声を出そうとすると声帯がけいれんする「けいれん性発声障害」に悩む人たちが26日、東京で患者会を発足させ関係機関に病気の実態を伝えていくことになりました。
東京・新宿区で開かれた発足を記念する集会には90人が参加しました。「けいれん性発声障害」は声を出そうとすると声帯がけいれんし、会話などに支障が生じる病気で、国内の患者は少なくとも2000人と推定されていますが、詳しい原因はわかっていません。集会では、この病気に苦しみながらも、のどに特殊な器具を埋め込んで声を出せるようにした司会者が、患者の生活の実態をつづった手紙を代読しました。この中で、病気を知らない医師が多いため、診断がつくまでにいくつもの医療機関を受診したとか、精神的なものと告げられ絶望した、といった報告が相次ぎました。また、治療にあたっている帝京大学ちば総合医療センターの小林武夫医師は、10代の患者がいじめを受けるケースもあり、学校関係者の理解が必要だと指摘しました。患者会では全国の医療機関や教育委員会にチラシを送るなど、病気の実態を伝えていくことにしています。会の代表の田中美穂さんは「普通に声を出せないため、仕事に就けないなど、悩んでいる人がたくさんいる。多くの人に理解してもらえるよう活動していきたい」と話しました。