日本のイルカ漁を批判的に描いたドキュメンタリー映画の上映をやめるよう、横浜の映画館の前で抗議活動をしていた東京都内の団体に対して、横浜地方裁判所は映画館の近くで大声で演説することなどを禁止する決定を出しました。
この映画「ザ・コーヴ」は、和歌山県太地町で行われているイルカの追い込み漁を批判的に描いたアメリカのドキュメンタリー映画です。この映画について、東京・千代田区にある団体の「主権回復を目指す会」が、内容が一方的で、取材手法にも問題があるなどとして、来月から上映を予定している横浜市中区の映画館、「横浜ニューテアトル」に対し、上映の中止を求めて、今月、映画館前で、およそ30人による抗議活動を行いました。これに対して映画館では、上映に支障を来すなどとして、抗議活動の禁止を求める仮処分を横浜地方裁判所に申し立てていたもので、裁判所は24日、申し立てを認めて、団体に対し、映画館のビルから半径100メートル以内の場所で大声を上げて演説することなどを禁止する決定をしました。決定について「主権回復を目指す会」は「今後の裁判で訴えを主張していくとともに、映画の内容の問題についても伝えていきたい」と話しています。