外為特会「埋蔵金」の取り崩しで問われる民主党の財政規律
[東京 16日 ロイター] 過去40年にわたる外為市場での介入の結果、132兆円超に膨れ上がった外国為替資金特別会計(外為特会)のうち、約20兆円の積立金の一部を「埋蔵金」として取り崩し、マニフェスト(政権公約)実現の財源に充てる構想が民主党内で持ち上がっている。
しかし、民主党が財政規律を遵守するならば、埋蔵金はバマラキではなく、国の債務圧縮に用いられるべきとの声も上がっている。
菅直人副総理兼財務・経済財政担当相は16日の閣議後の会見で、同相が外為特会の見直しを財務省の事務方に指示したとの一部報道について「特別会計全体の見直しはやっているが、個別に外為特会について指示をしたことはない」と語った。民主党がマニフェスト実現の財源を模索するなか、菅氏は「特別会計をゼロベースで見直す」との民主党方針に沿って、外為特会も「埋蔵金」の選択肢に入れるように財務省事務方に指示した、と日経新聞は報じた。
<埋蔵金の裏で膨らむ国家債務>
外為特会とは為替介入に関連する資金の流れを管理する国の特別会計であり、国の一般会計とは区別されている。今回はこの特会の抱えている積立金を取り崩し、一般会計の歳入とする案が話題を呼んでいる。
2009年3月末に132兆7440億円に達した外為特会の巨大なバランスシートは、外貨準備の増加に合わせて拡大してきた。
外貨準備はドル買い介入と、外貨建て債券や預金の運用益によって増加する。
ドル買い介入の際には、政府が民間金融機関からドルを買い、その対価として民間金融機関に円を支払うが、その円資金は政府が外国為替資金証券(FB=Financing Bills、通称・為券)を発行して調達する。 続く...
地合い急変で円高/株安に
米景気減速と長期金利の低下傾向に関心が集まる中、リスクに敏感な市場のムードを象徴する展開に。 記事の全文