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社説

産休・育休切り/不当な扱いは許されない 

 「妊娠を告げたら契約期間を短縮された」「育児休業から復帰すると事務職から転勤のある営業職にかわるよう言われた」

 妊娠・出産や育休の取得を理由に、解雇や異動の強要といった労働者に不利益な扱いをすることは、法律で禁止されている。にもかかわらず、こうした相談やトラブルが後を絶たない。

 6月は男女雇用機会均等月間だ。特に女性が安心して子どもを産み、仕事と子育ての両立ができるよう、職場の公正さを守り高める一層の取り組みを求めたい。

 妊娠・出産を理由に勤務先から不当な扱いを受けたとする女性労働者からの相談が、2009年度は全国の都道府県労働局に2056件あった。セクハラに次いで多く、相談の16・9%を占める。育休取得を理由にした同様の相談も1657件あり、08年度より3割増えた。

 解雇や退職勧奨、正社員からパートへの契約変更や降格、シフト勤務への強要…。「産休切り」「育休切り」といわれる相談の内容は多岐にわたる。

 長引く不況で雇用情勢は男女を問わず厳しい。とはいえ、産休や育休の取得は法律で認められた権利である。

 最近は契約の打ち切りや異動の理由に、勤務時間や仕事内容への配慮などを挙げる事業主が多い。

 しかし、「業務量の減少」や「負担軽減」といった理由を隠れみのにし、実際は妊娠中や育児中の女性を排除する目的の場合が少なくない。女性労働者へのこうした扱いは違法であると認識すべきである。

 一方、処遇に納得がいかない場合は労働局などに相談できる。都道府県の労働局長が仲介し、助言や指導、勧告などを行う紛争解決の援助制度もある。労働者の側はこれらをうまく活用することが大切だ。

 女性の被雇用者は2300万人を超え、全被雇用者の4割以上を占める。女性が出産後も働き続けられるよう、職場の環境をより整えていく必要がある。

 30日から改正育児・介護休業法が施行される。3歳までの子を養育する労働者を対象に短時間勤務や所定外労働の免除を認めるとともに、父親が育休を取りやすくなるよう制度を充実させる内容だ。積極的に利用し、定着させていきたい。

 男女がともに個性と能力を発揮し、仕事と生活の調和が図れるような社会をつくっていくためには、不当な扱いを許さないという意識を職場全体が持つことだ。

(2010/06/27 09:49)

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