経済
世界初のヒトiPS細胞自動培養 川重
ヒトiPS細胞の自動培養に世界で初めて成功した装置=東京都世田谷区、国立成育医療研究センター |
川崎重工業(神戸市中央区)と独立行政法人・産業技術総合研究所などは28日、ヒトの新型万能細胞(iPS細胞)の自動培養に世界で初めて成功した、と発表した。条件が安定した大量のiPS細胞の確保が可能となり、同社などは「幹細胞技術を使った新薬開発や再生医療の実用化に一歩近づいた」としている。
iPS細胞はさまざまな臓器などに分化する元の細胞で、再生医療には数百万個が必要とされる。万能性を維持したまま増やすことが難しく、現在は熟練の技術者が状態を常時監視している。
自動培養装置は川重が開発し、すでに6台を国内の研究所などに納入している。今回はヒトiPS細胞用に、培養の条件を柔軟に変えられるようにした。また産業用ロボットに使う画像技術で、細胞の状態を正確に見極められるという。
研究プロジェクトは昨春に始まり、今年、3カ月連続で安定培養することを確認。同研究所の浅島誠幹細胞工学研究センター長(65)は「これまで研究者の勘に頼っていた細胞の選別が規格化され、再生医療の実用化などに近づいた」と話した。
この日、東京の国立成育医療研究センターでは、川重神戸工場で製造した装置が報道陣に公開された。同社は「神戸は再生医療研究のトップを走っている。実用化技術でも先頭に立ちたい」としている。
(高見雄樹)
(2010/06/28 15:40)
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