去年亡くなった人気作家、栗本薫さんの代表作で、3000万部を超える大河ファンタジーシリーズ、「グイン・サーガ」の未発表の原稿が見つかり、来月から公開されることになりました。
見つかった原稿は、「ドールの花嫁 黄昏のなかで」という題名で昭和59年に書かれたものとみられ、栗本さんが去年5月に亡くなったあと、遺族が原稿を整理するなかで発見したということです。内容は「グイン・サーガ」の主な登場人物の1人、アルド・ナリス王子の少年時代を描いたもので、同じ題材の作品は、昭和61年に出版された「十六歳の肖像」という短編集にもありますが、今回見つかった作品のほうが、ナリス王子の生い立ちや外見の美しさをより詳しく描写した内容になっています。「グイン・サーガ」は、累計の発行部数が3000万部を超える日本を代表する大河ファンタジーシリーズですが、去年発行された130巻を最後に未完となっていました。栗本薫さんの作品に詳しい東京の弥生美術館の堀江あき子学芸員は「すでに発表された作品と比べると、作者の登場人物への深い思いや、作品の成長過程などがうかがえる貴重な資料だ」と話しています。見つかった原稿は、来月2日からことし9月まで、東京・文京区の弥生美術館で公開される予定です。