ツボくん |
それではあらためて、考えてみよう。過去6年間の犯罪件数は、この通りになっている。
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ツボくん |
この一年間で、この街の犯罪件数は二倍になり、治安が急激に悪化している」。
この文章のどこに、ウソがかくされているか、わかるかな?
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光浦 |
ただ、ここ。
「治安が急激に悪化してる」。これが、ウソ!
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うし |
なるほど。
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ツボくん |
2004年と2005年のデータだけを比較すると、たしかに文章の通りに犯罪件数は急増しているように見える。
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ツボくん |
でも、グラフの全体を見てみると8件という件数は、飛びぬけて多いわけでなく、必ずしも、治安が悪化しているとは言えない。
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このように、一部分だけを見ると正しいようでも、全体を見てみると、そうとはいいきれない場合がある。「限られた事実」には注意が必要なんだ。
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うし |
「限られた事実」かー。だまされるところだったー!
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カエル |
ぼくたちが小さいのを利用してペテンにかけようとは、何て悪賢いやつらだ…。
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光浦 |
あんたたちはなに言ってるの!あんたたちは本当に視野が狭いね。
もっと大きな目で物を見なさいよ!
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うし |
大きな目で?
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光浦 |
大きな目で!
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ツボくん |
それでは、「限られた事実」とは、どういうものなのか、もうひとつの例をみてみよう。
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うし |
母「テストはどうだったの?」
子「国語が95点だったよ」
母「まあ、すごい!」
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カエル |
いやーほんとほんと。この子は読み書きのツボを見てるんだろうねー。
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うし |
お母さんが「すごい!」って喜ぶところが目に浮かぶようだねー。
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光浦 |
ちょっとあんたたち。さっき教えた事がまるでわかってない!
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カエル |
え?なに?
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光浦 |
この後をちゃんと読んで!
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うし |
あれ?まだ続きがあったの?
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光浦 |
うん。
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うし |
母「テストはどうだったの?」
子「国語が95点だったよ」
母「まあ、すごい!」
子「それから、算数は60点、社会は55点、理科は50点だったよ」
母「なんですってー!」
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ツボくん |
この会話文も、最初の部分だけ読むと、成績優秀に見える。
でも、会話全体を見てみると…。
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ツボくん |
いくら国語の成績がよくても、他の教科が50点や60点では、必ずしもテストの成績がよかったとは、言えないよね。
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うし |
うーん、なるほどー。「限られた事実」かー。
まただまされるところだったよ。
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カエル |
やっぱりぼくらが小さいことを利用した悪だくみだな。
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光浦 |
だから悪だくみじゃないの!
もっと視野を広くって言ってるでしょ。
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うし |
うん?広く?
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徳田アナ |
そうですね。情報をどう切り出すかによってものごとの印象というのは大きく変わってしまいます。
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だから、文章を読む時は、すぐに信じてしまうのではなくて、立ち止まって考える。
そういう習慣を、つけるようにしましょう。
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徳田アナ |
それでは、他の問題にも挑戦してみましょう!
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光浦・パペ |
はーい!
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悪ツボくん |
最近オレ様はテレビショッピングにはまっているんだ。
今日、また買いたいものを見つけたんだ。
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それは、こんなCMだ!
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CM |
今、女性にスポーツ選手が大人気!
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そこで、モテたいあなたに、パワーダンベル!
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理想の肉体を手に入れる!
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8割の人が効果を実感しています!
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悪ツボ |
よーし、このダンベルを買えば、女の子にもてもてになること、間違いなし。買うぞー、買っちゃうぞー!
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ツボくん |
あーあ、悪ツボくん、すっかりその気になってるよ。この広告を見るとたしかにいい商品に見えるけれど、本当にそうなのかなあ。
みんなは、どう思う?
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