葬儀・お墓

ガイド:吉川 美津子

プロの葬儀&仏事関連スタッフを育成など、葬礼に関する業界で活躍し続けている。

 

掲載日: 2009年 02月 16日

葬儀の費用

葬儀費用の全国平均は231.0万円

安価に着目する消費者心理を利用して、トータル費用をあいまいにする葬儀社もあります。特に料理や会葬御礼品など、人数に応じて変わる費用については金額が大きいので、予定人数を考慮して算出するようにしましょう。
安価に着目する消費者心理を利用して、トータル費用をあいまいにする葬儀社もあります。特に料理や会葬御礼品など、人数に応じて変わる費用については金額が大きいので、予定人数を考慮して算出するようにしましょう。
平成19年に行われた「第8回 葬儀についてのアンケート調査」(調査:日本消費者協会)によると、葬儀費用の全国平均は231.0万円という報告がなされています(葬儀社への支払い、飲食費用、返礼品費用、お布施を含む)。しかし、全国平均といっても、お葬式の費用には地域差がかなりあって、参列者の人数によっても大きく幅が出てきます。通夜の後に飲食をふるまう地域やお香典返しの品を葬儀当日に渡す習慣のある地域では、当然全体の葬儀費用がアップします。

ちなみに地域別でみると、葬儀費用の合計の平均値が最も低い地域は四国で149.5万円。最も高い地域は東北で282.5万円。130万円以上も差があることになります。相場を知るためには、地元の葬儀社を数社比較検討してみると良いでしょう。見積書や葬儀内容をメールで送ってくれる業者も増えてきましたので簡単に調べることができます。

費用の内訳は

葬儀費用は大まかに分けると下記のように分けられます。多くの場合、料理やギフト、斎場などは葬儀社が手配をしているので、お布施以外は葬儀社へ一括して支払います。

  1. 葬儀一式費用(142.3万円)
     ……葬儀社への支払い
  2. 飲食接待費用(40.1万円)
     ……料理屋さん、ギフト屋さんへの支払い
  3. お布施・心付け(54.9万円)
     ……お寺、お手伝いの方へのお気持ち
    (カッコ内は全国平均金額)

飲食接待費用や心付け・お布施については、A葬儀社に頼んでも、B葬儀社に頼んでも、基本的に大差ありません。つまり、1の葬儀一式費用が葬儀費用の全体を決める核となる部分にあたり、費用や内容に差が出てきますので葬儀社選びが重要になってくるわけです。

見積書と実際に支払った金額のギャップは

葬儀費用は不明瞭という印象がありますが、今は事前に費用の詳細を明示したり見積書を出す葬儀社がほとんどです。「価格表・見積書と実際に支払った金額の差は?」というアンケートでも、88.1%の人がおおむね見積書に添った支払だったという結果が出ています。

費用だけにこだわらずに

葬儀の事前相談をすることで、不必要な出費を抑えるだけでなく、自分たちの意思を的確に葬儀社に伝えることができます。
葬儀の事前相談をすることで、不必要な出費を抑えるだけでなく自分達の意思を的確に葬儀社に伝えることができます。
葬儀費用を事前に知っておくことは大切なことですが、費用だけに目を奪われてしまうのは大変危険です。葬儀社の役割は、葬具の提供や手配だけではなく、滞りなく葬儀を進行し、遺族をさまざまな面でサポートすること。どんなに立派な祭壇を飾っても、スタッフの対応が悪ければ悔いが残る葬儀となってしまいます。

見積書などを取り寄せたり事前相談する際は、費用のチェックだけでなく「この葬儀社にまかせることができるか。」スタッフの対応もチェックしておきましょう。また、事前相談から実際の葬儀施行、アフターフォローまで同じスタッフが担当してくれるかどうかも重要なポイントです。

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