28日から清浄性検査 児湯は堆肥処理次第

(2010年6月26日付)

 県は25日、口蹄疫の「飛び火」感染が確認された西都市と国富町、宮崎市で、移動制限区域の解除に向けた清浄性確認検査を28日から順次実施すると発表した。西都が14日、国富が16日、宮崎が19日に殺処分を完了して以降、新たな感染疑いが確認されていないため。ワクチン接種区域は検査、解除の対象外。

 各検査の対象農場や戸数は調査中。異常がなければ西都市は7月6日、国富町は同8日、宮崎市は同11日のそれぞれ午前0時に家畜の移動制限区域が解除される見込み。

 県口蹄疫防疫対策本部によると、血液を採取して行う抗体検査は28日から5日間程度で、発生農場から半径3キロを対象に実施する。飼育頭数に応じ1農場最大30頭の血液を採取し、動物衛生研究所海外病研究施設(東京)でウイルスが残っていないか調べる。結果は、検体送付して3日程度で判明する見込み。

 臨床検査は半径3〜10キロ圏内の牛や豚について、獣医師が目視で健康状態を確認する。

 一方、口蹄疫の政府現地対策チーム本部長を務める篠原孝農水副大臣は25日、児湯地域の制限区域解除について、同地域の農場に残る堆肥(たいひ)やふん尿が、清浄性確認の障害になる可能性があるとの見方を示した。副大臣は「堆肥の処理について、専門家の意見が分かれている。どの時点を基準にするかまだ定まっていない」と述べた。

 国の防疫指針によると、清浄性を確認した上で、殺処分完了の翌日から21日が経過すれば制限は解除される。ただ、同地域では堆肥やふん尿が石灰などで消毒した状態で各農場に残っており、国や県で取り扱いを検討している。