大嶽親方解雇以上、琴光喜ら懲戒も
一連の野球賭博問題で最も重い厳罰を受けるのが、大嶽親方となることが決定的となった。特別調査委員会の伊藤座長は「大嶽親方は解雇以上の処分」と、1人だけ名指しして発表した。「解雇以上」は、退職金が支払われず、相撲協会では前例のない「除名」も含みを持たせた表現。さらに解雇に加えて部屋の取りつぶしなどの極めて重い処分も含まれる。部屋の取りつぶしについて、伊藤座長は「調査委員会にそこまでの権限はない」としながらも、28日の理事会で強く訴える可能性はある。
大嶽親方に最も重い処分が下るのは「全部が突出している」(伊藤座長)ことが理由だという。弟子を指導する責任ある立場にもかかわらず、多額の賭け金を投じ、野球賭博の中心的人物として、常習的にかかわったと判断された。さらに、相撲協会生活指導部の要請に応じて、野球賭博への関与を問われた際に、1度は否定するという虚偽の証言をしていた。詳細な賭け金などは明かされなかったが、数千万円を投じ、虚偽証言をした琴光喜よりも「突出」した存在と判断された。
大嶽部屋は現在、6億円を投じて来年6月に新築の部屋を完成させる予定だったが、幻となる可能性も浮上した。野球賭博の上申書を提出したことが判明した際は「逃げも隠れもしません。時期が来たらすべてお話しします」と、腹をくくったように謝罪していた。
大嶽親方に準ずるのが、琴光喜と時津風親方だ。伊藤座長は3人に対し「懲戒処分」を、理事会に提言すると明言。時津風親方も、他の2人と同様に協会に対し、虚偽証言で難を逃れようとした罪は重いとの判断だ。大嶽親方よりは軽い処分が予想されるが、それでも解雇や部屋の取りつぶしなどの可能性は十分ある。大鵬部屋を引き継いだ大嶽部屋、史上最長の69連勝を達成した大横綱双葉山の道場が前身の時津風部屋。名門2部屋に現役大関の看板が、まとめて消滅する異常事態の可能性が出てきた。
[2010年6月28日9時26分 紙面から]
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