数日前、本誌記者の携帯電話に1本の電話が入った。
相手はお笑いコンビ・ナイツの塙氏である。
「スーツを買いたいから一緒に行こう。」
塙氏からの逆・密着依頼である。
記者は2日、塙氏と対面し、
2人で一律料金、しかも低価格で販売するという核心的スーツ革命を起こした
『スーツカンパニー』へ向かった。
豊富な種類のスーツの中から1着に決め、
サイズを合わせ、購入へ。
何かが起こることを期待していた記者だったが、
平和に買い物が進んでいく・・・

そして会計へ。
低価格と言っても3万円ほどするため、塙氏はカードで購入しようとした。
「ピピピピピピピピ・・・・」
不快な警告音が店内に鳴り響く。
『研修員』という名札を付けた店員が塙氏に向かって言った。
「このカード使えません。」
その瞬間、塙氏の顔が、一瞬にしてこわばるのを
記者は見逃さなかった。
俗に言う「テンパる」である。

数回、カードをスキャンしてもらうが、願い叶わず使用不可能。
カード払いをするつもりだった塙氏の財布には現金¥1000-。
みるみる顔がテンパっていく塙氏。
みるみる顔が険しくなる店員。
塙氏は言った。
「ちょっとお金取って来ます。」
そう言って店を逃げるように出ると、すぐに電話をかけだした。

「もしもし。すいません、今スーツ買いに来てるんですけど、
カード使えなくて、現金持ってないんですよ。
お金貸してもらえませんかね?」
格好悪い・・・・格好悪すぎる・・・。
なんとか当てがつき、塙氏はお金を取りに中野に向かうことに。
ここで記者とはお別れになった。
別れ際、塙氏は言った。
「あの店員さ、俺を見る目がすごい嫌だったな。
アクシデントなんだからあんな顔するのおかしいよな。
研修員なのに、態度悪いよ。」
と店員の態度に不満をぶちまけ、
「まぁ俺が悪いんだけどね。」
と抜群のオチをつけ、新宿の群集に消えていった・・・。