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【ドラニュース】


中田、暴れ馬から技巧派へ

2010年6月27日 紙面から

中日−広島 変化球を駆使して7イニング2/3を無失点。今季2勝目を挙げた中田賢=ナゴヤドームで(谷沢昇司撮影)

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 暴れ馬が普段とは違う一面を披露した。中日は26日の広島戦(ナゴヤドーム)で、先発・中田賢一投手(28)が変化球を駆使する粘りの投球で0を連ね、あと「4アウト」で完封を逃したものの今季2勝目を挙げた。最後のピンチはもちろん岩瀬仁紀投手(35)が締めて、8年ぶりという「スミ1勝利」を実現させた。

 速球派を自負する中田賢が変化球投手に“変身”した。フォーク、スライダー、カーブの球種3つを小山が構えるミット目掛け、丹念に投げこむ。コイ打線に決め手の一打を許さず、7イニング2/3を投げて4安打無失点。初回にして唯一の得点となった1点。スコアボード左端の「スミ1」を守ったまま、浅尾−岩瀬の必勝リレーにバトンを渡し、2勝目を手にした。

 「これまでで一番変化球が多かったんじゃないかと思います。ストレートで押したい? 気持ちの中ではありましたけど、今日は変化球で攻めていこうという気持ちで投げました」。この日投じた全127球中、直球は38球だけ。ジャスト7割にあたる89球が変化球だった。

 本番間際のイメージチェンジが功を奏した。プレーボール直前にブルペンで投げたところ「真っすぐは勢いはあったんですけど、バラバラでした」という。今季初勝利を挙げた6月5日のロッテ戦では、直球主体でリードしてくれた小山からも「今日は変化球を多めにいこう」と切り出され、自分も同感だった。

 「自分は真っすぐあってのピッチャーだと思う」と言い切る一方で、昨年の秋季練習ではあらゆる変化球を投げ込み、磨きを掛けた。自分の幅を広げた。たとえ調子が悪くても、試合は待ってくれない。投げて抑えなければならないのがプロ。そんな試みが“暴れ馬暴走”の不安がよぎったこの日、自分自身を助けた。

 好不調の波が激しく、この日が先発ローテに残れるかどうかの土俵際だった。「いつ2軍に落とされても仕方がない状態だったので今日は良かったじゃなくて、これを続けていかないといけない」

 今週は朝倉、山井に続き、中田賢にも勝ち星がつき、先発陣に安定感が見えてきた。6月6日以来の貯金2。夏場の反攻を見すえ、落合竜にひとつ好材料が加わった背番号20の力投だった。 (中谷秀樹)

 

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