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「超党派に呼びかけ」までが公約 消費税論議で菅首相

2010年6月27日20時53分

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 【トロント(カナダ)=西山公隆】G8サミットに出席した菅直人首相は26日夜(日本時間27日午前)、トロント市内で同行記者団との質疑に応じた。消費税については、超党派で議論しようと呼びかけた提案自体が参院選公約だとの考えを強調。10%を参考に税率引き上げを検討するという自らの発言は、公約ではないとの認識を示した。

 首相は21日の記者会見では、「自民党が提案している10%を一つの参考にしたい、と申し上げた。そのこと自体は公約と受け止めていただいて結構だ」と述べていた。今回、この発言を事実上修正した。

 「選挙戦で消費税が強調されすぎている」(首相周辺)との判断から、争点化を避ける狙いとみられる。首相は26日、「消費税を含む議論をスタートさせましょうと提案していることを公約と言われるなら、その通りだと言った」と釈明。さらに、「財政再建の第一の柱はムダの徹底的な削減だ。同時に成長戦略で雇用を拡大し、需要を拡大してデフレから脱却する」と、ムダ削減を優先する姿勢を強調した。

 朝日新聞が24、25日に行った参院選情勢調査では、民主党の過半数確保は極めて微妙。内閣支持率では、政権発足当初の勢いにかげりも見える。党幹部の一人は26日、「民主党の伸び悩みには消費税が効いている。(主張を)薄めていかざるを得ないだろう」と述べた。また、小沢一郎前幹事長も25日、記者団に「地方経済は都会以上に非常に深刻だ。そこで、消費税10%という話になると非常に心配している」と語り、消費税が選挙戦に影響しているとの考えを示唆している。

 菅首相は26日、参院選の勝敗ラインについては「現有議席(54)をいかに確保し、超えていくことができるかだと当初から申し上げている」と述べて、54議席とする考えを改めて示した。

     ◇

 菅直人首相が26日夜(日本時間27日午前)、トロント市内で記者団の質疑に応じた要旨は、以下の通り。

 【参院選勝敗ライン】

 もともと代表になる前の段階では、民主党の置かれた状況は大変厳しかった。やはり現有54議席をいかに確保し、それを超えていくことができるか。その考えは変わっていない。

 【過半数に達しなければ】

 政権運営上なかなか難しい。いろいろな他党のみなさんとも、いろんな形でお話しすることが必要になる。

 【消費税】

 財政再建の第1の柱は、ムダの徹底的な削減だ。事業仕分けだけでなく、公務員や地方の出先機関の廃止など、制度論にいよいよ踏み込む。同時に成長戦略によって雇用を拡大する、需要を拡大する中で、デフレからの脱却。これが非常に大きな柱だ。

 その二つに加えて税制の抜本改正について議論すべきだ。消費税を含む議論を(超党派で)スタートさせましょうと提案していることを公約と言われるなら、その通りだと申し上げた。低所得者のみなさんにこれ以上の負担をかけない方法も考える。


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