徳間康快氏逝って映画界にささやかれる二つの不安
2000年10月3日
徳間氏は早稲田大学を卒業後、読売新聞社に入社。社会部記者として活躍したが労働争議のため読売新聞を追われ、徳間書店の前身である東西芸能出版社を1954年に興した。その後、レコード会社「ミノルフォン(現徳間ジャパンコミュニケーションズ)」、名門ながら倒産の憂き目にあった映画会社「大映」など経営不振の会社を次々と買収して再建し、一代で徳間グループを築き上げたという立志伝中の人物だ。抜群の行動力と型破りの発言で知られる事業家で、政財界に幅広い人脈を持つ映画界の重鎮でもあった。それだけに、徳間氏の死去が徳間グループ内外に与える影響は大きそうだ。
まず徳間書店。徳間グループは出版や映画、音楽に加えて放送にも手を広げる、米ウォルト・ディズニーとも提携するなどグループとしての業容は幅広かった。だが、業績は必ずしも芳しくなかった。帝国データバンクの調査によれば、2000年3月期の徳間書店単独の売上高は約226億円で、約50億円の損失を計上している。
すでに数年前から主取引銀行である住友銀行の実質的な管理下にあるとの噂もあり(社長代行の牧田謙吾代表取締役専務は住友銀行出身)、大株主でもあった徳間氏(出資比率85%、残りの15%は宮崎駿監督の著作権管理会社の二馬力が出資)がいなくなった今「銀行が名実ともに徳間書店の実権を握り、貸付金回収のため思いきった手を打ってくるのでは」(映画関係者)との見方が少なくない。その場合、行方が注目されるのが、97年に徳間書店に吸収合併された宮崎監督率いるスタジオジブリである(正式には徳間書店アニメ事業本部という位置付け)。
もう一つ、徳間氏の死去で大きな影響を被りそうなのが、今年13回目を迎える東京国際映画祭だ。(降旗 淳平)
■記事全文は10月4日発売の「日経エンタテインメント!」11月号79ページをご覧ください。
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