ことし3月、沖縄県石垣市で衰弱しているところを保護された国の特別天然記念物、カンムリワシが、地元の子どもたちに見守られながら森に帰されました。
森に帰されたのは、ことし3月、石垣市川平の山の中で保護されたおとなのオスのカンムリワシです。このカンムリワシは交通事故にあったとみられ、近くにある川平小中学校の児童が課外活動中に衰弱しているところを見つけ、治療が行われていました。29日は、川平小中学校の体育館で、全校の児童や生徒たちが先生からカンムリワシを保護したときの様子を聞いたり、けがが治って飛び立てるようになるまでの話を聞いたりしました。このあと、カンムリワシは子どもたちが見守るなか、森に帰され、翼を大きく羽ばたかせて木々の中へ姿を消していきました。国の特別天然記念物のカンムリワシは、石垣島と西表島におよそ200羽が生息するだけですが、ことしに入ってから16羽が保護され、このうち11羽は交通事故が原因とされています。放鳥を見守った子どもは「元気になって空を飛び回ってほしいです。もう事故にあったり、けがをしてほしくないなあと思いました」と話していました。カンムリワシの保護に当たっている市民団体の代表、佐野清貴さんは「この時期はカンムリワシにとって子育ての時期にもあたるので、車の運転には気をつけてもらいたいです」と話していました。