低酸素脳症とは、なんらかの原因で脳に酸素が行き届かなくなってしまう病気のことです。
脳の重さは、体重のおよそ2%程度しかないのに対し、酸素の消費量は全体の20%にも及びます。
そのため、酸素の供給が断たれるような事態に陥ると、脳へのダメージは想像以上に大きく、その進行も早いと言われています。
脳の働きにとって重要な役割を果たすのが糖なのですが、その糖の代謝に欠かせないのが酸素なのです。
糖が代謝されないと、神経伝達にかかわる細胞が働く事ができなくなってしまい、結果、運動や認知や感情表現などに影響を及ぼしてしまいます。
原因としては、心臓発作、溺れる、一酸化炭素中毒などがありますが、元々喘息の症状がある人が風邪をこじらせたり、気道の狭い乳幼児が呼吸器系の疾病に掛った場合など、病気によって低酸素脳症になってしまうケースもあります。
低酸素脳症の状態にはいくつかの分類法がありますが、そのひとつにバークロフトの分類というものがあり、4つの状態に分類されます。
無酸素性無酸素状態…体に吸収される酸素の不足、貧血性無酸素状態…酸素を脳に運ぶ血液の不足、閉塞性低酸素状態…脳血流や血圧の低下、毒物性無酸素状態…毒物や代謝物によって酸素の利用が妨げられた状態、の4種類です。