日本相撲協会は28日の臨時理事会で、特別調査委員会が提案した名古屋場所(7月11日初日、愛知県体育館)開催条件の勧告案を受け入れることを決定した。当初は、勧告案をじっくり検討したうえで7月4日に開催を決めることになっていたが、1週間近く前倒し。その裏には、開催中止なら相撲中継が吹っ飛ぶNHKに開催決定をせかされたという事情があるようだ。
「NHKが一番インチキなんだよ。臆病で。ウサギみたいだな」
臨時理事会と評議員会に続いて開かれた記者会見後、特別調査委の伊藤滋座長は、こう不満を漏らした。
NHKは紅白歌合戦でも、暴力団と関与した大物歌手を辞退させており、野球賭博に関わった力士を相撲中継で電波に乗せるわけにはいかない。しかし、大相撲の開催中止が決まれば、中継を予定している時間帯に穴が空く。
NHKの相撲中継は地上波で1日3時間、BSにいたっては同5時間もある。これが週末5日を含む15日間分、ぽっかりと空くとなると、相当な痛手だ。
一方、相撲協会にとっても、名古屋場所の開催を中止すれば1場所5億円ともいわれるNHKの放映権料が支払われず、死活問題となる。
そのため、NHKは早い段階での処分決定と開催の可否を相撲協会に促し、それが早期の発表となったとみられるが、この“出来レース”に調査委の胸中は複雑だったようだ。
NHKには28日昼までに視聴者から約4370件の意見が届き、そのうち6割が中継反対で、賛成はわずか1割だという。それでも、協会が早めに処分を発表したことで中継への道筋は整った。NHKにも相撲協会にも「めでたし、めでたし」の結果となりそうだ。
【処分または謹慎の勧告対象者】
▽除名か解雇
大嶽親方(元関脇貴闘力)
琴光喜(大関)
▽降格以上の処分と謹慎
時津風親方(元幕内時津海)
▽謹慎
武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)
出羽海理事(元関脇鷲羽山)
九重理事(元横綱千代の富士)
陸奥理事(元大関霧島)
八角親方(元横綱北勝海)
佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)
境川親方(元小結両国)
春日野親方(元関脇栃乃和歌)
木瀬親方(元幕内肥後ノ海)
宮城野親方(元十両金親)
阿武松親方(元関脇益荒雄)
▽謹慎(名古屋場所休場)
豊ノ島(幕内)時津風部屋
雅 山(幕内)武蔵川部屋
豊 響(幕内)境川部屋
豪栄道(幕内)境川部屋
隠岐の海(幕内)八角部屋
若荒雄(幕内)阿武松部屋
千代白鵬(十両)九重部屋
大 道(十両)阿武松部屋
春日錦(十両)春日野部屋
清瀬海(十両)木瀬部屋
普天王(十両)出羽海部屋
古 市(幕下)阿武松部屋
光 法(幕下)宮城野部屋
床 池(床山)阿武松部屋
※地位は夏場所の番付による。清瀬海は現在北の湖部屋所属