感染気付かず拡大か 数十検体から抗体確認

(2010年6月26日付)

 口蹄疫の遺伝子検査により感染疑いが見つかった複数の農場で採取された数十検体から感染後1〜2週間程度でできるとされる抗体が確認されていたことが25日、農林水産省が公表した疫学調査チームの検討会資料で分かった。抗体が確認された農場では一定期間、感染に気づかなかった可能性があり、同チームはそれを感染拡大の要因の一つとして推測している。

 遺伝子検査は動物衛生研究所海外病研究施設(東京)で行われ、その後にすべての検体で感染の履歴を調べる抗体検査を実施する。検体は1農場当たり3〜5検体を送付しているが、抗体が確認された農場数は不明。

 検討会ではこのほか、えびの市での発生は「川南町の関連農場を出発した家畜運搬車が関与した可能性が高い」と指摘。同市の1、2例目の発生農場では同じ堆肥(たいひ)化施設を利用していたことが報告された。

 都農町と川南町の発生農場の間では「人の移動が確認されている」とした。