2007年5月24日にコグニティブリサーチラボがプレスリリースした次世代P2P型双方向ビデオ配信システムは本システムとは異なります。本システムは2005年3月に終了した総務省予算3年プロジェクトでの成果(Cognyシステム)です。ビデオ配信システムのダウンロードはhttp://www.v2p.jp/video/からお願いします。

 本システムは、総務省の戦略的情報通信研究開発推進制度[Strategic Information and Communications R&D Promotion Programme(SCOPE)]において、平成14年度【国際技術獲得型研究開発】に採択された「次世代P2P型コンテンツ流通高度化技術に関する研究開発」に基づいて開発されたものです。
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/scope/subject/s_h14.html

 ブロードバンドが世界的に普及することにともない、P2P方式による情報交換は、その分散性、グリッド性による大きな利点から、今後のコンテンツ流通の主流となることが期待されています。しかし現在のP2P技術には、コンテンツの整合性、権利保護、セキュリティ、鮮度の確保が難しい、などといった問題が残っております。そこで本研究開発では、これらの問題を解決するためV2P方式という次世代P2P型方式を提案しました。

 V2P方式では、クライアントに保持されているコンテンツに対して、中央サーバにリンクと呼ぶメタデータを管理することにより、コンテンツの整合性維持および高度な情報検索を実現しています。

 まず、コンテンツの公開者は自分の秘密鍵を用いてコンテンツに電子署名を行い、コンテンツのユニークなIDとともに検索サーバに登録します。中央サーバは、コンテンツのIDと版に対応した電子署名とを管理します。クライアントは、コンテンツのIDと版を元に中央サーバに問い合わせることにより、コンテンツの版に対応した電子署名を得ることができます。これによりクライアントは、コンテンツが公開されてから改ざんされていないことを確認することができるのです。

 コンテンツが更新されたときには、そのコンテンツの古い版をダウンロードしたクライアントは、中央サーバに問い合わせることにより、同じIDで最新のコンテンツを検索することができます。このときに、コンテンツのダウンロード要求が特定のクライアントに集中しないように、本システムでは、最新の版をダウンロードしたクライアントのリストを管理し、ダウンロード元を分散させる手法を用いています。この手法では、コンテンツの最新版をダウンロードしたノードのIDが、そのコンテンツIDに対応するリストに追加されます。検索サーバに対してクライアントがコンテンツのダウンロードを要求した場合には、そのリスト中から適当なノードを選択し、ダウンロード要求者に返却します。コンテンツが公開者によって更新された場合には、コンテンツに対応するノードのリストはクリアされます。

 本方式では、中央サーバを用いて全文検索を実現しています。このため、接続するクライアントが増加するに従いサーバの負荷が増大するというスケーラビリティのなさが問題になります。これを軽減するために、接続するクライアントの間に分散してキャッシュを行う手法を開発しました。

 また分散協調サーバ技術においては、ソフトウェアの更新時などでも無停止であることが重要となります。この解決には動的オブジェクト指向の組み込みが重要となります。動的オブジェクト指向技術のP2Pへの組み込みとその標準化により、あらゆるアプリケーションソフトウェアのリアルタイム更新が無停止で行なえます。


(資料ダウンロード)

「P2Pコンテンツ交換システムにおけるコンテンツの整合性維持および全文検索の高度化」
「A New Method of Content Consistency Maintenance and Full-Text Search towards Secure and High-Performance P2P Content Sharing」

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