古墳本来の姿 立体画像で再現
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古墳本来の姿 立体画像で再現

6月27日 4時48分

古代の天皇や皇族の墓の可能性があるとして宮内庁が詳しい調査を認めていない巨大な古墳を、奈良県立橿原考古学研究所などの研究チームがレーザー光線で測量して、古墳本来の姿を初めて立体的な画像で再現することに成功しました。

この研究は、橿原考古学研究所と航空測量会社「アジア航測」の研究チームが行ったものです。研究チームでは、古代の天皇や皇族の墓の可能性があるとして宮内庁が詳しい調査を認めていない大阪・堺市の「御廟山古墳」と奈良市の「コナベ古墳」を、地図を作る際に用いる最新の方法で上空から測量調査しました。このうち御廟山古墳では、ヘリコプターからレーザー光線を1秒間に18万回照射して測量した結果、全長が200メートル、円形の部分の高さが38メートル余りで、宮内庁が地上で測量した結果とほとんど同じだったということです。そして、データを地形図に加工したところ、樹木が生い茂る前の、鍵の穴のような形を3段に積み重ねた姿が立体的な画像で再現できました。また、コナベ古墳では、「陪塚」と呼ばれる10の小さな古墳が取り囲むように配置されているのをはっきりととらえました。橿原考古学研究所の西藤清秀部長は「この方法を使えば、立ち入りが認められていない古墳が、どのような形や大きさなのか精密に調べる研究ができる。古墳本来の姿を見て造形の美しさを感じてもらうこともできるのではないか」と話しています。