痴漢で逮捕の県職員 無罪判決
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痴漢で逮捕の県職員 無罪判決

6月24日 15時53分

ことし1月、電車内で痴漢をしたとして埼玉県の迷惑行為防止条例違反の罪に問われた埼玉県職員の男性に、さいたま地方裁判所は「被害者が犯人とは別の人物の手をつかんだという可能性を否定できない」などとして無罪を言い渡しました。

この事件は、ことし1月、埼玉県職員の35歳の男性が、さいたま市内を走っていたJR東北線の車内で女子高校生の体を触ったとして埼玉県の迷惑行為防止条例違反の罪に問われたものです。裁判で、男性は「痴漢行為は一切していません」と一貫して無罪を主張し、これに対して検察は「被害者が『犯人だと思った人物の手をつかんだ』という供述は信用できる」として、罰金40万円を求刑しました。24日の判決で、さいたま地方裁判所の井口修裁判官は「被害者が犯人とは別の人物の手をつかんだという可能性を否定できない。被害者の服に付いていたDNAも被告のものと一致せず、被告が犯人であることには相当に強い疑念を抱かせる」などと述べて、無罪を言い渡しました。判決のあと、男性の弁護を務めた永野貴行弁護士は「被告は涙を流し、声にもならない様子でした。捜査当局にはより慎重な対応を求めたい」と話していました。さいたま地方検察庁の長崎誠次席検事は「予想外な判決であり、高等検察庁などと協議して対応を検討する」というコメントを出しました。