米 ロシア人スパイ１０人逮捕

アメリカ司法省は、アメリカの核兵器にかんする情報などを違法に入手しようとしていたとして、スパイとみられるロシア人１０人を逮捕しました。

これはアメリカ司法省が２８日、発表したものです。それによりますと、ＦＢＩ＝連邦捜査局などが２７日から２８日にかけて、ニューヨークやワシントン近郊など全米４か所で、ロシア人の男女１０人をアメリカ国内での違法な情報収集や、マネーロンダリング＝資金洗浄を行っていた疑いで逮捕し、残る１人の行方を追っているということです。ＦＢＩなどがこれらの容疑者とロシア本国とのやりとりなどを詳しく調べた結果、１１人はいずれも、ロシア対外情報局に所属するスパイとみられ、核兵器にかんする情報や、米ロの核軍縮交渉、それにアメリカの対イラン政策などについて、違法に情報を入手しようとしていたということです。容疑者らは偽名を使うなどして長年にわたってアメリカ人やカナダ人になりすまし、大金を地中に埋めて受け渡しをするなど、冷戦時代さながらのスパイ行為を繰り返していたということです。アメリカ政府は今のところ公式の反応を示していませんが、今後、真相が明らかになれば、新たな核軍縮条約に調印するなどオバマ大統領とメドべージェフ大統領との間で、急速に進んできた米ロの関係改善の流れが損なわれる事態も懸念されます。