サッカーW杯:街頭応援でわいせつ行為、被害相次ぐ
深夜に試合が行われるため、性犯罪が起こりやすい状況
ソウル市内の高校2年生Cさん(17)は今月17日、同市江南区三成洞のCOEX前の永東大通りで行われた、サッカー・ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会の街頭応援に出掛け、予期せぬ出来事に遭遇した。アルゼンチンに2対0でリードされていた前半ロスタイム、李青竜(イ・チョンヨン)がゴールを決めると、観戦していた市民たちは一斉に歓声を上げ、互いに抱き合って喜んだ。Cさんも歓声を上げ、友人と手を取り合い、ピョンピョンと飛び跳ねていた。そんなとき、突然男が背後から、片手をCさんの肩に置き、もう一方の手で胸や尻を触った。Cさんが後ろを振り向くと、20代と思われる男は間もなく、群衆の中に消えた。Cさんは「男の顔を見ておらず、すぐに逃げたため、警察に通報することもできなかった。W杯だからということで、両親が夜の外出を許してくれたのに、完全に気分をぶち壊された。もう街頭応援には絶対に行かない」と話した。
W杯の街頭応援に出掛けた女性たちが、わいせつな行為をされたという情報が相次いでいる。韓国と南アフリカの時差の関係で、夜8時、11時、午前3時30分といった遅い時間帯に試合が行われるため、性犯罪が起こりやすくなっているためだ。特に、危機に対処する能力がまだ不十分な女子中高生は、わいせつな行為をされても、怖くて我慢したり、恥ずかしくて周囲に助けを求められない状況だ。
インターネットの掲示板では、街頭応援に出掛けた女性たちが、わいせつな行為をされたという内容の書き込みが相次いでいる。ポータルサイト「ネイバー」のコミュニティーでは、「パラム(風)」というIDのユーザーが、「いとこが街頭応援に出掛けて、わいせつな行為をされたと聞いた。(韓国が勝ったため)うれしさに酔いしれ、最初は分からなかったが、後で胸を触られていたことに気付いたという」と書き込んだ。また、「タンタリアン」というIDのユーザーも、「友人が街頭応援に出掛けたとき、男の手がずっと胸に当たっていた」と書き込んだ。
一方、あるコミュニティーでは、「街頭応援に出掛けて、無意識のうちに女性の胸を触った。本当に気分が良かった(笑)」と、わいせつな行為をしたことを打ち明ける書き込みもあった。
また、決勝トーナメント進出が決まった24日朝、ソウル市内の通りで、5-6人の男性がホットパンツ姿の女性を車のボンネットの上に乗せ、わいせつな行為をするシーンを撮影した写真が、ネット上で出回っている。また、京畿道坡州市では21日、韓国-アルゼンチン戦の街頭応援に出掛けた女子中学生のKさん(16)にわいせつな行為をした40代の男が警察に検挙された。
26日に行われるウルグアイ戦の街頭応援でも、女性たちは注意を払う必要がある。警察は、ソウル広場に15万人、永東大通りに12万人、漢江公園(盤浦地区)に12万人など、全国で約182万人が街頭応援に出掛けると予想している。ソウル地方警察庁のコ・ビョンギ女性・青少年係長は、「W杯の街頭応援へ出掛けるときは、一人では行かず、大人と一緒、または複数で出掛けるのが望ましい。わいせつな行為をされたときは、大声で『やめて』と叫び、周囲の人たちに知らせ、すぐに取り押さえるようのも一つの方法だ」とアドバイスしている。
キム・シヒョン記者