低酸素の病気 低酸素血症と低酸素脳症

低酸素に関する病気はいろいろあると思います。高地などで空気が薄く十分な酸素を吸い込むことができない状態、普通は高山病とも言われています。最近の登山ブームで山に登られる方が多くなっています。富士山に登る場合でも途中休みながら登らないといけません。低酸素血症という病気も血液中の酸素分圧が低くなると起こる病気です。低酸素脳症も酸素が脳に行き届かなくなり起こります。当サイトでは、低酸素血症や低酸素脳症の原因や症状について紹介しています。

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低酸素脳症の治療について

事故や病気などの理由で、脳に速やかに酸素が供給されない状態が続き、結果運動機能や記憶に関して障害が残ってしまうような病気を低酸素脳症というそうです。
低酸素脳症の治療法ですが、日本大学医学部付属板橋病院救命救急センターの林教授による治療法で脳低体温療法というのがあります。
この脳低体温療法というのは、過去にノルウェーで溺れてしまった幼児が奇跡的に回復した事故を受け、体を冷やして脳圧を低下させることにより後遺症を軽減できるとされている方法です。
しかし、脳損傷の場合より、低酸素脳症は神経細胞そのものに影響が及んでいるため、回復の程度があまり高くない可能性があるそうです。
低酸素脳症の後遺症は、運動機能に関して現れることが多いとのことで、治療にはリハビリテーションが行われます。
理学療法士の指導の下、ポールにつかまって歩行訓練をしたりボールを転がしたりなどを行います。
また、物がうまく飲み込めなかったりする場合もあるので、通常の食事で喉を詰まらせたりしないよう柔らかいものを選ぶようにしたり、痰などの分泌物が上手に排出できない場合には介助者が吐き出させるようなケアをするようにすると良いそうです。
劇的な回復は最初の半年程度と言われていますが、回復を諦めたり焦ったりせず、根気よくリハビリや治療を続けることが最良の治療法だと言われています。

低酸素脳症の症状

低酸素脳症は、様々な原因により酸素が脳に運ばれずに起こります。
体重の2%しかない脳ですが、酸素は全体の20%を必要とし、一度酸素の供給が途絶えてしまうと、かなりのスピードで脳の損傷が起きてしまいます。
その速さは、脳に対しての酸素が足りない状態が3〜4分ほど続くだけで起こり始めると言われていて、脳の表面、内部にかかわらず均等に広がって行くということです。
酸素不足に対して非常に弱い部分とされているのが、小脳と頭頂後頭葉皮質という部分で、運動機能のほとんどを支配しています。次に、海馬という記憶を司る部分が弱く、低酸素状態の影響を受けやすいとされています。
脳のどの部分に損傷を受けたかにより、どのような影響が出るのかが変わってきますが、異常運動や協調運動の障害、四肢が弱る、短期間の記憶障害、推測したり判断したりなどの能力に問題が残る、視覚障害など、前述の酸素不足に影響されやすい脳の部位にかかわる症状が多く見られるのが典型的な低酸素脳症の症状だということです。
他にも、別の脳損傷と同じように精神病に似たような障害が出てしまう場合もあるようです。

低酸素脳症とは

低酸素脳症とは、なんらかの原因で脳に酸素が行き届かなくなってしまう病気のことです。
脳の重さは、体重のおよそ2%程度しかないのに対し、酸素の消費量は全体の20%にも及びます。
そのため、酸素の供給が断たれるような事態に陥ると、脳へのダメージは想像以上に大きく、その進行も早いと言われています。
脳の働きにとって重要な役割を果たすのが糖なのですが、その糖の代謝に欠かせないのが酸素なのです。
糖が代謝されないと、神経伝達にかかわる細胞が働く事ができなくなってしまい、結果、運動や認知や感情表現などに影響を及ぼしてしまいます。
原因としては、心臓発作、溺れる、一酸化炭素中毒などがありますが、元々喘息の症状がある人が風邪をこじらせたり、気道の狭い乳幼児が呼吸器系の疾病に掛った場合など、病気によって低酸素脳症になってしまうケースもあります。
低酸素脳症の状態にはいくつかの分類法がありますが、そのひとつにバークロフトの分類というものがあり、4つの状態に分類されます。
無酸素性無酸素状態…体に吸収される酸素の不足、貧血性無酸素状態…酸素を脳に運ぶ血液の不足、閉塞性低酸素状態…脳血流や血圧の低下、毒物性無酸素状態…毒物や代謝物によって酸素の利用が妨げられた状態、の4種類です。

低酸素血症の酸素療法

動脈血中の酸素分圧が低くなり、様々な症状を引き起こす病気を低酸素血症といいます。
低酸素血症は、肺におけるガス交換が滞ることにより起こりますが、結果、呼吸困難や意識障害、血圧の上昇、頻脈といった症状が起こり、重篤な場合には呼吸不全に陥ったり、心不全などの命にかかわる病気の引き金になる可能性もあります。
この低酸素血症の治療には、酸素療法を行うのが一般的とされています。
低酸素血症のみの場合、低酸素血症と高炭酸ガス血症を併発している場合、どちらに関する呼吸不全も、徐々に呼吸不全が常態化する慢性呼吸不全という症状になるため、進行が遅い分、体の機能も血中酸素分圧の低下に順応していることもあり、在宅での酸素療法を行うことで、ある程度の安定を保持しながら生活することが可能になります。
この在宅酸素療法は、自宅で酸素吸入をする治療のことで、投薬などの別の治療と並行したり、栄養や禁煙の指導を受けるなど、呼吸リハビリテーションの一環として行われるものだそうです。
酸素吸入は、家庭内でコンセントを利用して空気中の酸素から濃縮酸素を作り出す据え置き型の器械から、液体酸素を吸入器に充填して使用する小型のものまであり、外出時には小型のものにするなど、状況に応じて使えるようになっているみたいですが、医師が必要と認めた人が指導の下で使用するものなので、副作用についても慎重に医師との相談の上使用するようにします。

低酸素血症の症状

健常な人の動脈血の酸素分圧は88mmHg前後ですが、これが低くなってしまうと低酸素血症となってしまいます。
この低酸素血症は、60〜70mmHgを準呼吸不全状態、酸素分圧が60mmHg以下を呼吸不全と定義づけられていて、気管支喘息や肺気腫など肺の疾患により、肺のガス交換機能が低下することで起こるということです。
低酸素血症の症状は、呼吸困難やチアノーゼという症状の他に、意識障害や不安、視力低下、判断力が鈍るなどの精神・神経障害や、不整脈、手足が冷たくなる、血圧上昇などの循環器の障害といった症状がみられます。
また、喘息や肺気腫という病気でガス交換の低下が起こると、低酸素血症と併せて炭酸ガスが蓄積されることによる、高炭酸ガス血症になる場合もあるそうです。
これが特別な病気なのかと言えばそうではなくて、最近危険視されている睡眠時無呼吸症候群によっても、この低酸素血症や高炭酸ガス血症が引き起こしてしまうそうなんです。
前述の精神障害や心臓に負担が掛るような症状の他に、睡眠中に何度も呼吸が停止してしまうために十分眠れず、昼間に眠気が襲ってくることにより、特に車の運転をする仕事をしている人には、命にかかわることもあります。
他には、高炭酸ガス血症の症状として頭痛を起こしてしまうこともあるので、日常生活において非常に不都合をきたす場合もあるようです。

低酸素血症とは

低酸素血症とは、通常健康な人の動脈血中の酸素分圧は81〜95mmHgに保たれていますが、これを下回る状態のことをいいます。
酸素分圧が60mmHg以下を呼吸不全、60〜70mmHgを準呼吸不全状態と呼びます。
この低酸素血症になる原因は、肺炎や気管支喘息などで、低酸素血症の状態が続くと意識障害や不整脈が起こったり、命にかかわることもあるということです。
ところで、気管支や肺の病気でなくても低酸素血症の原因になることがあるのをご存知ですか?
睡眠時無呼吸症候群というのがそうなんですが、睡眠時に上気道がふさがることで10秒以上の呼吸停止や、換気量が半分以下になってしまう低呼吸を繰り返す病気で、この呼吸が止まったり呼吸が十分ではない状態の時に低酸素血症になってしまうそうなんです。
そうなると、苦しくなってしまうので結果脳が覚醒してしまい、また呼吸を始めて眠るというのを繰り返すため、しっかりとした睡眠がとれず、日中に眠気が出て日常生活に支障をきたすばかりか、低酸素血症は心臓に負担が掛るので心筋梗塞にもつながるそうです。
このように、低酸素血症は意外と身近に潜む病気なのかも知れません。