる発言がぶれ始め、年金制度改革に対する菅政権の本気度にも疑問符が付く形となった。
基本原則が消費税に触れないなど踏み込み不足になったのは、消費税増税を封印してきた鳩山政権で検討されたためだ。当時は「詳細な制度設計に踏み込めば、新たに必要となる財源額が明確になり増税論につながる」(官邸筋)との懸念が強かった。このため、民主党が衆院選の政権公約(マニフェスト)に掲げた年金改革案よりあいまいな内容になった。そもそも、民主党政権は年金記録問題の解決を優先させて、年金改革案の具体的な検討は遅れており、詳細な制度設計に踏み込もうにも踏み込めないという事情もあった。
にもかかわらず、消費税増税路線に舵を切った菅首相が発表を急いだのは、「『社会保障制度の見直し議論もなく、消費税引き上げだけを先行させようとしている』との批判が強まっていた」(政府関係者)ことが大きかった。