見切り発車した外国人労働者受け入れが新たな社会問題を呼んでいる
「中国人シャブ・パーティ」「ロシア人惨殺死体」ほか在日外国人「治外法権の現場」を行く
(SAPIO 2008年5月28日号掲載) 2008年6月2日(月)配信
しかし今でも午後9時過ぎになると、周辺は日系ブラジル人が続々と集まってくる。ほとんどが、だぶだぶのズボンに、ホッケージャージやTシャツを着て、頭にキャップかバンダナを巻くファッション。地元の人々がブラジリアンギャング≠ニ呼ぶ彼らが集まるバーが近くにあった。
ポルトガル語が飛び交う店内には、15〜20歳前後と見られる若者がたむろし、一部は入りきれず、路上で酒を飲んでいた。両腕にタトゥを入れた日系ブラジル人が凄みを利かせてこう言い放った。
「俺はまだ22歳。でも月に50万円以上は稼いでいる。アングラの携帯電話屋を任されていて、切り取り(債権回収)もやっている。部下が10人以上いるけど、あいつら日本語できないし、日本人嫌いだから、どんな乱暴でもやるよ」
別のクラブで会った日本人はこう話した。
「彼らと仲良くするのは難しいですよ。日本人と仲良くすると、そのブラジル人は仲間はずれにされますからね」
その言葉の意味を翌日、目のあたりにした。駅の公衆トイレに入ると、個室に隠れて怯えながらあたりをうかがう日系ブラジル人青年がいた。すると突然、5人のブラジリアンギャングが乱入してきた。5人は青年を引きずり出し、数発殴った後で、黒いRV車に強引に放り込み、その場を去っていった。
青年は「ウッ」と小さく声を上げて抵抗しただけで、トイレにいた記者や他の日本人に助けを求めようともしなかった。日本の警察を頼れば、もうブラジル人社会では生きていけないことを感じたのだろうか。青年がもし孤独よりリンチを選んだのであれば、まさしく「治外法権」の社会だ。殴ったとはいえ、それだけで警察が捜査に乗り出すことはまずない。その後、青年がどこに連れていかれ、どうなったか、本誌記者も情報を求めたが、結局、何もわからなかったのである。
ロシア人バイヤーの歯はオール金歯
【富山ロシア×パキスタン町】
頭は深く陥没し、体には刃物で数回にわたって刺された跡が残っていたという。富山県射水市の富山新港。昨年3月、毛布と電気コードでぐるぐる巻きにされたロシア国籍の28歳男性の遺体が、この港の岸壁に打ち上げられた。犯人はまだ見つかっていない。
「恐いかって? あれはロシア人同士の争いだからな……。いつものことだよ」
地元港湾関係者の口は重い。
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