宇宙人の辞書に「恥」はない? 鳩山前首相辞任後のKYぶり
2010年6月24日 週刊文春
「参院選の目標は六十議席」菅直人首相ではなく、鳩山由紀夫前首相が退陣後、インタビューで語った言葉だ。北方領土問題の解決へ意欲を見せるなど、自らの失政で支持率が一〇%台に落ち込んで辞任した政治家の台詞とは思えない言葉を連発した。
「そもそも、任期途中で辞任した首相は少なくとも半年から一年は謹慎するのが通例。辞任してから、すぐにメディアのインタビューに出てきた首相経験者など、前代未聞です」と長年、政権党だった自民党の関係者もあきれる。
BS朝日のテレビ番組を皮切りに地元・北海道のテレビに出演したあと、朝日新聞、毎日新聞に二日連続で大きなスペースを割いたインタビューが掲載された。
「鳩山氏周辺は『先鋭的に批判してきた読売や産経には出たくない』と漏らしており、政権交代から一貫して民主党応援団で、言いたいことが言える朝日と毎日を選んだようだ」(民主党関係者)
いぜんとして謎の残る「ダブル辞任」の真相について、朝日では「私が一緒に辞めてほしいと言った」と主導権を握ったのは自分だ、といわんばかりだ。小沢氏に近い民主党幹部は「小沢さんが沈黙を守っているのをいいことに、自分に有利なように歴史を作り替えようとするのが目的だ」と憤りを隠さない。
こうした鳩山氏の言動を「それみたことか」と苦々しげに見ているのが、非自民連立政権で鳩山氏を官房副長官に使った細川護熙元首相だろう。長い間、政治向きの発言を控えてきた細川氏が最近になって首相時代の日記を出版したのが、その証拠だという。
「あの鳩山が総理になるなんて。自分がどれほど苦労してきたのか、いかに鳩山とは違うのかを残しておきたいと思ったからでしょう」(旧日本新党関係者)
鳩山前首相のKYぶりは発言だけでなく、行動にまで及ぶ。事実上の選挙戦に入った十九日には、小沢氏とともに鳩山氏に辞任を迫った輿石東参院議員会長の選挙区、山梨入りした。
「演説や集会もやらず、企業や団体回りで日帰りしました。輿石陣営も『人前に顔を出せるわけがないでしょう』と冷ややかに見ていました」(別の民主党関係者)
衆院議員の任期満了で引退すると宣言した鳩山氏の後継には、早くも息子や、まさかの幸夫人を推す声が出ているという。退陣しても宇宙人ぶりは健在だ。
※各媒体に掲載された記事を原文のまま掲載しています。
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