呉市交通局が昨年度から、民間の大新東(東京)にバス運行を委託している警固屋営業所で、事故が多発している。同営業所の担当は三つの路線の一部で、昨年度の事故は主に物損で計60件に上った。市交通局が直接運営する20路線では昨年度、計76件で、委託路線での事故が目立って多い。
市交通局などによると、警固屋営業所の60件の事故は住宅やガードレール、電柱、カーブミラーなどに接触する物損が大半。対車両事故や、乗客が転倒して頭を打つなど軽微な人身事故2件も含まれている。
大新東への委託は、宮原や倉橋地区などの路線の一部の運行と運行管理。物損などの補償は市交通局の責任となる。昨年度は60件で計約700万円を補償。うち約100万円は保険で賄えず、市交通局が負担した。
事故多発で、市交通局は大新東に事故防止対策の強化を要請。指導員の派遣などの対策を取った。また、本年度の業務委託料(約1億1700万円)から交通局が昨年度に負担した補償費約100万円を差し引いた。
大新東は、ドライブレコーダーで事故原因などを分析中。危険個所のマップ配布や研修強化などの対策を進めているという。本年度の警固屋営業所の事故は4月1件、5月7件、6月1件という。
【写真説明】呉市交通局が大新東に運行業務などを委託している警固屋営業所
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