山口県防府市で2009年11月にパチンコ店が放火される事件があり、福岡、山口両県警は28日午後にも指定暴力団工藤会(本部・北九州市)系の組幹部ら男2人を現住建造物等放火未遂容疑で逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。みかじめ料をめぐる工藤会側からの嫌がらせとみて調べる。
捜査関係者によると、逮捕する方針なのは、福岡県みやこ町徳永、工藤会系組幹部の藤本一郎(37)と同県行橋市北泉2丁目、土木作業員土谷誠(27)の両容疑者。2人は別の詐欺事件で起訴されており、暴力団捜査の過程で情報を入手し調べていたという。
両容疑者は09年11月中旬の未明、防府市にあるパチンコ店に南側入り口から侵入し、店内にガソリンをまいて火をつけ、壁などの一部を焼いた疑いがある。店の2階部分は従業員寮だった。
パチンコ店は09年12月、北九州市に系列店を開いたが、捜査関係者によると、山口県内の系列店を中心に工藤会からとみられる嫌がらせが相次いでいたという。北九州市への出店に際し、工藤会側がみかじめ料を要求したとの情報もあり、両県警は店側が支払いを拒んだため、嫌がらせが続いたとみて調べている。