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超異例!名古屋場所の番付発表を延期

 記者会見で質問に答える陸奥親方。左は八角親方=両国国技館(撮影・開出 牧)
 記者会見で質問に答える陸奥親方。左は八角親方=両国国技館(撮影・開出 牧)

 野球賭博問題に揺れる日本相撲協会が26日、大相撲名古屋場所(7月11日初日・愛知県体育館)の新番付発表を、予定されていた28日から延期すると発表した。新たな発表日は未定。協会広報部によると番付発表の延期は戦後初めてだという。28日には理事会と評議員会が行われることに加え、野球賭博に関与した力士の解雇・除名が想定される事態であることも延期理由として考えられる。

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 賭博問題の特別調査委と協会の合同会見で、陸奥生活指導部長(元大関霧島)が険しい表情で「番付発表を延期させていただきます」と告げた。番付発表は新十両や新大関、新横綱を除いた力士の新しい番付を、正式に発表する区切りの日。延期の意味は大きい。

 広報部によると、1970年初場所から場所が始まる13日前の月曜日に番付を発表することが定着して以来、初めての事態。陸奥部長も「経験したことがありませんので、大変、責任も感じていますし、協会全体で大変なことだと思っています」と顔をしかめた。

 延期の理由を陸奥部長は「同じ日に理事会と評議員会を開くため番付を発表できないと判断した」と説明した。ただ、28日の緊急理事会では大関琴光喜らが解雇などの処分を受ける可能性がある。名古屋場所の新番付から解雇力士のしこ名を削除するなどの作業をしなければならないことも考慮されたとみられる。

 延期は角界にどの程度影響するのか。番付発表の日は各部屋ともけいこを休み、幕下以下の力士が支援者や知人に番付表を発送することが慣例。今回は新番付は発送できず、28日に朝げいこを行う部屋も出てくる。新三役や新入幕が確実な力士も原則、夏場所の番付で扱われる。

 番付発表を延期したことで、7月11日の初日を延期することは「検討していない」(特別調査委の望月弁護士)としているが、ある力士は「力士までは情報がこない。びっくりです」と話す。名古屋場所開催の準備が粛々と進められる一方で、現場の力士に不安をつのらせる、異例の延期となった。

(2010年6月28日)





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